ディスクセットの保守

ディスクセットのステータスを確認する方法

ディスクセットのステータスを確認するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ディスクセット」ノードを開きます。マウスの右ボタンで、モニターするディスクセットをクリックします。次に、メニューから「プロパティー」を選択します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- 次の形式の metaset コマンドを使用して、ディスクセットステータスを表示します。
```
# metaset -s diskset-name
```
  詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
  
  注 - ディスクセットの所有権は、所有しているホストでのみ表示されます。

例 19-6 指定されたディスクセットのステータスの確認

次の例は、-s オプションに続けてディスクセット blue の名前が指定された metaset コマンドを示しています。このコマンドからの出力には、そのディスクセットのステータス情報が表示されます。この出力は、host1 がディスクセットの所有者であることを示しています。metaset コマンドではまた、ディスクセット内のディスクも表示されます。

red# metaset -s blue


Set name = blue, Set number = 1

Host                Owner
  host1             Yes 

Drive               Dbase
  c1t6d0             Yes 
  c2t6d0             Yes

metaset コマンドは、それ自体で、すべてのディスクセットのステータスを表示します。

ディスクセットからディスクを削除する方法

ディスクセットからディスクを削除するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ディスクセット」ノードを開きます。マウスの右ボタンで、解放するディスクセットをクリックします。次に、メニューから「プロパティー」を選択します。「ディスク」タブをクリックします。オンラインヘルプの指示に従います。
- 次の形式の metaset コマンドを使用して、ディスクセットからディスクを削除します。
```
# metaset -s diskset-name -d disk-name
```
  -s diskset-name
  
  ディスクを削除するディスクセットの名前を指定します。
  
  -d disk-name
  
  ディスクセットから削除するディスクを指定します。ディスク名の形式は、cxtxdx です。ディスクセットからディスクを削除する場合、「sx」のスライス識別子は含まれません。
  
  詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスクがディスクセットから削除されていることを確認します。
```
# metaset -s diskset-name
```
注 - ディスクセットを削除するには、まずそのディスクセットからすべてのディスクを削除する必要があります。

例 19-7 ディスクセットからのディスクの削除

次の例は、ディスクセット blue からのディスク c1t6d0 の削除を示しています。

host1# metaset -s blue -d c1t6d0
host1# metaset -s blue
 
Set name = blue, Set number = 1

Host                Owner
  host1            
    host2 

Drive               Dbase
  c2t6d0             Yes

ディスクセットを取得する方法

注 - このオプションは、複数所有者ディスクセットには使用できません。

ディスクセットを取得するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ディスクセット」ノードを開きます。マウスの右ボタンで、取得するディスクセットをクリックします。次に、メニューから「所有権を取得」を選択します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- 次の形式の metaset コマンドを使用します。
```
# metaset -s diskset-name -t -f 
```
-s diskset-name

取得するディスクセットの名前を指定します。

-t

ディスクセットを取得するように指定します。

-f

ディスクセットを強制的に取得するように指定します。

詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
一度に 1 つのホストだけがディスクセットを所有できます。ディスクセット内の 1 つのホストがそのディスクセットを取得すると、ディスクセット内のその他のホストは、そのディスクセット内のディスク上のデータにアクセスできません。
metaset コマンドのデフォルトの動作では、ディスクセットの所有権を持つホスト上で解放が可能である場合にのみ、ほかのホストがディスクセットを取得できるようになります。ディスクセットを強制的に取得するには、-f オプションを使用します。このオプションは、別のホストが現在ディスクセットを所有しているかどうかにかかわらず、ディスクセットを取得します。この方法は、ディスクセット内のホストがダウンしているか、または通信していない場合に使用します。この時点でほかのホストがディスクセットを取得された場合、そのホストは、そのディスクセットに対する入出力操作を実行しようとするとパニックを起こします。

注 - ディスクセットの所有権は、所有しているホストでのみ表示されます。

例 19-8 ディスクセットの取得

次の例では、ホスト host1 がホスト host2 と通信します。この通信によって、ホスト host1 がディスクセットを取得しようとする前に、ホスト host2 がそのディスクセットを解放していることが保証されます。

host1# metaset
...
Set name = blue, Set number = 1
 
Host                Owner
  host1
  host2
...
host1# metaset -s blue -t
host1# metaset
...
Set name = blue, Set number = 1
 
Host                Owner
  host1                Yes
  host2
...

host2 がディスクセット blue を所有していたとすると、前の出力の「Owner」列は引き続き空白になります。metaset コマンドは、このコマンドを発行しているホストがそのディスクセットを所有しているかどうかのみを示します。

例 19-9 ディスクセットの強制的な取得

次の例では、ディスクセットを取得しているホストがその他のホストと通信しません。代わりに、-f オプションにより、ディスクセット内のディスクを警告なしで強制的に取得できます。ほかのホストがそのディスクセットを所有していた場合、そのホストは、そのディスクセットに対する入出力操作を試行したとするとパニックを起こします。

# metaset -s blue -t -f

ディスクセットを解放する方法

ディスクセットの解放は、ディスクセット内の物理ディスクに対する保守を実行する場合に役立ちます。ディスクセットが解放されると、ホストからアクセスできなくなります。ディスクセット内の両方のホストがそのディスクセットを解放した場合は、ディスクセット内のどちらのホストも、そのディスクセットで定義されているボリュームまたはホットスペアプールに直接にはアクセスできません。ただし、両方のホストがディスクセットを解放した場合、各ホストは自身の c*t*d* 名を使用してそれらのディスクに直接アクセスできます。

注 - このオプションは、複数所有者ディスクセットには使用できません。

始める前に

「ディスクセットの操作のガイドライン」を確認してください。

ディスクセットを解放するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ディスクセット」ノードを開きます。マウスの右ボタンで、解放するディスクセットをクリックします。次に、メニューから「所有権を解放」を選択します。詳細は、オンラインヘルプを参照してください。
- ディスクセットの所有権を解放するには、次の形式の metaset コマンドを使用します。
```
# metaset -s diskset-name -r
```
  -s diskset-name
  
  metaset コマンドの対象となるディスクセットの名前を指定します。
  
  -r
  
  ディスクセットの所有権を解放します。ディスクセット内のすべてのディスクの予約が削除されます。そのディスクセット内のボリュームにはアクセスできなくなります。
  
  詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
  
  注 - ディスクセットの所有権は、所有しているホストでのみ表示されます。
このホスト上でディスクセットが解放されていることを確認します。
```
# metaset
```

例 19-10 ディスクセットの解放

次の例は、ディスクセット blue の解放を示しています。ディスクセットの所有者が存在しないことに注意してください。ホスト host1 からのステータスの表示は誤解を招く可能性があります。ホストが判定できるのは、自身がディスクセットを所有しているかどうかだけです。たとえば、ホスト host2 がディスクセットの所有権を取得しても、ホスト host1 からはその所有権が表示されません。host2 がディスクセットの所有権を持っていることを表示するのは、ホスト host2 だけです。

host1# metaset -s blue -r
host1# metaset -s blue
 
Set name = blue, Set number = 1

Host                Owner
  host1            
    host2

Drive               Dbase
  c1t6d0             Yes 
  c2t6d0             Yes

ホストまたはディスクセットを削除する方法

ディスクセットを削除するには、そのディスクセットにディスクが含まれていないこと、およびそのディスクセットにほかのホストが接続されていないことが必要です。最後のホストを削除すると、そのディスクセットが破棄されます。

ディスクセットからホストを削除するか、またはディスクセットを削除するには、次のいずれかの方法を使用します。
- Solaris 管理コンソール内の拡張ストレージツールから、「ディスクセット」ノードを開きます。マウスの右ボタンで、解放するディスクセットをクリックし、メニューから「削除」を選択します。オンラインヘルプの指示に従います。
- ホストを削除するには、次の形式の metaset コマンドを使用します。
```
metaset -s diskset-name -d -h hostname
```
  -s diskset-name
  
  metaset コマンドの対象となるディスクセットの名前を指定します。
  
  -d
  
  ディスクセットからホストを削除します。
  
  -h hostname
  
  削除するホストの名前を指定します。
  
  ディスクセットを削除するには、前の metaset コマンドと同じ形式を使用します。ディスクセットを削除するには、そのディスクセットにディスクが含まれていないこと、およびほかのホストがそのディスクセットを所有していないことが必要です。最後のホストを削除すると、そのディスクセットが破棄されます。
  
  詳細は、metaset(1M) のマニュアルページを参照してください。
metaset コマンドを使用して、ホストがディスクセットから削除されていることを確認します。現在の (所有している) ホストだけが表示されることに注意してください。その他のホストは削除されています。
```
# metaset -s disk-set
```

例 19-11 ディスクセットからのホストの削除

次の例は、ディスクセット blue からのホスト host2 の削除を示しています。

# metaset -s blue
Set name = blue, Set number = 1

Host                Owner
  host1            Yes 
..host2

Drive               Dbase
  c1t2d0             Yes 
  c1t3d0             Yes 
  c1t4d0             Yes 
  c1t5d0             Yes 
  c1t6d0             Yes 
  c2t1d0             Yes

# metaset -s blue -d -h host2

# metaset -s blue
Set name = blue, Set number = 1

Host                Owner
  host1            Yes 

Drive               Dbase
  c1t2d0             Yes 
  c1t3d0             Yes 
  c1t4d0             Yes 
  c1t5d0             Yes 
  c1t6d0             Yes 
  c2t1d0             Yes

例 19-12 ディスクセットからの最後のホストの削除

次の例は、ディスクセット blue からの最後のホストの削除を示しています。

host1# metaset -s blue -d -h host1
host1# metaset -s blue
 
metaset: host: setname "blue": no such set

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