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Oracle Solaris 11.1 での DHCP の作業 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
DHCP は、TCP/IP ネットワークの設定やネットワークの日々の管理に伴う時間のかかるタスクを部分的に軽減します。DHCP には、次の利点があります。
IP アドレス管理 – DHCP の主な利点は、IP アドレスをより簡単に管理できることです。DHCP を使用しないネットワークでは、IP アドレスを手動で割り当てる必要があります。個々のクライアントに固有の IP アドレスを割り当て、クライアントを個別に構成するためには、慎重な作業が必要です。さらに、クライアントが別のネットワークに移動したら、そのクライアントのために手動で修正を加える必要があります。DHCP が使用可能な場合は、管理者が介在しなくても、DHCP サーバーが IP アドレスを管理し、割り当てます。クライアントは、別のサブネットに移動する際に新しいネットワークに適した新しいクライアント情報を DHCP サーバーから取得するため、手動による再構成は必要ありません。
一元的なネットワーククライアントの構成 – 構成は、クライアントまたはクライアントのタイプに合わせてカスタマイズできます。構成情報は、同じ場所 (DHCP データストア) に格納されます。したがって、クライアントの構成を変更するためにクライアントにログインする必要はありません。データストア内の情報を変更するだけで、複数のクライアントに対する変更を実行できます。
BOOTP クライアントのサポート – BOOTP サーバーと DHCP サーバーはどちらも、クライアントからのブロードキャストを待機して、応答します。DHCP サーバーは、DHCP クライアントからの要求だけではなく、BOOTP クライアントからの要求にも応答できます。BOOTP クライアントは、IP アドレスと、ブートに必要な情報をサーバーから受け取ります。
ローカルおよびリモートクライアントのサポート – BOOTP は、あるネットワークから別のネットワークへのメッセージのリレー (中継) 機能を備えています。DHCP は、さまざまな方法で BOOTP リレー機能を使用します。ほとんどのネットワークルーターは、BOOTP リレーエージェントとして機能するように構成できます。そのように構成されたネットワークルーターは、要求側クライアントのネットワーク上に存在しないサーバーに BOOTP 要求を渡します。同じ方法で、DHCP 要求をリレーすることも可能です。これは、ルーターには DHCP 要求と BOOTP 要求の区別がないためです。また、BOOTP リレー機能をサポートするルーターが使用できない場合には、DHCP サーバーを BOOTP リレーエージェントとして動作するように構成することもできます。
ネットワークブート機能 – クライアントは、DHCP を使用すると、RARP (逆アドレス解決プロトコル) や bootparams ファイルを使用しなくても、ネットワーク上のサーバーからブートに必要な情報を取得できます。DHCP サーバーは、IP アドレス、ブートサーバー、ネットワーク構成情報を含む、クライアントが動作するのに必要なすべての情報をクライアントに提供できます。DHCP 要求は、サブネットを越えてリレーできるので、DHCP ネットワークブート機能を使用すれば、ネットワーク内のブートサーバー数を削減できます。RARP でのブートには、サブネットごとにブートサーバーが必要です。
大規模ネットワークのサポート – 大規模ネットワークの DHCP のサポートを改善するため:
DHCP サーバーの配備を集中させることも分散させることもできます。
DHCP リレーエージェントによって、単一のサーバーでそれに直接接続されていない複数の物理ネットワークを管理するように構成できます。
ISC DHCP はサーバー間のフェイルオーバーを提供し、1 台のサーバーで障害が発生すると、他のサーバーがそれを埋め合わせます。
ISC DHCP 負荷分散により、複数のサーバーが同時にサービスを提供できるようにします。
DHCP サーバーは、マルチスレッド機能を使って多数のクライアント要求を同時に処理します。