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Oracle® Exalogic Elastic Cloud管理者ガイド
リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2
B71910-08
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クラウド・ユーザーのタスク

アカウントへのアクセス権を持つクラウド・ユーザーは、Exalogic vDCの計算、ネットワークおよびストレージのリソースをアカウント割当て制限内で管理および使用する資格があります。クラウド・ユーザーは、アプリケーションのためにvServerのライフ・サイクルを作成および管理できます。これを実現するために、クラウド・ユーザーは、アカウントの次の仮想リソースを管理できます。

仮想ネットワーク・リソース

仮想ネットワークは、vServerのネットワークの接続性を制限します。仮想ネットワーク管理には、vServerへのネットワーク・アクセスの接続および制限が含まれます。

次のタイプの仮想ネットワークをクラウド・ユーザーに表示できます。

  • パブリック外部ネットワーク

    クラウド管理ユーザーによって定義されます。クラウド・ユーザーは、このタイプのvNetを作成、更新または削除できません。このタイプの仮想ネットワークは、Exalogic vDC内の複数のアカウント間で共有できます。パブリック外部vNetのメンバーであるvServerは、Exalogic vDC以外の外部通信を行うこともできます。また、vServerを使用してパブリック・サービスをホストすることもできます。個別のIPをこのタイプの仮想ネットワークに割り当てることができます。

  • プライベートvNet

    要件に応じてアカウント割当て制限内でクラウド・ユーザーによって定義されます。プライベートvNetは、Exalogic vDCのネットワーク・ドメインからプライベート・ネットワークに基づいて作成されます。プライベートvNetは、1つのアカウント内でのみアクセスできます。共通のプライベートvNetのメンバーシップを持つすべてのvServerは、そのサブネットを介して自由に通信できます。

クラウド・ユーザーは、パブリック外部vNetまたはvServerの割当て先のプライベートvNetを定義します。1つ以上のvNetに対するvServerのメンバーシップは、vServer作成時にのみ指定できます。クラウド・ユーザーは、既存の任意の仮想ネットワークからも多数のIPアドレスを予約できます。予約されたIPアドレスは、vServerへの静的割当てのために後で使用できます。

vServerを作成しているとき、クラウド・ユーザーは、vServerにIPアドレスを割り当てるために使用できる次のメソッドの1つを選択します。

  • 静的メソッド

    このメソッドは、選択した仮想ネットワークそれぞれからvServerへの予約されたIPアドレスを必要とします。このメソッドは、一度に1つのvServerを作成するときのみ使用できます。

  • 自動メソッド

    このメソッドは、選択した仮想ネットワークそれぞれからIPアドレスを動的に割り当てます。このメソッドは、一度に複数のvServerを作成するときに使用します。

クラウド・ユーザーは、vServerに割り当てられていない予約されたIPアドレスを解放できます。vServerに動的に割り当てられたIPアドレスは、そのvServerが削除されると自動的に解放されます。

vNetは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

  • 名前: システムでのvNetの識別子。

  • 説明: vNetの説明テキスト。

  • タイプ: プライベートvNetまたはパブリック外部vNet。

  • サブネット: vNetのIPアドレスの範囲を定義します。

  • 割当て可能アドレス: vNetからvServerに割り当てることができるIPアドレスの最大数。

  • 予約済アドレス: 予約済IPアドレス数。

  • ステータス: vNetの現在のステータス。

  • タグ: vNetに使用可能なタグ。タグは、vNetの識別および分類を向上するために使用できます。

サーバー・テンプレート

サーバー・テンプレートは、vServerを作成するために使用できる特定のフォーマットのOSイメージです。サーバー・テンプレートは、サーバー・プールおよび仮想化タイプのプロセッサ・アーキテクチャ固有です。サーバー・テンプレートは、vServerを作成するために必要です。

サーバー・テンプレートは、Exalogic vDCに関連付けられた中央ソフトウェア・ライブラリにロードされ、後で変更することはできません。デフォルトでは、サーバー・テンプレートは特定のアカウントにバインドされます。Exalogic vDC内の任意のアカウントで一般利用できるようにサーバー・テンプレートを登録できます。

vServerを作成するために使用する新しいサーバー・テンプレートをアップロードできます。サーバー・テンプレートは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

  • 名前: システムでのサーバー・テンプレートの識別子。

  • 説明: サーバー・テンプレートの説明テキスト。

  • サイズ: サーバー・テンプレートのサイズ(GB単位)。

  • メモリー: サーバー・テンプレート用にGB単位で定義されたメモリー。

  • OS: サーバー・テンプレート用に定義されたオペレーティング・システムのタイプ。

  • CPU: サーバー・テンプレート用に定義されたCPU数。

  • アセンブリ: サーバー・テンプレートのアセンブリの名前。テンプレートのサブタイプ・ファイルを使用してサーバー・テンプレートをアップロードしているため、このフィールドは空です。

  • パブリック: サーバー・テンプレートがExalogic vDCの他のアカウントと共有されているかどうかを示すフィールド。

  • タグ: サーバー・テンプレートに使用可能なタグ。タグは、サーバー・テンプレートの識別および分類を向上するために使用できます。

仮想ストレージ・リソース

次のタイプのストレージ・リソースをExalogic vDCのクラウド・ユーザーに表示できます。

  • vServerのルート・ディスク

    ルート・ディスクは、サーバー・テンプレートに基づいてvServer作成時に作成されます。これは、vServer OSが動作するディスクです。ルート・ディスクは、vServerの再起動後に使用でき、vServerが削除された場合のみ削除されます。

    vServerルート・ディスクは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

    vServer、サイズ(GB)、ステータスおよび作成者

  • ボリューム

    ボリュームは、vServerへのアタッチまたはデタッチが可能な仮想ブロックのストレージ・デバイスです。クラウド・ユーザーは、vServerの作成時にそのvServerに、または後で停止したvServerに、1つ以上のボリュームをアタッチできます。ボリュームの記憶領域は、アカウントの割当てによって制限されます。クラウド・ユーザーは空のボリュームの作成、スナップショットからのボリュームの作成、またはHTTPサーバーからのボリュームのインポートを行えます。

    ボリュームは、ボリュームの作成時に共有できます。ボリュームは、共有されると複数のvServerにアタッチできます。どのvServerともアタッチしていないボリュームは削除できます。

    ボリュームは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

    名前、説明、最大サイズ(GB)、使用サイズ(GB)、アタッチ先、共有ステータス、使用ステータス、ルート・ボリューム、R/W、作成者、ステータスおよびタグ

  • スナップショット

    スナップショットは、特定の時点のボリュームのクローンです。スナップショットは、ボリュームの現在の状態を取得し、これは不変です。

    クラウド・ユーザーは、既存のボリュームからスナップショットを作成できます。スナップショットからボリュームを作成し、そのボリュームをvServer作成時にvServerにアタッチするか、または後で停止したvServerにアタッチできます。ボリュームを削除しても、そのボリュームに基づいて以前に作成されたスナップショットは影響を受けません。スナップショットは、ボリュームから独立して存在します。

    スナップショットは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

    名前、説明、最大サイズ(GB)、使用サイズ(GB)、アタッチ先、共有ステータス、使用ステータス、ルート・ボリューム、R/W、作成者、ステータスおよびタグ

配布グループ

1つの配布グループ内に複数のvServerを配置し、同じOracle VM Server上でその配布グループ内の2つのvServerが実行されていないことを確認できます。配布グループは、特定のアカウントにバインドされます。配布グループへのvServerの割当ては、vServerの作成時にのみ行えます。クラウド・ユーザーは、配布グループの作成、更新または削除を行えます。

詳細は、次の場所にあるOracle Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイドを参照してください。

http://docs.oracle.com/cd/E27363_01/doc.121/e27511/ftr_vdc_mgmt.htm

vServer

vServerは、スタンドアロン・オペレーティング・システムの外向きインタフェースを提供するエンティティです。これは仮想マシンです。これは、CPUおよびメモリーのリソースを使用します。これは1つ以上のvNetのメンバーにできます。vServerには、vServerの全存続期間存在する独自の識別子、ローカル・ストレージ、インタフェースおよび構成があります。

クラウド・ユーザーは、一度に1つまたは複数のvServerを作成できます。複数のvServerを作成する場合、自動IPアドレス割当てのみが可能で、各vServerのvServer名に接尾辞が追加されます。単一のvServerを作成するとき、静的IPアドレスを割り当てることができます。この場合、vServerの名前には接尾辞が追加されません。

クラウド・ユーザーは、vServerを作成する前に次の必須のリソースが存在することを確認する必要があります。

  • サーバー・テンプレート

  • vServerタイプ

    クラウド・ユーザーは、アカウントの既存のvServerタイプからのみvServerタイプを選択できます。これらは、vServer作成プロセス中にクラウド・ユーザーに表示できます。クラウド管理ユーザーのみが新しいvServerタイプを作成できます。vServerタイプの詳細は、「vServerタイプ」を参照してください。

  • 1つ以上の仮想ネットワーク

    詳細は、「仮想ネットワーク・リソース」を参照してください。

固有の要件に応じて、クラウド・ユーザーはvServer作成プロセス中に、使用する次のリソースも事前に定義できます。

  • 予約済IPアドレス

  • 配布グループ

  • ボリューム

  • 公開キー

vServerは、次の属性をクラウド・ユーザーに表示できます。

名前、説明、作成者、作成日、メモリー・サイズ(GB)、CPU数、OS、ステータスおよびタグ

vServerを作成した後、クラウド・ユーザーはvServerのライフ・サイクルを管理できます。たとえば、vServerを作成、開始、停止および破棄できます。