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Oracle Solaris 11.1 ネットワークパフォーマンスの管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
このセクションでは、ILB の動作、ILB がクライアントから VIP へのリクエストをどのように処理し、リクエストをバックエンドサーバーにどのように転送し、応答をどのように処理するかについて説明します。
クライアントからサーバーへのパケット処理:
ILB は、クライアントから VIP アドレスに送信された受信リクエストを受け取り、リクエストを負荷分散規則と照合します。
ILB は一致する負荷分散規則を見つけると、負荷分散アルゴリズムを使用して、動作モードに応じてリクエストをバックエンドサーバーに転送します。
DSR モードでは、ILB は受信リクエストの MAC ヘッダーを、選択されたバックエンドサーバーの MAC ヘッダーに置換します。
ハーフ NAT モードでは、ILB は受信リクエストの着信先 IP アドレスおよびトランスポートプロトコルのポート番号を、選択されたバックエンドサーバーのものに置換します。
フル NAT モードでは、ILB は受信リクエストの発信元 IP アドレスとトランスポートプロトコルのポート番号を、負荷分散規則の NAT 発信元アドレスに置換します。また、ILB は受信リクエストの着信先 IP アドレスおよびトランスポートプロトコルのポート番号を、選択されたバックエンドサーバーのものに置換します。
ILB は変更された受信リクエストを、選択されたバックエンドサーバーに転送します。
サーバーからクライアントへのパケット処理:
バックエンドサーバーはクライアントからの受信リクエストに応答して、返信を ILB に送信します。
バックエンドサーバーから応答を受け取ったあとの ILB のアクションは、動作モードに基づきます。
DSR モードでは、バックエンドサーバーからの応答は ILB をバイパスし、クライアントに直接届きます。ただし、ILB がバックエンドサーバーのルーターとしても使用される場合、バックエンドサーバーからクライアントへの応答は、ILB を実行しているシステムを通るようにルーティングされます。
ハーフ NAT モードとフル NAT モードでは、ILB はバックエンドサーバーからの応答を受信リクエストと照合し、変更された IP アドレスおよびトランスポートプロトコルのポート番号を元の受信リクエストのものに置換します。その後、ILB はクライアントに応答を転送します。