この項では、Exalogic Elastic Cloudソフトウェア(EECS)リリース 2.0.6で導入された新機能と拡張機能について説明します。
EECS 2.0.6では、信頼性、堅牢性、パフォーマンスおよびユーザビリティが強化されたほか、次の機能と拡張機能が組み込まれています。
EECS 2.0.6へアップグレード(またはEECS 2.0.6をインストール)する場合は、OVABデプロイヤ11.1.1.6.2をExalogic制御VMにインストールします。OVABデプロイヤを使用して、OVABで生成されたアセンブリのインスタンスをExalogic vDCにデプロイできます。
詳細は、『Oracle Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド』の「OVABデプロイヤを使用したExalogic vDCでのアセンブリのデプロイ」を参照してください。
物理構成内のExalogicマシン、つまりLinuxを稼働するすべての計算ノードは、ハイブリッド構成に変換できます。この構成では、計算ノードの半数でOracle VMサーバーを稼働し、それらを仮想化されたデータ・センターとして機能させ、もう半数のノードはLinuxのままにします。Exalogic Elastic Cloud Softwareのインストールおよび構成時に、仮想化するラックの半分(上部または下部)を選択できます。
さらに、ハイブリッド・マシンはフル仮想構成に変換できます。
次のハイブリッド構成がサポートされています。
1/8: 上2個または下2個の計算ノード
1/4: 上4個または下4個の計算ノード
1/2: 上8個または下8個の計算ノード
フル: 上14個または下16個のノード
注意:
このコンテキストで「下」とはノード1から始まる計算ノードを指しています。たとえば、クォーター・ラックの場合は、ノード1から4が下半分を構成し、ノード5から8が上半分を構成します。
物理構成からハイブリッド構成への変換およびハイブリッド構成からフル仮想構成への変換では、Oracle LinuxからOracle VMサーバーに対して計算ノードを再イメージ化する必要があります。この変換は、十分に訓練を受けた有資格のOracle担当者または正式に認可されたOracleパートナが実行することを強くお薦めします。詳細は、Oracle Advanced Customer Support (http://www.oracle.com/acs
)にご連絡ください。
Exalogic制御スタックを構成するVM数は、EECS 2.0.4の5つから2.0.6では3つに削減されました。
EECS 2.0.6のExalogic制御スタックは次のVMで構成されます。
2つのプロキシ・コントローラVM
Exalogic制御VM: このVMはエンタープライズ・コントローラ、Oracle VMマネージャおよびOracle Virtual Assembly Builderのコンポーネントをホストします。また、同じVMがEM Ops CenterとOracle VMマネージャyによって使用されるOracleデータベースもホストします。以前のリリースでは、これらの各コンポーネントは専用のVMでホストされていました。
EECS 2.0.6では、新しいEECS 2.0.6のインストールでは2個のノード、EECS 2.0.4から2.0.6へのアップグレードでは3個のノードといったように、Exalogic制御VMがより少ない計算ノードに配信されている点に注意してください。
EECS 2.0.6ゲスト・ベース・テンプレートを使用して作成したゲストvServer上のローカル・ディスクは、論理ボリューム・マネージャ(LVM)ベースのパーティションを使用します。これにより、管理者は、より柔軟にディスク領域をアプリケーションやユーザーに割り当てることができます。
『Oracle Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド』のゲストvServerでのLVMパーティションの管理に関する付録にLVMベースのパーティション管理の例が記載されています。
LVMの使用の詳細は、http://www.howtoforge.com/linux_lvm
を参照してください.
EECS 2.0.6には、Oracle Exabus/IMBバージョン1.1が組み込まれており、これによりExalogic上で稼働するOracle Fusion MiddlewareへのJavaメッセージの受渡しにおけるパフォーマンスと安定性が改善されています。さらに、バージョン1.1では旧バージョンのbugが対処されています。また、EECS 2.0.6には、Exalogic対応のOracle Javaローダーのバージョン1.1.6も組み込まれています。
EoIBネットワークの作成時に、Exalogicマシンの外部からホスト名を使用して(ネットワークに関連付けられた)vServerにアクセスするために使用するDNS設定を指定できます。
詳細は、『Oracle Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド』の外部EoIBネットワークの作成に関する項を参照してください。
シェル・スクリプトのコレクション(OSWatcherと呼ばれる)がExalogicゲスト基本テンプレートとExalogicベース・イメージに組み込まれています。OSWatcherは、vmstat
やnetstat
などのUNIXユーティリティを実行して、定期的にオペレーティング・システムとネットワークのメトリックを収集しアーカイブします。このデータはパフォーマンス問題の診断に役立つことがあります。
デフォルトでは、OSWatcherはExalogicマシンおよびEECS 2.0.6ゲスト基本テンプレートを使用して作成されたすべてのゲストvServer上のすべてのOracle VMサーバー・ノードにインストールおよび構成され稼働します。OSWatcherが起動するユーティリティはバックグラウンド・プロセスとして実行され、システムのオーバーヘッドの増加は最小限に抑えられます。デフォルトでは、OSWatcherは30秒ごとに1回ずつデータ収集ユーティリティを起動します。直近48時間のデータがローカル・ディスクの/opt/oswbb
ディレクトリにアーカイブされます。データ収集間隔、アーカイブ保持期間およびアーカイブ場所は構成できます。また、OSWatcherを無効にすることもできます。
OSWatcherの構成、無効化および有効化の詳細は、My Oracle Supportドキュメント1531223.1のOSWatcherブラック・ボックス・ユーザーズ・ガイドを参照してください。
ベース・テンプレートに組み込まれたimagehistory
およびimageinfo
コマンドEECS 2.0.6のExalogicゲスト基本テンプレートには次のコマンドが含まれています。
imageinfo
: 次の例に示すように、このコマンドを使用してゲストvServerのイメージとビルドのバージョンを特定できます。
# imageinfo
Exalogic 2.0.6.0.0 (build:r227074)
Image version : 2.0.6.0.0
Image build version : 227074
Kernel version : 2.6.32-400.26.3.el5uek
imagehistory
: 次の例に示すように、このコマンドを使用してゲストvServerのライフサイクル履歴を表示できます。
# imagehistory
Image version : 2.0.6.0.0
Image build version : 227074
Image mode : fresh
テンプレートをパッチまたはアップグレードしたvServerの場合、Image mode
にはupdate
と示され、すべてのイメージ・バージョンのカーネル・バージョンが表示されます。さらに、次の例に示すように、適用されたアップグレードとパッチごとに、イメージがアクティブ化された日時とステータスが表示されます。
# imagehistory
Image version : 2.0.4.0.0
Image build version : 221802
Kernel version : 2.6.32-200.21.2.el5uek
Image version : 2.0.6.0.0
Image build version : 227074
Kernel version : 2.6.32-400.26.3.el5uek
Image activated : 2013-08-28 22:52:45 +0300
Image mode : update
Image status : SUCCESS
EECS 2.0.6のExalogicゲスト基本テンプレートには、旧版リリースでのLinuxデスクトップのインストールではなく、Linuxサーバーのインストールが含まれます。この変更により、Linuxサーバー用に必要な追加のモジュールをインストールすることなく、Oracle Fusion Middleware、Oracle DatabaseおよびOracleアプリケーションをゲストvServerで実行できます。