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Oracle Solaris 11.1 デスクトップ管理者ガイド Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
GConf リポジトリは、単純なファイルシステムのように構成され、階層に編成されているキーが含まれます。それぞれのキーは、さらに多くのキーを含むディレクトリであるか、または値を持ちます。
リポジトリは、アプリケーションの種類に基づいて論理グループへと編成され、次のディレクトリが含まれます。
GConf リポジトリを使用するアプリケーションに対応するディレクトリ。次のディレクトリがあります。
system
desktop
apps
たとえば、ファイルシステムにはディレクトリ /apps/metacity が含まれます。
設定のカテゴリに対応するサブディレクトリ。
たとえば、ファイルシステムにはディレクトリ /apps/metacity/general が含まれます。
スキーマファイルが含まれる schemas という名前のディレクトリ。スキーマファイルは、すべての設定キーを記述します。
GConf リポジトリ内の各設定は、キーと値のペアで表されます。1 つの GConf 設定キーは、リポジトリ内で 1 つのアプリケーション設定に対応する要素です。たとえば、/apps/gnome-session/options/show_splash_screen 設定キーは、「セッション」設定ツールの「起動時にスプラッシュスクリーンを表示する」に対応します。
設定キーは、通常、次のような単純データ型を持ちます。
文字列
整数
文字列のリスト
整数のリスト
リポジトリ内の設定キーの形式は、リポジトリの読み取りに使用される Extensible Markup Language (XML) バックエンドモジュールに依存します。次は、XML バックエンドモジュールがリポジトリの読み取りに使用されるときの /desktop/gnome/interface/font_name 設定キーの例です。
<entry name="font_name" mtime="1038323555" muser="user123" type="string"> <stringvalue>Sans 10</stringvalue> </entry>
注 - このガイドで設定キーを参照するときは、キーへのパスがキーの名前に追加されます。たとえば、/desktop/gnome/interface サブディレクトリの font_name 設定キーは、/desktop/gnome/interface/font_name のように参照されます。
GConf リポジトリには、構成ソースと呼ばれる一連の保管場所が含まれます。構成ソースは、/etc/gconf/2 ディレクトリにある GConf パスファイルに記載されています。
パスファイルは、次の情報を構成ソースごとに指定します。
リポジトリを読み取るために使用するバックエンドモジュール
リポジトリに対するアクセス権
リポジトリの場所
GConf パスファイルには、include 命令も含まれます。デフォルトで、GConf パスファイルの内容は次のとおりです。
xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory include /etc/gconf/2/local-mandatory.path include "$(HOME)/.gconf.path" include /etc/gconf/2/local-defaults.path xml:readwrite:$(HOME)/.gconf xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.defaults
GConf は、設定値を検索するときに、パスファイルで指定された順序で構成ソースを読み取ります。次の表では、パスファイル内の構成ソースについて説明します。
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GConf は、設定を次の優先順位で適用します。
必須設定
ユーザーが指定した設定
デフォルト設定
GConf パスファイルの include 命令によって、その他の構成ソースを指定できます。
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GConf スキーマは、GConf スキーマキーと GConf スキーマオブジェクトの総称です。スキーマキー、スキーマオブジェクト、およびそれらと設定キーとの関係は、次のように定義されます。
設定キー – GConf リポジトリ内の要素で、アプリケーション設定に対応します (たとえば /desktop/gnome/interface/font_name)。
スキーマキー – 設定キーのスキーマオブジェクトを格納するキー (たとえば /schemas/desktop/gnome/interface/font_name)。
スキーマオブジェクト – 構成ソース内で設定キーに関する次の情報を含む要素:
設定キーを使用するアプリケーションの名前
設定キーに必要な値の型 (たとえば整数、ブール型など)。
設定キーのデフォルト値
設定キーに関する簡単なドキュメント
たとえば、/schemas/desktop/gnome/interface/font_name キーのスキーマオブジェクトは次のようになります。
<schema> <applyto>/desktop/gnome/interface/font_name</applyto> <key>/schemas/desktop/gnome/interface/font_name</key> <owner>gnome</owner> <type>string</type> <default>Sans 10</default> <locale name="C"> <short>Default font</short> <long>Name of the default font used by gtk+.</long> </locale> </schema>
スキーマキーは設定キーと関連付けることができます。たとえば、/desktop/gnome/interface/font_name キーには次のスキーマキーが含まれます。
<entry name="font_name" mtime="1034873859" schema="/schemas/desktop/gnome/interface/font_name"/>
スキーマキーを設定キーと関連付けると、設定ではスキーマキーのスキーマオブジェクトで指定された推奨値が使用されます。推奨値は、スキーマオブジェクトの <default> 要素に含まれます。デフォルトで、デフォルト構成ソース内のすべての設定キーは、スキーマキーと関連付けられています。通常、スキーマはデフォルト構成ソースに格納されます。
スキーマはスキーマ定義ファイルから生成されます。スキーマ定義ファイルは、特定アプリケーションに関するすべてのキーの特性を定義し、新規構成ソースを作成するために使用されます。スキーマ定義ファイルは、.schemas 拡張子を持ち、 /etc/gconf/schemas ディレクトリ内に含まれています。
一部のスキーマ定義ファイルは、Oracle Solaris デスクトップのユーザーインタフェースの部分と密に対応しています。たとえば、system_http_proxy.schemas ファイルは、「インターネット」設定ツールでの設定に対応するキーを記述します。
その他のスキーマ定義ファイルは、Oracle Solaris デスクトップのユーザーインタフェースによって公開されていないキーを記述します。たとえば、panel-global.schemas ファイルは、/apps/panel/global/tooltips_enabled キーを記述します。ツールチップがデスクトップパネルに表示されるかどうかを制御するこのキーは、どのデスクトップ設定ツールの設定としても公開されていません。そのようなキーは、gconftool-2 コマンドを使用して変更できる場合があります。詳細は、「GConf コマンド行ツールの使用」を参照してください。
Oracle Solaris デスクトップのユーザーインタフェースのいくつかの部分には、複数のスキーマ定義ファイルからの GConf キーを表す設定が含まれます。たとえば、「キーボードショートカット」設定ツールには、panel-global-config.schemas および metacity.schemas ファイルからのキーを表す設定が含まれます。