Oracle Fusion Applicationsセールス・ガイド 11g リリース1(11.1.4) B69964-01 |
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この章の内容は次のとおりです。
クオータは、販売組織内の個人に対して設定した販売ターゲットを反映するものです。企業目標の確立後に、マネージャは、すべてのテリトリとその各所有者にクオータが設定されるまで、営業テリトリ階層全体にわたってクオータを配分します。設定されるクオータとの比較として、販売履歴情報とメトリックに基づいたクオータ予測が提供されます。マネージャは、会計年度に対して1つの販売クオータ・プランを使用します。
この図では、販売クオータ・プランに複数のテリトリが含まれており、それぞれにクオータが割り当てられています。販売履歴情報と、予測や市場潜在性などのメトリックに基づいた予測済クオータは、テリトリ・クオータ算式によって計算されます。予測済クオータは、デフォルトのテリトリ・クオータ金額として表示されます。マネージャは、テリトリを個々の営業担当と営業マネージャに割り当てます。クオータは、分散式の適用によって、テリトリまたはリソース間にすばやく割り当てられます。
販売クオータ・プランは、1年間をカバーします。管理者は、クオータ設定プロセスに含めるテリトリを選択し、テリトリ提案を必要に応じて追加して、提案済テリトリに対するクオータの設定を可能にします。
管理者は、販売クオータ・プラン・オプションに対して、すべてのテリトリに適用する調整しきい値、テリトリ・クオータ算式および季節調整係数グループを選択します。販売クオータ・プラン・オプションは、テリトリ・オプションによって上書きされます。たとえば、すべてのテリトリに対して選択された算式は、個々のテリトリに対して選択されたテリトリ・クオータ算式と季節調整係数グループによって上書きされます。
管理者は、通常はマネージャがクオータに追加する調整金額に対してしきい率を設定することもできます。
この図では、季節変動に応じてクオータ金額を増減する季節調整係数を使用して、割当済クオータが各月に配分されています。
販売クオータ・プランには、テリトリ提案を関連付けることができます。営業管理者または営業マネージャは、テリトリ再編成のためなど、新しい提案済テリトリを作成するとき、「クオータに適格」を選択して、提案済テリトリに対するクオータの設定を使用可能にできます。次に、提案をクオータ・プランに関連付けると、現在のアクティブなテリトリ階層内の提案済テリトリが表示され、営業担当はクオータを提案済テリトリに割り当てることができます。
販売履歴情報と、予測や市場潜在性などのメトリックに基づいたテリトリ・クオータは、テリトリ・クオータ算式によって計算されます。計算されたクオータは、販売クオータ・プランでデフォルトのテリトリ・クオータ金額として表示されます。
算式では、テリトリのOracle Essbaseハイパーキューブでマルチディメンション式(MDX)問合せが実行されます。
管理者は、算式のパラメータを変更して、各算式をアクティブまたは非アクティブに設定できます。
次に、いくつかの事前定義済のテリトリ・クオータ算式について説明します。
過去の期間のメジャー値を比率でスケール
過去の選択した年度について、選択したメジャー値の金額を合計します。合計の一定の比率を計算し、その結果を合計に加算します。
たとえば、会計年度2009年のクローズ済営業商談の110パーセントなどです。
2つの連続する期間にわたるメジャー値の変更率
ある年度の選択したメジャー値に対する合計金額をその次年度の合計金額から減算します。差額を最初の年度の合計で除算して、変更率を決定します。2番目の年度の合計値の比率を計算し、その結果をその年度の合計に加算します。
たとえば、2009年度のクローズ済営業商談から2008年度のクローズ済営業商談を減算した結果を2008年度の合計で除算すると、変更率が8パーセントであるとします。計算済クオータは、2009年度のクローズ済営業商談の108パーセントです。
指定した2期間にわたるメジャー値の変更率(現在および過去)
選択した年度の選択したメジャー値に対する合計金額を今年度の合計金額から減算します。差額を前の年度の合計で除算して、変更率を決定します。今年度の合計値の比率を計算し、その結果をその年度の合計に加算します。
たとえば、2010年度のクローズ済営業商談から2007年度のクローズ済営業商談を減算した結果を2007年度の合計で除算すると、変更率が7パーセントであるとします。計算済クオータは、2007年度のクローズ済営業商談の107パーセントです。
独自のテリトリ・クオータ算式を作成するには、Essbase MDXスクリプト・エディタを使用します。
MDX関数の詳細は、Oracle Essbaseテクニカル・リファレンスを参照してください。
MDXクエリーの詳細は、Oracle Essbaseデータベース管理者ガイドを参照してください。
営業マネージャは、クオータの割当を完了すると、クオータをその子テリトリの所有者とリソースに公開します。この結果、子テリトリの所有者は、所有しているテリトリに対するクオータを表示でき、同様に、クオータをその子テリトリの所有者とリソースに割り当てて公開できます。クオータを公開すると、リソース・クオータ情報を含む通知がインセンティブ報酬アナリストにも送信されます。クオータが現在公開されているテリトリ所有者と、クオータを公開した営業マネージャのマネージャは、クオータが公開されたことを示す通知を受信します。
公開する1つ以上のテリトリを選択できます。テリトリを公開するときは、次の内容を公開します。
テリトリ・クオータ
選択したテリトリに対するリソース・クオータ
細かい期間に割り当てられるクオータ
公開済ステータスのクオータは、最初にそのステータスを未公開または改訂保留中に変更しないと、再度変更または公開できません。
季節調整をクオータに適用しなかった場合は、販売クオータ・プランでテリトリに定義した季節調整係数が公開プロセスによって適用されます。季節調整係数グループが定義されていない場合、季節調整係数は適用されず、細かい期間のクオータは存在しません。
除外テリトリは公開できません。選択したテリトリまたはテリトリ・リソースにクオータがない場合、公開は失敗します。
従業員への支払方法は、報酬プランによって制御されます。通常、営業担当にはそのパフォーマンスに応じて支払われます。パフォーマンスの測定に使用する手段の1つは、営業担当に対する販売クオータの確立と、ある期間の実績販売とその期間の営業担当のクオータとの比較です。クオータが公開または変更されるたびに、システムによって報酬アナリストに通知されます。
この図は、テリトリ・リソース・クオータを公開する営業マネージャを示しています。公開によって、インセンティブ報酬アナリストに通知が送信されます。
年度の開始時に、営業管理は、そのテリトリ定義を更新し、営業担当をテリトリに割り当てます。上級マネージャは、そのテリトリと子テリトリにクオータを割り当てます。これらのテリトリの所有者は、同様にその子テリトリの所有者とリソースにクオータを割り当てます。マネージャがクオータを公開すると、子テリトリの所有者がクオータを使用できるようになります。さらに、通知は報酬アナリストにも送信され、公開されたクオータの情報が示されます。
クオータ・プラン期間中には、テリトリ定義、テリトリへのリソース割当、およびリソース(営業担当)へのクオータ割当で変更が発生します。マネージャは、更新されたクオータ情報を報酬アナリストに通知の形式で発行することを選択できます。
報酬アナリストは、特定の期間に対する報酬プランを作成します。アナリストは、クオータ通知を使用して、プラン内のクオータ情報を最新の正しい状態に維持します。アナリストは、提供された情報を分析し、必要な他の調査を実行して、クオータ・プランを手動で更新するか、通知を否認します。報酬プラン・クオータ・ステータスは、報酬アナリストが報酬プランの更新を完了すると完了に設定されます。
差異は、親テリトリに対する調整済クオータ金額と子テリトリ・クオータからのロールアップ合計金額との差異です。差異は分散が可能で、これは子テリトリに加算されることを意味します。
年間クオータは、売上における季節的な見込みを考慮して、より短い期間に配分されます。この見込みは、比率係数として表され、季節(期間)に対するクオータの配分が反映されます。
たとえば、いくつかの製品ラインについて、売上が通常は年度の最終四半期で高く、年度の第1四半期で最も低いとします。「小売」という次のような季節調整係数グループを作成して、年間クオータを自動的に配分し、季節を考慮します。
第1四半期に対しては10パーセント
第2四半期に対しては25パーセント
第3四半期に対しては25パーセント
第4四半期に対しては40パーセント
これらの製品ラインを含むテリトリにクオータを割り当てる場合は、小売季節調整グループを適用して、年間クオータ金額を適切に配分します。
調整は、テリトリ所有者、または子テリトリがある営業マネージャが、自分が所有しているテリトリに割り当てられたテリトリ・クオータに加算する金額です。その後、テリトリ所有者は調整済テリトリ・クオータを子テリトリに割り当てることができます。
選択した子テリトリ間の金額の配分は、分散式によって計算されます。たとえば、分散式は、親テリトリ・クオータと、子テリトリに対するクオータの合計の間の差異を算出して、その差異を子テリトリに分散します。
この式では、選択した分散式に定義されたメトリックを使用して、子テリトリに対して使用する率を計算します。式は、期間に対するメトリック値の各テリトリ分担を調べ、結合されているすべてのテリトリに対する同じメトリックの合計値と比較して、各テリトリに適用する比率を決定します。分散式でメトリックが選択されていない場合は、子テリトリ全体に金額が均等に配分されます。
公開期限は、販売クオータを特定の日付までに公開する必要があることをテリトリ所有者に示すものです。
所有者がクオータを公開する日が公開日です。
テリトリ・クオータの開始日と終了日は、販売クオータ・ターゲットを達成する必要がある期間を定義します。テリトリ・クオータの日付は、クオータ・プランの開始日と終了日の間である必要があり、通常、この日付は、テリトリが販売クオータ・プランの開始後に作成されるか、または販売クオータ・プランの進行中に削除されないかぎり、販売クオータ・プランの開始日および終了日と一致します。
リソース・クオータの開始日と終了日は、営業担当がクオータを達成する必要がある期間を定義し、通常は販売クオータ・プランの開始日および終了日と一致します。
リソースの日付は、次の場合は販売クオータ・プランの開始日および終了日と異なります。
テリトリが削除された場合。テリトリ内のすべてのリソース・クオータに、テリトリの終了日と同じ終了日が設定されます。販売クオータ・プランの終了日にはまだ達していません。
テリトリ・リソースがテリトリから削除され、リソースが失効した場合。
クオータが、将来組織に加入する予定の先日付のリソースに割り当てられている場合。
クオータは通常、プライム・テリトリからの収益金額に基づいて割り当てられます。プレースホルダとして、またはオーバーレイの目的で使用されるテリトリがある場合、通常、これらのタイプはクオータから除外されます。
営業マネージャは通常、クオータ設定プロセスの作業を支援する営業担当または他の従業員を選択します。この個人をテリトリ・チーム・メンバーおよびテリトリ管理者として指定します。管理者には、クオータを割り当てるためにテリトリの所有者と同じ権限があります。
ターゲット・タイプは通常、営業リソースに、テリトリの営業に対してプライムまたは補足(あるいはその両方)の職責があるかどうかを記述します。ターゲット・タイプは収益または収益外のいずれかであり、拡張可能です。