Oracle Fusion Applicationsセールス・ガイド 11g リリース1(11.1.4) B69964-01 |
![]() 目次 |
![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookのサポート・ソフトウェア: 説明
Outlookクライアント・デプロイメント・パッケージの管理
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookアプリケーションを使用するには、その前に、いくつかの設定タスクを実行する必要があります。これらのタスクの1つとして、CRM for Microsoft Outlookをインストールする前に、各ユーザーのコンピュータに必要なサポート・ソフトウェアが存在していることを検証します。
次に、サポートするクライアント・コンピュータのオペレーティング・システムを示します。
Microsoft Windows XP SP3(32ビット)以降
Microsoft Vista SP1(32ビットと64ビット)以降
Microsoft Windows 7以降
次に、サポートするMicrosoft Officeのバージョンを示します。
2007 SP2以降
2010以降
次に、サポートするOutlookプロファイルを示します。
キャッシュ・モードで構成されたMicrosoft Exchangeの電子メール・アカウントと単一のメールボックスが記載されたプロファイル。このプロファイルを使用して、少なくとも1回Outlookを実行する必要があります。
インターネットの電子メール・アカウントが記載されたプロファイル。このプロファイルを使用して、少なくとも1回Outlookを実行する必要があります。
注意
CRM for Outlookをインストールできるのは、Outlookプロファイルのいずれか1つに対してのみです。
CRM for Outlookのインストールで選択したOutlookプロファイル内に既定のメール配信場所として設定されているデータ・ファイルに基づいて、既定のメール配信場所は次のいずれかになります。
.ostファイル
.pstファイル
POPプロトコルのみがサポートされています。IMAPは、次の理由によりサポートされません。
IMAPプロトコルには固有の構造があります。このプロトコルでカスタム・フォルダを作成できるかどうかは、メール・サーバーによって決まります。CRM for Outlookプラットフォームにはカスタム・フォルダを追加する機能が必要で、カスタムCRMオブジェクト(アカウントや商談など)をOutlookと同期化できる必要があります。
IMAPプロトコルでは、既定のメール配信場所をOutlook内に設定できず、CRM for Outlookプラットフォームはプロファイルに設定された既定のメール配信場所にインストールされます。ExchangeメールボックスまたはPOPの.pstのいずれかを既定のメール配信場所に設定できます。既定のメール配信場所ですべてのOutlookアクティビティが処理されるため、プラットフォームにはこの場所が必要です(例: 会議参加者が主催者から通知を受信するのはこの場所のみ)。
注意
CRM for OutlookがインストールされているOutlookプロファイル内の既定のメール配信場所は変更できません。変更するとCRM for Outlookのアドインが失敗します。
次に、サポートするMicrosoft Exchange Serverのバージョンを示します。
Microsoft Exchange Server 2003
Microsoft Exchange Server 2007
クライアント・アプリケーションをサポートするには、Microsoft .NET Framework 3.5 SP1以降が必要です。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookでは、ユーザー・コンピュータに存在するアプリケーション構成の一部がクライアント構成ファイルに記述され、このファイルによってデスクトップ・アプリケーションが拡張されます。クライアント構成ファイルには、Javaスクリプトとして実装されたアプリケーション・ロジックの部分を記述するか、またはXMLとして実装されたUIコンポーネントや同期化マッピングなどのアイテムの宣言構成を記述できます。各構成ファイルには特定のタイプがあります。名前が同じでないかぎり、任意のファイル・タイプに対して同時に複数のバージョンを保持できますが、デプロイメント・パッケージに含めることができるのは、特定のタイプに対して1つのファイルのみです。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookのクライアント・デプロイメント・パッケージは、ユーザーのコンピュータにデプロイされたCRMアプリケーション拡張を記述しているメタデータ・ファイルのコレクションです。CRMアプリケーション・ユーザーは、各自のジョブ・ロールに関連付けられた権限を使用して、指定のデプロイメント・パッケージにアクセスできます。ユーザーがCRMアプリケーション・サーバーに接続して、Microsoft Outlookなどのデスクトップ・アプリケーションからデータを同期化すると、パッケージに変更が加えられたかどうかがアプリケーションによって判断され、変更されたと判断された場合は、変更内容がダウンロードされます。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookのデプロイメント・パッケージには、ユーザーのコンピュータにデプロイされたCRMアプリケーション拡張を記述しているメタデータ・ファイルが含まれています。ユーザーに新しいクライアント構成へのアクセスを提供するには、次の各項の説明に従って、新しいデプロイメント・パッケージを作成するか、既存のパッケージの新しいインスタンスを作成します。
新しいパッケージを作成する場合は、作成したパッケージをアクティブ化することに加えて、そのパッケージにユーザーがアクセスできるようにデータ・セキュリティ・ポリシーを構成する必要があります。この2番目のタスクは、Oracle Fusion Authorization Policy Manager(APM)で実行しますが、各ステップは次のとおりです。
APMアプリケーション・ウィンドウの左上部セクションで、グローバル検索を使用して、Outlook
と同等の検索基準でデータベース・リソースを検索します。これによって、「Outlook Editionメタデータ・パッケージ」という結果が返されます。
「検索結果」ペインで「編集」ボタンを選択して、Outlook Editionメタデータ・パッケージのデータベース・リソースを編集します。
データベース・リソースの編集タブで「条件」タブを選択して、データベース・リソースに対する新しい条件を作成します。一意名/表示名を指定し、SQL述語をpackage_name = '<name_of_deployment_package>'
に設定します(例: package name = 'NewOutlookPackage'
)。
「発行」ボタンを選択して、変更内容をコミットします。
ステップ2を繰り返します。「検索結果」ペインで、「編集」を選択して、データベース・リソースの編集ページを再度オープンし、Outlook Editionメタデータ・パッケージのデータベース・リソースを編集します。
データベース・リソースの編集タブで、ポリシー・タブを選択して、新しいパッケージにアクセスできるポリシー(ZOE_SALES_MGR_OUTLOOK_DUTYなど)を選択し、次に「編集」を選択します。
ページ下部のセクションで、「ルール」タブを選択します。
条件フィールドの横にある参照コントロールを選択して、ステップ3で作成した新しい条件を選択します。
「発行」を選択して、変更内容をコミットします。
既存のパッケージを使用する場合は、異なる構成ファイルを使用して、このパッケージの新しいインスタンスを作成します。この方法を使用する場合は、以前のインスタンスを非アクティブにして、新しいインスタンスをアクティブ化する必要があります。既存のデプロイメント・パッケージの新しいインスタンスを作成するときに、データ・ポリシーを構成する必要はありません。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookのクライアント構成検証ファイル(.xsd)には、有効なクライアント構成ファイル(.xml)の構造が記述されています。アプリケーションは、クライアント構成検証ファイルを使用して、サーバーにインポートされたクライアント構成ファイルが正しく構造化され、検証ファイルの要件に準拠していることをチェックします。検証プロセスは、クライアント構成ファイルのインポート時に自動的に実行されるため、誤った構成ファイルの検出に役立ちます。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookアプリケーションでは、ファイルを使用して、同期化リクエストの処理時に使用されるサービスおよびビュー・オブジェクトを識別してマップし、サーバー上のデータの問合せ、挿入、更新および削除を正確に実行します。使用するのは一度に1つのファイルのみで、ファイルに変更を加えるとアプリケーションによって認識され、変更内容が即時にロードされます。
Oracle Fusion CRM for Microsoft Outlookは、ユーザーによるMicrosoft Outlook内のOracle Fusion CRMデータの操作を可能にするコンポジット・アプリケーションです。このアプリケーションは、アドイン・フレームワークを使用してOutlookにデプロイされ、Outlookデータ・モデルとUIフレームワークを拡張してCRMデータを格納し、ユーザーにレンダリングします。
Oracle Fusion CRMデータは、ユーザーのコンピュータと同期化され、ネイティブなMicrosoft Outlook記憶域で保守されます。Outlookを操作しているときは、社内のネットワークに接続している場合でも、ユーザーはローカルに格納されているCRMデータにアクセスします。CRMデータに加えられた変更は、Oracle Fusion CRMアプリケーションと定期的に同期化されます。CRMデータの格納には、2つのオプションがあります。
オフライン記憶域ファイル(.ostファイル形式)にデータを格納できるように「Exchange キャッシュ モードを使う」が有効化され、Microsoft Exchangeサービスを使用するように構成されたMicrosoft Outlookメール・プロファイル。
インターネット電子メール・サービスと個人フォルダ記憶域(.pstファイル形式)を使用するように構成されたMicrosoft Outlookメール・プロファイル。
CRMデータはOutlook記憶域で保守されるため、他のOutlookアイテムと同様に表示およびアクセスできます。たとえば、CRMデータ・タイプは、他のネイティブなOutlookタイプとともにユーザーのメールボックスのフォルダに表示され、ユーザーは、他のOutlook情報を操作する場合と同様に、そのメールボックスでCRMフォルダを選択したり、CRMレコードを表示できます。特定のフォルダ内のデータを表示するには、単一のレコードを選択してオープンします。この場合、ユーザーはOutlookフォームまたはインスペクタ・ウィンドウ内に表示されるCRMデータにアクセスできます。
Outlookエクスプローラ・ビューや、CRMデータが主要な目的であるインスペクタ・ウィンドウでCRMデータにアクセスする以外に、ユーザーは、予定、電子メール、タスクのような標準のOutlookアイテムを表示するときにCRMコンテキストにもアクセスできます。これらのOutlookタイプの場合、ユーザーは、Outlookアイテムに関連付けるCRM顧客、関連する販売アイテム、担当者およびリソースを指定したり、関連するCRMアイテムに移動して、追加の詳細をレビューできます。
切断中のCRM for Microsoft Outlookユーザーは、Exchangeキャッシュ・モードで格納されているデータ(.ostファイル形式)、または個人フォルダ(.pst形式)に格納されているデータにアクセスできます。ユーザーは、使用しているコンピュータにローカルに格納されているCRMデータを操作し、OutlookとFusion CRMサーバー間でデータを定期的に同期化します。同期化は、ユーザーが社内のネットワークに接続してCRMアプリケーション・サーバーにアクセスできるときに実行されます。同期化プロセスの直後にサーバーのデータにアクセスできますが、ユーザーは常にローカル・セットのCRMデータを操作するため、サーバー上のデータに直接アクセスしたり、データを更新することはありません。ローカル・データ・セットに変更を加えると、同期化プロセスによって、ローカル・データ・セットまたはサーバー・データ・セットに変更が加えられて、2つの内容が調整されます。
CRM for Microsoft Outlookがインストールされた後、ユーザーは、最初の同期化を実行して、アクセス可能なCRMデータを取得する必要があります。最初の同期化に影響を与えるいくつかの同期化設定が、初回実行補助プロセスの一部として構成されています。これらの設定には、自動同期化の頻度、使用する同期化フィルタ、オブジェクトの同期化の有効/無効などがあります。ユーザーは、これらの設定を最初の同期化の後に変更できます。ユーザーが初回実行補助プロセスを完了すると、最初の同期化が開始されます。同期化プロセスの時間は、同期化するレコード数、ネットワーク帯域幅、サーバーの負荷、およびユーザーのコンピュータの処理速度と使用可能なメモリーによって異なります。通常は、5千から1万以内のレコード数を同期化するように同期化フィルタを構成します。
アプリケーションは同期化プロセスで次のステップを実行します。
SOAP over HTTPを使用してFusion CRMサーバーのCRM for Microsoft Outlook同期化サービスに接続し、ユーザーを認証します。
ユーザーがアクセス権を所有する構成を判断するためのチェックを実行します。Outlook構成へのアクセスは、Outlookクライアント・デプロイメント・パッケージへのアクセスが許可されたユーザーのジョブ・ロールに関連付けられている権限に基づいて確立されます。
ユーザーにデプロイメント・パッケージへのアクセス権がある場合は、デプロイメント・パッケージがダウンロードされ、その構成がOutlookメールボックスに適用されます。
最終ステップでデータを同期化します。取得されるレコードは、サーバー上に構成された内部フィルタ、同期化されるオブジェクトに適用されるデータ・セキュリティ、およびユーザー・フィルタに基づきます。
後続の同期化サイクルは、次のステップを含むプロセスに従います。
CRM for Microsoft Outlookは、オブジェクトのリストと現在のユーザーのフィルタを含むリクエストをFusion CRMサーバーに送信して、そのオブジェクト・リストと指定したフィルタの範囲内にあるすべてのレコードのIDとタイムスタンプのスナップショットをリクエストします。
サーバーは、リクエストされた情報が記載されたレスポンスを送信します。
CRM for Microsoft Outlookは、IDとタイムスタンプのローカル・スナップショットを作成し、それをサーバーのスナップショットと比較します。
IDとタイムスタンプのローカル・スナップショットとサーバーのスナップショット間の差異によって、いくつかの処理が発生する可能性があります。
CRM for Microsoft Outlookで発生した前回の同期化以降の変更に基づいて、Fusionサーバーのデータに対して挿入、更新または削除が実行されます。
Fusionサーバーで発生した前回の同期化以降の変更に基づいて、CRM for Microsoft Outlookのデータに対して挿入、更新または削除が実行されます。
すべての場合において、CRM for Microsoft Outlookクライアントのデータにローカルに加えられた変更がFusionサーバーに送信されるのは、後続の同期化セッション時のみですが、1つの変更または一連の変更を即時に変更する場合は、次にスケジュールされている同期化を待たずに同期化サイクルを手動で開始できます。
Fusionサーバーでの同期化プロセスは、WebサービスにアクセスするCRM for Microsoft Outlookによってサポートされます。CRM for Microsoft Outlookでは、同期化処理時にデータへのアクセスを提供するWebサービスと、メタデータへのアクセスを提供するWebサービスの2つのWebサービスに直接アクセスします。同期化プロセスは、Outlookアプリケーション内のCRM for Microsoft Outlookによって開始され、Fusionサーバーは同期化リクエストを受け取り、そのリクエストをWebサービス内の該当する各サービスにルーティングし、適切なレスポンスを返します。次に、同期化アーキテクチャの各部分の実行動作を要約します。
Microsoft OutlookにデプロイされたCRM for Microsoft Outlook同期化エンジンとコネクタは、次の処理を実行します。
事前設定された自動同期化間隔に基づいて、またはアドホック・ユーザー・リクエストによって、新しい同期化リクエストを開始し、新しい同期化サイクルを開始します。
格納されているユーザー名、パスワード、サーバー接続情報に関する詳細、およびユーザーのコンピュータに格納されているCRM公開セキュリティ証明書を使用して、リクエストをフォーマットし、CRMアプリケーション・サーバーに送信します。
ユーザーのコンピュータにデプロイされている構成(デプロイされているオブジェクト・タイプを含む)、それらのオブジェクトの一部として定義されているフィールド、同期化フィルタなどに基づいて、アプリケーションは、適切なSOAPメッセージ・コンテンツを生成し、HTTPまたはHTTPSトランスポートを使用してCRMアプリケーション・サーバーと通信する際に対応するレスポンスを想定します。
Fusionサーバーは、CRM for Microsoft Outlook同期化リクエストをリスニングするアプリケーションをホスティングし、同期化サービスは次の処理を実行します。
OutlookRequestHandlerService Webサービスは、データ同期化の受信リクエストをすべて処理し、OutlookMetadataService Webサービスはメタデータの取得リクエストを処理します。
受信SOAPメッセージが適切なサービスにルーティングされます。これらのメッセージには、ターゲット・サービスのメソッドを起動するための1つ以上のリクエストが含まれています。
具体的には、OutlookRequestHandlerServiceに送信されたリクエストが、同期化プロセスで必要な処理を実行するために他のサービスにルーティングされます。たとえば、予定データを取得するためにOutlookRequestHandlerServiceに送信されたリクエストは、予定Webサービスにルーティングされ、そこでリクエストが処理されてリクエスト・データが返され、OutlookRequestHandlerServiceによって、このリクエストを送信したCRM for Microsoft Outlookクライアントに返されます。
同期化サイクルには、サーバー・スナップショットを取得するためのリクエストが含まれますが、さらに、CRM for Microsoft Outlookがローカル・スナップショットとサーバー・スナップショットの比較で検出された変更内容に基づいてデータの問合せ、挿入、更新および削除を実行するための多数の追加リクエストが含まれる場合があります。
これらの各リクエストは、リクエストのタイプに基づいて処理され、OutlookRequestHandlerService処理内で直接管理されるか、履行する適切なターゲット・サービスにルーティングされます。
標準のOutlookデータ記憶域メカニズムと同期化エンジンに加えて、標準のOutlookユーザー・インタフェースに対する複数の拡張によって、Outlook内のCRMデータにアクセスして管理する方法が提供されます。標準のOutlookユーザー・インタフェースに対する拡張の例には、カスタム・ツールバー・ボタン、メニュー・アイテム、Fusion CRMデータを表示するインスペクタ、標準のOutlookアイテム・インスペクタに埋め込まれたコントロール、パーソナライズ・オプション・ダイアログ・ボックスなどがあります。CRM for Microsoft Outlookクライアントは、これらの拡張を使用して様々なタスクを実行できます。
次に、ユーザーが実行できるタスクの例をいくつか示します。
OutlookでのCRMデータの作成、表示および編集
CRMデスクトップと関連する販売データで共有するOutlookアイテムのマーク付け
販売アイテムのコンテキストでの電子メールの送信、会議のスケジュールなどの標準Outlook処理の開始
拡張されたOutlookユーザー・インタフェースの動作は、データ入力時に様々な検証を実行するカスタムCRMビジネス・ロジックによって影響を受けます。次に、実行される検証の例をいくつか示します。
特定フィールドのデータ型が有効であることを確認します。
必須フィールドにデータが入力されていることを確認します。
読取り専用に構成されているフィールドまたはレコードに対する変更を防止します。
他のフィールドや静的値との比較に基づいてフィールド値を検証します。
他の条件に基づいてフィールドが必須または読取り専用になるように条件付き検証を適用します。
次に、CRM for Microsoft Outlookアーキテクチャで使用する主要な物理コンポーネントを示します。
CRMデータベース
これは、CRMアプリケーションがアクセスする、顧客、担当者、商談などに関するデータが格納されるデータベースです。
CRMアプリケーション・サーバー
これは、CRM for Microsoft Outlookアプリケーションおよび関連するOutlook Webサービスをホスティングするサーバーで、ユーザーのコンピュータで実行するCRM for Microsoft Outlookアドインから送信される同期化リクエストの主要なエントリ・ポイントです。
ラップトップまたはデスクトップ
これは、CRM for Microsoft Outlookアドインがインストールされているコンピュータで、このコンピュータのOutlookでユーザーはCRMデータを操作します。Outlookアドインは、バイナリ・ファイルをインストールしてCRMデータの同期化およびOutlookとの統合をサポートしますが、このサポートには、Outlookデータ・モデルとユーザー・インタフェース、およびアプリケーションを初期化するイメージや文字列が格納されたリソース・ファイルの拡張が含まれます。CRM for Microsoft Outlookアドインは、CRMアプリケーション・サーバーに接続して、このコンピュータにも格納する適切な構成とユーザーのCRMデータをダウンロードします。
統合メッセージ・インフラストラクチャ
統合メッセージ・インフラストラクチャには、電子メール・メッセージの転送をサポートするすべてのサーバー・コンピュータとその他のネットワーク・トポロジ、および企業カレンダ、連絡先、タスク・リストなどの個人情報管理機能が含まれます。
次に、CRM for Microsoft Outlookの機能コンポーネントを示します。
OutlookのCRM拡張
拡張はOutlookデータ記憶域と統合され、ユーザーがCRMデータにアクセスして変更できるように、追加のビジネス・ロジックとOutlookユーザー・インタフェースの拡張を実現します。CRMデータは、Outlookユーザー・インタフェースの拡張によって表示されます。CRMデータに対する変更は、ビジネス・ロジックとカスタム・コントロールによって制御され、最終的にOutlookデータ記憶域(ユーザーのメールボックス記憶域ファイルなど)に格納されます。ユーザーは、自分のコンピュータにデプロイされている構成の定義に従って、CRMアプリケーションのバージョンを操作します。最新の同期化サイクル以降のCRMデータに対する変更は、CRMアプリケーション・サーバーとのデータの同期化時に同期化エンジンによって計算されます。
同期化エンジン
同期化エンジンは、同期化サイクルを開始するためのリクエストを処理し、サーバーに送信するリクエストを作成します。最初の同期化サイクルと増分同期化サイクルについて、同期化エンジンは、ユーザーが使用できるレコードをカウントするリクエストの管理、サーバー・スナップショットを生成するリクエストの送信、ローカル・スナップショットを生成するプロセスの開始、結果の比較、およびローカル・データ・セットとサーバー・データ・セットの同期化を完了するためにCRMアプリケーション・サーバーに送信する必要があるリクエストの計算を実行します。同期化エンジンは、コネクタと連携してメッセージを正確にフォーマットし、CRMアプリケーション・サーバーに送信します。
CRMコネクタ
CRM for Microsoft Outlookアドインのこの部分は、CRMアプリケーション・サーバーに接続して通信する方法を認識します。コネクタは、ユーザー名、パスワード、接続文字列、公開セキュリティ証明書、クライアント・メタデータなどの詳細を使用して、同期化エンジンからのリクエストを解釈して正確にフォーマットし、CRMアプリケーション・サーバーに送信します。サーバーに送信するリクエストのすべての詳細は、同期化エンジンによって編成されますが、リクエストの転送とレスポンスの取得はコネクタによって実行されます。コネクタは、接続文字列の詳細を使用して、リクエストの送信先のCRMアプリケーションWebサービスを認識します。
CRMアプリケーションWebサービス
CRM Webサービスでは、ユーザー・セッションを処理し、Webサービス・コネクタで必要なデータ・オブジェクトを追加、削除、変更、カウントおよびリストする機能を提供します。