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Oracle Solaris 11.1 での仮想ネットワークの使用 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris でのネットワーク仮想化およびリソース管理
2. Oracle Solaris での仮想ネットワークの作成および管理
3. Oracle Solaris でのネットワークリソースの管理
4. Oracle Solaris でのネットワークトラフィックとリソース使用状況の監視
dlstat コマンドの次のバリアントを使用すると、ネットワークトラフィック情報を収集できます。
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dlstat コマンドの -r オプションまたは -t オプションを使用すると、統計情報をそれぞれ、受信側または送信側に制限できます。さらに、dlstat コマンドのその他のオプションも使用できます。詳細は、dlstat(1M) のマニュアルページを参照してください。
dlstat show-phys サブコマンドは、物理ネットワークデバイスに関する統計情報を提供します。図 4-1 に示すように、このサブコマンドは、ネットワークスタックのデバイス層にあるハードウェアリング上で動作します。また、同等のサブコマンド dladm show-phys も、このスタックの同じレベルで動作します。図 4-1 を、『Oracle Solaris 11 ネットワーキングの紹介』の「Oracle Solaris 11 の実装」に示されているネットワークスタックと比較してください。
次の例は、システム上のすべての物理リンクに関する統計情報を示しています。
# dlstat show-phys LINK IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES net0 2.14M 257.48M 3.19M 210.88M net1 1.15M 120.32M 1.00M 98.70M net2 1.10M 110.10M 1.28 183.00M ...
この出力は、システム上の各リンクに関する受信トラフィックと送信トラフィックの両方の統計情報を示しています。パケットの数とそれらのバイトサイズが表示されています。
次の例は、net0 の各ハードウェアリングに関する受信側の統計情報を示しています。
# dlstat show-phys -r net0 LINK TYPE ID INDEX IPKTS RBYTES net0 rx local -- 0 0 net0 rx hw 1 0 0 net0 rx hw 2 1.73M 2.61G net0 rx hw 3 0 0 net0 rx hw 4 8.44M 12.71G net0 rx hw 5 5.68M 8.56G net0 rx hw 6 4.99M 7.38G net0 rx hw 7 0 0
この 2 番目の出力では、net0 デバイスに 8 つの受信リングが割り当てられており、これは、INDEX フィールドで識別されます。リングごとのパケットの均一な分布は、それらのリングが、各リンクの負荷に応じてリンクに正しく割り当てられていることを示す理想的な構成です。不均一な分布は、リンクごとのリングの不均衡な分布を示していることがあります。不均一な配布の解決は、NIC が動的なリング割り当てをサポートしているかどうかによって異なります。サポートしている場合は、パケットをより均等に処理するように、リンクごとにリングを再配布できます。動的なリング割り当てについての詳細は、「クライアント、送信リング、および受信リングの操作」を参照してください。
次の例は、デバイス上で毎秒受信されているトラフィックに関する情報を示しています。この間隔は、-i オプションを使用して指定されます。表示のリフレッシュを停止するには、Ctrl-C を押します。
# dlstat show-phys -r -i 1 LINK TYPE INDEX IPKTS RBYTES net0 rx 0 101.91K 32.86M net1 rx 0 9.61M 14.47G net2 rx 8 336K 0 net0 rx 0 0 0 net1 rx 0 82.13K 123.69M net2 rx 0 0 0 ... ^C
この例は、ネットワークデバイスとしての net1 での送信リングの使用状況を示しています。
# dlstat show-phys -t net1 LINK TYPE INDEX OPKTS OBYTES net1 tx 0 44 3.96K net1 tx 1 0 0 net1 tx 2 1.48M 121.68M net1 tx 3 2.45M 201.11M net1 tx 4 1.47M 120.82M net1 tx 5 0 0 net1 tx 6 1.97M 161.57M net1 tx 7 4.59M 376.21M net1 tx 8 2.43M 199.24M net1 tx 9 0 0 net1 tx 10 3.23M 264.69M net1 tx 11 1.88M 153.96M
dlstat show-link サブコマンドは、物理リンク上に構成されているレーンに関する統計情報を提供します。これらのレーンは、データリンクで構成されています。図 4-1 に示すように、このサブコマンドは、ネットワークスタックのデータリンク層で動作します。また、同等のサブコマンド dladm show-link も、このスタックの同じレベルで動作します。図 4-1 を、『Oracle Solaris 11 ネットワーキングの紹介』の「Oracle Solaris 11 の実装」に示されているネットワークスタックと比較してください。
次の例は、vnic0 の受信側のトラフィックの統計情報を示しています。
# dlstat show-link -r vnic0 LINK TYPE ID INDEX IPKTS RBYTES INTRS POLLS IDROPS vnic0 rx hw 2 1.73M 2.61G 1.33M 400.22K 0 vnic0 rx hw 4 8.44M 12.71G 4.35M 4.09M 0
前の出力は、レーン vnic0 のトラフィックの統計情報を示しています。このレーンには、2 つの受信リング (リング 2 とリング 4) が排他的使用のために割り当てられています。この出力は、これらの 2 つのリングが受信ネットワークトラフィックのためにどのように使用されているかを示しています。ただし、これらのデータには、帯域幅制限や優先処理などのほかのリソース割り当ての実装も反映されている可能性があります。
プライマリレーンである net0 に対して次の情報が表示されたとします。
# dlstat show-link -r net0 LINK TYPE ID INDEX IPKTS RBYTES INTRS POLLS IDROPS net0 rx local -- 0 0 0 0 0 net0 rx sw -- 794.28K 1.19G 794.28K 0 0 ...
この出力に基づくと、Rx リングの 1 つ (リング 0) が別のクライアントと共有されています。リングは、セカンダリクライアントが、リングの割り当てなしで構成されている場合に共有されます。リングが割り当てられない理由として、次のことが考えられます。
ハードウェアクライアントをリンク上に作成することができなくなった。
ハードウェアリングを割り当てることができなくなった。
管理者が意図的にソフトウェアクライアントを構成している。
割り込み (INTRS) と欠落 (*DROPS) に関する統計情報も重要です。割り込みの数が少なく、パケットの欠落が 0 である場合は、パフォーマンスの効率が高いことを示します。割り込みの数またはパケットの欠落数が多い場合は、このレーンにさらに多くのリソースを追加することが必要になる可能性があります。
次の例は、プライマリレーンである net1 によって使用されているリング上のアウトバウンドパケットに関する統計情報を示しています。この出力は、net1 がすべての Tx リングを使用していることを示しています。
# dlstat show-link -t net1 LINK TYPE ID INDEX OPKTS OBYTES ODROPS net1 tx hw 0 32 1.44K 0 net1 tx hw 1 0 0 0 net1 tx hw 2 1.48M 97.95M 0 net1 tx hw 3 2.45M 161.87M 0 net1 tx hw 4 1.47M 97.25M 0 net1 tx hw 5 0 276 0 net1 tx hw 6 1.97M 130.25M 0 net1 tx hw 7 4.59M 302.80M 0 net1 tx hw 8 2.43M 302.80M 0 net1 tx hw 9 0 0 0 net1 tx hw 10 3.23M 213.05M 0 net1 tx hw 11 1.88M 123.93M 0
次のコマンドは、リンク net1 の受信側の統計情報の使用法を示しています。さらに、このコマンドでは -F オプションが使用されているため、出力にはファンアウト情報も表示されます。具体的には、ファンアウト数は 2 つ (0 と 1) です。リング 0 を使用するハードウェアレーン上で受信されたネットワークトラフィックは分割され、2 つのファンアウトにわたって渡されます。同様に、リング 1 を使用するハードウェアレーン上で受信されたネットワークトラフィックも分割され、2 つのファンアウトにわたって分配されます。
# dlstat show-link -r -F net1 LINK ID INDEX FOUT IPKTS net1 local -- 0 0 net1 hw 0 0 382.47K net1 hw 0 1 0 net1 hw 1 0 367.50K net1 hw 1 1 433.24K
dlstat show-aggr コマンドは、トラフィックがシステム上のアグリゲーションをたどるときの、アグリゲーションのポートごとのネットワークパケットの統計情報を表示します。
# dlstat show-aggr LINK PORT IPKTS RBYTES OPKTS OBYTES aggr1 -- 0 0 0 0 aggr1 net0 0 0 0 0 aggr1 net1 0 0 0 0
この出力は、ベースとなる 2 つのリンク net0 と net1 を含むリンクアグリゲーション aggr1 の構成を示しています。ネットワークトラフィックがアグリゲーションを経由してシステムによって受信または送信されると、受信および送信パケットとそれらの各サイズに関する情報がポートごとに報告されます。これらのポートは、そのアグリゲーションのベースとなるリンクで識別されます。