ネットワーク仮想化のコンポーネントの構成

ドキュメントの品質向上のためのご意見をください

Your rating has been updated

貴重なご意見を有り難うございました!

あなたの貴重なご意見はより良いドキュメント作成の手助けとなります内容の品質向上と追加コメントのためのアンケートに参加されますか？

Oracle Solaris 11 では、etherstub と VNIC がネットワーク仮想化の基本的なコンポーネントです。このセクションでは、仮想ネットワークを構築する準備として、これらのコンポーネントを構成する手順について説明します。これらのコンポーネントについては、「ネットワーク仮想化のコンポーネント」を参照してください。

次の手順について説明します。

「VNIC と etherstub を構成する方法」
「VLAN ID を持つ VNIC を構成する方法」

VNIC と etherstub を構成する方法

VNIC は、仮想ネットワークを外部ネットワークに接続します。VNIC ではまた、VNIC とともに自動的に作成される仮想スイッチを通してゾーンが互いに通信することもできます。仮想ネットワークがゾーン間の内部的なトラフィックや、外部の LAN およびインターネットとのトラフィックをホストするには、各ゾーンに独自のインタフェースが存在する必要があります。そのため、この手順を仮想ネットワークに属するゾーンの数だけ繰り返す必要があります。

管理者になります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
(オプション) etherstub を作成します。
```
# dladm create-etherstub etherstub
```
この手順は、外部システムからはアクセスできないように制限する、プライベート仮想ネットワークを作成する場合にのみ実行します。プライベート仮想ネットワークについては、「ネットワーク仮想化の概要」を参照してください。
データリンクと同様に、etherstub にも、ネットワークの設定にとって意味のある任意の方法で名前を付けることができます。カスタマイズされた名前の作成に関するガイドラインについては、『Oracle Solaris 11 ネットワーキングの紹介』の「有効なリンク名のための規則」を参照してください。
VNIC を作成します。
```
# dladm create-vnic -l datalink [-v vid] vnic
```
VNIC をプライベート仮想ネットワークのために作成している場合は、datalink に etherstub を指定します。コマンド構文に -v vid を含めるのは、VNIC を VLAN として作成している場合だけです。ここで、vid はその VNIC の VLAN ID を示します。それ以外の場合は、このオプションを省略します。
VNIC を VLAN として作成している場合は、VLAN としての VNIC に固有の追加の手順について「VLAN ID を持つ VNIC を構成する方法」を参照してください。
VNIC に任意の名前を割り当てることができます。VNIC にカスタマイズされた名前を割り当てるには、『Oracle Solaris 11 ネットワーキングの紹介』の「有効なリンク名のための規則」を参照してください。
VNIC 上に IP インタフェースを作成します。
```
# ipadm create-ip interface
```
VNIC インタフェースに静的 IP アドレスを割り当てます。
```
# ipadm create-addr -a address interface
```
-a address

IP アドレスを指定します。これは CIDR 表記にすることができます。

interface

前の手順で作成した VNIC を指定します。

静的 IP アドレスは、IPv4 アドレスと IPv6 アドレスのどちらでもかまいません。IP アドレスの構成についての詳細は、『Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続』の「IP インタフェースを構成する方法」を参照してください。
IP アドレスの構成についての詳細は、『Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続』の「IP インタフェースを構成する方法」を参照してください。
/etc/hosts ファイルにアドレス情報を追加します。

VLAN ID を持つ VNIC を構成する方法

仮想ネットワークでは、VLAN トラフィックをホストするために VLAN ID を持つ VNIC を構成できます。また、個々の VNIC の VLAN 構成をネットワークに伝播するために、リンクプロパティー vlan-announce を設定することもできます。

通常の VLAN リンクとは異なり、VLAN として構成された VNIC には独自の MAC アドレスがあります。VNIC 以外の VLAN については、『Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理』の第 3 章「VLAN の操作」を参照してください。

注 - 次の手順には、VLAN ID を持つ VNIC を作成し、その VNIC が VLAN トラフィックを処理できるようにするための適切なプロパティーを設定する手順のみが含まれています。このプロパティーを有効にすると中間のポートやスイッチは自動的に更新されますが、エンドポイントは、これらのポイントで VLAN を定義するように個別に構成する必要があります。

管理者になります。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
VLAN ID を持つ VNIC を作成します。
```
# dladm create-vnic -l link -v vid vnic
```
VNIC の VLAN 構成をネットワークにブロードキャストします。
```
# dladm set-linkprop -p vlan-announce=gvrp link
```
この手順では、接続されているスイッチに VLAN ID を自動的に登録する GARP VLAN 登録プロトコル (GVRP) クライアントシステムを有効にします。デフォルトでは、vlan-announce プロパティーが off に設定されているため、ネットワークに VLAN ブロードキャストメッセージは送信されません。このプロパティーを gvrp に設定すると、ネットワークデバイスの自動 VLAN ポート構成を有効にするために、そのリンクの VLAN 構成が伝播されます。これにより、これらのデバイスで VLAN トラフィックを受け入れ、転送することができます。
(オプション) VLAN ブロードキャスト間の待機時間を構成するには、gvrp-timeout プロパティーを設定します。
```
# dladm set-linkprop -p gvrp-timeout=time link
```
ここで、time はミリ秒単位です。デフォルト値は 250 ミリ秒です。負荷の高いシステムでは、VLAN 情報を再ブロードキャストするときに、より短い間隔が必要になることがあります。このプロパティーを使用すると、この間隔を調整できます。
(オプション) プロパティー vlan-announce および gvrp-timeout の値を表示するには、次のコマンドを使用します。
```
# dladm show-linkprop -p vlan-announce,gvrp-timeout
```

例 2-1 VLAN としての VNIC の構成

この例では、VLAN ID を持つ VNIC を作成したあと、その VLAN 構成をネットワークに通知できるようにします。

# dladm create-vnic -l net0 -v 123 vnic0
# dladm set-linkprop -p vlan-announce=gvrp net0
# dladm show-linkprop -p vlan-announce,gvrp-timeout net0
LINK    PROPERTY        PERM   VALUE   DEFAULT   POSSIBLE
net0    vlan-announce   rw     gvrp    off       gvrp,off
net0    gvrp-timeout    rw     250     250       --

ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
	Oracle Solaris 11.1 での仮想ネットワークの使用 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)