Solaris Volume Manager の概要

Solaris Volume Manager は、多数のディスクやそれらのディスク上のデータを管理するために使用できるソフトウェア製品です。Solaris Volume Manager には多くの使用方法がありますが、ほとんどのタスクには次の利点があります。

• ストレージ容量の増加

• データ可用性の向上

• 大容量ストレージデバイスの管理の容易化

場合によっては、Solaris Volume Manager により入出力パフォーマンスも向上します。

Solaris オペレーティングシステムでサポートされるディスクタイプのについては、『Oracle Solaris の管理: デバイスとファイルシステム』の第 7 章「ディスクの管理 (概要)」を参照してください。

Solaris Volume Manager でのストレージの管理方法

Solaris Volume Manager は仮想ディスクを使用して、物理ディスクとそれに関連するデータを管理します。Solaris Volume Manager では、仮想ディスクをボリュームと呼びます。また、歴史的な理由から、コマンド行ユーティリティーによってはボリュームをメタデバイスと呼ぶこともあります。

アプリケーションまたはファイルシステムから見た場合、ボリュームは機能的に物理ディスクと同じです。Solaris Volume Manager は、ボリューム宛ての入出力リクエストを、基となるメンバーディスクへの入出力リクエストに変換します。

Solaris Volume Manager ボリュームは、ディスクスライスまたはほかの Solaris Volume Manager ボリュームから構築されます。ボリュームを簡単に構築する方法として、Solaris 管理コンソールに組み込まれたグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) の使用があります。Solaris 管理コンソール 内の拡張ストレージツールは、ユーザーに既存のすべてのボリュームのビューを提供します。ウィザードの手順に従うことによって、任意の種類の Solaris Volume Manager ボリュームまたはコンポーネントを簡単に構築できます。また、Solaris Volume Manager コマンド行ユーティリティーを使用してボリュームを構築または変更することもできます。

たとえば、1 つのボリュームとしてより多くのストレージ容量が必要な場合は、Solaris Volume Manager を使用して、システムでスライスの集まりを 1 つのより大きなボリュームとして処理するようにできます。これらのスライスからボリュームを作成したあと、ただちにそのボリュームを「実際の」スライスまたはデバイスの場合と同じように使用し始めることができます。

ボリュームのより詳細な説明については、「ボリュームの概要」を参照してください。

Solaris Volume Manager は、RAID-1 (ミラー) ボリュームおよび RAID-5 ボリュームを使用して、データの信頼性と可用性を向上させることができます。Solaris Volume Manager ホットスペアは、ミラーや RAID-5 ボリュームに対して別のレベルのデータ可用性を提供できます。

構成を設定したら、Solaris 管理コンソール 内の拡張ストレージツールを使用して、その操作に関する報告を行うことができます。