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Oracle® Exalogic Elastic Cloud ExaBRによるバックアップおよびリカバリ・ガイド
リリース1.2
E51444-05
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2 ExaBRを使用したExalogicデータのバックアップおよびリストア

この章では、ExalogicをバックアップおよびリカバリするためにExaBRをダウンロード、構成および使用する方法について説明します。

この章は次の項で構成されています:

2.1 バックアップの場所

この項では、ExaBRのバックアップの場所について説明します。

2.1.1 Exalogicライフサイクル・ツールキット用に作成される共有

Exalogicライフサイクル・ツールキットをインストールすると、インストーラによって、ストレージ・アプライアンス上のcommonプロジェクト内に、次の共有が作成されます。

  • exalogic-lcdata

  • exalogic-lctools

インストーラによって、これらの共有が、インストーラの実行元である計算ノードのルート・ディレクトリ(/)にマウントされます。デフォルトでは、ExaBRはバックアップを/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存します。これらのバックアップを外部ストレージ・デバイスまたはテープにコピーできます。


注意:

EECS 2.0.4またはこれ以前のゲスト・ベース・テンプレートを使用して作成されたExalogic制御スタックやユーザーvServerなどの仮想コンポーネントのバックアップは、指定したディレクトリには保存されません。これらはスナップショットとしてストレージ・アプライアンスに個別に保存されます。

2.1.2 ExaBRによって作成されるバックアップ・ディレクトリ

ExaBRでは、Exalogicデータのバックアップおよびリカバリに使用するために、指定したバックアップの場所に次のディレクトリが作成されます。

ディレクトリ名 目次
compute_nodes 計算ノードのOSバックアップ
ib_gw_switches インフィニバンド・ゲートウェイ・スイッチの構成バックアップ
ib_spine_switches インフィニバンド・スパイン・スイッチの構成バックアップ
management_switches 管理スイッチの構成バックアップ
iloms コンポーネントILOMの構成バックアップ
storage_nodes ストレージ・ノードの構成バックアップ

2.2 ExaBRを使用するための準備

ExaBRを使用する前に、次のタスクを完了する必要があります。

タスク1   ExaBRのインストール

ExaBRは、Exalogicライフサイクル・ツールキットの一部としてパッケージ化されています。Exalogicライフサイクル・ツールキットの最新リリースを取得するために、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1から、ツールキットのインストーラおよびtarバンドルをダウンロードできます。このMy Oracle Supportドキュメントには、ツールキットのインストール手順も記載されています。

ツールキット・インストーラによって、共有exalogic-lcdataおよびexalogic-lctoolscommonプロジェクトに作成されます。ツールキット・インストーラによって、これらの共有が、インストーラ・スクリプトの実行元である計算ノードのルート・ディレクトリ(/)にマウントされます。


注意:

ExaBRは常に計算ノード上で実行します。STIGが強化されていない環境では、計算ノードから実行すると、ExaBRはすべてのコンポーネントをバックアップできます。STIGが強化された計算ノードでは、ExaBRをそれぞれの計算ノード上でローカルに実行してバックアップする必要があります。

タスク2 ExaBR構成ファイルの準備

初めてExaBRを実行する前に、exabr.configという名前の構成ファイルを生成する必要があります。この構成ファイルには、バックアップまたはリカバリの対象とするコンポーネントのホスト名が格納されます。

次を実行して、ExaBR構成ファイルを準備します。

  1. /exalogic-lctools/binディレクトリに進みます。

    cd /exalogic-lctools/bin
    
  2. initコマンドを実行して、ExaBR構成ファイルを生成します。

    exabr init address_of_the_first_compute_node
    

    このコマンドで、address_of_the_first_compute_nodeは、Exalogicラック内の最初の計算ノードまたはExalogic構成ユーティリティが実行されている計算ノードのホスト名またはIPアドレスです。


    注意:

    STIGが強化された環境では、次のようにして、ExaBRをsudoer権限のある管理ユーザーとして実行します。
    sudo exabr init local_address
    

    initコマンドによって、Exalogicラックのコンポーネントが検出され、/exalogic-lcdata/backupsディレクトリにexabr.configファイルが作成されます。


    注意:

    必要に応じて、exabr.configファイルを手動で作成できます。

  3. 使用しているExalogicラックの環境に応じて、次のコンポーネントのホスト名またはIPアドレスを手動で追加します。

    • 物理環境の場合、exabr.configファイルを編集して、次のコンポーネントのホスト名またはIPアドレスを手動で追加します。

      表2-1 手動で追加する物理コンポーネント

      コンポーネント exabr.config内のパラメータ

      管理スイッチ

      management_switches

      NM2 36Pスイッチ(スパイン・スイッチ)

      ib_spine_switches

      ストレージのILOM

      storage_nodes_iloms

      Solarisのみ: Solarisゾーン

      compute_nodes


    • 仮想環境の場合、exabr.configファイルを編集して、user_vserversパラメータにEECS 2.0.6ゲスト・ベース・テンプレートを使用して作成したゲストvServerのホスト名またはIPアドレスを手動で追加します。

    構成ファイルのサンプルは、例2-1を参照してください。

    例2-1 ExaBR構成ファイルのサンプル

    #
    # Exabr configuration file.
    # Created on: 2013/12/17 14:24
    # Please edit the values if needed to match your environment
    #
     
    compute_nodes = cn1.example.com, cn2.example.com, cn3.example.com, 
    cn4.example.com, cn5.example.com, cn6.example.com, cn7.example.com
     
    compute_nodes_iloms = cn1ilom.example.com, cn2ilom.example.com, 
    cn3ilom.example.com, cn4ilom.example.com, cn5ilom.example.com, 
    cn6ilom.example.com, cn7ilom.example.com
     
    ib_gw_switches = ib01.example.com, ib02.example.com
    ib_spine_switches = ibsp01.example.com
     
    storage_nodes = sn01.example.com, sn02.example.com
    storage_nodes_iloms = sn01ilom.example.com, sn02ilom.example.com
     
    # Cisco switch
    # For ssh, specify it in the form: user@hostname
    management_switches = mgmt.example.com
    # connection type=telnet or ssh
    management_switches_connection_type = telnet
     
    # Control stack
    emoc = cn1-eoib1-vm011.example.oracle.com
    ovmm = cn1-eoib1-vm011.example.oracle.com
    
    # The following 2 entries are only used for 2.0.4.x control stack
    proxy_controllers = pc1.example.com,pc2.example.com
    db = db.example.com
    # End entries for 2.0.4.x 
    # #######################################
    # Add user VMs for backup in this section
     
    user_vservers = 192.168.1.2
     
     
    # #######################################
     
    #
    # how many backups to keep (per component)
    # '0' indicates that no backups should be removed automatically
    retention_count = 5
    
  4. exabr.configファイルで、すべてのコンポーネントが適切に検出されていることを確認します。


    注意:

    計算ノードからEoIBネットワーク上のExalogic制御およびOracle VM Managerにアクセスできない場合は、exabr.configファイル内の制御スタックのアドレスをIPoIB-adminアドレスで更新します。
    1. Exalogic Control BUIにrootユーザーとしてログインします。

    2. 「Servers」を開きます。

    3. Exalogic制御vServerが実行されている計算ノードを開きます。

    4. Exalogic制御vServerをクリックします。

    5. 「Network」タブをクリックします。

    6. Exalogic制御vServerのIPoIB-adminアドレスをメモしておきます。

    7. exabr.configファイルを編集します。

    8. emocパラメータおよびovmmパラメータを、メモしておいたIPoIB-adminアドレスに設定します。


2.3 ExaBRの構成

この項では、ExaBRの構成設定について説明します。この項の内容は次のとおりです。

2.3.1 ExaBRに対するキーベースの認証の有効化

ExaBRに対してキーベースの認証を有効にする前に、ssh-keygenなど標準のコマンドを使用して、秘密鍵と公開鍵のペアを生成する必要があります。次のようにinit-sshコマンドを使用して、SSHのキーベース認証を設定できます。


注意:

init-sshコマンドの実行は、非対話型バックアップを行う場合にのみ必要です。init-sshコマンドを実行しない場合は、必要に応じて、ExaBRからパスワードの入力を求められます。

  • 指定したコンポーネントにキーベースの認証を設定するには、init-sshコマンドを、その後ろにコンポーネントのホスト名を指定して使用します。

    exabr init-ssh hostname1[,hostname2,...]
    
  • 一連のコンポーネントにキーベースの認証を設定するには、次のようにinit-sshコマンドを使用します。

    exabr init-ssh all-component
    

    all-componentターゲットのリストについては、第2.4.3項「ExaBRのターゲット」を参照してください。

SSHのキーベース認証は、remove-sshコマンドを使用して削除できます。


注意:

SSH秘密鍵がパスワードで保護されている場合は、ssh-agentなど標準のコマンドを使用して、ExaBRを実行している計算ノードにその鍵をロードします。

SSH鍵のExalogic制御スタックvServerへのコピー(EECS 2.0.4ラックのみ)

キーベース認証を使用して、EECS 2.0.4ラックのExalogic制御スタックをバックアップする場合、すべてのExalogic制御スタックvServerに手動で公開鍵をコピーする必要があります。

  1. ExaBRを実行している計算ノードにログインします。

  2. 次のようにssh-copy-idコマンドを実行して、公開鍵をExalogic制御スタックvServerにコピーします。

    ssh-copy-id -i path_to_public_key control_vServer_IP_Address 
    

    例:

    ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_dsa.pub pc01.example.com
    ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_dsa.pub pc02.example.com
    ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_dsa.pub db.example.com
    ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_dsa.pub ec.example.com
    ssh-copy-id -i ~/.ssh/id_dsa.pub ovmm.example.com
    

    この例では、公開鍵は計算ノードからすべてのExalogic制御スタックvServerにコピーされます。

2.3.2 管理スイッチに対する接続プロトコルの構成

デフォルトで、ExaBRはtelnetプロトコルを使用して管理スイッチに接続されます。exabr.configファイル内のmanagement_switches_connection_typeパラメータを編集することによって、この接続プロトコルをSSHに変更できます。

例:

management_switches_connection_type = ssh

接続プロトコルをSSHに設定すると、次のようにmanagement_switchesパラメータにユーザー名を指定することもできます。

management_switches = user@switch_hostname

例:

management_switches = cisco@mgmt.example.com

注意:

Exalogicに付属のスイッチのファームウェア・バージョンでは、SSHはサポートされません。SSHを有効にするには、スイッチ・ファームウェアを更新する必要があります。詳細は、My Oracle SupportドキュメントID 1912063.1を参照してください。

2.3.3 ExaBRのバックアップ保存ポリシーの構成

デフォルトでExaBRでは、各コンポーネントの直前の正常に作成された5個のバックアップが保存されます。この設定は、タスク2「ExaBR構成ファイルの準備」で準備したexabr.configファイル内のretention_countパラメータを編集することによって変更できます。保存ポリシーはコンポーネントごとに適用され、バックアップが正常に作成されたり、バックアップが失敗するたびに呼び出されます。

保存ポリシーは、成功および失敗したバックアップに個別に適用されます。失敗したバックアップは保存されますが、失敗したバックアップの保存件数にのみカウントされます。このことは、成功したバックアップにも該当します。ストレージ・アプライアンス上の領域を節約するために、失敗したバックアップを手動で削除することをお薦めします。

例:

retention_count = 3

注意:

保存ポリシーは、計算ノードやスイッチなどのインフラストラクチャ・コンポーネントのバックアップ、およびExalogic制御スタックやユーザーvServerのスナップショットベースのバックアップに適用されます。

2.3.4 ExaBRのバックアップのスケジューリング

cronなどのスケジューラを使用してExaBRのバックアップをスケジュールできます。ExaBRのバックアップをスケジュールする前に、次の点に留意してください。

  • cronを使用してバックアップをスケジュールする場合は、各ExaBRコマンドの末尾に&>/dev/nullを追加して、ExaBRによってコンソールに出力されないようにしてください。

  • cronを使用してExalogic制御スタックのバックアップをスケジュールする場合、cronジョブにより、必要なすべてのコマンドを含むスクリプトを実行する必要があります。Exalogic制御スタックの停止および起動には数分かかる場合があるため、cronを使用して各コマンドを直接実行しないでください。

  • init-sshコマンドを使用して、すべてのターゲットに対して公開鍵SSH認証を有効にします。ターゲットで公開鍵SSHが有効でない場合、そのターゲットはバックアップされません。init-sshの詳細は、第2.4.1項「ExaBRコマンド」を参照してください。

  • スケジュールされたバックアップの実行時に、ユーザーにパスワードの入力を求めるプロンプトが表示されないように、--nopromptオプションを使用してExaBRを実行します。--nopromptの詳細は、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

  • 管理スイッチでは非対話型バックアップがサポートされていないため、スケジュールされたバックアップで管理スイッチをバックアップすることはできません。管理スイッチのバックアップは、第3.4.1項「管理スイッチのバックアップ」の説明に従って、対話型に作成する必要があります。


注意:

STIGが強化されたコンポーネントのバックアップをスケジュールするには、さらに次の前提条件を満たしている必要があります。
  • 権限ユーザーとして、使用するスケジューラを実行します(たとえばcron)。

  • 権限ユーザーとしてスケジューラを実行するため、ExaBRコマンドを非対話型に実行する場合、次のようにsudoコマンドは必要ではありません。

    ./exabr backup local_address [options]
    

2.4 ExaBRの使用

第2.2項「ExaBRを使用するための準備」のすべての手順を実行し、ExaBRをインストールして準備しておきます。ExaBRは、指定したコンポーネントまたは指定したタイプのすべてのコンポーネントで実行できます。

  • ExaBRの指定したコンポーネントでの使用: 指定したコンポーネントでExaBRを実行するには、次のコマンドを使用します。

    ./exabr command hostname1[,hostname2,...] [options]
    
  • ExaBRの特定のタイプのコンポーネントでの使用: すべての計算ノードなど、特定のタイプのすべてのコンポーネントでExaBRを実行するには、次のようにターゲットを使用してExaBRを実行します。

    ./exabr command target [options]
    
  • ExaBRのSTIGが強化されたコンポーネントでの使用: STIGが強化された環境では、次の点に注意してください。

    • ExaBRは、STIGが強化されたLinux計算ノードのみをサポートします。ExaBRは、STIGが強化されたユーザーvServerをサポートしていません。

    • バックアップまたはリストアする対象のそれぞれのコンポーネント上で、ExaBRをローカルに実行してください。

    • バックアップまたはリストアする対象のそれぞれのコンポーネント上で、ELLC共有をマウントしてください。次のように、ELLCインストーラをノードにコピーし-mオプションを使用すると、共有をマウントできます。

      # ./exalogic-lctools-version_number-installer.sh ZFS_Address -m
      
    • ExaBRをsudoer権限のある管理ユーザーとして実行してください。

    STIGが強化された環境でExaBRを実行するには、次のように、sudoコマンドを使用し管理ユーザーとしてExaBRを実行します。

    sudo exabr command hostname1[,hostname2,...] [options]
    

    または

    sudo exabr command target [options]
    

ExaBRコマンドのリストについては、第2.4.1項「ExaBRコマンド」を参照してください。

ExaBRのオプションのリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

ExaBRのターゲットのリストについては、第2.4.3項「ExaBRのターゲット」を参照してください。

2.4.1 ExaBRコマンド

ExaBRを実行する際には、次のコマンドを使用できます。

表2-2 ExaBRコマンド

コマンド 説明

backup

バックアップを実行します。バックアップ実行の詳細は、関連するバックアップの項を参照してください。

configure

計算ノードの置換および再イメージ化の後で、その計算ノードを構成するために必要なExalogic構成ユーティリティの手順を実行します。

control-register

指定したコンポーネントを再検出し、それをExalogic制御内のアセットのリストに追加します。

control-unregister

指定したコンポーネントをExalogic制御内のアセットのリストから削除します。

ib-register

コンポーネントが物理的に置換された後に、そのコンポーネントをインフィニバンド・ファブリックに登録します。このコマンドは、第3章「インフラストラクチャ・コンポーネントのバックアップおよびリカバリ」で説明しているように、計算ノードまたはインフィニバンド・スイッチを置換するときに使用する必要があります。

init

Exalogicラックの構成ファイルを作成します。詳細は、タスク2「ExaBR構成ファイルの準備」を参照してください。

init-ssh

コンポーネントにキーベースの認証を設定します。詳細は、第2.3.1項「ExaBRに対するキーベースの認証の有効化」を参照してください。

remove-ssh

コンポーネントのキーベースの認証を削除します。

restore

バックアップからリストアします。リストア実行の詳細は、関連するリストアの章を参照してください。

start control-stack

Exalogic制御スタックを起動します。

stop control-stack

Exalogic制御スタックを停止します。

list

バックアップ・ディレクトリ内のバックアップをリストします。詳細は、第2.5.3項「バックアップのリスト」を参照してください。


2.4.2 ExaBRのオプション

ExaBRを実行する際には、次のオプションを使用できます。

表2-3 ExaBRのオプション

オプション 説明 適用先のコマンド

-bまたは--backup

指定したバックアップ・ディレクトリからリストアするようExaBRに指示します。デフォルトで、ExaBRではリストアに最新のバックアップが使用されます。

例:

./exabr restore cn1.example.com -b 201303201409
./exabr restore cn1.example.com --backup 201303201409
./exabr restore control-stack -b exabr_201309111440_control

restore

--exclude-paths

計算ノード、およびEECS 2.0.6ゲスト・ベース・テンプレートを使用して作成されたvServerのバックアップまたはリストアの実行時に除外するディレクトリを指定します。

このオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドしますが、ExaBRでは常にNFS、HSFSおよびOCFS2のマウントが除外されます。

./exabr backup all-cn --exclude-paths directory1[,directory2,...]

このオプションを使用する場合、tar --excludeコマンドでサポートされているワイルド・カードを使用できます。?*[]\などのワイルド・カードを使用できます。次の例では、ExaBRによって、名前がwlsから始まるディレクトリがすべて除外されます。

./exabr backup all-cn --exclude-paths /wls*

backupおよびrestore

--dry-run

このオプションを指定すると、ib-registerコマンドによって実行されるすべての操作が表示されますが、変更は保存されません。まず、--dry-runを指定してib-registerコマンドを実行し、インフィニバンド・ファブリックへのコンポーネントの登録に問題がないことを確認するようお薦めします。

ib-register

-hまたは--help

ExaBRの実行時に使用可能なコマンドを表示します。

なし

--include-paths

計算ノード、またはEECS 2.0.6ゲスト・ベース・テンプレートを使用して作成されたvServer上の、バックアップまたはリストア対象のディレクトリを指定します。指定されたディレクトリのみがバックアップまたはリストアされます。その他のディレクトリはすべて除外されます。

./exabr backup all-cn --include-paths directory1[,directory2,...]

このオプションを使用する場合、tar --excludeコマンドでサポートされているワイルド・カードを使用できます。?*[]\などのワイルド・カードを使用できます。次の例では、logディレクトリ内の拡張子.logを持つすべてのファイルが対象として指定されます。

./exabr backup all-cn --include-paths /log/*.log

backupおよびrestore

-nまたは--noprompt

パスワードの入力を求めるプロンプトを無効にします。このオプションは、キーベースの認証が有効になっている場合にのみ使用できます。詳細は、第2.3.1項「ExaBRに対するキーベースの認証の有効化」を参照してください。このオプションは、cronなどのスケジューラを使用してバックアップをスケジュールする場合に使用できます。

キーベースの認証を使用できないコンポーネントに対してこのオプションを使用すると、ExaBRではそのコンポーネントはバックアップされません。

管理スイッチ以外のすべてのターゲットに対するbackup

-rまたは--repository

バックアップの場所を指定します。デフォルトでは、ExaBRは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリからバックアップおよびリストアします。

  • 現行セッションのバックアップ場所を指定するには、exportコマンドを使用して、EXABR_REPO環境変数を設定します。

    export EXABR_REPO=path_to_mounted_backup_directory
    

    次のコマンドを実行することによって、EXABR_REPO環境変数が設定されているかどうかを確認できます。

    echo $EXABR_REPO
    
  • ExaBRを実行するたびにバックアップの場所を指定するには、次のいずれかのオプションを使用します。

    -rオプション

    exabr command -r path_to_mounted_backup_directory
    

    例:

    exabr backup all-hw -r /custom_dir
    

    --repositoryオプション

    exabr command --repository=path_to_mounted_backup_directory 
    

    例:

    exabr backup all-hw --repository=/custom_dir
    

すべて

--timeout

コマンドが完了しない場合に自動的にエラーとなるまでの時間を秒で指定します。デフォルト値は2700秒です。

制御スタックのstartおよびstop

計算ノードのbackuprestore、およびEECS 2.0.6ゲスト・ベース・テンプレートvServer。

-vまたは--verbose

listコマンドの詳細な結果を表示します。

list

--version

ExaBRのバージョンを表示します。

なし


2.4.3 ExaBRのターゲット

一連のコンポーネントに対してExaBRを実行するには、次のターゲットを使用できます。


注意:

all-componentターゲットは、バックアップ操作にのみ使用することをお薦めします。Exalogicラックをリストアする場合は、各コンポーネントを個別にリストアしてください。

表2-4 ExaBRのターゲット

ターゲット コンポーネント

all-cn

すべての計算ノードおよびそれらのILOM

all-ib

すべてのインフィニバンド・ゲートウェイ・スイッチとスパイン・スイッチおよびそれらのILOM

all-ilom

すべてのILOM

all-mgmt

イーサネット管理スイッチ

all-sn

すべてのストレージ・アプライアンス・ヘッドおよびそれらのILOM

all-hw

すべてのハードウェア・コンポーネントおよびそれらのILOM

all-itemized-vms

exabr.configファイルにリストされているすべてのユーザーvServer

control-stack

Exalogic制御スタック

user-vm

すべてのユーザーvServer


2.5 ExaBRのバックアップの管理

ExaBRの実行後、/exalogic-lcdata/backupsディレクトリまたは-rオプションを使用して指定したディレクトリ内にバックアップが保存されます。

2.5.1 ExaBRログ・ファイル

ExaBRログ・ファイルの名前は、exabr.logです。このファイルには、ExaBRが対話型モードで実行される場合に表示される情報が含まれます。デフォルトで、このファイルは、ExaBRを実行しているユーザーのホーム・ディレクトリに保存されます。EXABR_LOG環境変数を使用して、このファイルの場所をオーバーライドできます。

2.5.2 バックアップのステータス

各バックアップの作成後に、ExaBRによって、バックアップ・ディレクトリ内にあるbackup.infoファイルにバックアップのステータスが格納されます。このファイルには、エラー(存在する場合)とその説明が含まれます。このファイルが存在しない場合、バックアップは失敗しています。

バックアップの結果は、バックアップ・ディレクトリのbackup.infoファイルに格納されます。次に、backup.infoログ・ファイルの例を示します。

[info]
status = OK
description = 
command = backup component_host_name
details = 
date = 2013-04-02 00:23:24
target = component_host_name

2.5.3 バックアップのリスト

listコマンドを使用して、バックアップ・ディレクトリ内のすべてのバックアップを表示できます。

  • 指定したコンポーネントのバックアップをリストするには、次のようにExaBRを実行します。

    ./exabr list hostname1[,hostname2,...] [options]
    
  • 一連のコンポーネントのバックアップをリストするには、次のようにall-componentターゲットを使用してExaBRを実行します。

    ./exabr list all-component [options]
    

例:

./exabr list all-cn -v

この例では、verbose (-v)オプションが使用されているため、ExaBRによって計算ノードのすべてのバックアップが詳細にリストされます。-vオプションを使用すると、ExaBRによって、md5チェックサムを使用したバックアップの検証も実行されます。