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Oracle Solaris 11.1 でのサービスと障害の管理 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
SMF には、マスターリスタータデーモンと委任リスタータがあります。加えて、個々のサービスまたはサービスインスタンスは構成データをプロパティーに格納できます。これらのプロパティーはプロパティーグループに整理され、管理が容易になっています。
svc.startd デーモンは、マスタープロセスのスタータおよびリスタータです。このデーモンは、システム全体のサービス依存関係を管理する役割を担っています。適切な実行レベルで適切な /etc/rc*.d スクリプトを起動することは、以前は init の役割でしたが、現在はこのデーモンの役割です。まず、svc.startd はサービス構成リポジトリに格納されている情報を取り出します。次に、サービス依存関係が満たされたときにそのサービスを起動します。また、失敗したサービスの再起動や、依存関係が満たされなくなったサービスの停止も行います。デーモンはプロセス消滅などのオペレーティングシステムイベントを使用して、サービスの状態を追跡します。
一部のサービスは、起動時に共通の動きが見られます。これらのサービス間に共通性を持たせるために、委任リスタータがこれらのサービスに対する責任を負うことがあります。また、より複雑な再起動やアプリケーション固有の再起動を行えるようにする場合にも委任リスタータを使用できます。委任リスタータは、別のメソッド群をサポートできますが、マスターリスタータと同じサービス状態をエクスポートします。リスタータの名前は、サービスとともに格納されます。委任リスタータの例には、インターネットサービスを常に実行しておくのではなく、要求に応じて起動できる inetd があります。各サービスの定義済みリスタータは、svcs -l コマンドを使用して表示できます。
サービス構成リポジトリ内のすべての情報は、プロパティーグループによってグループ化される一連のプロパティーとして格納されます。プロパティーグループは、さまざまな種類のサービス情報をグループ化するために使用されます。プロパティーグループは、個々のサービスだけでなくシステムにも適用できます。一般的なシステム定義のプロパティーグループには、次のものがあります。
general – サービスインスタンスについての情報を格納します。インスタンスが有効かどうかを定義する general/enabled プロパティーを含みます。
restarter – サービスのリスタータによって格納される実行時の情報を格納します。サービスの現在の状態を示す restarter/state プロパティーを含みます
start – 起動方法の定義を格納します。サービスを起動するためにどのプログラムを実行するかを定義する start/exec プロパティーを含みます。
他の一般的なプロパティーグループに、config があります。config プロパティーグループはシステムで定義されないため、サービス開発者がサービスデータを保持するために使用できます。プロパティーとプロパティーグループの詳細は、smf(5) のマニュアルページを参照してください。