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Oracle® Load Testing Load Testingユーザーズ・ガイド
バージョン9.31
B62626-03
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1 概要

Oracle Load Testingを使用すると、WebアプリケーションやOracleパッケージ・アプリケーション、そしてWebサービスのパフォーマンスおよびスケーラビリティを簡単かつ正確にテストできます。Oracle Load Testingは、エンドユーザー・ワークロードをシミュレートする目的でアプリケーションに負荷をかけるだけでなく、プロトコルに基づいた従来のクライアント・サーバー型のテスト・ツールでは実現されなかった厳密な検証を可能にします。Oracle Load Testingに統合されたスクリプト・プラットフォームは、スクリプト作成にかかる時間を削減し、プロジェクトのテスト期間を短縮します。Oracle Load Testingは、Oracle Enterprise Managerソリューションの中核製品として、パッケージ・アプリケーション、Webアプリケーション、およびサービス指向アーキテクチャに基づくアプリケーションに対して、包括的なテストを実現するOracle Application Testing Suiteのコンポーネントです。

Oracle Load Testingを使用すると、WebアプリケーションやOracleパッケージ・アプリケーション、そしてWebサービスのパフォーマンスおよびスケーラビリティを最も簡単に検証できます。ハードウェアに大きな投資をすることなく、数千もの仮想ユーザーによるアプリケーションへの同時アクセスをシミュレートし、この負荷がアプリケーション・パフォーマンスに与える影響を測定できます。

Oracle Load Testingで設定できる現実的な使用シナリオで、きわめて複雑なアプリケーションも処理できます。仮想ユーザーが様々なユーザー・パラメータ(設定可能なブラウザ・タイプ、接続速度、思考時間など)をシミュレートできるようにすることで、テスト担当者は実際のユーザーと同じようにWebアプリケーションに負荷を与え、ピーク負荷のときのプリケーションのスケーラビリティを正確に把握することができます。Oracle Load Testingの仮想ユーザーは、マルチスレッドのブラウザ・リクエストを生成し、負荷時における機能検証、すなわちプロトコルに基づいた従来のクライアント・サーバー型テスト・ツールでは実現されなかった厳密な検証を実行できます。

Oracle Load Testingは、Webサービス用に統合された負荷テスト・アクセラレータを通じて、SOAベース・アプリケーションに何千という同時クライアントがアクセスする状態をシミュレートすることで、Webサービス・インタフェースのパフォーマンス・テストにも使用できます。また、Oracle E-Business Suite、SiebelおよびADFアプリケーション用に統合された負荷テスト・アクセラレータでは、Oracleアプリケーションのテストでも最適化された効率の高いパフォーマンスが実現されます。

1.1 機能の特長

Oracle Load Testingには、Webベース・アプリケーションの負荷テストについて次のような利点があります。

1.2 Oracle Load Testingの利点

Oracle Load Testingには、Webベース・アプリケーション用の従来の負荷テスト・ツールと比較して次のような多くの利点があります。

1.2.1 Webベースのインタフェース

Oracle Load TestingはOracle WebLogic Server上にデプロイされるので、Webベースで直感的なそのインタフェースを利用して負荷テストのシナリオを設定し、負荷テスト時のアプリケーションのパフォーマンスをテスト担当者が解析できるようにグラフとレポートを生成することができます。任意のWebブラウザで簡単に、負荷テストの設定やサーバー監視の設定から、テストの実行、リアルタイムおよび実行後の結果の表示まで行うことができます。Oracle Load Testingでは、協調的なテストを通じて、分散したユーザーでも実行中の同じ負荷テストの結果を自身のブラウザで表示し解析できるので、分散したチームの時間負担が緩和され、ライブ負荷テストの複雑さも軽減されます。チームの対話が促され、ライブ・テスト・プロセス全体で解析、診断、チューニングの生産性が向上します。

1.2.2 インフラストラクチャ・パフォーマンスの監視

またOracle Load Testingは、Webサービスやアプリケーション・サーバー、データベース、その他のインフラストラクチャ・コンポーネントの詳細なパフォーマンス・メトリックを記録して、包括的なインフラストラクチャ・パフォーマンスも監視します。この情報を仮想サーバーから収集したパフォーマンス結果と組み合せれば、開発者はテストの実行中でも実行後でもアプリケーションのパフォーマンスを解析して最適化を図るために必要な情報を利用できます。

また、Enterprise Manager 11gのユーザーは、Oracle Load TestingをEnterprise Managerのアプリケーション・ミドルウェア診断と組み合せて使用することで、負荷がかかった状態のアプリケーション・パフォーマンスをより詳細に把握できます。ユーザーはOracle Load Testingの負荷テスト・セッションからEnterprise Manager 11gのミドルウェア・ターゲットにリンクすることで、負荷テスト中のJ2EEパフォーマンス診断を分析できます。

Oracle Load Testingでは、負荷テストの結果に関する実行後レポートを簡単にカスタマイズできます。これらの履歴レポートを使用すると、複数の負荷テスト・セッションの結果を比較し、アプリケーション・インフラストラクチャの各層から収集したパフォーマンス統計に仮想ユーザーの応答時間を関連付けることができるため、パフォーマンスのボトルネックを特定および診断できるようになります。

1.2.3 Oracle Load Testingによるアプリケーション・パフォーマンスの最適化

Oracle Load Testingは、システム・アーキテクチャ、チューニング、代替ホスティングに関する重要な意思決定を支援します。Application Testing Suiteに統合されたスクリプト・プラットフォームであるOpenScriptを利用して、負荷テストのスクリプトを作成すると、複雑なビジネス・トランザクションを自動化できます。この統合スクリプト・プラットフォームは、直観的なグラフィカル・スクリプト・インタフェースとコード・レベルでスクリプトを拡張できる強力なJava IDEによって、使いやすさと柔軟性を同時に実現しています。また、製品に統合されたテスト用アクセラレータでは、SOAアプリケーションやOracleパッケージ・アプリケーションのテスト向けにカスタマイズされた機能が提供されています。負荷テストのスクリプトはオラクルのReal User Experience Insight (RUEI)製品からOpenScriptでも生成することが可能で、このスクリプトはRUEIで取得されたアプリケーションにおける実際のユーザー・セッションをベースにしています。

Oracle Load Testingを利用すると、パフォーマンスを制限し、アプリケーションの実行速度を低下させる可能性のあるボトルネックを正確に特定できます。この製品に備わる完全なWebベースのユーザー・インタフェースでは、アプリケーション・インフラストラクチャを監視するための負荷テストおよび統合パフォーマンス診断を設定して実行することで、ボトルネックを特定できます。また、Oracle Load Testingでは、テスト担当者が各自のブラウザを使用して、負荷テスト中のリアルタイム結果を表示および共有できるため、マルチユーザーによるコラボレーションが実現されます。配置の前に、ピーク負荷状態におけるアプリケーションのチューニングが可能なため、重要なビジネス・アプリケーションを良好な状態に維持できるようになり、結果として収益も向上します。