構成例

このセクションでは構成例を示し、サーバー上での mcf ファイルの設定に関連するさまざまな手順および判断について説明します。

すべての構成例で、自動ライブラリだけでなく、その他のリムーバブルメディアデバイスも定義されているために、実質的にファイルシステムがディスクキャッシュのサイズを超えて拡張されている可能性があることに注意してください。リムーバブルメディア装置の構成は、1 つの例だけに示しています。リムーバブルメディアデバイスの構成については、『Sun Storage Archive Manager 5.3 構成および管理ガイド』の第 2 章「アーカイブ用のストレージデバイスの構成」を参照してください。

構成サンプルでは、ファイルシステムがシステムに読み込まれていることと、すべてのファイルシステムがマウントを解除されていることが前提になっています。

ラウンドロビン式ディスク構成を作成する方法

この構成例は、メタデータを低遅延ディスクに分離する Sun QFS ファイルシステムを示しています。ラウンドロビン式割り当てが 4 つのパーティションで使用されます。各ディスクは別のコントローラにあります。

この手順では、次のように仮定しています。

メタデータデバイスは、コントローラ 5 上で使用される 1 つのパーティション (s6) であり、このデバイスの論理ユニット番号 (LUN) 0 は装置番号 11 として指定されます。
データ装置は、4 つのコントローラに接続された 4 つのディスクで構成されます。

次のコード例に示すように、mcf ファイルを作成します。

# Sun QFS disk cache configuration
# Round-robin mcf example
# Equipment       Eq   Eq    Fam.  Dev     Additional
# Identifier      Ord  Type  Set   State   Parameters
#-----------      ---   --  ------ ------  ------------------
qfs1                1   ma   qfs1
/dev/dsk/c5t0d0s6  11   mm   qfs1    on
/dev/dsk/c1t1d0s6  12   mr   qfs1    on
/dev/dsk/c2t1d0s6  13   mr   qfs1    on
/dev/dsk/c3t1d0s6  14   mr   qfs1    on
/dev/dsk/c4t1d0s6  15   mr   qfs1    on

/qfs1 ファイルシステムの /qfs マウントポイントを作成します。
```
# mkdir /qfs
```
sammkfs コマンドを使用してファイルシステムを初期化します。
次の例では、デフォルトの 64K バイト DAU を使用しています。
```
# sammkfs qfs1
```
/etc/vfstab ファイルを変更します。
mr データデバイスを含む Sun QFS ファイルシステムでは、デフォルトとしてストライプ化割り当てが使用されるため、ラウンドロビン式割り当てには stripe=0 を設定する必要があります。ファイルシステムに対してラウンドロビンを明示的に設定するには、次のように stripe=0 と設定します。
```
qfs1    -    /qfs    samfs    -    yes    stripe=0
```
ファイルシステムをマウントします。
```
# mount /qfs
```

ストライプ化ディスク構成を作成する方法

この構成例では、デフォルトでファイルデータが 4 つのデータパーティションにストライプ化されています。

この手順では、次のように仮定しています。

メタデータ装置は、コントローラ 0 (LUN 1) で使用される単一パーティション (s6) である。メタデータは、装置番号 11 にのみ書き込まれます。
データ装置は、4 つのコントローラに接続された 4 つのディスクで構成されます。各ディスクは別のコントローラにあります。

次のコード例に示すように、mcf ファイルを作成します。

# Sun QFS disk cache configuration
# Striped Disk mcf example
# Equipment       Eq   Eq    Fam.  Dev.    Additional
# Identifier      Ord  Type  Set   State   Parameters
#-----------      ---   --  ------ ------  ------------------
qfs1               10   ma  qfs1
/dev/dsk/c0t1d0s6  11   mm  qfs1     on
/dev/dsk/c1t1d0s6  12   mr  qfs1     on
/dev/dsk/c2t1d0s6  13   mr  qfs1     on
/dev/dsk/c3t1d0s6  14   mr  qfs1     on
/dev/dsk/c4t1d0s6  15   mr  qfs1     on

/qfs1 ファイルシステムの /qfs マウントポイントを作成します。
```
# mkdir /qfs
```
sammkfs コマンドを使用してファイルシステムを初期化します。
デフォルトの DAU は 64K バイトですが、次の例では DAU のサイズを 128K バイトに設定しています。
```
# sammkfs -a 128 qfs1
```
この構成では、このファイルシステムに書き込まれるすべてのファイルは、128K バイトとしてすべての装置上にストライプ化されます。
/etc/vfstab ファイルを変更します。
Sun QFS ファイルシステムでは、デフォルトでストライプ化割り当てが使用されます。この例では、デフォルトの stripe=1 をストライプ幅に設定しています。次の設定では、4 つのすべての mr 装置すべてに、1 DAU のストライプ幅でデータがストライプ化されます。
```
qfs1    -    /qfs    samfs    -    yes    stripe=1
```
ファイルシステムをマウントします。
```
# mount /qfs
```

ストライプ化グループ構成を作成する方法

ストライプ化グループを使用すると、大容量ファイルに対応できるように RAID 装置をグループ化できます。DAU は、ビットマップ内の 1 ビットで表されます。ストライプ化グループに n 台のデバイスが存在する場合は、n に DAU を掛けた値が最小の割り当てになります。n × DAU を表すために、ビットマップ内の 1 ビットのみが使用されます。

ストライプ化グループで割り当てられる最小ディスク容量は、次のとおりです。

割り当てられる最小ディスクスペース = DAU × グループ内のディスクの数

注 - データの 1 バイトの書き込みは、ストライプ化グループに割り当てられた最小ディスク容量全体を満たします。ストライプ化グループの使用は、特定のアプリケーションに限られます。ファイルシステムでストライプ化グループを使用する場合は、その影響を理解していることが重要です。

ストライプ幅の合計に装置数を乗じた値よりも小さなファイル (この例では 128K バイト x 4 ディスク = 512K バイト未満のサイズのファイル) でも、512K バイトのディスク領域が使用されます。512K バイトを超えるファイルには、必要に応じて合計 512K バイト単位で領域が割り当てられます。

ストライプ化グループの装置は、同じサイズである必要があります。デバイスを追加してストライプ化グループのサイズを増やすことはできません。ただし、samgrowfs コマンドを使用して、ストライプ化グループを追加することは可能です。詳細は、samgrowfs(1M) のマニュアルページを参照してください。

この構成例は、メタデータを低遅延ディスクに分離する Sun QFS ファイルシステムを示しています。2 つのストライプ化グループが 4 つのドライブに設定されています。

この手順では、次のように仮定しています。

メタデータ装置は、コントローラ 0 (LUN 1) で使用される単一パーティション (s6) である。
データ装置は、4 つのコントローラに接続している 4 つのディスク (2 つの同じディスクから構成される 2 つのグループ) で構成されます。各ディスクは、別の LUN にあります。パーティション 6 がディスク全体を占有する仮定され、ディスク全体がデータ格納のために使用されます。

次のコード例に示すように、mcf ファイルを作成します。

# Sun QFS disk cache configuration
# Striped Groups mcf example
# Equipment       Eq   Eq    Fam.  Dev.    Additional
# Identifier      Ord  Type  Set   State   Parameters
#-----------      ---   --  ------ ------  ------------------
qfs1               10   ma  qfs1
/dev/dsk/c0t1d0s6  11   mm  qfs1     on
/dev/dsk/c1t1d0s6  12   g0  qfs1     on
/dev/dsk/c2t1d0s6  13   g0  qfs1     on
/dev/dsk/c3t1d0s6  14   g1  qfs1     on
/dev/dsk/c4t1d0s6  15   g1  qfs1     on

/qfs1 ファイルシステムの /qfs マウントポイントを作成します。
```
# mkdir /qfs
```
sammkfs コマンドを使用してファイルシステムを初期化します。
次の例では、DAU サイズを 128K バイトに設定しています。
```
# sammkfs -a 128 qfs1
```
/etc/vfstab ファイルを変更します。
次の例では、stripe=0 のデフォルト設定を使用しています。これによって実質的に、ストライプ化グループ g0 からストライプ化グループ g1 までのラウンドロビン式割り当てが指定されます。
```
 qfs1    -    /qfs    samfs    -    yes   stripe=0
```
この /etc/vfstab ファイルでは、stripe= オプションを使用してストライプ幅が設定されます。この例には、g0 と g1 の 2 つのストライプ化グループがあります。stripe=0 と指定されているので、ファイルは 2 つのストライプ化グループにラウンドロビン方式で書き込まれます。

注 - ストライプ化グループが作成されたあとにその構成を変更するには、別の sammkfs コマンドを発行する必要があります。
ファイルシステムをマウントします。
```
# mount /qfs
```

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	Sun QFS File System 5.3 構成および管理ガイド Sun QFS and Sun Storage Archive Manager 5.3 Information Library (日本語)