仮想マシンには、テンプレート、アセンブリ、ISOファイル、マウント済ISOファイルなど、なんらかの形式のインストール・メディアが必要です。ドメイン・タイプによって、必要なインストール・ソース・ファイルが若干異なります。表7.2「仮想マシンのインストール・ソース」に、HVMゲストおよびPVMゲストで使用可能なインストール・ソースをリストします。
表7.2 仮想マシンのインストール・ソース
インストール・ソース | HVM | PVM |
---|---|---|
テンプレート(クローン) | 必要 | 必要 |
リポジトリのISOファイル | 必要 | 不要 |
NFS、HTTPまたはFTPサーバー上のマウント済ISOファイル | 不要 | 必要 |
アセンブリ | 必要 | 必要 |
ISOファイルからHVMゲストを作成するときに、仮想マシンのデプロイ先Oracle VM Serverに示されている記憶域リポジトリに事前にロードされているISOファイルを指定する必要があります。ISOファイルのインポートの詳細は、7.5.5項「ISOファイル(CD/DVDイメージ)」を参照してください。
ISOファイルからPVMゲストを作成するときに、リポジトリのISOファイルを使用してオペレーティング・システムをインストールすることはできません。かわりに、マウント済ISOファイルを使用する必要があります。マウント済ISOファイルによってISOファイルの内容がディスクに展開され、オペレーティング・システムのインストール・ツリーが仮想マシンで使用できるようになります。マウント済ISOファイルは、NFS、HTTPまたはFTPサーバーを介して使用できるようにすることができます。「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドでインストール・メディアの場所を指定する場合は、マウント済ISOファイルへのNFS、HTTPまたはFTPパスを入力します。NFS共有およびHTTPサーバーでのマウント済ISOファイルの作成および使用方法の例は、次のとおりです。
例7.1 NFS共有でのインストール・ツリーの作成
この例では、ISOファイルをマウントすることによって、準仮想化ゲスト用のインストール・ツリーが作成されます。インストール・ツリーは、NFS共有を介して使用できるようになります。NFSサーバーで次のように入力します。
# mkdir -p /isos/EL5u6-x86_64 # mount -o ro,loop /path/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso /isos/EL5u6-x86_64 # exportfs *:/isos/EL5u6-x86_64/
仮想マシンの作成時に、「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドに、インストール先を次のように指定します。
nfs:example.com:/isos/EL5u6-x86_64
例7.2 HTTPサーバーでのインストール・ツリーの作成
この例では、HTTPを介してアクセスできるISOファイルからインストール・ツリーが作成されます。HTTPサーバーで次のように入力します。
# cd /var/www/html # mkdir EL5u6-x86_64 # mount -o ro,loop /path/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso EL5u6-x86_64
仮想マシンの作成時に、「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドに、インストール先を次のように指定します。
http://example.com/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso/
複数のISOファイル(CD)がある場合は、各ISOファイル(CD)をマウントし、内容を1つのディレクトリにコピーできます。これによって、すべてのISOファイルが同じ場所から使用できるようになります。