Oracle Tuxedo JCA Adapter概要

Oracle Tuxedo JCA Adapter (Tuxedo JCA Adapter)は、JCA 1.5に準拠したアプリケーション・サーバーとOracle Tuxedoシステムの間の双方向サービス起動を提供する、JCAベースのリソース・アダプタです。Tuxedo JCA Adapterは、JCAトランザクション標準に準拠する、グローバルおよびローカルのトランザクションをサポートします。また、接続管理、トランザクション伝播、アイデンティティ伝播およびリンク・レベルのセキュリティもサポートします。リンク・レベルのセキュリティでは業界標準のSSL/TLSまたは専用の高パフォーマンスのアルゴリズムを使用します。

同期および非同期のリクエスト起動をサポートします。Java言語バインディングでは、JCA標準Common Client Interface (CCI)と、Oracle Tuxedo ATMI (Application-To-Monitor Interface、X/Openの標準) APIの両方をサポートします。JEEアプリケーション(EJB、POJO、サーブレット/JSPなど)は、これらのAPIの1つを使用してOracle Tuxedoアプリケーション・ドメイン・リソースにアクセスできます。

逆に、Tuxedo JCA Adapterによって、Java JEEアプリケーション・サービスをOracle Tuxedoにエクスポートできます。インポートされたOracle Tuxedoリソースとして表示され、Oracle Tuxedo ATMIクライアントによってすぐにアクセスできます。

また、Tuxedo JCA Adapterは、JCA標準のサービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)を使用して、アプリケーション・サーバーとリソース・アダプタの間の規約を作成します。これにより、Tuxedo JCA Adapterの管理が任意のJCA準拠アプリケーション・サーバーで可能になり、Tuxedo JCA Adapterが任意のJCA準拠アプリケーション・サーバーと互換性を持つようになります。

Tuxedo JCA Adapterは、JCA標準リソース・アダプタ構成ファイル(ra.xml)と、Oracle Tuxedo固有の構成ファイル(dmconfig.xml)の組合せを使用して構成できます。また、ネイティブのアプリケーション・サーバー・メソッドを使用してTuxedo JCA Adapterをデプロイすることもできます。

Oracle JCA Adapterの履歴

リリース11gリリース1 (11.1.1.1.0)

Tuxedo JCA Adapter 11gリリース1 (11.1.1.1.0.)では、次の機能が導入されました。

双方向のサービス・リクエスト起動

Tuxedo JCA Adapterによって、JCA Common Client Interface (CCI)またはJava Application-To-Monitor Interface (JATMI)を使用して、JEEアプリケーションはOracle Tuxedoサービスにアクセスできるようになります。また、Oracle Tuxedoクライアントはアプリケーション・サーバー内のPOJOまたはEJB javaオブジェクトにアクセスできるようになります。

トランザクション・コンテキストおよびアイデンティティの通知

アウトバウンド・トランザクション(アプリケーション・サーバーからOracle Tuxedoへ)は、Tuxedo JCA Adapterによって定義されるトランザクション・タイプ用にサポートされます。次のトランザクションがサポートされます。

コンテナ管理のXAトランザクション
コンテナ管理のローカル・トランザクション
アダプタ管理のローカル・トランザクション

Tuxedo JCA Adapterを使用すると、ユーザー・アイデンティティをサービス・リクエストとともにOracle Tuxedoに送信できるようになります。これにより、リモート・ユーザーからOracle Tuxedoサービスを適切にアクセス制御できます。

セッション認証

セッション認証を使用すると、Tuxedo JCA AdapterとOracle Tuxedoシステムが相互に認証して信頼関係を作成できます。セッション認証では、ドメイン・パスワード認証およびアプリケーション・パスワード認証がサポートされます。

データの機密性

Javaアプリケーション・サーバーとOracle Tuxedoの間でデータの機密性を保護するために、最大128ビットまでの暗号化強度でリンク-レベル暗号化がサポートされます。次の暗号化強度レベルがサポートされます。

40ビット
56ビット
128ビット

Secure Socket Layerのサポート

業界標準のSecure Socket Layerが、Tuxedo JCA AdapterとOracle Tuxedo間の追加セキュリティ用にサポートされます。次の暗号化強度レベルがサポートされます。

56ビット
112ビット
128ビット
256ビット

アプリケーションの開発ための一般的なクライアント・インタフェース

Oracle Tuxedoクライアント・アクセスに対してJEE Connector Architecture Common Client Interface (CCI)がサポートされています。CCIレコードでの使用では、次のOracle Tuxedo型付きバッファがサポートされています。

STRING
CARRAY
FML/FML32
MBSTRING
VIEW/VIEW32
X_C_TYPE
X_COMMON
X_OCTET
XML

詳細情報は、『C言語を使用したOracle Tuxedo ATMIアプリケーションのプログラミング』の、Oracle Tuxedo11gR1での型付きバッファの管理に関する項を参照してください。

Java Application-To-Monitor Interface

Java Application-To-Monitor Interface (JATMI)は、Oracle Tuxedoによってサポートされた高パフォーマンスでグローバルなトランザクション同期化機能を提供するJava言語ベースのX/open XATMIインタフェースです。次のOracle Tuxedo ATMIがサポートされています。

tpcall
tpacall
tpconnect
tprecv
tpsend
tpdiscon
tpacall(非同期応答)
tpcancel
tpgetrply
tpenqueue
tpdequeue

詳細は、 Oracle Tuxedo 11gR1のコマンド・リファレンス・ガイドを参照してください。

制限

認証およびACLのためのOracle Tuxedoリクエストの偽装からのインバウンド

リリース11gリリース1 (11.1.1.2)

Tuxedo JCA Adapter 11gリリース1 (11.1.1.2)では、次の機能が拡張されました。

拡張機能

構成およびデプロイメントの簡略化

リリース12cリリース1 (12.1.1)

Tuxedo JCA Adapter 12cリリース1 (12.1.1)では、次の機能が拡張されました。

Oracle Tuxedoから開始されるトランザクション・コンテキストの伝播

Oracle TuxedoアプリケーションからJ2EEアプリケーションにXAトランザクション・コンテキストを通知できます。

JDeveloper SOA拡張機能との統合

Tuxedo JCA AdapterがOracle JDeveloper SOA Extensionと統合され、さらに幅広い操作が可能になりました。この機能により、ユーザー・アプリケーションはSOAコンポーネントを介してOracle Tuxedoサービスにアクセスできます。新たにコードを作成する必要はありません。