JavaScript is required to for searching.
ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
Oracle Solaris 11.1 での DHCP の作業     Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語)
このドキュメントの評価
search filter icon
search icon

ドキュメントの情報

はじめに

1.  DHCP について (概要)

DHCP プロトコルについて

DHCP を使用することの利点

DHCP の動作

ISC DHCP サーバー

レガシーの Sun DHCP サーバー

DHCP クライアント

2.  ISC DHCP サービスの管理

3.  DHCP クライアントの構成と管理

4.  DHCP コマンドと DHCP ファイル (リファレンス)

索引

ドキュメントの品質向上のためのご意見をください
簡潔すぎた
読みづらかった、または難し過ぎた
重要な情報が欠けていた
内容が間違っていた
翻訳版が必要
その他
Your rating has been updated
貴重なご意見を有り難うございました!

あなたの貴重なご意見はより良いドキュメント作成の手助けとなります 内容の品質向上と追加コメントのためのアンケートに参加されますか?

DHCP の動作

DHCP サービスのイベントのシーケンスを次の図に示します。丸の中の番号は、図のあとに続く説明の箇条書き番号を示しています。

図 1-1 DHCP サービスにおける一連のイベント

image:図には、DHCP クライアントとサーバー間の通信順序が示されています。図に続いて、この順序の説明があります。

上の図には、次の手順が示されています。

  1. クライアントは、ローカルサブネット上で制限付きブロードキャストアドレス (255.255.255.255) に「検索メッセージ」を送信することで、DHCP サーバーを検索します。ルーターが存在し、BOOTP リレーエージェントとして動作するように構成されている場合、要求は異なるサブネット上の別の DHCP サーバーに渡されます。クライアントの「ブロードキャスト」にはクライアント固有の ID が含まれています。この ID は、Oracle Solaris の DHCP 実装環境の場合、クライアントの MAC (Media Access Control) アドレスから派生します。

    検索メッセージを受け取った DHCP サーバーは、次の情報からクライアントのネットワークを特定します。

    • この要求がどのネットワークインタフェースから入ってきたか。これによってサーバーは、クライアントが、インタフェースが接続されているネットワーク上にあるのか、あるいはそのネットワークに接続された BOOTP リレーエージェントを使用しているのかがわかります。

    • BOOTP リレーエージェントの IP アドレスが要求に含まれているか。要求がリレーエージェントを通過する際に、リレーエージェントは要求ヘッダーにリレーエージェントのアドレスを挿入します。サーバーが「リレーエージェントのアドレス」を検出すると、サーバーは、そのアドレスのネットワーク部分がクライアントのネットワークアドレスを示していることを認識します。これは、リレーエージェントがクライアントのネットワークに接続されている必要があるからです。

    • クライアントのネットワークは、サブネット化されているか。サーバーは、リレーエージェントのアドレス、または要求を受け取ったネットワークインタフェースのアドレスが示すネットワークのサブネットマスクを netmasks テーブルから見つけます。サーバーは、使用されているサブネットマスクを認識すると、ネットワークアドレスのどの部分がホスト部分であるかを特定し、クライアント用の適切な IP アドレスを選択できます。netmasks については、netmasks(4) のマニュアルページを参照してください。

  2. DHCP サーバーは、クライアントのネットワークを特定すると、適切な IP アドレスを選択し、そのアドレスがまだ使用されていないことを確認します。次に DHCP サーバーは、「オファーメッセージ」を送信し、そのクライアントに応答します。オファーメッセージには、選択された IP アドレスと、クライアントの構成に使用できるサービスの情報が含まれています。サーバーは、この IP アドレスを使用するかどうかをクライアントが決めるまで、これを一時的に予約します。

  3. クライアントは、オファーされたサービスの数とタイプに基づいて最善のオファーを選択します。そして、最善のオファーとなったサーバーの IP アドレスを求める要求を送信します。この伝送によって、クライアントがサーバーを選択したことを、応答中のすべての DHCP サーバーに知らせることができます。選択されなかったサーバーは、オファーした IP アドレスの予約を取り消します。

  4. 選択されたサーバーは、クライアント用の IP アドレスを割り当て、その情報を DHCP データストアに格納します。そして、承認メッセージ (ACK) をクライアントに送信します。「肯定応答メッセージ」には、クライアントのためのネットワーク構成パラメータが含まれています。クライアントは、ping ユーティリティーを使って IP アドレスをテストし、ほかのシステムがそれを使っていないか確かめます。クライアントは続行し、ネットワークに参加します。

  5. クライアントはリース時間を監視します。設定された時間が経過すると、クライアントは、さきほど選択したサーバーに新しいメッセージを送信してリースを増やそうとします。

  6. 要求を受け取った DHCP サーバーは、リース期間と、管理者が規定したローカルリースポリシーとが合っていれば、そのリース期間を延長します。サーバーが 20 秒以内に応答しない場合、クライアントは、ほかの DHCP サーバーのいずれかがリース期間を延長できるように要求をブロードキャストします。

  7. クライアントは、その IP アドレスが不要になると、IP アドレスが解放されたことをサーバーに知らせます。この通知は、通常のシャットダウンの際に実行され、また手動で実行することも可能です。