Live Upgrade 使用時のシステム要件と制限事項
UFS ファイルシステムの ZFS ファイルシステムへの移行を実行する前、または既存の ZFS ルートプールから新規 ZFS ブート環境を作成する前に、必ず、次の要件と制限事項をよく読んで理解してください。これらの要件は、『Oracle Solaris 10 1/13 インストールガイド: インストールとアップグレードの計画』の第 5 章「ZFS ルートファイルシステムのインストール計画」に列挙されている要件に追加されるものです。
表 11-1 要件および制限事項
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Solaris 10 10/08 以降のリリースをインストールしてください。 |
Live
Upgrade を使った UFS ファイルシステムから ZFS ルートプールへの移行、およびルートプール内への新しいブート環境の作成は、Solaris 10 10/08 リリースの新機能です。このリリースには、ZFS での Live Upgrade
の使用に必要なソフトウェアが含まれています。ZFS を使用する場合は、このリリース以降をインストールしてください。 |
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ディスク容量 |
ブート可能な ZFS ルートファイルシステムに使用されるプール領域の最小ディスク容量は、物理メモリー容量、使用可能ディスク領域、作成するブート環境の数によって異なります。 |
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UFS ルート (/) ファイルシステムから ZFS ルートプールに移行する場合は、次の要件を考慮します。 |
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共有ファイルシステムを移行する場合、共有ファイルシステムを、新しい ZFS ルートプール上の別個のスライスにコピーすることはできません。 |
たとえば、UFS
ルート (/) ファイルシステムで Live Upgrade を実行する場合は、-m オプションを使用して /export ファイルシステムを別のデバイスにコピーできます。共有ファイルシステムを ZFS プールにコピーする -m
オプションはありません。 |
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非大域ゾーンを含む UFS ルートファイルシステムを移行する場合、共有ファイルシステムは移行されません。 |
UFS ルート (/) ファイルシステムおよび非大域ゾーンがインストールされているシステムでは、非大域ゾーンは、そのゾーンがクリティカルファイルシステム内にある場合に UFS から ZFS への移行の一部として移行されるか、同じ ZFS プール内でアップグレードを行うときにクローニングされます。非大域ゾーンが共有
UFS (/) ファイルシステムに存在する場合、ZFS ルートプールに移行するには、以前の Oracle Solaris リリースの場合と同様に、まずゾーンをアップグレードする必要があります。 |
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ZFS rename コマンドは使用しないでください。 |
Live Upgrade 機能で名前の変更が認識されないため、ludelete などの後続のコマンドが失敗します。既存のブート環境を引き続き使用するのであれば、ZFS
のプールやファイルシステムの名前は変更しないでください。 |
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lucreate コマンドを使用する前に、データセットのプロパティーを設定します。 |
Live Upgrade は、ブート環境のデータセット、およびスワップ領域とダンプデバイスのための ZFS ボリュームを作成しますが、既存のデータセットプロパティーを変更することはありません。そのため、新しいブート環境で有効にするデータセットプロパティーがある場合は、 lucreate 操作の前にそのプロパティーを設定する必要があります。例: # zfs set compression=on rpool/ROOT |
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同一の ZFS ルートプール内に ZFS ブート環境を作成する場合、lucreate コマンドの追加用オプションや除外用オプションを使ってその内容をカスタマイズすることはできません。 |
同一の
ZFS ルートプールにブート環境を作成する場合、プライマリブート環境でファイルを追加したり除外したりするために -f、 -o、 -y、 -Y、および -z オプションを使用することはできません。ただし、次の場合はこれらのオプションを使用できます。
UFS ファイルシステムから UFS ファイルシステムにブート環境を作成する場合
UFS ファイルシステムから ZFS ルートプールにブート環境を作成する場合
ZFS ルートプールから別の ZFS ルートプールにブート環境を作成する場合
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注 - Live Upgrade を使用して、ルート以外の ZFS ファイルシステムをアップグレードすることはできません。