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Oracle Solaris チューニング可能パラメータリファレンスマニュアル     Oracle Solaris 10 1/13 Information Library (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle Solaris システムのチューニングの概要

2.  Oracle Solaris カーネルチューニング可能パラメータ

チューニング可能パラメータ情報の記載箇所

カーネルとメモリーの一般的なパラメータ

physmem

default_stksize

lwp_default_stksize

logevent_max_q_sz

segkpsize

noexec_user_stack

fsflush とそれに関連するパラメータ

fsflush

tune_t_fsflushr

autoup

dopageflush

doiflush

プロセス規模調整パラメータ

maxusers

reserved_procs

pidmax

max_nprocs

maxuprc

ngroups_max

ページング関連パラメータ

lotsfree

desfree

minfree

throttlefree

pageout_reserve

pages_pp_maximum

tune_t_minarmem

fastscan

slowscan

min_percent_cpu

handspreadpages

pages_before_pager

maxpgio

スワッピング関連パラメータ

swapfs_reserve

swapfs_minfree

カーネルメモリーアロケータ

kmem_flags

一般的なドライバパラメータ

moddebug

ddi_msix_alloc_limit

一般的な入出力パラメータ

maxphys

rlim_fd_max

rlim_fd_cur

一般的なファイルシステムパラメータ

ncsize

rstchown

dnlc_dir_enable

dnlc_dir_min_size

dnlc_dir_max_size

UFS パラメータ

bufhwm および bufhwm_pct

ndquot

ufs_ninode

ufs_WRITES

ufs_LW および ufs_HW

freebehind

smallfile

ufs_delete_hiwat

TMPFS パラメータ

tmpfs:tmpfs_maxkmem

tmpfs:tmpfs_minfree

仮想端末

pt_cnt

pt_pctofmem

pt_max_pty

STREAMS パラメータ

nstrpush

strmsgsz

strctlsz

System V メッセージキュー

System V セマフォー

System V 共有メモリー

segspt_minfree

pr_segp_disable

スケジューリング

rechoose_interval

タイマー

hires_tick

timer_max

SPARC システム固有のパラメータ

consistent_coloring

tsb_alloc_hiwater_factor

default_tsb_size

enable_tsb_rss_sizing

tsb_rss_factor

近傍性グループのパラメータ

lpg_alloc_prefer

lgrp_mem_pset_aware

Solaris ボリュームマネージャーのパラメータ

md_mirror:md_resync_bufsz

md:mirrored_root_flag

3.  Oracle Solaris ZFS チューニング可能パラメータ

4.  NFS チューニング可能パラメータ

5.  インターネットプロトコル群のチューニング可能パラメータ

6.  システム機能のパラメータ

A.  チューニング可能パラメータの変更履歴

B.  このマニュアルの改訂履歴

索引

System V 共有メモリー

System V 共有メモリーでは、プロセスによるセグメントの作成が可能です。連携するプロセスがそのメモリーセグメントに接続し (セグメントに対するアクセス権が必要)、セグメントに含まれるデータにアクセスできます。この機能はロード可能モジュールとして実装されます。/etc/system ファイルのエントリには、shmsys: 接頭辞が含まれている必要があります。

DBMS ベンダーは、パフォーマンスを高めるために、intimate shared memory (ISM) と呼ばれる特殊な共有メモリーを使用しています。共有メモリーセグメントを ISM セグメントにすると、そのセグメントのメモリーがロックされます。この機能によってより高速な入出力経路をたどることができ、メモリーの使用効率が向上します。セグメントを記述する一連のカーネルリソースは、ISM モードでセグメントに接続するすべてのプロセスによって共有されます。

Oracle Solaris 10 リリースの共有メモリーリソースの変更については、「System V IPC 構成」を参照してください。

Oracle Solaris 10 リリースでの新しいリソース制御の使用方法の詳細は、『Oracle Solaris の管理: Oracle Solaris コンテナ - リソース管理と Oracle Solaris ゾーン』の第 6 章「リソース制御 (概要)」を参照してください。

廃止された System V 共有メモリーパラメータの古い情報は、「廃止または削除されたパラメータ (Oracle Solaris 10)」を参照してください。

segspt_minfree

説明

ISM 共有メモリーに割り当てることのできないシステムメモリーのページ数を指定します。

データ型

符号なし long

デフォルト

最初の ISM セグメントが作成されるときに使用可能なシステムメモリーの 5%

範囲

物理メモリーの 0 から 50 %

単位

ページ

動的か

はい

検証

ありません。値が小さすぎると、メモリーが ISM セグメントに消費される時に、システムがハングしたりパフォーマンスが大幅に低下することがあります。

どのような場合に変更するか

大量のメモリーがあるデータベースシステムで ISM を使用する場合、このパラメータの値を引き下げることができます。ISM セグメントが使用されない場合には、このパラメータの効果はありません。大量のメモリーを備えたマシンでは、ほぼ間違いなく、最大値 128M バイト (0x4000) で十分です。

コミットレベル

変更の可能性あり

pr_segp_disable

説明

ISM に属する可能性のあるページを回収しようとするときに、ページロックキャッシュのフラッシュを無効にします。

ロック済みまたはビジー状態の (高負荷 I/O) ページが保留中のページ回収キューに格納されると、ISM で所有されている可能性のある保留中のページを回収させるために、ページ回収スレッドによって segp_cache がフラッシュされます。segp_cache を定期的に、または繰り返しフラッシュすると、メモリー負荷の高いマシンではボトルネックとなる可能性があります。

デフォルト動作では、30 秒ごとにページキャッシュがフラッシュされ、ロック済みページがキューで見つかると、タイムアウトは 2 の倍数単位で 1 時間まで指数関数的にバックオフします。

pr_segp_disable を有効にしても、システム診断対策の結果として障害が発生しているメモリーページなどを回収するシステムの機能は無効になりません。

データ型

ブール型

デフォルト

1 (無効)

範囲

0 (有効) および 1 (無効)

動的か

いいえ

検証

いいえ

どのような場合に変更するか

ロック済みまたはビジー状態の (高負荷 I/O) ページが保留中のページ回収キューに格納されると、ISM で所有されている可能性のある保留中ページを回収させるために、ページ回収スレッドによって segp_cache がフラッシュされます。segp_cache を定期的または繰り返しフラッシュすると、メモリー負荷の高いマシンのボトルネックとなる可能性があります。

遅延の影響を受けるデータベースまたは共有メモリーが大きいアプリケーションを使用している場合は、このパラメータを無効にして、segp キャッシュのフラッシュを完全にスキップすることを検討してください。

回収できないロック済みのカーネルページの現象は次のとおりです。

  • ページ回収が正常に実行されると、短時間の定期的な高い SYS CPU イベントとともに、短時間のデータベース遅延や一時的にデータベースが応答しないイベントが発生しますが、回収が繰り返し失敗するロック済みまたはビジー状態のページにより、ページ回収スレッドのトリガがより低速で続行される可能性があります。

    たとえば、回収できないロック済みのメモリーページは、短い間隔で再試行され、1 時間間隔で永続的に繰り返される可能性があります。システムのリブート後に、スケジュール済みのページが回収されるか、または 30 秒 (デフォルトの速度) で再試行が開始される可能性があります。

  • segspt_shmfaultsegspt_softunlocksegspt_shmpagelocksegspt_shmfree segspt_shmunmapsegspt_shmattach、および segspt_dismfault 構造体をモニターすると、短時間の予期しない、または高い smtx ロック競合が確認される可能性があります。

コミットレベル

変更の可能性あり