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Oracle Fusion Applicationsセールス・ガイド
11g リリース1(11.1.4)
B69964-01
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2 営業テリトリの管理

この章の内容は次のとおりです。

テリトリのコンポーネント: 仕組み

テリトリ・ディメンション: 説明

テリトリ提案: 説明

テリトリ・カバレッジ: 説明

無効なテリトリ: 説明

テリトリ・ディメンションの使用: 例

地理テリトリの作成: 例

複数のディメンションに基づいたテリトリの作成: 例

テリトリ・カバレッジ: 例

ソース・テリトリと受取テリトリ: 仕組み

テリトリ継承: 重要な選択

継承されるテリトリ・ディメンション: 例

分析を使用したテリトリ提案のテスト: 例

テリトリの復元プロセス

営業テリトリの管理に関するよくある質問

テリトリのコンポーネント: 仕組み

テリトリは、一連の販売アカウント全体に対して営業担当の職責の管轄を定義するために使用されます。営業マネージャは、テリトリ提案を使用してテリトリ定義を変更します。マネージャは、複数の提案を作成し、メトリックとグラフを使用して、提案したテリトリを妥当性、効果および配置について現在の販売目標と比較して分析します。次に、マネージャは最良のテリトリ提案をアクティブ化します。

この図は、テリトリを追加、変更および削除するためのテリトリ提案の使用を示しています。分析後、マネージャは最終テリトリ提案をアクティブ化します。

Territory Components

テリトリ

テリトリには、アクティブであるか、テリトリ提案の一部であるかに関係なく、いくつかの要素が含まれています。地理などの1つ以上のディメンションにより、選択したディメンション・メンバー(ヨーロッパやアジアなど)に従ってテリトリの境界が定義されます。すべてのテリトリには所有者が割り当てられるため、追加のテリトリ・チーム・メンバーを設定できます。

この図は、ディメンション・メンバーが異なる2つの同じディメンション使用して定義された2つのテリトリを示しています。各テリトリには所有者と営業チームが設定されています。

Defined Territories

テリトリ・ディメンション: 説明

ディメンションは、テリトリの管轄の境界を定義する属性です。たとえば、地理ディメンションは、国または郵便番号でテリトリを定義するために使用できます。テリトリ・ディメンションは、販売アカウント、パートナ、引合および商談を正しいテリトリに割り当てるために使用されます。

各テリトリ定義は、割り当てられているオブジェクトの属性と照合されます。製品および販売チャネル・ディメンションは、引合と商談の属性と直接照合されます。残りのディメンションは、テリトリへの販売アカウントの割当時またはテリトリへの引合と商談の割当時に販売アカウントの属性と照合され、この場合は、トランザクションに対する販売アカウントが使用されます。すべてのディメンション値が結合されて、テリトリ境界が定義されます。たとえば、地理が米国で製品がGreen Serversの場合、テリトリ境界は米国AND Green Serversです。

テリトリの定義に使用できるディメンションは、次のとおりです。

管理者は、テリトリを定義するために組織で使用するディメンションを使用可能にします。管理者は、テリトリ・ディメンションの定義時に、選択リストに表示するディメンション・メンバーも選択します。非表示のディメンション・メンバーはすべて、選択リストの「その他」カテゴリに表示されます。「未指定」ディメンション・メンバーは、照合値が不十分なオブジェクトを取得します。

ディメンション・メンバーは、ソース・データとの同期を介して移入されます。たとえば、製品は、製品カタログから同期します。ソース・データへの変更は、その変更がテリトリ・ディメンション・メンバーと同期化された後で、販売アカウント、引合および商談の割当に影響を与える場合があります。たとえば、「指定なし」と指定されていた販売アカウントが指定アカウントに変更された場合、または製品ラインが販売カタログから削除された場合などです。したがって、ディメンション変更の同期化後は、引合、商談およびアカウントに対して、完全な再割当処理を実行することをお薦めします。

アカウント

販売アカウントとその階層は、Oracle Fusion Customer Centerアプリケーションで保守されます。

販売アカウントは、使用目的「販売アカウント」、およびパーティ固有の販売情報を含む販売アカウント・プロファイルを備えたパーティです。パーティに販売先所在地が1つある場合、そのパーティは販売見込み客ではなくなり、新規販売アカウントになります。パーティが何かを購入すると、そのパーティは新規販売アカウントから既存の販売アカウントに変わります。テリトリを定義するときは、通常のカバレッジに設定された境界と一致しない場合でも、テリトリに含める個々のアカウントを選択できます。また、該当するテリトリに対する通常のカバレッジ内のディメンション選択を満たす場合でも、テリトリから除外する個々のアカウントを選択できます。包含または除外の選択に、販売アカウントに対する階層は含まれません。

アカウントを、テリトリ定義に対する通常のカバレッジでアカウント・ディメンションを使用して指定アカウントとして選択するには、その前に、顧客センターで「指定」として指定する必要があります。テリトリを定義するときは、該当する階層に対する他のディメンション定義内に含まれる指定アカウントを選択できます。また、他のディメンション定義内に含まれていない指定アカウントでも、そのアカウントが、顧客階層で他のディメンション定義内に含まれている選択した指定アカウントより上位である場合は選択できます。

管理者は、次の選択肢を使用してアカウント・ディメンションを使用可能にできます。

地理

地理は、地上に境界が設定された物理領域として定義されます。

地理タイプは、地理の分割グループ化であり、2つのタイプのいずれかです。

ゾーンはユーザー定義であるため、解釈が必要です。これらを使用するには、定義に対する会社全体の合意が必要です。これは、すべてのビジネス・ユニット、および同じアカウントに販売するすべての取扱商品全体にわたることを意味します。

マスター地理と組み合せたゾーンは、階層に体系化されます。テリトリ地理の管理を使用したテリトリ階層の設定は、ゾーンを階層に含めるかどうかに関係なく、地理ディメンションを使用可能にするための前提条件です。

産業

産業階層は、顧客分類モジュールから取得されます。

産業ディメンションを使用可能にするには、「産業分類カテゴリ」プロファイル・オプションを、ディメンションのベースとして使用する分類カテゴリに設定する必要があります。使用可能な選択に含まれるのは、産業カテゴリ・グループに属する分類カテゴリのみです。

パートナ

パートナは、パートナ・プロファイルが関連付けられ、「パートナ」使用目的が割り当てられた組織パーティです。パートナはパートナ・センターで定義されます。パートナ中心のテリトリの定義に含める個々のパートナを選択できます。パートナ中心のテリトリ・カバレッジから除外する個々のパートナを選択することもできます。

管理者は、手動による包含および除外に対してパートナ・ディメンションを使用可能にできます。パートナ・ディメンションは通常のカバレッジには使用できません。

販売チャネル

販売チャネル・ディメンションでは、チャネル・パートナを介した間接販売がサポートされます。使用可能な他のディメンションに加え、販売チャネル・ディメンションによって体系化されたパートナ固有のテリトリを作成できます。使用可能な販売チャネルは、直接、間接およびパートナです。販売チャネル・ディメンションは引合と商談に適用されますが、販売アカウントには適用されません。

補助1、2、3

補助ディメンションは、顧客分類モデルに基づいて3つまで定義できます。分類カテゴリを最初に定義し、顧客カテゴリ・グループに関連付けます。

補助ディメンションを使用可能にするには、次の手順を実行する必要があります。

  1. 「分類カテゴリの管理」タスクを使用して、新規分類カテゴリを作成します。親コード割当を許可できます。複数区分コード割当を許可する場合は、顧客レコードで「プライマリ」と指定されている分類が、顧客をテリトリに割り当てるために照合される分類です。

  2. 新規カテゴリに対して分類コードを追加します。階層は、コードありまたはコードなしで作成できます。

  3. 「分類グループの管理」タスクを使用して、CUSTOMER_GROUPカテゴリ・グループ・コードを検索します。グループを編集し、新規分類カテゴリをグループに追加します。

  4. 設定タスク「補助ディメンション1(あるいは2または3)の分類カテゴリの定義」を使用して、いずれかのプロファイル・オプションの値を、作成した分類カテゴリを指すように変更します。この結果、この分類カテゴリは、補助ディメンションに対するディメンション・メンバーのソースになります。

テリトリ提案: 説明

テリトリ提案は、テリトリの変更をモデル化するために使用されるコンテナです。営業責任者およびマネージャは、テリトリ提案を使用して、テリトリを分割する様々な方法をモデル化し、アクティブなテリトリ定義に影響を与えずに結果を表示して、モデルの結果が適切であると判断した場合はテリトリ提案をアクティブ化します。

テリトリ定義は、引合、商談収益項目、販売アカウントなどの作業オブジェクトにテリトリを割り当てるために使用されます。通常は、提案の一部として定義およびアクティブ化された変更によって、新しい通常のカバレッジ定義に基づいてこれらの作業オブジェクトが再割当されます。

注意

提案のアクティブ化によって影響を受けるテリトリの自動再割当をオフにするには、「影響を受けたテリトリの識別使用可能」プロファイル・オプションを、設定および保守タスクの「部分再割当を使用可能にするかどうかを定義」を使用して「いいえ」に設定します。この場合、割当が発生するのは、割当プロセスの実行がスケジュールされるか、手動で起動されたときのみです。

処理

次に、テリトリ提案で実行できる処理を示します。

ルール

次に、テリトリ提案で従うルールを示します。

ステータス

テリトリ提案は、そのライフサイクルで様々なステータスを推移します。

次に、提案ステータスの説明を示します。


ステータス

説明

ドラフト

提案が初めて作成され、様々なユーザーがその子テリトリの変更に参加できます。または、管理者がテリトリを履歴定義に復元し、システムでは必要なすべてのテリトリの提案への追加が完了しています。

アクティブ化保留中

所有者が提案のアクティブ化を要求します。提案は、アクティブ化日までアクティブ化保留中ステータスです。

アクティブ化

所有者がアクティブ化を要求し、アクティブ化日に達した後、無効なテリトリがない場合は、提案がアクティブ化され、テリトリがアクティブになります。

処理中

階層を履歴定義に復元すると、提案に必要な変更を識別するプロセスが起動します。

失敗

この提案の一部としてテリトリに加えられた変更は適用されません。

ユーザーは、公開/取消処理を使用して、提案済子テリトリの所有者による提案への参加を希望するかどうかを示すことができます。子テリトリの所有者は、提案を再発行することによって、そのテリトリへの変更に対する評価が終了したかどうかを示すことができます。次のテリトリ・ステータスは、提案が各テリトリ所有者と共有されたかどうかを示します。

テリトリ・カバレッジ: 説明

テリトリ・カバレッジは、テリトリに何を含めるかまたは何を除外するか、および何を販売できるかを定義する一連の関連ディメンションです。たとえば、製品および地理ディメンションは、北米でラップトップを販売するためのテリトリ・カバレッジを作成するために使用可能にできます。

3つのタイプのカバレッジがあります。

テリトリ提案をアクティブ化すると、通常のカバレッジの変更によって影響を受けるテリトリに対して、販売アカウント、引合および商談の収益明細の再割当が発生します。手動の包含および除外に対する変更の場合は、完全な再割当処理が必要です。

パートナに対するテリトリ・カバレッジ

パートナは、パートナ・プロファイルが関連付けられ、「パートナ」使用目的が割り当てられた組織パーティです。

直接販売と同様に、チャネル・マネージャには、営業活動に関連する管轄を定義する、対応する営業テリトリがあります。一部のチャネル・マネージャは、特定のパートナに割り当てられます。また、一部のチャネル・マネージャは、パートナを伴う営業活動を管理および監視するために割り当てられます。チャネル・マネージャ・テリトリの管轄は、通常、次の1つ以上のカバレッジ・モデルによって定義されます。

無効なテリトリ: 説明

テリトリ提案をアクティブ化したり、ステージ環境で「ステージおよび昇格」処理を実行してディメンション・メンバーを同期化すると、その処理は検証なしで実行されるため、無効なアクティブ・テリトリで終了する場合があります。検証を実行するには、テリトリ提案内から「テリトリの検証」処理を要求します。検証プロセスでは、提案とアクティブなテリトリの両方で、無効なテリトリおよび無効なディメンションが警告アイコンで識別されます。「次の無効」処理を使用して、次の無効なテリトリに移動します。

テリトリが無効になる方法は2通りあります。

  1. テリトリまたはその子のいずれかに、削除されたディメンション・メンバーが含まれている場合。次に例を示します。

  2. テリトリは、境界がその親テリトリの境界を越える場合は無効になります。次に例を示します。

オプション検証

親の境界を越える子テリトリを意図的に設定できるように、特定のテリトリに対する補助的な検証はオフにできます。これを実行するには、テリトリを編集して、「オプション検証の適用」を「いいえ」に設定します。この結果、検証では、テリトリがその親より大きいかどうか、テリトリにそのテリトリより大きい子が含まれているかどうかはチェックされません。

次に、オプション検証を使用する場合の例を示します。

ギャップ、重複およびメトリック

メトリック情報は、削除されたディメンション・メンバーが原因で無効になっているテリトリに対しては使用できません。ギャップおよび重複レポートでは、テリトリ検証が実行され、テリトリが無効な場合は表示されません。親より大きい子を含むテリトリがレポートに表示されるのは、これらのテリトリに対するオプション検証がオフの場合です。

テリトリ・ディメンションの使用: 例

営業管理者は、テリトリを定義するために組織で必要なディメンションのみを使用可能にします。次の例は、定義されたテリトリを使用して、販売アカウント、引合および商談を正しい営業担当に割り当てるための様々なディメンションの使用を示しています。

地理

ほとんどの営業活動については、市および郵便番号によって営業担当を割り当てます。

アカウント

上位の営業担当が担当する必要がある得意先がいくつかあります。アカウント・ディメンションを使用して、個々の販売アカウントに対するテリトリを作成します。

アカウント・タイプ

主な販売アカウントを指定アカウント・テリトリに割り当てます。指定アカウント・テリトリには、地理などの他の条件によって識別される子テリトリを設定できます。また、階層内に主な指定販売アカウントを含まない、「指定なし」アカウント・タイプのテリトリも設定します。

顧客規模

ある製品ラインは、特定の規模を超える組織にのみ適しています。製品ラインに対して比較的規模の大きい顧客のみをターゲットとするには、顧客規模ディメンションを使用します。

産業

あるタイプのサービスは通信会社に、別のサービスは公益事業に、3番目のサービスは保険会社に販売しています。産業ディメンションを使用すると、それぞれに対するテリトリを作成できます。

製品

営業担当に高度な技術知識が必要な製品ラインを販売しています。この製品ラインに対しては別のテリトリを作成します。

販売チャネル

規模の小さい販売アカウントは地理別にパートナ販売組織に委任します。

地理テリトリの作成: 例

営業テリトリを分割する最も簡単な方法は、地理別です。次に、地理別にテリトリを割り当てる例を示します。

小規模な営業チームがあり、電話を使用して世界中に製品を販売しています。すべての営業担当には、すべての顧客にすべての製品を販売するための専門知識があります。テリトリを国別に定義することを選択します。米国内の顧客は1人の営業担当には多すぎるため、国に対しては1つの親テリトリがある異なる州別のテリトリを作成します。

郵便番号

会社では主に、北米およびヨーロッパのいくつかの主要都市にある会社を現地訪問することによって販売しています。都市の顧客にサービスを十分に提供するには、各都市に複数の営業担当を割り当てる必要があります。郵便番号別に定義され、国別に定義された親テリトリで階層が作成されたテリトリを作成することを選択します。割り当てた郵便番号内に含まれない場所にある販売アカウントは、親の国テリトリに割り当てられます。

複数のディメンションに基づいたテリトリの作成: 例

次のシナリオでは、様々なディメンションの組合せを使用してテリトリの新規階層を定義する例を示します。

シナリオ

会社のテレスコープ部門では、特別なタイプの顕微鏡および関連アクセサリと消耗品を製造し、販売しています。現在は主に、米国中の医学研究所に販売し、他の産業への販売も少しあります。会社では最近、東部にある2つの大規模な総合大学といくつかの単科大学に顕微鏡の供給を開始しました。経営者は、この産業に何人かの営業担当を専任させ、総合大学を指定アカウントとして識別して、この新しい市場の拡大に重点を置こうとしています。

次の図は、部門に対する現在のテリトリ階層を示しており、部門は米国の東部と西部に分割され、米国内であると識別されていないアカウントを捕捉するための親テリトリがあります。会社のテレスコープ部門に対するすべてのテリトリの定義には、製品グループであるテレスコープ、アクセサリおよび消耗品が含まれています。

Existing Territory Hierarchy for Telescopes
Division

テレスコープの販売には、高い知識と経験を備えた営業担当が必要です。したがって、次の図に示すように、各USリージョン内では、テレスコープの販売をアクセサリと消耗品の販売から分離します。これを実行するには、テレスコープ製品に対応したテレスコープ・テリトリ、およびテレスコープ消耗品とアクセサリ製品グループに対応したテレスコープ消耗品テリトリを定義します。

Regional Territories Divided by Product

テレスコープ東部テリトリは、次のように定義されます。

テレスコープ消耗品東部テリトリは、次のように定義されます。

次の図に示すように、4年制の単科大学と総合大学、および2年制の単科大学に対して、産業ディメンション・メンバーによって定義された2つの子テリトリを追加します。4年制の単科大学と総合大学テリトリ内で、現在の顧客である2つの総合大学を指定アカウントとして追加すると、それらにサービスを提供するための専任営業担当が設定されます。

Telescopes East Territory Hierarchy

単科大学と総合大学東部テリトリは、次のように定義されます。

コミュニティ・カレッジ東部テリトリは、次のように定義されます。

各総合大学指定アカウント・テリトリは、次のように定義されます。

他の指定アカウントを必要に応じて追加できます。

次の図に示すように、同じ方法で米国西部のテリトリ階層を作成します。販売管理によって、テレスコープを購入していない3つの総合大学が指定アカウントとして指定されました。

Telescopes West Territory Hierarchy

テリトリ・カバレッジ: 例

テリトリ・カバレッジは、テリトリに対するディメンション値の単一の組合せです。カバレッジには、通常、包含および除外の3つのタイプがあります。通常のカバレッジは、1つ以上のテリトリ・ディメンションの組合せで構成されます。個々の販売アカウントまたはパートナは、通常のカバレッジのディメンション選択に関係なく、テリトリへの包含または除外を選択できます。次のシナリオでは、包含および除外テリトリ・カバレッジを使用する場合の例を示します。

シナリオ

2人の営業担当が、別々の地理領域であるテキサスとカリフォルニアで、指定アカウントを除くすべてのアカウントをカバーしています。Tomはテキサス・テリトリを、Sueはカリフォルニアを所有しています。Sueには、テキサスにあるA1販売アカウントと特別な関連があります。A1は、戦略的アカウントではないため指定アカウントではなく、指定アカウントに変更すると、Fusion内の他の営業チームや他の領域に影響を与えます。解決策は、A1をSueのテリトリに手動包含として追加し、Tomのテリトリには手動除外として追加することです。

シナリオ

営業担当は、10〜20の個別に割り当てられたアカウントに販売しています。通常のカバレッジは定義しませんが、アカウントを包含として手動で割り当てます。

シナリオ

得意先責任管理者が、いくつかの戦略的アカウント(指定アカウント)とそのアカウントのすべての子会社を担当しています。アカウント・ディメンションを使用して通常のカバレッジを定義し、各戦略的アカウントを選択します。さらに、アカウント・タイプ・ディメンションを「すべて」に設定すると、得意先責任管理者が、戦略的アカウントの指定子会社と指定なし子会社の両方に販売することを意味します。

ソース・テリトリと受取テリトリ: 仕組み

テリトリ継承を使用すると、多数のテリトリ全体にわたってディメンション変更を伝播する作業が軽減されます。1つ以上の受取テリトリが、1つ以上の選択したディメンションを単一のソース・テリトリから継承します。ソース・テリトリに対するディメンション・メンバーの変更は受取テリトリに自動的に渡され、継承している受取テリトリを手動で変更する必要はありません。

ソース・テリトリと受取テリトリには異なるテリトリ所有者を設定でき、異なる階層に配置できます。次の図で、受取テリトリは、ソース・テリトリから3つのディメンションの中の2つを継承し、所有者はソース・テリトリと異なります。

Dimensions inherited from a source territory

ソース・テリトリ内の継承ディメンションに加えられた変更によって、そのソース・テリトリから継承したすべてのテリトリのディメンションも変更されます。次の図で、ソース・テリトリ内の製品ディメンションは、ラップトップからコンピュータに変更されています。受取テリトリでは、製品コンピュータに自動的に変更されます。

Product dimension changed

ソース・テリトリ

テリトリ提案のテリトリを編集するときは、ソースとして機能する2番目のテリトリを選択し、継承対象のディメンションを1つ以上選択して、提案をアクティブ化します。

受取テリトリ

受取テリトリは、指定したディメンションのみをソース・テリトリから継承します。ソース・テリトリ内のこれらのディメンションに加えられた変更によって、受取テリトリ内のディメンションも自動的に変更されます。テリトリ定義の自動継承を終了するには、ソース・テリトリを「なし」に変更します。

テリトリ継承: 重要な選択

各テリトリの境界は個別に定義するか、ソース・テリトリからディメンション・メンバーを自動的に継承するようにテリトリを定義できます。ソース・テリトリはいずれの階層内でもかまいません。その後、継承ディメンションに対する手動更新が必要なのはソース・テリトリのみで、受取テリトリはディメンションの変更を継承します。

継承

テリトリ継承の使用には、次の事項が適用されます。

継承されるテリトリ・ディメンション: 例

あるソース・テリトリに対してディメンション変更を加え、これらの変更を、ソース・テリトリに対して継承関係がある受取テリトリに自動的に伝播するには、テリトリ継承を使用します。

産業継承

会社では、包装用の箱を同様の箱を使用する様々な産業に販売しています。次の製品ラインを販売しています。

それぞれの営業担当には異なる産業に関する知識があるため、産業ごとに別々のテリトリを定義します。

製品と製品ラインの名前は、製造と材料の変更によって頻繁に変わります。同じ段ボール箱ラインを使用する4つの産業があるため、製品名を更新するためのソース・テリトリに家庭用電化製品テリトリを選択し、他の3つの産業テリトリは製品の変更を継承します。

この図は、家庭用電化製品産業ソース・テリトリと、ソース・テリトリから製品名を継承する他の産業テリトリを示しています。

Industry territories inherit products

地理継承

各産業テリトリは、変更の少ない、完全に同じ地理領域に分割されます。したがって、家庭用電化製品産業に対する地理テリトリをソース・テリトリとして使用し、各産業に対する地理テリトリは、この家庭用電化製品の地理から継承します。

この図は、家庭用電化製品産業の子テリトリから地理ディメンションを継承する、宝石産業テリトリの地理の子テリトリを示しています。

Geography dimension inheritance

年内に、米国でビジネスを展開するため、テリトリを2つのテリトリに分割する時期です。米国ソース・テリトリを、北米に変更すると、他の産業テリトリに対する米国テリトリはこの変更を継承します。次に、各産業テリトリ階層に対して、中米および南米に対する新規テリトリを追加し、それぞれに継承を設定します。

How inheritance works when you change
and add territories

製品および地理継承

様々なテリトリが、同じソース・テリトリから同じディメンションまたは異なるディメンションを継承できます。

この図は、製品ディメンションと地理ディメンションの両方の継承を示しています。宝石産業テリトリは地理のみを継承し、玩具産業テリトリは地理と製品の両方を継承します。

Both product and geography inheritance

分析を使用したテリトリ提案のテスト: 例

設定した目標を提案が達成するかどうかを判断するには、グラフを表示して、提案済テリトリの変更を既存のアクティブ・テリトリと比較します。新規テリトリはより公平で生産的ですか。複数の提案のテリトリ変更を評価したり、単一の提案内で行われたテリトリ変更の結果も確認します。

シナリオ

新しい地理境界による提案済テリトリ・バージョンとアクティブ・バージョンの間で変更された販売アカウントの数がどれくらいかを確認します。テリトリを選択し、現在の四半期に対する顧客数メトリックとバージョン比較、アクティブ・バージョン比較を選択します。提案済テリトリ内の販売アカウントがかなり多いことがわかります。

次に、選択したテリトリのすべての子テリトリを比較し、販売アカウント数に多数の変更があるのが1つの子のみであることを確認し、子テリトリを再編成する必要があると判断します。

テリトリの復元プロセス

テリトリの復元によって、テリトリ定義は特定の日付時点の状態に変更されます。

テリトリの復元に影響を与える設定

復元は、選択した日付が過去の日付か現在の日付か、選択したテリトリのみの復元か全テリトリの復元かの選択によって決定されます。

テリトリ復元の処理方法

アプリケーションでは、選択した日付時点で次の変更が行われます。

復元の選択によって、復元されるテリトリが決まります。

現在の日付を選択した場合、テリトリ定義は現在アクティブな定義に復元され、提案内で行われた変更は破棄され、ユーザーは「提案」ページに戻って再度変更を行います。過去の日付を選択した場合は、提案ステータスが「処理中」に変わり、「テリトリ提案の管理」ページに戻ります。提案処理が完了すると、その提案には、選択したテリトリを復元するために必要な変更が含まれます。

営業テリトリの管理に関するよくある質問

テリトリ管理者はいつテリトリを定義しますか。

営業マネージャは、割当済テリトリとその営業担当に関する知識があるため、テリトリを定義し、テリトリを最も公正に割り当てることができます。営業マネージャは、時間を節約するために、営業管理者にテリトリ定義活動を委任します。セキュリティを使用して、特定のテリトリ階層分岐を営業管理者に割り当てたり、すべてのテリトリに対するアクセス権を営業管理者に付与します。

メトリック期間とはなんですか。

メトリック値は、選択した1つ以上の期間に基づいて計算されます。

たとえば、2つの異なる年を選択した場合、「クローズ日ごとの」という収益項目メトリックには、クローズ日が2つの年のいずれかに含まれるすべての収益項目が含まれます。「期間終了日における」というメトリックでは、最も最近選択した年の最終日時点の金額が計算されます。平均は、選択した2つの年の情報をすべて使用して計算されます。

取扱商品とは何ですか。

取扱商品は、特定の種類の営利事業に対するカテゴリです。テリトリは、そのテリトリに対して1つ以上の取扱商品を選択することによって変更します。たとえば、実装時にソフトウェア会社では、取扱商品に対して製品の広範な分類を使用し、教育、ライセンスおよびコンサルティングを取扱商品の選択リストに追加します。

指定アカウントはどのようにして複数の営業担当に分割しますか。

指定アカウントのテリトリを複数の営業担当に分割するには、指定アカウントのテリトリを親として子テリトリを作成します。たとえば、IBM Corporationに対する販売アカウント階層があるとします。親は、地理をすべてとして定義した指定アカウントIBM Headquartersです。子テリトリは、同じ指定アカウントIBM Headquartersと、北米やEMEAなどの別々の地理を使用して定義します。この結果、北米にあるIBM Corporationのすべての子会社は、北米の子テリトリによってカバーされます。同様に、EMEAリージョンにあるIBM Corporationのすべての子会社は、EMEAの子テリトリによってカバーされます。

テリトリはいつ復元しますか。

特定の日付より後にテリトリ設定に加えられた変更は、復元を使用してすべて元に戻します。テリトリ提案内の個々のテリトリに加えられた変更や、提案をアクティブ化したときにアクティブ化されたテリトリ定義内の変更を元に戻すことができます。

テリトリの重複とは何ですか。

親が同じ2つ以上の子テリトリが、複数ディメンション・メンバーの同じ共通部分を参照している場合は、テリトリが重複しています。

「テリトリの検証」ウィンドウには、重複しているテリトリが同じ親テリトリの子である重複のみがリストされます。たとえば、ディメンション・メンバーのバージニアを含む子テリトリと、ディメンション・メンバーの米国を含む子テリトリは重複しています。

重複は、意図していない場合は問題です。結果として、2人の営業担当に同じ領域が誤って割り当てられた場合は、重複によって競合が発生し、販売クオータが正しく割り当てられません。

意図的な重複は、クオータがある営業担当がカバーしている同じ領域に、追加の営業担当または技術エキスパートを割り当てる場合に有効です。たとえば、同じ領域に、別々のテリトリを担当する4人の営業担当が必要であるが、技術エキスパートは1人のみ必要な場合があります。テリトリの1つにテリトリ・タイプとして「重複」を割り当てることをお薦めします。

テリトリのギャップとは何ですか。

テリトリのギャップは、1つのテリトリに属しているが、そのテリトリのいずれの子にも属さないディメンション・メンバーで構成されます。

この図では、親テリトリは顧客の規模で定義され、顧客規模に対して使用可能なディメンション・メンバーは小、中および大です。小規模と中規模の顧客に対する子テリトリはありますが、大規模の顧客に対するテリトリが欠落しており、ギャップが作成されます。

A third child territory is required to
fill the gap

エラー訂正提案とは何ですか。

検証ルーチンは、ステージ環境の変更をアクティブ・テリトリと比較し、ステージ環境内のディメンション・メンバーが原因で発生したアクティブ・テリトリの問題を識別します。ステージ環境を実稼働環境に移行するには、生成されたエラー訂正提案を使用して、変更が必要なアクティブ・テリトリを訂正します。

ステージ環境の変更によって無効になるアクティブ・テリトリ・リスト内のすべてのテリトリの横に、「無効」アイコンが表示されます。エラー訂正提案の所有者は、無効なテリトリをエラー訂正提案に追加し、ステージ環境内のディメンション・メンバー変更に対応するように定義を変更する必要があります。たとえば、新たに使用不可にされたディメンションをテリトリから削除します。ステージ環境が実稼働環境に昇格すると、検証プロセスが再度実行され、すべて有効な場合は、エラー訂正提案内のテリトリがアクティブ化されます。