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Trusted Extensions 開発者ガイド     Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Trusted Extensions API およびセキュリティーポリシー

2.  ラベルと認可上限

3.  ラベルのコード例

4.  印刷とラベル API

5.  プロセス間通信

6.  Trusted X Window System

7.  ラベルビルダー API

8.  信頼できる Web ガードプロトタイプ

9.  Solaris Trusted Extensions ラベル API のための試験的な Java バインディング

A.  プログラマーのリファレンス

B.  Trusted Extensions API リファレンス

索引

はじめに

Trusted Extensions 開発者ガイドでは、アプリケーションプログラミングインタフェース (API) を使用して、Oracle Solaris OS の Trusted Extensions 機能で構成されるシステム用に信頼できる新しいアプリケーションを作成する方法について説明します。読者は、UNIX プログラミングに精通し、セキュリティーポリシーの概念を理解している必要があります。


注 - この Oracle Solaris のリリースでは、SPARC および x86 系列のプロセッサアーキテクチャーを使用するシステムをサポートしています。サポートされるシステムは、Oracle Solaris OS: Hardware Compatibility Lists に記載されています。本書では、プラットフォームにより実装が異なる場合は、それを特記します。

本書の x86 に関連する用語については、次を参照してください。

サポートされるシステムについては、Oracle Solaris OS: Hardware Compatibility Listsを参照してください。


このドキュメントに記載されているプログラム例は、API の紹介を中心としており、エラーチェックを行なっていないことに注意してください。実際に作成するアプリケーションでは、適切なエラーチェックを行うようにしてください。

Trusted Extensions のドキュメントの構成

Trusted Extensions のドキュメントセットは、Oracle Solaris リリースのドキュメントを補足します。Trusted Extensions をさらに詳しく理解するには、両方のドキュメントセットを参照してください。Trusted Extensions のドキュメントセットは、次のドキュメントで構成されています。

ドキュメントのタイトル
内容
対象読者
Solaris Trusted Extensions 移行ガイド
廃止。Trusted Solaris 8 ソフトウェア、Oracle Solaris ソフトウェア、および Trusted Extensions ソフトウェア間の違いについて概説しています。

このリリースでは、Trusted Extensions の変更点を Oracle Solaris OS の『新機能』のドキュメントで概説しています。

すべてのユーザー
Solaris Trusted Extensions リファレンスマニュアル
廃止。Solaris 10 11/06 と Solaris 10 8/07 リリースの Trusted Extensions における Trusted Extensions マニュアルページが記載されています。このリリースでは、Trusted Extensions のマニュアルページは Oracle Solaris のマニュアルページに含まれています。
すべてのユーザー
Trusted Extensions. の基本的な機能について説明しています。用語集も付属しています。
エンドユーザー、管理者、開発者
Solaris 10 5/08 リリース以降において、Trusted Extensions を有効化、および最初に構成する方法を説明しています。『Solaris Trusted Extensions インストールと構成』に代わるものです。
管理者、開発者
具体的な管理タスクの実行方法を示します。
管理者、開発者
Trusted Extensions を使ってアプリケーションを開発する方法について説明しています。
開発者、管理者
ラベルエンコーディングファイルでのラベルコンポーネントの指定方法について説明します。
管理者
ラベルエンコーディングファイルで使用される構文について説明します。構文を使用することにより、適格な形式のラベルに関するさまざまな規則がシステムに適用されます。
管理者

内容の紹介

第 1 章Trusted Extensions API およびセキュリティーポリシーでは、Trusted Extensions API の概要を示し、セキュリティーポリシーがシステム内でどのように強制されるかを説明します。

第 2 章ラベルと認可上限では、プロセスおよびデバイスオブジェクトのラベルを管理するためのデータ型および API について説明します。さらに、この章では、認可上限、プロセスで機密ラベルを取得する方法、ラベル操作で特権が必要な場合についても説明します。ラベルの処理に関するガイドラインも示します。

第 3 章ラベルのコード例では、ラベル用の API を使用するコード例を示します。

第 4 章印刷とラベル APIでは、ラベル API の使用例として Trusted Extensions のマルチレベル印刷サービスを使用します。

第 5 章プロセス間通信では、同じワークステーション内やネットワーク経由でのプロセス間通信にセキュリティーポリシーがどのように適用されるかの概要を示します。

第 6 章Trusted X Window Systemでは、管理アプリケーションによるセキュリティー関連の X Window System 情報へのアクセスと変更を可能にするデータ型および API について説明します。この章にはコード例のセクションもあります。

第 7 章ラベルビルダー APIでは、ラベルと認可上限の生成に使用するグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を作成するためのデータ型および API について説明します。この章にはコード例のセクションもあります。

第 8 章信頼できる Web ガードプロトタイプでは、インターネットを通じた攻撃から Web サーバーとその Web コンテンツを隔離する、安全な Web ブラウジングプロトタイプの例を示します。

第 9 章Solaris Trusted Extensions ラベル API のための試験的な Java バインディングでは、Trusted Extensions ソフトウェアに付属しているラベル API をミラー化する、実験的な一連の Java クラスおよびメソッドについて説明します。この章にはソースコードへのポインタや構築手順も記載されているので、これらの API を使用してラベル対応のアプリケーションを作成することができます。

付録 A プログラマーのリファレンスでは、Trusted Extensions のマニュアルページ、共有ライブラリ、ヘッダーファイル、およびデータ型名とインタフェース名に使用される略号に関する情報を示します。この付録ではアプリケーションのリリースの準備に関する情報も示します。

付録 B Trusted Extensions API リファレンスでは、パラメータおよび戻り値の宣言など、プログラミングインタフェースの一覧を示します。

Oracle サポートへのアクセス

Oracle のお客様は、My Oracle Support を通じて電子的なサポートを利用することができます。詳細は、http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=info を参照してください。聴覚に障害をお持ちの場合は、http://www.oracle.com/pls/topic/lookup?ctx=acc&id=trs を参照してください。

表記上の規則

次の表では、このドキュメントで使用される表記上の規則について説明します。

表 P-1 表記上の規則

字体
説明
AaBbCc123
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。
.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

machine_name% you have mail.

AaBbCc123
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。
machine_name% su

Password:

aabbcc123
プレースホルダ: 実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。
ファイルを削除するには、 rm filename と入力します。
AaBbCc123
書名、新しい単語、および強調する単語を示します。
ユーザーズガイド』の第 6 章を参照してください。

キャッシュは、ローカルに格納されるコピーです。

ファイルを保存しないでください。

注: いくつかの強調された項目は、オンラインでは太字で表示されます。

コマンド例のシェルプロンプト

Oracle Solaris OS に含まれるシェルで使用する、UNIX のシステムプロンプトとスーパーユーザープロンプトを次に示します。コマンド例のシェルプロンプトから、通常ユーザーと特権ユーザーのどちらがコマンドを実行すべきかがわかります。

表 P-2 シェルプロンプト

シェル
プロンプト
Bash シェル、Korn シェル、および Bourne シェル
$
Bash シェル、Korn シェル、および Bourne シェルのスーパーユーザー
#
C シェル
machine_name%
C シェルのスーパーユーザー
machine_name#