ここでは、イントロスぺクション、ファイル・セットの取得、デプロイメントなどのOracle Virtual Assembly Builder Studioの操作における一般的な問題と回避策について説明します。次の項目が含まれます。
ここでは、イントロスぺクション中に見つかった問題について説明します。次の項目が含まれます。
リモートWLSイントロスぺクション用に指定されるremoteUser
は、参照システム上で稼働しているWLSプロセスの所有者であるか、またはWLSプロセスの所有者が作成するファイルの読取り権限を持つユーザーである必要があります。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioを使用して複数のOVMに対してセキュアな接続を作成できます。ただし、単一のStudioセッションでは複数のOVMに対してセキュアな接続を作成できません。複数のセキュアな接続を作成するには、1本のセキュアな接続を作成してから、Oracle Virtual Assembly Builder Studioを終了する必要があります。Studioを再起動して、次のセキュアなOVM接続を作成します。セキュアなOVM接続ごとにこのプロセスを繰り返す必要があります。
イントロスペクトされている参照システムのタイム・ゾーンとは大幅に異なるタイム・ゾーンがベース・イメージに含まれている場合があります。イントロスペクトされた参照システムが、最近作成されたデモSSL証明書を保持するOracle WebLogic Serverインストールの場合は、無効なSSL証明書が原因でデプロイメントに失敗することがあります。これは、証明書に示された有効な時間が、ベース・イメージの時間に比べて将来の時間になっているためです。この種の失敗を回避するため、ベース・イメージのタイム・ゾーンと参照システムのタイム・ゾーンが一致していることを確認してください。
ここでは、ファイル・セットの取得操作中に見つかった問題について説明します。次の項目が含まれます。
テンプレートの登録中にOracle Virtual Assembly Builderログ・ファイルでエラー(ImportError
またはoracle.ovs.biz.exception.OVSException
を含むエラーなど)を受け取った場合は、Oracle Virtual Assembly Builderログには明示されていないことがある根本原因をOracle VMログで確認してください。
Oracle Virtual Assembly Builderのインストールに使用したOSユーザーIDとは異なるOSユーザーIDを使用してインストールされたローカル参照システム上のファイル・セットを取得すると、ファイル・セットの取得はファイル権限エラーで失敗します。この問題には2つの回避策があります。次のいずれかを使用します。
Oracle Virtual Assembly Builderをrootとして実行します。これを実行した場合、カタログ内の生成されたアーティファクト(メタデータ、ファイル・セット、その他など)はすべてrootユーザーによって所有され、それ以降の操作もすべてrootユーザーとして実行する必要があります。
リモートsshを介してローカル・ファイル・セットの取得を実行します。参照システムのインストールの読取り権限を持つsshユーザーを使用して、ローカル参照システムをリモートとして扱い、リモート・ファイル・セットの取得を実行します。
テンプレートのステータスの変更後にステータスがすぐに更新されないという断続的な問題が報告されています。この問題が発生した場合は、Oracle Assembly Builder Studioを停止し再起動します。
イントロスぺクション中に、必要なディスク領域が使用可能な場合でもディスクの満杯を示すエラーを受け取ることがあります。この問題は、Fusion Middlewareインスタンスのホームに存在するOracle Virtual Assembly Builderインスタンスを指定した場合に発生します。問題を修正するには、Oracle Virtual Assembly Builderインスタンス・ディレクトリをFusion Middlewareインスタンス・ホームの外部に移動します。
ここでは、デプロイメント中に見つかった問題について説明します。次の項目が含まれます。
スケール操作は失敗したデプロイメントの影響を受けます。
スケール・ダウン操作は適切に(正常に)デプロイされたインスタンスのみを削除します。失敗したデプロイメントの場合、それらのインスタンスはスケール・ダウン時に削除されません。失敗したインスタンスをユーザーがトラブルシューティングするものとみなされ残されます。デプロイに失敗したインスタンスを削除する場合は、それらをアンデプロイし、プランを修正してから再度デプロイします。
失敗したインスタンスがアセンブリに存在する場合は、スケール・アップ操作は禁止されます。前述のとおり、アンデプロイし、問題を修正してから再度デプロイする必要があります。
'importAs'オプションを使用してアセンブリまたはアセンブリ・アーカイブ(OVAファイル)をインポートすると、デプロイメント・プランはインポートされますが、元のデプロイメント・プラン内にあったオーバーライドはインポートされません。オーバーライドされたプロパティのない新しいデプロイメント・プランを保持しているように見えます。
デプロイメント・プランに指定したIPアドレスがOracle Virtual Assemblyマシン(デプロイヤが稼働しているマシン)上で未解決の場合、デプロイメント試行は失敗します。この問題を回避するため、IPアドレスが解決可能であることを確認します。
アセンブリのデプロイメント・プランを作成してから、アセンブリに特定の変更を加えると(特に、アセンブリのアプライアンスのいずれかに対するネットワーク・インタフェースの追加または削除)、デプロイメント・プランの値が間違って割り当てられることがあります。(たとえば、削除されたネットワーク・インタフェースのIPアドレスとネットマスクが別のネットワーク・インタフェースに割り当てられることがあります)。
これを回避するため、アセンブリに対して必要な編集操作をすべて完了した後にのみ、デプロイメント・プランを作成および移入することをお薦めします。最も安全なアプローチは、アセンブリ・アーカイブを最初に作成してから、デプロイメント・プランを作成することです。アセンブリ・アーカイブを作成すると、デプロイメント・プランを無効化することがあるそれ以降の編集操作は阻止されるからです。
Oracle Virtual Assembly Builderは、参照システム内でのNFSマウントをサポートしていません。このようなNFSマウントはデプロイメント環境内でAssembly Builderによって作成されないためです。場合によって、参照システムにNFSマウントがあるとデプロイメントは失敗します。
多くのサードパーティ・ツールでは、構成の一部としてファイル・システムをマウントする必要があります。このため、特定の回避策が必要となることがあります。たとえば、Websphere MessageQueue外部JMSサーバーを使用している場合は、次の問題が発生することがあります。
JMSサーバーの構成ではWebsphereによって提供されているクラスにアクセスする必要があります。一部の環境では、Oracle WebLogic Serverを起動する前に、それらのクラス(jarsとしても知られる)がPRE_CLASSPATH環境変数に追加されます。お使いの環境の構成で、Oracle WebLogic Serverがこれらのjarファイルを自動的に起動できるように変更する必要がないことを確認してください。
JMSサーバー対応のOracle WebLogic Server構成では、'file://<path to mq config>
'のようなJNDI接続URLが必要です。このファイルは外部Websphereサーバー上にあり、使用できるようにローカルでマウントする必要があります。
テンプレートを登録できるようにするには、Oracle VMホストがAssembly BuilderホストからHTTPを介してテンプレートをダウンロードできなければなりません。ファイアウォール(たとえば、Linux上のiptables)を使用している場合は、通信を許可するようにファイアウォールを適切に構成する必要があります。デフォルトでは、Oracle Virtual Assembly BuilderはHTTPポートを"0"に指定するため、システムに問題を引き起こします(デフォルト・ポートがないため)。
deployer.properties
内で"ovmPort"プロパティを設定することでプロパティを指定できます。
より簡単な解決策は、ファイアウォールをオフにすることです。iptablesの場合は、次のコマンドを使用します: /etc/init.d/iptables stop
ファイアウォールを構成するには、お使いのファイアウォールのドキュメントを参照してください。
デプロイメント中に予期せぬエラーが発生した場合は、通常、エラーからリカバリする前に、何が異常かを調べ、必要なクリーンアップを実行します。このような理由から、Oracle Virtual Assembly Builderは自動リカバリ・メカニズムも、障害からリカバリするためのツールも備えていません。
デプロイヤのリカバリを実行する手順は次のとおりです。
クラッシュしたAB_INSTANCE
に関連するresource-pools.xml
ファイルに構成された該当するOracle Virtual Machineマネージャ内のリソース・プールを調べ、クリーンアップを実行します。これには、Oracle Virtual Assembly Builderによって開始されたすべてのインスタンスのクリーンアップ(停止および破棄)が含まれます。
.hastore
ファイルを削除します。
これによりデプロイヤはクリーンな状態に戻ります。
一部のコンポーネントでは、正常にデプロイするために多数のファイルを開く必要が生じる場合があります。必須の制限を持つベース・イメージが提供されている場合、VM上で稼働するOracle Virtual Assembly Builderサービスによって制限は4096にリセットされます。
回避策は、$ORACLE_HOME/resources/bottler/ab/etc/ab_service.sh
を編集して4096ではなく必要な制限を設定してから、アセンブリ・アーカイブを作成(または再作成)することです。
ここでは、Oracle Virtual Assembly Builderで操作を実行中に見つかったその他の問題について説明します。次の項目が含まれます。
日本語ロケールに設定されたOracle Virtual Assembly Builder Studioのグラフィカル・インタフェースを使用して、リソース・プールを作成する手順に従った場合、DNSの追加ボタンが機能しません。この問題を回避するには、次の手順でロケールを英語に設定します。
Oracle Virtual Assembly Builderを終了します。
次のコマンドを実行します。
export LC_ALL= c ./abstudio.sh
英語ロケールでリソース・プール接続を作成します。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioを介して大量のトップレベル項目が削除されると、実際には通常どおり稼働している場合でも、インタフェースがロックされたように見えることがあります。これは正常な動作で、アプリケーションはタスクを完了できます。
エクスポート操作では、中間アーティファクトを保存するためにAB_INSTANCE/tmpディレクトリが使用されます。つまり、エクスポート先ディレクトリが別のディスク上に存在する場合でも、ディスクにAB_INSTANCEを設ける十分な領域がないとエクスポートが失敗することがあります。
Oracle VM 3.0では、名前にピリオド('.')文字を含むネットワークを作成できます。ただし、Oracle Virtual Assembly Builderは名前ではこの文字をサポートしていないため、Oracle Virtual Assembly Builderでは、Oracle VM 3.0環境における実際のネットワーク名に応じてVnetに命名できません。
Oracle Virtual Assembly Builder abctl
コマンド行インタフェースでcreateAssembly
コマンドが失敗し、'.'文字を含むVnet名は許可されません。Oracle Virtual Assembly Builder Studioグラフィカル・インタフェースは正常にそれを許可しません。
Oracle Virtual Assembly Builder Studioまたは複合(Studioおよびデプロイヤ)インストールで、デプロイヤまたはEMソフトウェア・ライブラリからアセンブリ・アーカイブをダウンロードすると、アーカイブは自動的にローカル・カタログにインポートされます。ダウンロード時にオプションでアセンブリに新しい名前を指定している場合、アーカイブ・ファイルはその新しい名前を使用してディスクに保存され、新しい名前を使用してカタログにインポートされます。ただし、アーカイブ内のコンテンツは引き続き元のアセンブリ名を参照しているため、このダウンロードされたアーカイブは不要とみなされます。
そのため、正常にダウンロードされインポートされても、ダウンロードされたアーカイブは使用されません。AB_INSTANCE/archivesから手動で削除するか、createAssemblyArchive
コマンドと-force
オプションまたはOracle Virtual Assembly Builder Studioグラフィカル・ユーザー・インタフェースでテンプレートの作成ウィザード(-force
オプションを明示的に使用)を使用して上書きできます。
ゼロカウント・アプライアンス、つまりそのスケーリングの最小と初期ターゲットの両方が0に設定されているアプライアンスを含むアセンブリをデプロイする場合は、Oracle Virtual Assembly Builder Studioグラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してそのアプライアンスをスケール・アップできません。かわりに、Oracle Virtual Assembly Builderコマンド行インタフェースでscale
コマンドを使用します。describeScalingGroups
コマンドでスケールするグループが表示されない場合は、describeAssemblyInstances
出力の「Appliances」列に示されるappliance id
を使用します。
プラットフォーム: Linux
Linuxシステムでは、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードで新しいドメインを作成すると、「パスワード」および「パスワードの確認」フィールドが編集できない場合があり、ドメインを作成するためのパスワードを入力できません。
回避策
この問題には2通りの回避策があります。
発生するたびに問題を回避するには、ウィンドウを閉じる「x」ボタン(構成ウィザードの右上隅)をクリックします。表示された確認ダイアログで、「いいえ」をクリックし構成ウィザードに戻ります。その後、ドメインのパスワードを入力および確認の再入力ができます。
この問題を永久的に修正する手順は次のとおりです。
すべてのscimプロセスを停止します。次に例を示します。
kill `pgrep scim`
ファイル~/.scim/config
を変更(または作成)して、次の行を含めます(大文字小文字を区別します)。
/FrontEnd/X11/Dynamic = true
VNCを稼働している場合は、VNCサーバーを再起動します。
構成ウィザードを再度実行します。