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Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11.1 への移行 Oracle Solaris 11.1 Information Library (日本語) |
1. Oracle Solaris 10 から Oracle Solaris 11 リリースへの移行 (概要)
2. Oracle Solaris 11 インストール方法への移行
Oracle Solaris 10 のシステム構成と Oracle Solaris 11 のシステム構成の比較
Oracle Solaris 11 のインストール後に印刷環境を設定する方法
Oracle Solaris 11 では、システムは ZFS ルートファイルシステムからブートします。デフォルトでは、ZFS ルートファイルシステムは rpool という名前の ZFS ルートプール内に含まれています。このリリースでは、UFS ファイルシステムの作成も引き続きサポートされていますが、UFS または Solaris ボリュームマネージャーのルートファイルシステムからブートを行うことはできません。
回復のためにシステムをブートする方法に影響を及ぼす次の情報を確認してください。
システムのサービスプロセッサ (SP) または ILOM を使用してシステム関連の問題から回復する場合、システムの SP または ILOM へのアクセス方法は以前のリリースと同じです。主な相違点は、SPARC ベースのシステムの ok PROM プロンプトまたは x86 ベースのシステムのファームウェア画面 (BIOS または UEFI) に達したあとのシステムをブートする方法に関連するものです。
Oracle Solaris 10 では、フラッシュアーカイブ機能を使用して UFS または ZFS ルート環境のコピーを作成しておき、システムまたはデバイスの障害が発生した場合にそのフラッシュアーカイブを復元して、システム環境を回復します。
Oracle Solaris 11 では、システムの回復処理には次の手順が含まれます。
リモートシステムでのルートプールスナップショットのアーカイブ
障害の発生したシステムコンポーネントまたはデバイスの交換
ルートプールの再作成および bootfs プロパティーの設定
以前アーカイブしたルートプールスナップショットの復元
ブートブロックの手動インストール
『Oracle Solaris 11.1 の管理: ZFS ファイルシステム』の第 11 章「スナップショットのアーカイブとルートプールの回復」を参照してください。
回復のためにシステムをブートしようとするとき、システムをブートできないが、その障害がルートプールを使用できないことが原因ではない場合、インストールメディアまたはインストールサーバーから新しいブートオプションを使用してブートの問題を解決できます。「システム回復のためのブート」を参照してください。
Oracle Solaris 11.1 以降、次の変更が導入されています。
GRUB 2 は x86 プラットフォームでのデフォルトのブートローダーである – GRUB 2 は、元の GRUB 0.97 ベースのブートローダー (GRUB Legacy) を置き換えます。GRUB 2 は、2T バイトを超えるディスクからのブートを完全にサポートします。GRUB 2 は Unified Extensible Firmware Interface (UEFI) と GUID Partition Table (GPT) パーティションスキームもサポートしています。
GRUB メニューの変更点 – GRUB Legacy で使用される編集可能な menu.lst ファイルとは違い、GRUB 2 では、旧バージョンの menu.lst ファイルとは構文的に異なる grub.cfg という名前の構成ファイルが使用されます。grub.cfg ファイルは、GRUB 構成の大半を保存し、bootadm コマンドを使用してのみ管理されます。この変更に対応するために、bootadm コマンドは、いくつかの新しいサブコマンドと、複数のルートプールに対する GRUB 構成を管理できるようにする新しい -P オプションを含むように拡張されました。
注 - GRUB 構成を変更すると grub.cfg ファイルに加えられている変更が自動的に上書きされることがあるため、このファイルを手動で編集しないでください。『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の第 2 章「GRand Unified Bootloader の管理 (タスク)」および bootadm(1M)を参照してください。
Oracle Solaris 以外のブートエントリの管理 – GRUB 2 には、custom.cfg という名前の追加の構成ファイルが含まれています。このファイルを使用して、カスタムメニューエントリを GRUB 構成に追加できます。custom.cfg ファイルはデフォルトでシステムに存在しません。ファイルを作成し、grub.cfg と同じ場所に格納する必要があります ( /pool-name/boot/grub/)。ブートプロセス中、GRUB はルートプールの最上位レベルのデータセット内に custom.cfg ファイルがあるかどうかチェックします (boot/grub)。ファイルが存在する場合、GRUB はそのファイルをソースとし、内容が実際に grub.cfg ファイルの一部であったかのように、ファイル内にあるすべてのコマンドを処理します。『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「GRUB 構成のカスタマイズ」を参照してください。
64 ビット UEFI ファームウェアサポート – Oracle Solaris は、64 ビット UEFI ファームウェア搭載の x86 ベースのシステムをサポートするようになりました。UEFI ファームウェアへのインストールは、DVD、USB、およびネットワークインストール方法によってサポートされています。UEFI バージョン 2.1 以上が必要です。
UEFI ファームウェア搭載のシステムをネットワークからブートする場合、ブートプロセスがわずかに変更されました。詳細については、『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「UEFI および BIOSファームウェアを搭載するシステムのネットワークからのブート」を参照してください。
GPT ラベル付きディスクからのブート– GPT ラベル付きディスクは、SPARC プラットフォームと x86 プラットフォームの両方でサポートされるようになりました。x86 または GPT 対応ファームウェアを搭載した SPARC ベースのシステムに Oracle Solaris 11.1 をインストールすると、ほとんどの場合にディスク全体を使用するルートプールディスクで GPT ディスクラベルが適用されます。それ以外の場合は、SPARC ベースのシステムに Oracle Solaris 11.1 をインストールすると、単一のスライス 0 を使用してルートプールディスクに SMI (VTOC) ラベルが適用されます。
GPT ラベル付きブートディスクをサポートする SPARC ベースのシステムの場合、GPT 対応ファームウェアの更新を適用する方法の詳細は、『Oracle Solaris 11.1 ご使用にあたって』の「x86: マスターブートレコードの EFI_PMBR エントリがアクティブでない場合に BIOS ファームウェアを含む一部のシステムがブートしない (7174841)」を参照してください。
GRUB Legacy をサポートするリリースを実行していて、GRUB 2 をサポートするリリースへと移行する場合は、『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「GRUB Legacy システムを GRUB 2 をサポートするリリースにアップグレードする」を参照してください。
次のエラーおよび復旧シナリオは以前のリリースと同様です。
boot -a コマンドを使用して、/etc/system ファイル内の問題をバイパスできます。プロンプトが表示されたら、次のような構文を使用します。
Name of system file [/etc/system]: /dev/null
必要に応じて、他のプロンプトで Return キーを押します。
バックアップ BE は、ほとんどの pkg update 操作中に自動的に作成されます。この機能を使用すると、イメージ更新プロセス中にエラーが発生した場合に、以前の BE をブートできます。システム構成を変更する前に、バックアップ BE の作成を検討してください。
# beadm create solaris-backup # beadm list BE Active Mountpoint Space Policy Created -- ------ ---------- ----- ------ ------- solaris R - 4.01G static 2013-02-08 16:53 solaris-backup N / 47.95M static 2013-02-11 10:48
バックアップ BE からブートする手順については、「復旧のためにバックアップ BE からブートする方法」を参照してください。
インストールメディアから、またはネットワーク経由でインストールサーバーからブートして、システムのブートを妨げている問題から回復したり、失われた root パスワードを回復したりします。
SPARC ベースのシステムでは、boot net:dhcp コマンドは、Oracle Solaris 10 リリースで使用される boot net コマンドに代わるものです。
シングルユーザーモードでシステムをブートして、/etc/passwd ファイルの root シェルエントリの修正や、NIS サーバーの変更などの軽微な問題を解決します。
ブート構成の問題の解決では、一般に、ルートプールをインポートし、BE をマウントし、破損した x86 ブートローダーの再インストールなど、問題を修正します。
フェイルセーフアーカイブのブートは、SPARC および x86 プラットフォームでサポートされなくなりました。可能な場合は常に、復旧には最新のバックアップ BE を使用します。BE は、Oracle Solaris イメージのブート可能なインスタンスに、そのイメージにインストールされているその他のアプリケーションソフトウェアパッケージを加えたものです。バックアップ BE は元の BE を維持するため、ソフトウェアを更新するときに 複数の BE があるとリスクが軽減されます。
アクティブまたは非アクティブのブート環境に基づいて新しい BE を作成できます。または、元の BE のクローンに基づいて新しい BE を作成できます。クローンは、ルートデータセットと、元の BE のメインルートデータセットの下にあるすべてのものを階層的にコピーします。『Oracle Solaris 11.1 ブート環境の作成と管理』を参照してください。
システムがアクティブな BE からブートしない場合は、ブート元となるバックアップ BE を選択します。
ok boot -L
Boot device: /pci@7c0/pci@0/pci@1/pci@0,2/LSILogic,sas@2/disk@0,0:a File and args: -L 1 Oracle Solaris 11.1 SPARC 2 solaris-backup Select environment to boot: [ 1 - 2 ]: 2
前述の出力で、アクティブな BE は Oracle Solaris 11.1 SPARC です。おそらく実際の BE 名と一致しませんが、現在の BE を表しています。
ブート元の BE を選択したあと、画面上のブートパスを識別し、その情報をプロンプトに入力します。
To boot the selected entry, invoke: boot [<root-device>] -Z rpool/ROOT/solaris-backup Program terminated {0} ok boot -Z rpool/ROOT/solaris-backup
システムがブートしない場合は、「復旧を目的としてシステムをブートする方法」の追加のブート復旧手順を確認してください。
GNU GRUB version 1.99,5.11.0.175.1.0.0.14.0 **************************************************************************** *solaris * *solaris-1 * * * * * * * * * ****************************************************************************
システムがバックアップ BE からブートしない場合は、「復旧を目的としてシステムをブートする方法」の追加のブート復旧手順を確認してください。
注 - x86 プラットフォームでは、reboot コマンドに -p オプションを付けて使用して、システムの標準リブートを開始します。これにより、GRUB メニューを表示またはインストールオプションを選択できるようになります。そうでない場合、システムのデフォルトは高速リブートに設定されます。
x86: Live Media – インストールメディアからブートし、回復手順のために GNOME 端末を使用します。
SPARC: テキストインストール – インストールメディアまたはネットワークからブートし、テキストインストール画面からオプション「3 Shell」を選択します。
x86: テキストインストール – GRUB メニューから「Text Installer and command line」ブートエントリを選択し、次にテキストインストール画面からオプション「3 Shell」を選択します。
SPARC: 自動インストール – 次のコマンドを使用して、シェルに出られるインストールメニューから直接ブートします。
ok boot net:dhcp
x86: 自動インストール – PXE ブートをサポートするネットワーク上のインストールサーバーからブートします。GRUB メニューから「Text Installer and command line」エントリを選択します。次に、テキストインストール画面からオプション「3 Shell」を選択します。
たとえば、システムがブートしたあとで、オプション「3 Shell」を選択します。
1 Install Oracle Solaris 2 Install Additional Drivers 3 Shell 4 Terminal type (currently xterm) 5 Reboot Please enter a number [1]: 3 To return to the main menu, exit the shell #
$multiboot /ROOT/s11u1_24b/@/$kern $kern -B $zfs_bootfs -s
# zpool import -f rpool # beadm list be_find_current_be: failed to find current BE name BE Active Mountpoint Space Policy Created -- ------ ---------- ----- ------ ------- solaris - - 7.74M static 2013-02-09 09:40 solaris-1 R - 4.08G static 2013-02-13 07:24 # mkdir /a # beadm mount solaris-1 /a # TERM=vt100 # export TERM # cd /a/etc # vi shadow <Carefully remove the unknown password> # cd / # beadm umount solaris-1 # halt
# init 0 ok boot -s Boot device: /pci@780/pci@0/pci@9/scsi@0/disk@0,0:a File and args: -s SunOS Release 5.11 Version 11.1 64-bit Copyright (c) 1983, 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Booting to milestone "milestone/single-user:default". Hostname: tardis.central Requesting System Maintenance Mode SINGLE USER MODE Enter user name for system maintenance (control-d to bypass): root Enter root password (control-d to bypass): xxxxxxx single-user privilege assigned to root on /dev/console. Entering System Maintenance Mode Feb 13 00:21:31 su: 'su root' succeeded for root on /dev/console Oracle Corporation SunOS 5.11 11.1 September 2012 su: No shell /usr/bin/mybash. Trying fallback shell /sbin/sh. root@tardis.central:~# TERM=vt100; export TERM root@tardis.central:~# vi /etc/passwd root@tardis.central:~# <Press control-d> logout svc.startd: Returning to milestone all.
# zpool import -f rpool
# bootadm install-bootloader -f -P pool-name
ここで、-f は、システム上のブートローダーのバージョンをダウングレードしないよう、ブートローダーのインストールを強制し、バージョンチェックをバイパスします。-p オプションは、ルートプールの指定に使用されます。
注 - 確実にブートローダーをメディア上にあるバージョンで上書きするのでない限り、-f オプションを使用しないでください。『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「bootadm install-bootloader コマンドを使用して GRUB 2 をインストールする」を参照してください。
# zpool export pool-name
このプロセスは、SPARC と x86 プラットフォームで同じです。
このステップは、前のステップで不明な root パスワードを削除したことを前提としています。
$multiboot /ROOT/s11u1_24b/@/$kern $kern -B $zfs_bootfs -s
ok boot -s Boot device: /pci@780/pci@0/pci@9/scsi@0/disk@0,0:a File and args: -s SunOS Release 5.11 Version 11.1 64-bit Copyright (c) 1983, 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Booting to milestone "milestone/single-user:default". Hostname: tardis.central Requesting System Maintenance Mode SINGLE USER MODE Enter user name for system maintenance (control-d to bypass): root Enter root password (control-d to bypass): <Press return> single-user privilege assigned to root on /dev/console. Entering System Maintenance Mode Feb 13 00:58:42 su: 'su root' succeeded for root on /dev/console Oracle Corporation SunOS 5.11 11.1 September 2012 root@tardis.central:~# passwd -r files root New Password: xxxxxx Re-enter new Password: xxxxxx passwd: password successfully changed for root root@tardis.central:~# <Press control-d> logout svc.startd: Returning to milestone all.
Oracle Solaris 11 では、次のブート、プラットフォーム、およびハードウェア機能が変更されます。
x86 プラットフォームのサポートは 64 ビットのみ – x86 プラットフォームで 32 ビットカーネルをブートするためのサポートは削除されました。32 ビットハードウェアを備えるシステムでは、64 ビットハードウェアにアップグレードするか、引き続き Oracle Solaris 10 を実行する必要があります。32 ビットアプリケーションはこの変更の影響を受けません。
ビットマップコンソールのサポート – Oracle Solaris 11 には、高解像度で発色数の多いコンソールのサポートが含まれています。デフォルトでは、ビデオカードがこの設定をサポートしていない場合を除き、マシンは 1024x768x16 ビットのコンソールでブートします。その場合、設定は 800x600 に戻り、最終的には 640x480 に戻ります。コンソールタイプ (古い VGA TEXT 640x480 コンソールも含む) は、次のように、ブート時に GRUB メニューを編集して指定されるカーネルパラメータおよびオプションを通じて制御できます。
-B console={text|graphics|force-text}
『Oracle Solaris 11.1 システムのブートおよびシャットダウン』の「ブート時に Oracle Solaris コンソールをリダイレクトする」を参照してください。
x86 および SPARC プラットフォームでの高速リブートのサポート – x86 プラットフォームで、高速リブートは、カーネルをメモリにロードしてからそのカーネルに切り替えるカーネル内ブートローダーを実装します。高速リブートをサポートする SPARC ベースのシステムの場合、ブートプロセスは特定の POST テストをスキップすることによって加速化されます。
SPARC プラットフォームの高速リブート機能の動作は x86 プラットフォームとはわずかに異なります。SPARC ベースのシステムで高速リブートを開始するには、reboot コマンドで -f オプションを使用します。x86 プラットフォームでは高速リブートはデフォルトの動作なので、-f オプションは必要ありません。x86 ベースのシステムの高速リブートを開始するには、reboot コマンドまたは init 6 コマンドを使用します。高速リブート機能は、必要に応じて有効または無効にできる SMF プロパティーを通じて管理されます。詳細については、『Oracle Solaris Administration: Common Tasks』の「Accelerating the Reboot Process」を参照してください。
SPARC sun4u アーキテクチャーのサポートの削除 – M シリーズ (OPL) ハードウェアを除いて、sun4u アーキテクチャーで Oracle Solaris 11 をブートすることはできません。これらのシステムのいずれかで Oracle Solaris 11 のブートを試みると、次のエラーメッセージが表示されます。
Rebooting with command: boot Error: 'cpu:SUNW,UltraSPARC-IV+' is not supported by this release of Solaris. NOTICE: f_client_exit: Program terminated!