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Oracle Solaris 11.1 での固定ネットワーク構成を使用したシステムの接続 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
5. Oracle Solaris を実行するノートパソコン上での無線ネットワークの構成
A. 比較マップ: ifconfig コマンドと ipadm コマンド
このセクションでは、IP インタフェースの基本的な構成手順について説明します。次の表は、各構成タスクについて説明し、これらのタスクを対応する手順にマップしています。
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すべての SPARC ベースのシステムは、システム共通 MAC アドレスを持っており、デフォルトではすべてのインタフェースがこのアドレスを使用します。ただし、アプリケーションによっては、ホスト上のすべてのインタフェースでそれぞれ一意の MAC アドレスが使用されている必要があります。特定のタイプのインタフェース構成 (リンクアグリゲーションや IP マルチパス (IPMP) など) では、同様にインタフェースに固有の MAC アドレスが存在する必要があります。
EEPROM パラメータ local-mac-address? によって、SPARC ベースのシステム上のすべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレスまたは一意の MAC アドレスのどちらを使用しているかを判別します。次の手順では、eeprom コマンドを使用して、local-mac-address? の現在値をチェックし、必要に応じて変更する方法について説明します。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# eeprom local-mac-address? local-mac-address?=false
この例では、eeprom コマンドの応答の local-mac-address?=false によって、すべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレスを使用していることが示されています。local-mac-address?=false の値は、インタフェースを IPMP グループのメンバーにする前に、local-mac-address?=true に変更する必要があります。リンクアグリゲーションの場合も、この変更を行うべきです。
# eeprom local-mac-address?=true
手順 6 でシステムをリブートすると、出荷時に設定された MAC アドレスを持つインタフェースは、システム共通 MAC アドレスの代わりに、それらの出荷時の設定を使用します。出荷時に設定された MAC アドレスを持たないインタフェースは、システム共通 MAC アドレスを引き続き使用します。
複数のインタフェースが 同じ MAC アドレスを持つ場合がないかどうかを調べてください。この例では、2 つのインタフェースがシステム共通 MAC アドレス 8:0:20:0:0:1 を使用しています。
# dladm show-linkprop -p mac-address LINK PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE net0 mac-address rw 8:0:20:0:0:1 8:0:20:0:0:1 -- net1 mac-address rw 8:0:20:0:0:1 8:0:20:0:0:1 -- net3 mac-address rw 0:14:4f:45:c:2d 0:14:4f:45:c:2d --
注 - 同じ MAC アドレスを持つネットワークインタフェースが複数存在する場合にのみ、次の手順に進みます。それ以外の場合は、最後の手順に進みます。
# dladm set-linkprop -p mac-address=mac-address interface
前の手順の例では、net0 と net1 をローカルで管理されている MAC アドレスで構成する必要がありました。たとえば、ローカルで管理されている MAC アドレス 06:05:04:03::02 で net0 を再構成するには、次のコマンドを入力します。
# dladm set-linkprop -p mac-address=06:05:04:03:02 net0
このコマンドの詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。
システム上で有効になっている NCP のタイプによって、システムのネットワーク構成がリアクティブと固定のどちらであるかが決まります。リアクティブ構成を使用するシステムは、固定ネットワーク構成を使用するシステムとは異なる動作を行います。このドキュメントのすべての手順では、アクティブな NCP に適用される永続的な構成を作成します。したがって、手順を実行する前に、構成を正しいプロファイルに適用できるように、どの NCP がアクティブであるかを知っておく必要があります。このようにして、手順が完了すると、システムのネットワーク構成が予期したとおりに動作します。
# netadm list TYPE PROFILE STATE ncp DefaultFixed online ncp Automatic disabled loc Automatic offline loc NoNet offline loc User offline loc DefaultFixed online
ステータスがオンラインとして一覧表示されているプロファイルがシステム上のアクティブな NCP です。
システム上の NCP の詳細を表示するには、netadm コマンドで - x オプションを使用します。
netadm list -x TYPE PROFILE STATE AUXILIARY STATE ncp DefaultFixed online active ncp Automatic disabled disabled by administrator loc Automatic offline conditions for activation are unmet loc NoNet offline conditions for activation are unmet loc User offline conditions for activation are unmet loc DefaultFixed online active
# netadm enable -p ncp NCP-name
ここで、NCP-name は NCP のタイプの名前です。
たとえば、システムのネットワーク構成がリアクティブであるとします。このドキュメントの手順で作成した構成を DefaultFixed NCP に適用する場合は、次を入力します。
# netadm enable -p ncp defaultfixed
![]() | 注意 - アクティブなプロファイルを切り替えると、既存のネットワーク構成は削除され、新しい構成が作成されます。以前アクティブだった NCP に実装された永続的な構成は、新しいアクティブな NCP ではすべて除外されます。 |
次の手順では、システムの IP インタフェースを構成するときに使用する基本的な手順を示します。
始める前に
システム上でどの NCP がアクティブであるかを確認して、構成が正しいプロファイルに適用されていることを確認します。
詳細は、『Oracle Solaris 11.1 の管理: セキュリティーサービス』の「割り当てられている管理権限を使用する方法」を参照してください。
# ipadm create-interface-class interface
ユーザーが作成できる次の 3 つのインタフェースクラスのうちの 1 つを示します。
IP インタフェース。このインタフェースクラスは、ネットワーク構成を実行するときに作成するもっとも一般的なクラスです。このインタフェースクラスを作成するには、create-ip サブコマンドを使用します。
STREAMS 仮想ネットワークインタフェースドライバ (VNI インタフェース)。このインタフェースクラスを作成するには、create-vni サブコマンドを使用します。VNI デバイスまたはインタフェースについての詳細は、vni(7d) のマニュアルページを参照してください。
IPMP インタフェース。このインタフェースは、IPMP グループを構成するときに使用されます。このインタフェースクラスを作成するには、create-ipmp サブコマンドを使用します。IPMP グループの詳細は、『Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理』の第 5 章「IPMP の概要」を参照してください。
インタフェースの名前を示します。この名前は、インタフェースの作成に使用しているデータリンクの名前と同じです。システム上のデータリンクを確認するには、dladm show-link コマンドを使用します。
# ipadm create-addr -a address [interface | addrobj]
インタフェース上に構成する IP アドレスを指定します。
注 - トンネル構成では、通常、トンネルインタフェースにローカルアドレスとリモートアドレスの 2 つのアドレスが必要です。ローカルアドレスとリモートアドレス、およびトンネル構成については、『Oracle Solaris 11.1 ネットワークの構成と管理』の第 6 章「IP トンネルの構成」を参照してください。
数値 IP アドレスには、CIDR 表記法を使用します。CIDR 表記法を使用なかった場合は、name-service/switch サービスで netmask に対して示されているシーケンスに従って、またはクラスフルアドレスのセマンティクスを使用して、ネットマスクが計算されます。
必要に応じて、数値 IP アドレスの代わりにホスト名を指定できます。ホスト名の使用が有効なのは、そのホスト名に対応する数値 IP アドレスが /etc/hosts ファイルで定義されている場合です。このファイルで数値 IP アドレスが定義されていない場合は、name-service/switch サービスで host に対して指定されているリゾルバの順序を使用して、この数値が一意に取得されます。特定のホスト名に対して複数のエントリが存在する場合は、エラーが生成されます。
注 - ブートプロセスにおいて、IP アドレスの作成は、ネームサービスがオンラインになる前に実行されます。そのため、ネットワーク構成で使用されているすべてのホスト名が /etc/hosts ファイルで定義されているようにする必要があります。
Oracle Solaris では、各アドレスは対応するアドレスオブジェクトによって識別され、コマンド内で addrobj によって表されます。そのアドレスに対するその後の構成では、実際の IP アドレスではなくアドレスオブジェクトを参照します。たとえば、ipadm show-addr addrobj や ipadm delete-addr addrobj のように入力します。アドレスオブジェクト名を自動的に作成するには、interface にインタフェース名を指定します。それ以外の場合は、アドレスオブジェクト名を直接指定します。
インタフェース名を指定すると、アドレスオブジェクトに interface/address-family という形式の名前が自動的に付けられます。Address family は、IPv4 アドレスを示す v4 または IPv6 アドレスを示す v6 のいずれかです。同じインタフェース上に複数のアドレスがある場合は、net0/v4、net0/v4a、net0/v4b、net0/v6、net0/v6a のように、アドレスオブジェクト名に英字が追加されます。
addrobj に手動でアドレスオブジェクトを指定する場合は、interface/user-specified-string という形式を使用する必要があります。user-specified-string は、アルファベット文字で始まり、最大長が 32 文字の英数字の文字列を示します。たとえば、net0/static、net0/static1、net1/private などのアドレスオブジェクトを指定できます。
# ipadm create-addr -T address-type [interface | addrobj]
ここで、address-type は dhcp または addrconf のいずれかです。addrconf は、自動的に生成された IPv6 アドレスを示します。
[interface | addrobj] の詳細な説明については、静的アドレスの作成に関する前の説明を参照してください。
調べる対象の情報に応じて、次のコマンドを使用できます。
# ipadm [interface]
interface を指定しなかった場合は、システム上のすべてのインタフェースの情報が表示されます。
ipadm show-* サブコマンドの出力についての詳細は、「IP インタフェースとアドレスの監視」を参照してください。
このファイル内のエントリは、IP アドレスとそれに対応するホスト名で構成されています。
注 - DHCP アドレスを構成している場合は、/etc/hosts ファイルを更新する必要はありません。
# route -p add default address
ルーティングテーブルの内容を確認するには、netstat -r コマンドを使用します。
ルートの管理の詳細は、route(1M) および routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。『Oracle Solaris 11.1 ネットワークの構成と管理』の「ルーティングテーブルとルーティングの種類」も参照してください。
例 2-1 静的 IP アドレスによるネットワークインタフェースの構成
この例では、静的 IP アドレスを使用してインタフェースを構成する方法について説明します。この例では、最初にシステム上の DefaultFixed NCP を有効にして、固定ネットワーク構成に対して dladm および ipadm コマンドを使用できるようにします。
# netadm enable -p ncp DefaultFixed # dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net3 Ethernet up 100Mb full bge3 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE BRIDGE OVER net3 phys 1500 up -- -- # ipadm create-ip net3 # ipadm create-addr -a 192.168.84.3/24 net3 ipadm: net3/v4 # ipadm NAME CLASS/TYPE STATE UNDER ADDR lo0 loopback ok -- -- l0/v4 static ok -- 127.0.0.1/8 net3 ip ok -- -- net3/v4 static ok -- 192.168.84.3/24 # vi /etc/hosts # Internet host table # 127.0.0.1 localhost 10.0.0.14 myhost 192.168.84.3 campus01 # route -p add default 192.168.84.1 # netstat -r Routing Table: IPv4 Destination Gateway Flags Ref Use Interface -------------------- -------------------- ----- ----- ---------- --------- default some.machine.com UG 2 10466 192.168.84.0 192.168.84.3 U 3 1810 net3 localhost localhost UH 2 12 lo0 Routing Table: IPv6 Destination/Mask Gateway Flags Ref Use If --------------------------- ------------------------- ----- --- ------- ----- solaris solaris UH 2 156 lo0
/etc/hosts ファイルで campus01 がすでに定義されている場合は、次のアドレスを割り当てるときにそのホスト名を使用できます。
# ipadm create-addr -a campus01 net3 ipadm: net3/v4
例 2-2 IP アドレスによるネットワークインタフェースの自動的な構成
この例では、アドレスを DHCP サーバーから受け取るように IP インタフェースを構成します。
# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net3 Ethernet up 100Mb full bge3 # dladm show-link LINK CLASS MTU STATE BRIDGE OVER net3 phys 1500 up -- -- # ipadm create-ip net3 # ipadm create-addr -T dhcp net3 ipadm: net3v4 # ipadm NAME CLASS/TYPE STATE UNDER ADDR lo0 loopback ok -- -- l0/v4 static ok -- 127.0.0.1/8 net3 ip ok -- -- net3/v4 dhcp ok -- 10.0.1.13/24