1.4 Oracle VM for x86

1.4.1 Oracle VMの統合サポート

Oracle VM for x86(Oracle VM)は、仮想化テクノロジの最新の利点を完備した環境を提供するプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境内にオペレーティング・システムとアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。Oracle VMのコンポーネントは、次のとおりです。

図1.1「Oracle VMのアーキテクチャ」に、Oracle VMのコンポーネントを示します。

図1.1 Oracle VMのアーキテクチャ

Oracle VMのアーキテクチャ。あるコンピュータ上にあるOracle VM Managerのユーザー・インタフェース、管理サーバーおよびリポジトリを示しています。また、別のコンピュータ上にあるOracle VM Server、ハイパーバイザおよびホスト・コンピュータ・ハードウェアも示しています。

Oracle VM Managerは、Oracle Linuxで動作するOracle WebLogic Serverアプリケーションです。これはスタンドアロン・コンピュータ、または、Oracle VM Serverのインスタンスで動作する仮想マシンの一部の場合があります。

Oracle VM Serverは、ベア・メタル・コンピュータにインストールされ、Oracle VM Managerとの通信を管理するためのOracle VM Agentが含まれています。Dom0は、ハードウェアおよびデバイス・ドライバにアクセスできる管理ドメインであるドメイン・ゼロの省略形です。DomUは、ハードウェアまたはデバイス・ドライバに直接アクセスする権限を持たないドメインです。ユーザー・ドメイン(domU)は、dom0によってOracle VM Serverで起動され、管理されます。

1.4.1 Oracle VMの統合サポート

Oracleは、スタック全体にテクノロジを提供するエンタープライズ・アプリケーション、オペレーティング・システム、およびハードウェアのベンダーとして、仮想化市場で独自の位置を占めています。スタック全体を所有することには、次のような様々な利点があります。

  • すべてのコンポーネントの統合および集中管理

  • Oracle VMテンプレート使用による、Oracleテクノロジの事前パッケージ化と配布が可能

  • アプリケーションからハードウェアまで、テクノロジ・スタック全体にわたる統合エンタープライズ・サポート

Oracle VMサポートは、アプリケーションからディスクまでエンドツーエンドの単一のベンダー・サポート・ソリューションを提供する、Oracleのエンタープライズ・サポート・パッケージのアドオン・コンポーネントです。1つのサポート・コールでOracleスタック全体に対応し、問題解決を迅速化します。Oracleサポートを使用して、スタック間での共同作業が必要な問題の場合にOracleサポート・サービス・リクエスト(SR)をサポート・チームの間で移すことができます。たとえば、アプリケーションの問題のためにサービス・リクエストを開き、その根本原因が仮想化レイヤーにある場合、サービス・リクエストはアプリケーション・チームと仮想化チームの間で移されます。