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Oracle Solaris 11.1 の管理: SAN 構成およびマルチパス化 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
11. x86 ベースシステムのファイバチャネルデバイスからの Oracle Solaris OS のブート
注 - サードパーティー製のデバイスを構成する前に、それらがサポートされていることを確認してください。サードパーティーのユーザードキュメントを参照するか、サードパーティーベンダーに問い合わせて、デバイスがマルチパスソフトウェアと一緒に動作するために必要な正しいベンダー ID、製品 ID、モードおよび各種設定の情報を調べてください。
サードパーティー製デバイスのマルチパス化を構成する前に、次のことに注意します:
デバイスは REPORT_LUNS SCSI コマンド、および SCSI-3 INQUIRY コマンド VPD Device Identification Page (0x83) をサポートする必要があります。
デバイスのベンダー ID (VID) および製品 ID (PID) が必要です。これらは format コマンドの後にシステムの INQUIRY オプションを付けて使用することで取得できます。詳細は、format(1M) のマニュアルページを参照してください。
マルチパス化が有効な場合、マルチパスアクセスは、デバイスを受け入れるデバイス固有の scsi_vhci フェイルオーバー実装に依存します。デフォルトは、scsi_vhci コードが各フェイルオーバー実装のプローブ関数を自動的に呼び出し、デバイスがサポートされていることを示す最初のプローブ結果を見つけることです。
プローブ実装は、scsi_inquiry(9S) データの組み合わせに基づいてサポートを判定します。T10 TPGS (Target-Port-Group-Support) 準拠を示す INQUIRY データを持つデバイスは、標準ベースの TPGS フェイルオーバー実装を使用します。非準拠デバイスの場合、フェイルオーバー実装のプローブは通常、VID/PID を専用のコンパイル済みテーブルと照合して、サポートを判定します。
probe プロセスをオーバーライドするために、scsi_vhci.conf ファイルは scsi-vhci-failover-override プロパティーをサポートします。scsi-vhci-failover-override の値は、プローブによって現在受け入れられていないデバイスのサポートを確立したり、プローブサポートをオーバーライドしたり、またはデバイスのマルチパスサポートを無効にしたりするために使用できます。
マルチパス化はサードパーティー製の対称型ストレージデバイスで構成できます。対称型ストレージデバイスは、ストレージデバイスへのすべてのパスがアクティブで、任意のパスを経由して I/O コマンドを発行できるものです。
システムのマルチパス化がすでに構成されている場合、次のステップを実行してサードパーティー製デバイスを構成してください。システムのマルチパス化が無効になっている場合、この章の前の方で説明されているようにマルチパス化を有効にするときにサードパーティー製デバイスを構成できます。
ベンダー ID および製品 ID は、デバイスが SCSI INQUIRY データで返すベンダーおよび製品の識別文字列です。ベンダー ID は長さが 8 文字である必要があります。末尾の文字がスペースであっても 8 つすべての文字を指定する必要があります。
製品 ID は 16 文字までの長さが可能です。
scsi-vhci-failover-override = "VendorID1ProductID1", "f_sym", "VendorID2ProductID2", "f_sym", ... "VendorIDnProductIDn", "f_sym";
エントリは「,」文字 (コンマ) で区切られ、最後のベンダー/製品エントリは「;」文字 (セミコロン) で終了します。
たとえば、「ACME」というベンダーから製品 ID が「MSU」のデバイスを追加し、「XYZ」というベンダーから製品 ID が「ABC」のデバイスを追加する場合、/etc/driver/drv/scsi_vhci.conf ファイルに次の行を追加します。
scsi-vhci-failover-override = "ACME MSU", "f_sym", "XYZ ABC", "f_sym";
# stmsboot -u
リブートを確認するメッセージが表示されます。リブート中に、デバイス名の変更を反映するように /etc/vfstab ファイルおよびダンプ構成が更新されます。
マルチパス化は、特定のベンダー ID/製品 ID の組み合わせを持つすべてのデバイスについて無効にできます。この除外は scsi_vhci.conf ファイルで指定されます。
ベンダー ID および製品 ID は、デバイスが SCSI INQUIRY データで返すベンダーおよび製品の識別文字列です。ベンダー ID は長さが 8 文字である必要があります。末尾の文字がスペースであっても 8 つすべての文字を指定する必要があります。製品 ID は 16 文字までの長さが可能です。
scsi-vhci-failover-override = "VendorID1ProductID1", "NONE", "VendorID2ProductID2", "NONE", ... "VendorIDnProductIDn", "NONE";
前の例にあるエントリは「,」文字 (コンマ) で区切られ、最後のベンダー/製品エントリは「;」文字 (セミコロン) で終了します。たとえば、「ACME」というベンダーから製品 ID が「MSU」のデバイスを追加し、「XYZ」というベンダーから製品 ID が「ABC」のデバイスを追加する場合、/etc/driver/drv/scsi_vhci.conf ファイルに次の行を追加します。
scsi-vhci-failover-override = "ACME MSU", "NONE", "XYZ ABC", "NONE";
# stmsboot -u
リブートを確認するメッセージが表示されます。リブート中に、デバイス名の変更を反映するように /etc/vfstab ファイルおよびダンプ構成が更新されます。
stmsboot コマンドに -e、-d、または -u オプションを付けて呼び出すことでマルチパス構成に変更が加えられたあと、マルチパス化されていないデバイス名とマルチパス化されたデバイス名の間のマッピングを表示できます。マッピングを表示するには、マルチパス化されていないデバイス名とマルチパス化されたデバイス名の両方が存在する必要があります。
すべてのコントローラ上のデバイスのマッピングを表示します。例:
# stmsboot -L non-STMS device name STMS device name ---------------------------------------------------------------- /dev/rdsk/c2t8d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEE0d0 /dev/rdsk/c2t0d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046B070d0 /dev/rdsk/c2t3d0 /dev/rdsk/c10t20000020372A40AFd0 /dev/rdsk/c2t12d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEF0d0 /dev/rdsk/c2t11d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046E390d0 /dev/rdsk/c3t8d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEE0d0 /dev/rdsk/c3t0d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046B070d0 /dev/rdsk/c3t3d0 /dev/rdsk/c10t20000020372A40AFd0 /dev/rdsk/c3t12d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEF0d0 /dev/rdsk/c3t11d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046E390d0
-l オプションは、指定されたコントローラについてのデバイスのマッピングのみを表示します。次の例は、コントローラ 3 のマッピングを表示します。
# stmsboot -l3 non-STMS device name STMS device name ---------------------------------------------------------------- /dev/rdsk/c3t8d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEE0d0 /dev/rdsk/c3t0d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046B070d0 /dev/rdsk/c3t3d0 /dev/rdsk/c10t20000020372A40AFd0 /dev/rdsk/c3t12d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046DEF0d0 /dev/rdsk/c3t11d0 /dev/rdsk/c10t500000E01046E390d0