リリース・ノート

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Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)リリース・ノート

Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)
日付: 2012年6月

表1 改訂履歴
改訂日
変更の概要
2012年6月
GAリリース

このドキュメントでは、Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)のリリース・ノートを示します。次の内容について説明します。

 


このOracle Tuxedoリリースについて

ここでは、以下の内容について説明します。

このリリースの新機能と改良点

Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)では、次の新機能と拡張機能が提供されます。

Oracle Exalogicのための最適化

プロセス間通信での共有メモリーの使用

Oracle Tuxedo 12cでは、同一Tuxedoノード上でのプロセス間通信にIPCメッセージ・キューのかわりに共有メモリー・キューを使用して、ExalogicでのTuxedoアプリケーションのパフォーマンスが大幅に向上します。共有メモリー・キューを使用すると、送信側と受信側のプロセスが割当て前のメッセージを共有メモリー内で交換することができ、本来の宛先にメッセージが届くまでに何回もコピーする必要がなくなるため、スループットが大幅に向上し、待機時間が短縮されます。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』のTUXCONFIGファイルの作成方法に関する項、『Oracle Tuxedo ATMI C関数リファレンス』『Oracle Tuxedoファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』および『Oracle Tuxedoコマンド・リファレンス』を参照してください。

アプリケーション・ステージングの共有

Oracle Tuxedo 12cでは、Exalogicシステム上のストレージ・アプライアンスの多数の計算ノード間でアプリケーション・ディレクトリ(APPDIR)を共有できるため、アプリケーション・デプロイメントの管理が容易になります。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』UBBCONFIGの構成に関する項を参照してください。

XAの読取り専用の最適化

Tuxedoドメイン内およびTuxedoドメイン間での、読取り専用トランザクションの分散トランザクション処理が最適化されています。これには、TuxedoドメインとWTC間のグローバル・トランザクションも含まれます(WLS 12.1.1の場合。WLSのパッチまたは最新リリースについては、Oracleサポート・サービスに問い合せてください)。典型的なシナリオの1つは、グローバル・トランザクションのすべてのブランチが同一のOracle Databaseインスタンスにアクセスするケースです。

この機能をWebLogic Serverで使用するには、WebLogic Serverの最小パッチ要件を満たす必要があります。この機能はCORBAアプリケーションではサポートされません。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』RESOURCEおよびT_DOMAINに関する項を参照してください。

アプリケーションのパッケージ化とデプロイメント

Oracle Tuxedo 12cでは、アプリケーション・パッケージの新しい概念が導入されています。アプリケーション・パッケージは、自己完結型のデプロイ可能ユニットです。アプリケーション・パッケージには、アプリケーション・バイナリと必要な構成アーティファクトが含まれています。このリリースに含まれるアプリケーションのパッケージ化とデプロイメントの機能によって、プライベート・クラウド・アプリケーションのためのインフラストラクチャが提供されます。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』のOracle Tuxedoアプリケーションのパッケージ化とデプロイメントに関する項を参照してください。

Javaを使用した新しいアプリケーションの開発

この機能により、既存のC/C++/COBOLアプリケーションを拡張するために、Javaプログラミング言語を使用して新しいTuxedoサービスを開発できます。Javaサービスは、C/C++/COBOLサービスと同じコンテナにデプロイされて共存するため、同じツール・セットを使用して、異なるプログラミング言語で作成されたアプリケーションを管理および監視できます。同じコンテナでの共存により、様々な言語で作成されたサービス間でのトランザクション調整も最適化されます。Javaサービス開発に含まれる12cリリースの主要機能は次のとおりです。

詳細は、『Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』のATMI Javaサーバーの管理に関する項および『Javaを使用したOracle Tuxedoアプリケーションのプログラミング』を参照してください。

IBM WebSphere MQSeriesアダプタの機能

IBM WebSphere MQSeriesアダプタには次の新機能が追加されています。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』『コマンド・リファレンス』および『MQ Adapter』を参照してください。

サービス・バージョン管理

この機能では、構成を利用することで、既存のコードを変更せずに、様々なバージョンのTuxedoサービスを1つのアプリケーション・ドメイン内または複数ドメイン間にデプロイすることができます。バージョンを使用すると、既存のTuxedoアプリケーションを、いくつかの特別なビジネス・アクセス・ロジックに対応できるように、現在のTuxedo管理階層に基づく様々な仮想アプリケーション・ドメイン、マシンおよびサーバー・グループにパーティション化することができます。また、これによって、非停止モードでアップグレード要件を満たすこともできます。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』のTuxedoアプリケーションへのサービス・バージョンの適用に関する項を参照してください。

データ依存型ルーティングのための高可用性構成

この機能を使用すると、同じデータ範囲に複数のサーバー・グループを構成できるため、プライマリ・グループが使用できない場合に受信リクエストを代替グループにフェイルオーバーすることができ、アプリケーションの可用性が向上します。この機能は、ドメイン内またはドメイン間で使用できます。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』のROUTINGに関する項を参照してください。

XMLベースのデータ依存型ルーティングでのパスの使用

XMLバッファ・タイプがデータ依存型ルーティングに使用される場合、この機能により、ルーティング基準を指定する際のXPathの使用方法の柔軟性が大幅に向上します。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』UBBCONFIGおよびTM_MIBの構成に関する項を参照してください。

汎用のLDAP認証および認可フレームワーク

Oracle Tuxedo 12cでは、柔軟性が高い認証と認可のフレームワークが提供されます。これにより、資格証明とアクセス制御リスト(ACL)をLDAPまたは他のサード・パーティ・フレームワークに格納できます。

汎用のLDAP認証および認可フレームワークの主要な機能は次のとおりです。

詳細は、『ATMIアプリケーションにおけるセキュリティの使用』の汎用LDAPベース・セキュリティを有効にする方法に関する項を参照してください。

ECIDの伝播による診断の高速化

この機能では、ECID (実行コンテキストID)が、Tuxedo内、およびOracleスタックの様々な製品間で、各リクエストと一緒に伝播されます。ECIDの伝播によって、TuxedoドメインおよびOracle製品(WebLogic ServerやDatabaseなど)の間でのリクエストの相関が容易になり、アプリケーションの問題を迅速かつ容易に診断できるようになります。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』のECIDを伝播するためのTuxedoの設定に関する項を参照してください。

マスター・ノードとサーバー・グループの自動移行

この機能により、手動操作を行わずに、マスター・ノードを指定のバックアップに自動的に移行できます。したがって、アプリケーションの停止時間が最小限に抑えられ、可用性が向上します。同様に、この機能により、サーバー・グループの自動移行も可能になります。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』のアプリケーションの移行に関する項を参照してください。

タイムアウトのためのミリ秒単位の粒度

この機能では、Tuxedoの様々なタイムアウトおよび他の構成パラメータ(SCANUNITなど)に粒度としてミリ秒が導入されます。ミリ秒の粒度により、障害が発生したサーバーとノードのクリーンアップ、再起動および移行にかかる時間が短縮され、トランザクション・タイムアウトも短縮されます。このため、アルゴリズム取引アプリケーションなどにおける厳しいサービス・レベル合意の実施が可能になります。

詳細は、『ATMI C関数リファレンス』『ATMI COBOL関数リファレンス』および『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』を参照してください。

ドメイン間のイベント・ブローカ

この機能により、ローカルTuxedoドメイン内と同じく、Tuxedoドメイン間でブローカで処理されたイベントのサブスクライブ、サブスクライブ解除、およびポストを行うことができます。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーション実行時の管理』のイベントのサブスクライブに関する項を参照してください。

サービス定義のサーバー側疑似コード

サービス定義がTuxedoメタデータ・リポジトリにある場合、tmunloadreposコマンドを使用すると、その定義を使用してCプログラミング言語でサーバー疑似コードを生成できます。以前のリリースで生成されていたクライアント疑似コードに加え、サーバー側疑似コードも生成されるようになりました。

詳細は、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』tmunloadreposに関する項を参照してください。

Joltのネストされたビュー

12cリリースでは、Joltのネストされたビューがサポートされるようになりました。

詳細は、『Oracle Tuxedo Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』のOracle Tuxedo Serviceメタデータ・リポジトリの作成に関する項および『Oracle Tuxedo Oracle Joltの使用』を参照してください。

新しいプログラミング・モデル

Oracle Tuxedo 12cに含まれる新しいプログラミング・モデルにより、C++での新しいTuxedoアプリケーションの開発が非常に容易になりました。SCAに基づくこのプログラミング・モデルは、最初はSALT 10gR3で発表され、現在はTuxedoインストールに含まれます。Tuxedo 12cにアップグレードすることで、この新しいプログラミング・モデルを使用でき、他の製品は必要ありません。

詳細は、サービス・コンポーネント・アーキテクチャを参照してください。

動的言語(PHP、PythonおよびRuby)のサポート

現在、Oracle Tuxedo 12cには、TuxedoサービスをPHP、PythonおよびRuby動的言語で開発するためのフレームワークが含まれます。このフレームワークは最初はSALT 10gR3で発表されましたが、現在、Tuxedo 12cインストーラに含まれています。Tuxedo 12cリリースにアップグレードすると、このフレームワークを使用してこれらの動的言語でTuxedoサービスを開発できます。このフレームワークには、これらの言語のクライアントAPIとApache Webサーバー・プラグインも含まれ、バックエンドのTuxedoサービスにアクセスするWebアプリケーションを開発できます。

詳細は、サービス・コンポーネント・アーキテクチャを参照してください。

 


アップグレードの注意事項

Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)へのアップグレードの詳細は、『Oracle Tuxedoシステムのインストール』のOracle Tuxedo System to 12cリリース1 (12.1.1)へのアップグレードに関する項を参照してください。

 


Oracle Tuxedoソフトウェアのコンポーネント

Oracle Tuxedoソフトウェアのコンポーネントは以下のとおりです。

 


サポート対象プラットフォーム

Oracle Tuxedoソフトウェアは、以降の項で示されているプラットフォームで動作します。オラクル社では、それらのプラットフォームが、Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)製品で開発および本番に使用できることを確認済です。他のプラットフォームでは、カスタマ・サポートを提供できません。オラクル社では業界標準に準拠した方法でOracle Tuxedoソフトウェアを実装しようとしましたが、サード・パーティ製のすべてのデータベースやORB製品などで、その使用を確認することは不可能です。

ソフトウェアの移植と動作確認は、12cリリース1 (12.1.1)の初回リリース後も継続されます。今後の移植と動作確認に関する情報は、Oracle Tuxedo 12cリリース1 (12.1.1)プラットフォーム・データ・シートに関する項でプラットフォーム・サポート情報を参照してください。

注意: Oracle Tuxedoサーバー・スレッドに必要なスタック・サイズは少し増加しているため、スタック・オーバーフローの問題が発生した場合は、スレッドのスタック・サイズの調整が必要になる場合があります。

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