主コンテンツへ
Oracle® Exalogic Elastic Cloud ExaBRによるバックアップおよびリカバリ・ガイド
リリース1.2
E51444-05
  ドキュメント・ライブラリへ移動
ライブラリ
製品リストへ移動
製品
目次へ移動
目次

前
 
次
 

1 概要と範囲

ExaBRは、Oracle Exalogicシステムの構成およびデータのバックアップ処理の自動化を可能にするExalogicツールです。

この章は次の項で構成されています:

1.1 バックアップおよびリカバリの概念の概要

すべてのExalogicシステムには、1つのコンポーネントの障害がシステム全体の可用性に影響を与えることがないように、いくつかの冗長コンポーネントが含まれています。ただし、システム内の冗長性では、次のような場合に十分な保護が提供されるとは言えません。

  • サイトの停止や障害によるExalogicシステム全体の障害

  • 更新実行時のユーザー・エラーが原因の不正なデータまたは構成

  • データ破損

障害時リカバリ(DR)のテクノロジが役に立つ場合があります。たとえば、サイト全体の停止を予防する1つの方法として、Exalogicシステムを物理上の別の場所にレプリケートする措置があります。レプリケートしたシステムも、プライマリ・システムに加えた変更を適用して、最新の状態にしておく必要があります。このようなシステムでは、プライマリ・システムに障害が発生した場合に備えて、ホットスタンバイ機能を提供できます。

ビジネスの継続性を確保するためにホットスタンバイ・システムはきわめて有用ですが、メンテナンスに費用がかかる上、多くの場合、追加のインフラストラクチャが必要です。その上、ホットスタンバイ・システムでは、特定のデータ・セグメントのみをリストアする必要がある場合に、便利で最適なソリューションは提供されません。たとえば、ユーザー・エラーまたはデータ破損によって一部のファイルにエラーが発生した場合、これらのエラーはホットスタンバイ・システムにも反映されます。このような場合は、バックアップおよびリストア機能を使用して、ファイルの前のバージョンをリカバリできます。

このドキュメントでは、ExaBRツールを使用してExalogicシステムをストレージ・アプライアンスにバックアップする方法を説明します。

1.2 ExaBRの概要

ExaBRを使用すると、Exalogicデータのバックアップおよびリカバリのプロセスを自動化できます。

ExaBRを使用すると、次のコンポーネントをバックアップおよびリカバリできます。

  • 計算ノード

  • インフィニバンド・スイッチ

  • イーサネット管理スイッチ

  • ストレージ・アプライアンス・ヘッド

  • Exalogic制御スタック

  • ユーザーvServer

1.3 サポートされるプラットフォーム

サポートされるプラットフォームの詳細は、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。


注意:

EECS 2.0.6.0.0にアップグレードしたExalogicラックに対してExaBRを実行する前に、ECUコンバータを実行して、ECU構成ファイルをマシンの現在の構成と同期する必要があります。ECUコンバータは、ExaPatchに含まれるツールです。ECUコンバータの詳細は、『ExaPatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。

1.4 既知の問題

ExaBRの既知の問題に関する情報は、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。

1.5 範囲

このドキュメントでは、ExaBRツールを使用した、Exalogicインフラストラクチャ・コンポーネントの構成のバックアップとリストア、およびExalogicラックが仮想構成にデプロイされている場合のクラウド・インフラストラクチャとユーザーvServerの管理コンポーネント(Exalogic制御スタック)のバックアップとリストアについて説明します。

Exalogic Elastic Cloud Software 2.0.6リリースのExalogic制御スタックは、Oracle VM Manager、Oracle Exalogic Control、およびOracle Databaseにデプロイされたそれらのリポジトリによって構成されます。

1.6 バックアップおよびリカバリに関する推奨事項

この項では、Exalogicの一般的なバックアップおよびリカバリに関する推奨事項を提示します。

  • データの定期的なバックアップをスケジュールすることを強くお薦めします。バックアップのスケジュールは、データの性質に基づいて行う必要があります。

  • これらのバックアップは、データの性質に基づいたスケジュールで、外部ZFSストレージ・アプライアンスまたはテープにコピーすることも必要です。

  • ご使用の環境内の計算ノードのオペレーティング・システムについて、ゴールド・コピーを作成することをお薦めします。

  • Exalogic制御スタックのコンポーネントおよびそれらのリポジトリを、アカウント、ユーザーおよびvServerの追加や削除などのライフサイクル操作の後にバックアップすることをお薦めします。

詳細は、Exalogicバックアップおよびリカバリのベスト・プラクティス・ホワイト・ペーパー(http://www.oracle.com/technetwork/database/features/availability/maa-exalogic-br-1529241.pdf)を参照してください。