ストレージ管理の概要

ストレージの管理をどのように選択するかによって、システム上のアクティブなデータを格納するデバイスの制御方法が決定されます。アクティブなデータを役立てるには、ハードウェア障害やソフトウェア障害などの予期しないイベントのあとでも使用可能であり、持続的な状態が維持されるようにする必要があります。

ストレージハードウェア

データを格納できるデバイスには、さまざまなものがあります。ストレージニーズを最適に満たすためのデバイスの選択は、主に次の 3 つの要因によって決まります。

• パフォーマンス

• 可用性

• コスト

Solaris Volume Manager を使用すると、パフォーマンス、可用性、およびコストの間のトレードオフを管理しやすくなります。多くの場合は、Solaris Volume Manager によってトレードオフの多くを軽減できます。

Solaris Volume Manager は、Solaris オペレーティングシステムを実行する任意のシステム上のサポートされる任意のストレージとともに適切に動作します。

RAID レベル

RAID は、Redundant Array of Inexpensive (または Independent) Disks の頭字語です。RAID は、ユーザーには 1 つの大容量ディスクドライブに見える、アレイまたは「ボリューム」と呼ばれる一連のディスクを指します。構成に応じて、このアレイは信頼性、応答時間、またはストレージ容量を向上させます。

技術的には、0 から 5 までの 6 つの RAID レベルがあります。各レベルは、データの冗長性を確保しながら、データを分散させるための方法を示します。(RAID レベル 0 はデータの冗長性を提供しませんが、通常は RAID の分類として含まれます。RAID レベル 0 は、使用されているほとんどの RAID 構成の基礎を提供します。)RAID レベル 2、3、および 4 をサポートしているストレージ環境は非常に少ないため、ここではこれらの環境について説明していません。

Solaris Volume Manager は、次の RAID レベルをサポートしています。

• RAID レベル 0 – ストライプと連結は冗長性を提供しませんが、これらのボリュームは通常 RAID-0 と呼ばれます。データは基本的に、複数の物理ディスクにわたって交互にかつ均等に割り当てられた、比較的小さな、均一のサイズのフラグメントにわたって分散されます。どの 1 台のドライブに障害が発生しても、データが失われる場合があります。RAID-0 は、高いデータ転送速度と高い入出力スループットを提供しますが、1 つのディスクに比べて信頼性と可用性は低下します。

• RAID レベル 1 – ミラー化は、等しい量のディスク容量を使用して、データやデータのコピー (ミラー) を格納します。データは、2 台以上の物理ディスクにわたって複製またはミラー化されます。両方のドライブから同時にデータを読み取ることができます。つまり、どちらのドライブも任意のリクエストを処理できるため、パフォーマンスが向上します。1 つの物理ディスクに障害が発生しても、パフォーマンスの低下やデータの損失なしにミラーを引き続き使用できます。

  Solaris Volume Manager は、基となるボリュームに応じて、RAID-0+1 と (透過的に) RAID-1+0 ミラー化の両方をサポートします。詳細は、「RAID-1+0 と RAID-0+1 の提供」を参照してください。

• RAID レベル 5 – RAID-5 は、ストライプ化を使用して、データをアレイ内のディスクにわたって分散させます。RAID-5 はまた、ある程度のデータの冗長性を提供するためのパリティー情報も記録します。RAID-5 ボリュームは、障害を発生させることなく、基となるデバイスのエラーに耐えることができます。RAID-5 ボリュームがホットスペアと組み合わせて使用された場合、そのボリュームは障害を発生させることなく、複数のエラーに耐えることができます。RAID-5 ボリュームは、障害が発生したデバイスで動作している場合、パフォーマンスが大幅に低下します。

  RAID-5 モデルでは、すべてのデバイスに、パリティーストライプを含む 1 つの領域と、データを含むその他の領域があります。パリティーはアレイ内のすべてのディスクにわたって分散されるため、書き込み時間が短縮されます。書き込み時間が短縮されるのは、専用のパリティーディスクがデータを受け入れ可能になるまで書き込みを待たせる必要がないためです。