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Oracle® Exalogic Elastic Cloud ExaBRによるバックアップおよびリカバリ・ガイド
リリース1.2
E51444-05
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3 インフラストラクチャ・コンポーネントのバックアップおよびリカバリ

この章では、Exalogicラックのコンポーネントのバックアップおよびリカバリの手順を示します。


注意:

コンポーネントをリカバリする前に、そのコンポーネントが使用中ではないことを確認してください。

内容は次のとおりです。

3.1 Exalogic構成ユーティリティ

初期デプロイメント時のExalogicラックの構成には、Exalogic構成ユーティリティ(ECU)が使用されます。初期デプロイメントの完了後に、ECUによって生成された構成ファイルとランタイム・ファイルをバックアップしておくことをお薦めします。


注意:

ExaBRでは、ECUファイルのバックアップは自動化されません。

3.1.1 ECUファイルのバックアップ

ECUによって生成された構成ファイルおよびランタイム・ファイルをバックアップするには、次の手順を手動で実行する必要があります。

  1. Exalogicライフサイクル・ツールキットをインストールしたノードにログインします。

  2. exalogic-lcdata/backupsディレクトリに、ecuという名前のディレクトリを作成します。このディレクトリは、ECUファイルのバックアップを手動で保存するときに使用します。

  3. ExalogicControl共有がmnt/ExalogicControlディレクトリにマウントされていない場合は、マウントします。

  4. ExalogicControlディレクトリで、ECU_ARCHIVEディレクトリに移動します。

  5. 手順2で作成したecuディレクトリに、ECUファイルecu_log-date&time_stamp.tgzをコピーします。このファイルには次のものが含まれています。

    • ecu_run_time.tgz: ECU構成ファイルのtarballが含まれます

    • ecu_home.tgz: ECUスクリプトのtarballが含まれます

    • ecu_archive.tgz: ECUログ・ファイルのtarballが含まれます

3.1.2 ECUファイルのリカバリ

ECUによって生成された構成ファイルおよびランタイム・ファイルをリカバリするには、次を実行します。

  1. 構成ファイルが含まれるtarballを/opt/exalogicディレクトリに抽出します。

  2. ランタイム・ファイルが含まれるtarballを/var/tmp/exalogicディレクトリに抽出します。

  3. ログ・ファイルが含まれるtarballを/var/log/exalogicディレクトリに抽出します。

3.2 Exalogic計算ノード

この項の内容は次のとおりです。

3.2.1 計算ノードのバックアップ

次のようにExaBRを使用して計算ノードをバックアップできます。

3.2.1.1 Linux計算ノードのバックアップ

ExaBRでは、論理ボリューム・マネージャ(LVM)ベースのスナップショットを使用して、Linuxを実行している計算ノードをバックアップできます。


注意:

STIGが強化された計算ノード上でExaBRを実行するには、次の前提条件を満たしている必要があります。
  • バックアップする対象のそれぞれの計算ノード上で、ExaBRをローカルに実行してください。

  • ExaBRをsudoコマンドで実行します。または、計算ノードにログインしてsu -を実行すると、rootアクセスが取得されるので、ExaBRコマンドをsudoコマンドを使用せずに実行できます。

  • バックアップする対象のそれぞれのコンポーネント上で、ELLC共有をマウントしてください。次のように、ELLCインストーラをノードにコピーし-mオプションを使用すると、共有をマウントできます。

    # ./exalogic-lctools-version_number-installer.sh ZFS_Address -m
    
  • ExaBRをsudoer権限のあるユーザーとして実行してください。または、計算ノードにログインしてsu -を実行すると、rootアクセスが取得されるので、ExaBRコマンドをsudoコマンドを使用せずに実行できます。

STIGが強化されたLinuxのバックアップを自動化するには、さらに次の前提条件を満たしている必要があります。

  • 権限ユーザーとして、使用するスケジューラを実行します(たとえばcron)。

  • 権限ユーザーとしてスケジューラを実行するため、ExaBRコマンドを非対話型に実行する場合、次のようにsudoコマンドは必要ではありません。

    ./exabr backup local_address [options]
    

概要

ExaBRでは、LVMベースのスナップショットを使用した、Linux計算ノードのバックアップで、次のタスクが実行されます。

  1. 計算ノード・ファイル・システムの、LVMベースのスナップショットを作成します。

  2. スナップショットをマウントします。

  3. マウントしたファイルシステムのtarバックアップをスナップショットから作成します。

  4. スナップショットをアンマウントして、削除します。

LVMベースのバックアップをリストアすると、ExaBRによりバックアップ済のファイルが置き換えられます。ただし、バックアップ実行後に作成されたすべてのファイルは、リストア中に削除されません。

ExaBRではデフォルトで、計算ノードのバックアップ時に次のディレクトリが除外されます。

  • /dev

  • /proc

  • /sys

  • /tmp

  • /var/tmp

  • /var/run

  • /var/lib/nfs

  • NFSマウントされたファイル・システムおよびOCFS2マウントされたファイル・システム

--exclude-pathsオプションを使用すると、独自の除外リストを定義できます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。ただし、NFSマウントおよびOCFS2マウントは、除外リストに自動的に追加されます。

--include-pathsオプションは、指定したディレクトリのみをバックアップするときに使用できます。--include-pathsオプションは、カスタマイズのバックアップに便利です。これらのオプションについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」で説明しています。

前提条件

ExaBRでLVMベースのスナップショットを使用してLinux計算ノードをバックアップするときの前提条件を次に示します。

  • ExaBRで最初のバックアップを作成する際に、スワップ領域が使用中ではない必要があります。最初のバックアップで、ExaBRは1GBのスワップ領域を後続のすべてのLVMベースのスナップショットに対して割り当てます。

    計算ノードに空きメモリーがある場合、rootユーザーとして計算ノードにログインして次のコマンドを実行し、スワップ領域を空にします。

    swapoff -av
    swapon -a
    
  • ルート(/)ボリュームが含まれる論理ボリューム・グループに、1GB以上の未使用領域または512MBより大きいスワップ領域が必要です。使用可能な空き領域の量をVFree列に表示するには、vgsコマンドを使用します。

  • バックアップ対象の共有に、LVMベースのスナップショットの抽出用に十分な空き領域が必要です。

手順

Linuxを実行している計算ノードまたはそのILOMの構成をバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のいずれかの方法で、ExaBRを使用して計算ノードまたはそのILOMの構成をバックアップします。

    • 特定の計算ノードまたはILOMをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup hostname1[,hostname2,...] [options]
      
    • すべての計算ノードおよびそのILOMをバックアップするには、次のようにall-cnターゲットを使用してExaBRを実行します。

      ./exabr backup all-cn [options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup cn1.example.com,cn1ilom.example.com --exclude-paths /var,/tmp,/sys,/proc,/dev,/test
    

    この例では、ExaBRによって最初の計算ノードとそのILOMの構成がバックアップされます。ここでは、--exclude-pathsオプションが使用されているため、/var/tmp/sys/proc/devおよび/testの各ディレクトリ、およびNFSマウントされたファイル・システムとOCFS2マウントされたファイル・システムが除外されています。

ExaBRでは、バックアップは次のファイルに保存されます。

ファイル 説明
cnode_backup.tgz 計算ノードのバックアップが含まれます。
ilom.backup ILOMの構成バックアップが含まれます。
guids.backup 計算ノードのインフィニバンドGUIDが含まれます。
version.backup 計算ノードおよびILOMのファームウェア・バージョン番号が含まれます。
backup.info 計算ノードおよびILOMのバックアップのメタデータが含まれます。
checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。

計算ノードおよびILOMのファイルは別々のディレクトリに保存されます。第2.1.2項「ExaBRによって作成されるバックアップ・ディレクトリ」で説明しているように、計算ノードのファイルはcompute_nodesディレクトリに保存され、ILOMのファイルはilomsディレクトリに保存されます。

デフォルトでは、バックアップは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存されます。

3.2.1.2 Solaris計算ノードのバックアップ

Exalogicラックのオペレーティング・システムは、各計算ノードのローカル・ディスクにインストールされます。ExaBRでは、ルート・ファイル・システムおよびカスタマイズ(存在する場合)のバックアップが作成されます。


注意:

ExaBRを使用してSolarisゾーンをバックアップするには、そのゾーンにgtarをインストールする必要があります。Solarisゾーンのバックアップの詳細は、「Solarisゾーンのバックアップ」を参照してください。

ExaBRではデフォルトで、Solaris計算ノードのバックアップ時に、次のフォルダが除外されます。

  • /proc

  • /system

  • /tmp

  • /var/tmp

  • /var/run

  • /dev

  • /devices

  • NFSマウントされたファイル・システムおよびHSFSマウントされたファイル・システム

--exclude-pathsオプションを使用すると、独自の除外リストを定義できます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。NFSマウントおよびHSFSマウントは、除外リストに自動的に追加されます。


注意:

Solaris計算ノードおよびゾーンの場合、デフォルトの除外リストに含まれるディレクトリのほかに、バックアップできないファイルおよびディレクトリがいくつかあります。また、ExaBRを使用してバックアップはできますが、ライブのSolarisファイルシステムにリストアできないファイルやディレクトリもあります。そのようなファイルとディレクトリの例を次に示します。
  • /home

  • /etc/mnttab

  • /etc/dfs/sharetab

  • /etc/dev

  • /etc/sysevent/devfsadm_event_channel/1

  • /etc/sysevent/devfsadm_event_channel/reg_door

  • /etc/sysevent/piclevent_door

  • /lib/libc.so.1

  • /net

  • /nfs4

たとえば、Solaris計算ノードのファイルシステムをバックアップするには、次のコマンドを実行します。

./exabr backup cn1.example.com --exclude-paths /var,/tmp,/system,/proc,/dev,/devices,/home,/etc/mnttab,/etc/dfs/sharetab,/lib/libc.so.1,/net,/nfs4,/etc/sysevent/devfsadm_event_channel/1,/etc/sysevent,/piclevent_door

このコマンドによって、除外リストと注意に示されている追加のファイルおよびディレクトリを除くすべてがバックアップされます。


--include-pathsオプションは、特定のディレクトリのみをバックアップするときに使用できます。--include-pathsオプションは、カスタマイズのバックアップに便利です。これらのオプションについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」で説明しています。

Solarisを実行している計算ノードまたはそのILOMの構成をバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のいずれかの方法で、ExaBRを使用して計算ノードまたはそのILOMの構成をバックアップします。

    • 特定の計算ノードまたはILOMをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup hostname1[,hostname2,...] [options]
      
    • すべての計算ノードおよびそのILOMをバックアップするには、次のようにall-cnターゲットを使用してExaBRを実行します。

      ./exabr backup all-cn [options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup cn1.example.com, cn1ilom.example.com --exclude-paths /var,/tmp,/system,/proc,/dev,/devices,/home,/etc/mnttab,/etc/dfs/sharetab,/lib/libc.so.1,/net,/nfs4,/etc/sysevent/devfsadm_event_channel/1,/etc/sysevent/piclevent_door
    

    この例では、ExaBRによって最初の計算ノードとそのILOMの構成がバックアップされます。--exclude-pathsオプションが使用されているので、計算ノード上の、前述の注意で示されているディレクトリおよびNFSマウントされたファイル・システムも除外されます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。

ExaBRでは、バックアップは次のファイルに保存されます。

ファイル 説明
cnode_backup.tgz 計算ノードのバックアップが含まれます。
ilom.backup ILOMの構成バックアップが含まれます。
guids.backup 計算ノードのインフィニバンドGUIDが含まれます。
version.backup 計算ノードおよびILOMのファームウェア・バージョン番号が含まれます。
backup.info 計算ノードおよびILOMのバックアップのメタデータが含まれます。
checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。

計算ノードおよびILOMのファイルは別々のディレクトリに保存されます。第2.1.2項「ExaBRによって作成されるバックアップ・ディレクトリ」で説明しているように、計算ノードのファイルはcompute_nodesディレクトリに保存され、ILOMのファイルはilomsディレクトリに保存されます。

デフォルトでは、バックアップは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存されます。

Solarisゾーンのバックアップ

Solarisゾーンをバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. バックアップするゾーンにgtarがインストールされていることを確認します。

  3. バックアップするゾーンのIPアドレスが、exabr.configファイルのcompute_nodesパラメータに追加されていることを確認します。

  4. 次のいずれかの方法でExaBRを使用して、ゾーンをバックアップします。

    • 特定のゾーンをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup zone1[,zone2,...] [options]
      
    • グローバル・ゾーンのみをバックアップするには、次のように--exclude-pathsオプションを使用して非グローバル・ゾーンを除外して、ExaBRを実行します。

      ./exabr backup globalzone --exclude-paths path_to_nonglobalzone1,[path_to_nonglobalzone2,...][other_directories_to_exclude] [options]
      
    • 特定の計算ノード上のすべてのゾーンをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup HostnameOfComputeNode[options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup cn1.example.com --exclude-paths /var,/tmp,/system,/proc,/dev,/devices,/home,/etc/mnttab,/etc/dfs/sharetab,/lib/libc.so.1,/net,/nfs4,/etc/sysevent/devfsadm_event_channel/1,/etc/sysevent/piclevent_door
    

    この例では、ExaBRによって、計算ノードcn1.example.comがバックアップされます。--exclude-pathsオプションが使用されているので、計算ノード上の、前述の注意で示されているディレクトリおよびNFSマウントされたファイル・システムも除外されます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。

3.2.1.3 Oracle VM Serverノード上のカスタマイズのバックアップ

Exalogicラックのオペレーティング・システムは、各計算ノードのローカル・ディスクにインストールされます。


注意:

Oracle VM Serverノードはステートレスであるため、これらのノードをバックアップする必要はありません。ExaBRでOracle VM Serverノード上のカスタマイズをバックアップするには、--include-pathsオプションを使用します。第3.2.2.4項「仮想環境におけるOracle VM Serverノードの再イメージ化とリカバリ」に示されている手順に従って、ExaBRを使用して、Oracle VM Serverノードの再イメージ化およびリカバリを実行できます。

ExaBRではデフォルトで、計算ノードのバックアップ時に、次のフォルダが除外されます。

  • /dev

  • /proc

  • /sys

  • /tmp

  • /var/tmp

  • /var/run

  • /var/lib/nfs

  • poolfsExalogicPoolExalogicRepoおよびNFSマウントされたファイル・システムとOCFS2マウントされたファイル・システム。ExalogicPoolおよびExalogicRepoファイル・システムは、NFSでマウントされます。

--exclude-pathsオプションを使用すると、独自の除外リストを定義できます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。ただし、NFSマウントおよびOCFS2マウントは、除外リストに自動的に追加されます。

--include-pathsオプションは、指定したディレクトリのみをバックアップするときに使用できます。--include-pathsオプションは、カスタマイズのバックアップに便利です。これらのオプションについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」で説明しています。

Oracle VM Serverノード上のカスタマイズまたはそのノードのILOMの構成をバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のいずれかの方法でExaBRを使用して、Oracle VM Serverノード上のカスタマイズまたはそのノードのILOMの構成をバックアップします。

    • 特定の計算ノード上のカスタマイズをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup hostname1[,hostname2,...] --include-paths path_to_customization1[,path_to_customization2...] [options]
      
    • すべての計算ノード上のカスタマイズおよびそれらの計算ノードのILOMをバックアップするには、次のようにall-cnターゲットを使用してExaBRを実行します。

      ./exabr backup all-cn --include-paths path_to_customization1[,path_to_customization2...] [options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup cn1.example.com,cn1ilom.example.com --include-paths /custom  --exclude-paths /var,/tmp,/sys,/proc,/dev,/test
    

    この例では、ExaBRによって最初の計算ノード上の/customディレクトリと、その計算ノードのILOMの構成がバックアップされます。ここでは、--exclude-pathsオプションが使用されているため、この計算ノード上の/var/tmp/sys/proc/dev/testの各ディレクトリ、およびNFSマウントされたファイル・システムとOCFS2マウントされたファイル・システムが除外されます。--exclude-pathsオプションは、デフォルトの除外リストをオーバーライドします。

ExaBRでは、バックアップは次のファイルに保存されます。

ファイル 説明
cnode_backup.tgz 計算ノードのバックアップが含まれます。
ilom.backup ILOMの構成バックアップが含まれます。
guids.backup 計算ノードのインフィニバンドGUIDが含まれます。
version.backup 計算ノードおよびILOMのファームウェア・バージョン番号が含まれます。
backup.info 計算ノードおよびILOMのバックアップのメタデータが含まれます。
checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。

計算ノードおよびILOMのファイルは別々のディレクトリに保存されます。第2.1.2項「ExaBRによって作成されるバックアップ・ディレクトリ」で説明しているように、計算ノードのファイルはcompute_nodesディレクトリに保存され、ILOMのファイルはilomsディレクトリに保存されます。

デフォルトでは、バックアップは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存されます。

3.2.2 計算ノードのリカバリ

次のようにExaBRを使用して計算ノードをリカバリできます。


注意:

STIGが強化された計算ノード上でExaBRを実行するには、次の前提条件を満たしている必要があります。
  • リストアする対象のそれぞれの計算ノード上で、ExaBRをローカルに実行してください。

  • リストアする対象のそれぞれの計算ノード上で、ELLC共有をマウントしてください。次のように、ELLCインストーラをノードにコピーし-mオプションを使用すると、共有をマウントできます。

    # ./exalogic-lctools-version_number-installer.sh ZFS_Address -m
    
  • ExaBRをsudoer権限のある管理ユーザーとして実行してください。


3.2.2.1 物理環境における計算ノードのリカバリ

ExaBRによって、バックアップされたディレクトリが計算ノードにリストアされます。ExaBRではデフォルトで、バックアップのリストア時に次のディレクトリが除外されます。

表3-1 デフォルトで除外されるプラットフォーム別のディレクトリ

プラットフォーム リストアから除外されるディレクトリ

Linux

  • /boot/grub/grub.conf

  • /boot/grub/menu.lst

  • /boot/grub/stage2

  • /etc/grub.conf

Solaris

  • /home

  • /etc/mnttab

  • /etc/dfs/sharetab

  • /etc/dev

  • /etc/sysevent/devfsadm_event_channel/1

  • /etc/sysevent/devfsadm_event_channel/reg_door

  • /etc/sysevent/piclevent_door

  • /lib/libc.so.1

  • /net

  • /nfs4


表2-3「ExaBRオプション」で説明するように、--exclude-pathsオプションを使用すると、リストアの際に除外されるディレクトリのリストを変更することができます。

次を実行して、Exalogic計算ノードをリストアします。


注意:

リストアする計算ノードに、次のいずれかのような破損したデータが含まれる場合があります。
  • SSHを使用してアクセスできない。

  • bashおよびtarなどの必須バイナリが存在しない。

そのような場合、第3.2.2.3項「物理環境における計算ノードの再イメージ化とリカバリ」に示されている手順2および3を実行して、計算ノードを再イメージおよびリカバリします。


  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のようにExaBRを実行することによって、バックアップのリストを表示します。

    ./exabr list hostname [options]
    

    例:

    ./exabr list cn2.example.com -v
    

    この例では、-vオプションが使用されているため、cn2.example.comについて作成されたバックアップがExaBRによって詳細にリストされます。

  3. 次のようにExaBRを実行して、計算ノードまたはILOMの構成をリストアします。

    ./exabr restore hostname [options]
    

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr restore cn2.example.com -b 201308230428 --exclude-paths /temp
    

    この例では、ExaBRによって、2番目の計算ノードがバックアップ・ディレクトリ201308230428からリストアされますが、/tempディレクトリはリストアから除外されます。


    注意:

    Linux計算ノードのリストアで、次のエラーが発生する場合があります。
    "ERROR: directory_name Cannot change ownership to ..."
    

    リストア・コマンドを実行中に、--exclude-pathsオプションを使用して、エラーで表示されるディレクトリを除外します。

    たとえば、次のようなエラーの場合、

    ERROR tar: /u01/common/general: Cannot change ownership to uid 1000, gid 54321: 
    

    次のように、リストア・コマンドを実行します。

    ./exabr restore cn2.example.com -b 201308230428 --exclude-paths /u01/common/general
    

    指定したファイルまたはディレクトリをバックアップからリストアするには、--include-pathsオプションを使用します。


注意:

リカバリされる計算ノードがExalogicラックのマスター・ノードである場合は、第3.1項「Exalogic構成ユーティリティ」で説明されているように、前にバックアップしたExalogic構成ユーティリティ(ECU)構成ファイルをリストアします。Exalogicラックのマスター・ノードとは、ECUの稼働元のノードのことです。

3.2.2.2 インフィニバンドHCAの障害時の計算ノードのリカバリ

インフィニバンド・ホスト・チャネル・アダプタ(HCA)の障害発生後に計算ノードをリカバリするには、次を実行します。

  1. この手順は、仮想環境の場合にのみ必要です。次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御内のアセットのリストから対象の計算ノードを削除します。

    ./exabr control-unregister hostname_of_node_with_failed_HCA
    
  2. 標準の置換手順に従って、障害が発生したHCAを置換します。

  3. 次のようにExaBRを実行して、計算ノードを前に登録していたインフィニバンド・パーティションに、計算ノードHCAの新規GUIDを登録します。

    ./exabr ib-register hostname_of_node_with_replaced_HCA [options]
    

    hostname_of_node_with_replaced_HCAは、前の手順で、障害が発生したHCAを置換した計算ノードのIPアドレスまたはホスト名です。インフィニバンド・ポートのGUIDは、計算ノードのバックアップ時に保存されます。ib-registerコマンドによって、古いGUID値のExaBRバックアップ・ディレクトリが検索されます。GUIDが見つからない場合は、GUIDの入力を求められます。

    例:

    ./exabr ib-register cn2.example.com --dry-run
    ./exabr ib-register cn2.example.com
    

    最初のコマンド例では、ib-registerコマンドは、--dry-runオプションを指定して実行されるため、変更の保存なしに実行される操作が表示されます。

    2つ目のコマンド例では、HCAカードのGUIDがインフィニバンド・パーティションに登録されます。


    注意:

    ib-registerコマンドによって、パーティション登録やvNIC登録などの操作がインフィニバンド・スイッチで実行されます。HCAが置換されたSolaris計算ノードの場合、その計算ノードで、ネットワーク・インタフェースの再起動やリンク集約の構成などの追加操作を実行する必要があります。

  4. この手順は、仮想環境の場合にのみ必要です。次のようにExaBRでcontrol-registerコマンドを実行することによって、計算ノードを再検出し、それをExalogic制御内のアセットのリストに追加します。

    ./exabr control-register hostname_of_replaced_compute_node
    

3.2.2.3 物理環境における計算ノードの再イメージ化とリカバリ

計算ノードがリカバリできないほどに破損している場合や、複数のディスク障害が原因でローカル・ディスクに障害が発生した場合は、計算ノードを再イメージ化する必要があります。置換した計算ノードも再イメージ化する必要があります。再イメージ化の処理中は、Exalogicラック内のその他の計算ノードを使用できます。計算ノードを再イメージ化した後に、ExaBRでバックアップを使用して計算ノードをリカバリできます。Exalogicベース・イメージの上で実行されたスクリプト、cronジョブ、メンテナンス・アクションおよびその他のカスタマイズは手動でリストアする必要があります。

物理環境で計算ノードを再イメージ化およびリカバリするには、次を実行します。

  1. この手順は、計算ノード全体を置換する場合にのみ必要です。

    1. Oracleサポート・サービスでOracleサポート・リクエストを開きます。

      サポート・エンジニアによって、障害が発生したサーバーが特定され、置換が送信されてきます。サポート・エンジニアに、実行中の計算ノードからのimagehistoryコマンドおよびimageinfoコマンドの出力を提示します。この出力では、該当するイメージに関する詳細と、元の計算ノードのイメージ化とパッチ適用に使用されていたパッチ・セットに関する詳細が示され、システムを同じレベルにリストアする方法が提示されます。

    2. 標準の置換手順に従って、障害が発生した計算ノードを置換します。

  2. Oracle Software Delivery CloudからOracle Exalogicベース・イメージをダウンロードして、My Oracle Supportからpatch-set updates (PSU)をダウンロードします。

  3. 計算ノードを再イメージします。

    計算ノードは、PXEブート・サーバーまたは計算ノードのWebベースのILOMを使用して再イメージ化できます。このドキュメントでは、PXEブート・サーバーの構成手順は扱っていませんが、計算ノードでPXEブート・サーバーを使用できるようにする手順は示されています。

    計算ノードの再イメージ化にPXEブート・サーバーを使用する場合は、SSH経由で計算ノードのILOMにログインして、boot_devicepxeに設定し、計算ノードを再起動します。

    WebベースのILOMを使用する場合は、ダウンロードしておいたイメージが、WebベースのILOMインタフェースの起動元のホストのローカル・ディスク上にあることを確認して、次を実行します。

    1. Webブラウザを開いて、http://host-ilom.example.com/など、計算ノードのILOMを起動します。

    2. rootユーザーとしてILOMにログインします。

    3. 「Remote Control」タブの「Redirection」に移動して、「Launch Remote Console」ボタンをクリックします。リモート・コンソール・ウィンドウが表示されます。


      注意:

      このウィンドウは、イメージ化処理が完了するまで閉じないでください。イメージ化処理の最後に、ネットワーク構成を実行するためにこのウィンドウに戻る必要があります。

    4. リモート・コンソール・ウィンドウで、「Devices」メニュー項目をクリックして、次を選択します。

      - Keyboard (デフォルトで選択)

      - Mouse (デフォルトで選択)

      - CD-ROM Image

    5. 表示されるダイアログ・ボックスで、ダウンロードしたLinuxベース・イメージのisoファイルに移動して、これを選択します。

    6. 「ILOM」ウィンドウで、「Remote Control」タブの「Host Control」タブに移動します。

    7. ドロップダウン・リストから「CD-ROM」を選択して、「Save」をクリックします。

    8. 「Remote Control」タブで、「Remote Power Control」タブに移動します。

    9. ドロップダウン・リストから「Power Cycle」を選択して、「Save」をクリックします。

    10. 「OK」をクリックして、マシンの電源を入れ直すことを確定します。

    これによって、計算ノードのイメージ化が開始されます。イメージ化が完了したら、最初のブート・スクリプトで、ネットワーク構成を指定するよう求められます。

  4. 第3.2.2.1項「物理環境における計算ノードのリカバリ」に示されている手順を実行して、計算ノードをリカバリします。

  5. この手順は、計算ノード全体を置換した場合にのみ必要です。


    注意:

    修復されたまたは既存の計算ノードをリストアする場合は、この手順は実行しないでください。

    1. 次のようにExaBRを実行して、計算ノードのILOMの構成をリストアします。


      注意:

      ExaBRでは、稼働元の計算ノードのILOMをリストアすることはできません。そのような計算ノードのILOMをリストアするには、別の計算ノード上のExaBRを実行してください。

      ./exabr restore hostname_of_ILOM [options]
      

      例:

      ./exabr restore cn2ilom.example.com -b 201308230428
      

      この例では、ExaBRによって、2番目の計算ノードのILOMの構成がバックアップ・ディレクトリ201308230428からリストアされます。

    2. 次のようにExaBRを使用して、計算ノードを前に登録していたインフィニバンド・パーティションに、置換計算ノードの新規GUIDを登録します。

      ./exabr ib-register hostname_of_replaced_compute_node [options]
      

      インフィニバンド・ポートのGUIDは、計算ノードのバックアップ時に保存されます。ib-registerコマンドによって、置換された計算ノードのGUIDのExaBRバックアップ・ディレクトリが検索されます。GUIDが見つからない場合、ユーザーはGUIDの入力を求められます。このコマンドでは、置換計算ノードのGUIDを使用して新規vNICも作成されます。

      例:

      ./exabr ib-register cn2.example.com --dry-run
      ./exabr ib-register cn2.example.com
      

      最初のコマンド例では、ib-registerコマンドは、--dry-runオプションを指定して実行されるため、変更の保存なしに実行される操作が表示されます。

      2つ目の例では、置換計算ノードのGUIDは、障害が発生した計算ノードに登録されていたインフィニバンド・パーティションに登録されます。このコマンドでは、置換計算ノードのGUIDを使用してvNICも作成されます。


      注意:

      ib-registerコマンドによって、パーティション登録やvNIC登録などの操作がインフィニバンド・スイッチで実行されます。置換されたSolaris計算ノードの場合、その計算ノードで、ネットワーク・インタフェースの再起動、リンク集約の構成およびシステム管理者が必要とするその他のタスクなどの追加操作を実行する必要があります。

3.2.2.4 仮想環境におけるOracle VM Serverノードの再イメージ化とリカバリ

Oracle VM Serverノード(仮想環境内の計算ノード)がリカバリできないほどに破損している場合や、複数のディスク障害が原因でローカル・ディスクに障害が発生した場合は、そのノードを再イメージ化する必要があります。置換したOracle VM Serverノードも再イメージ化する必要があります。再イメージ化の処理中は、Exalogicラック内のその他のOracle VM Serverノードを使用できます。Exalogicベース・イメージの上で実行されたスクリプト、cronジョブ、メンテナンス・アクションおよびその他のカスタマイズはリストアする必要があります。

仮想環境でOracle VM Serverノードを再イメージ化およびリカバリするには、次を実行します。

  1. Exalogic制御スタックのvServerの実行元のOracle VM Serverノードが停止するか、電源オフになった場合、vServerを移行する必要があります。

    1. Exalogic制御vServerの実行元のOracle VM Serverノードが停止するか、電源オフになった場合、実行中のOracle VM Serverノードで第A.1項の手順を実行して、vServerを移行する必要があります。

    2. いずれかのプロキシ・コントローラの実行元のOracle VM Serverノードが停止するか、電源オフになった場合、実行中のOracle VM Serverノードで第A.2項の手順を実行して、vServerを移行する必要があります。

    3. 次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを停止します。

      ./exabr stop control-stack
      

      このコマンドによって、プロキシ・コントローラ2、プロキシ・コントローラ1およびExalogic制御のvServerが、この順序で停止します。

    4. 次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを再起動します。

      ./exabr start control-stack
      

      このコマンドによって、Exalogic制御、プロキシ・コントローラ1およびプロキシ・コントローラ2のvServerが、この順序で起動します。

  2. 次のようにExaBRを使用して、Exalogic制御内のアセットのリストから対象のOracle VM Serverノードを削除します。

    ./exabr control-unregister hostname_of_node
    
  3. Exalogicシステム管理者ロールを有するユーザーとしてExalogic制御にログインして、このOracle VM ServerノードとILOMが「Assets」アコーディオンに表示されていないことを確認します。

  4. 次を実行して、このOracle VM ServerノードがOracle VM Managerに表示されていないことを確認します。

    1. rootユーザーとしてOracle VM Managerにログインします。

    2. 「Servers and VMs」タブをクリックします。

    3. 「Server Pools」を開きます。

    4. 「Server Pools」で、手順2で削除したOracle VM Serverノードが表示されていないことを確認します。

  5. 必要に応じて、Exalogic制御を使用して、非HAのvServerすべてを再起動できます。HAが有効化されたvServerは、Oracle VM Serverノードに障害が発生すると、自動的に再起動します。

  6. 第3.2.2.3項「物理環境における計算ノードの再イメージ化とリカバリ」の手順1から3を実行します。


    注意:

    置換Oracle VM Serverノードには、置換されたOracle VM Serverノードのものと同じ資格証明を使用することをお薦めします。


    注意:

    Oracle VM Serverノードはステートレスであるため、これらのノードをバックアップまたはリストアする必要はありません。必要に応じ、ExaBRでOracle VM Serverノード上のカスタマイズをバックアップするには、--include-pathsオプションを使用します。

  7. /var/tmp/exalogic/ecu/cnodes_current.jsonファイルで、置換された計算ノードについて次のものを更新します。


    注意:

    cnodes_current.jsonをどのような値に更新すると適切かを判断するには、/opt/exalogic/ecu/config/cnodes_target.jsonにある情報を使用します。

    • ノードのホスト名。

    • ILOMのホスト名。

    • IPoIB-defaultネットワーク上のノードのIPアドレス。

    • eth-adminネットワーク上のノードのIPアドレス。

  8. 次のようにExaBRを使用して必要なECU手順を実行し、Oracle VM Serverノードを構成します。

    ./exabr configure Eth_IP_Address_of_CN
    

    Oracle VM Serverノードが再起動します。

  9. Oracle VM Serverノードの再起動後に、configureコマンドを再度実行して、そのOracle VM Serverノード上のクロックを同期します。

    ./exabr configure address_of_node
    

    注意:

    address_of_nodeには、exabr.configファイルに指定されたアドレスを使用します。

  10. Exalogic ControlのOracle VM ServerノードおよびILOMに対する検出プロファイルの資格証明を更新するには、次の手順に従います。


    注意:

    この手順は、次の場合にのみ実行してください。
    • Oracle VM Serverノードを置換した場合。

    • 置換Oracle VM Serverノードに、置換されたOracle VM Serverノードのものとは異なる資格証明を構成した場合。


    1. Exalogic制御BUIにログインします。

    2. 「Plan Management」アコーディオンの「Credentials」を選択します。

    3. 検索ボックスにOracle VM Serverノードのホスト名を入力して、「Search」をクリックします。

      Oracle VM ServerノードのIPMIおよびSSH資格証明のエントリが表示されます。

    4. 4つすべての資格証明を更新するには、次を実行します。

      i. 資格証明のエントリを選択して、「Edit Credentials」をクリックします。

      「Update Credentials」ダイアログ・ボックスが表示されます。

      ii. 「Password」フィールドおよび「Confirm Password」フィールドにパスワードを入力します。

      iii. 「Update」をクリックします。

      iv. エントリごとに、手順iからiiiを繰り返します。

  11. 以前に使用したPSUまたはスタンドアロン・パッチのいずれかを使用して計算ノードにパッチを適用し、他のOracle VM Serverノードのバージョンにします。

  12. 次のようにExaBRを使用して、Oracle VM Serverノードを再検出し、それをExalogic制御内のアセットのリストに追加します。

    ./exabr control-register hostname_of_node
    
  13. 次のようにExaBRを使用して、Oracle VM Serverノードを前に登録していたインフィニバンド・パーティションに、Oracle VM ServerノードHCAの新規GUIDを登録します。


    注意:

    この手順は、Oracle VM Serverノードが置き換えられた場合にのみ実行してください。

    ./exabr ib-register hostname_of_node [options]
    

    インフィニバンド・ポートのGUIDは、Oracle VM Serverノードのバックアップ時に保存されます。ib-registerコマンドによって、古いGUID値のExaBRバックアップ・ディレクトリが検索されます。GUIDが見つからない場合、ユーザーはGUIDの入力を求められます。

    例:

    ./exabr ib-register cn2.example.com --dry-run
    ./exabr ib-register cn2.example.com
    

    最初の例では、ib-registerコマンドは、--dry-runオプションが指定されて実行されるため、変更の保存なしに実行される操作が表示されます。

    2つ目の例では、置換Oracle VM ServerノードのGUIDは、障害が発生したOracle VM Serverノードに登録されていたインフィニバンド・パーティションに登録されます。

  14. この手順は、EECS 2.0.4からEECS 2.0.6にアップグレードしたExalogicラックの場合にのみ必要です。次を実行して、リストアしたOracle VM Serverノードに対する警告アイコンを削除します。

    1. リストアしたOracle VM Serverノードにログインします。

    2. /etc/sysconfig/o2cbファイルを編集します。

    3. O2CB_ENABLEDパラメータをtrueに設定します。

      O2CB_ENABLED=true
      
    4. Oracle VM Managerにadminユーザーとしてログインします。

    5. 「Servers and VMs」タブをクリックします。

    6. 「Server Pools」を開きます。

    7. リストアしたOracle VM Serverノードが含まれるサーバー・プールを開きます。

    8. このサーバー・プールで、リストアしたOracle VM Serverノードをクリックします。

    9. 「Perspective」ドロップダウン・ボックスから、「Events」を選択します。

    10. 「Acknowledge All」をクリックします。

3.3 NM2ゲートウェイ・スイッチおよびNM2 36Pスイッチ

インフィニバンド・スイッチはExalogicラックの核となる部分であるため、すべてのインフィニバンド・スイッチの構成を定期的にバックアップする必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

3.3.1 インフィニバンド・スイッチのバックアップ

インフィニバンド・スイッチをバックアップする際には、インフィニバンド・ファブリック内のすべてのスイッチをバックアップする必要があります。


注意:

仮想環境では、InfiniBandスイッチを個別にバックアップしないでください。Exalogic制御スタックをバックアップすると、ExaBRによってインフィニバンド・スイッチもバックアップされます。InfiniBandスイッチを仮想環境でバックアップする場合、第4.1項「Exalogic制御スタックのバックアップ」の説明に従って、Exalogic制御スタックをバックアップすることをお薦めします。

ExaBRでは、次のファイル内のインフィニバンド・データがバックアップされます。

ファイル 説明
switch.backup 組込みのILOMバックアップによって作成される、インフィニバンド・スイッチの構成のバックアップが含まれます。
partitions.current インフィニバンド・パーティションのバックアップ。
smnodes SMノードのIPアドレスのバックアップ。
version.backup スイッチのファームウェア・バージョン番号が含まれます。
backup.info スイッチのバックアップのメタデータが含まれます。
checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。
bx.conf ブリッジ構成ファイルのバックアップ。このファイルは、NM2ゲートウェイ・スイッチの場合にのみバックアップされます。
bxm.conf 追加ゲートウェイ構成ファイルのバックアップ。このファイルは、NM2ゲートウェイ・スイッチの場合にのみバックアップされます。
opensm.conf OpenSM構成ファイルのバックアップ。このファイルは、NM2ゲートウェイ・スイッチの場合にのみバックアップされます。

NM2ゲートウェイ・スイッチの場合、次のファイルは検証を目的としてのみバックアップされます。

  • /conf/bx.conf

  • /conf/bxm.conf

  • /etc/opensm/opensm.conf

これらのファイルをバックアップ・ディレクトリ内のものと比較して、VNICやVLANなどスイッチの内容が適切にバックアップされていることを確認できます。ExaBRによって、これらのファイルのデータがswitch.backupファイルからリストアされます。

インフィニバンド・スイッチをバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のいずれかの方法でExaBRを使用して、インフィニバンド・スイッチをバックアップします。

    • 特定のインフィニバンド・スイッチをバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup hostname1[,hostname2,...] [options]
      
    • すべてのインフィニバンド・スイッチをバックアップするには、次のようにall-ibターゲットを使用してExaBRを実行します。

      ./exabr backup all-ib [options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup all-ib --noprompt
    

    この例では、--nopromptオプションが使用されているため、パスワードの入力を求められることなく、ExaBRによってすべてのインフィニバンド・スイッチがバックアップされます。このオプションは、第2.3.1項「ExaBRに対するキーベースの認証の有効化」で説明しているように、キーベースの認証が有効になっている場合にのみ使用できます。このオプションを使用して、第2.3.4項「ExaBRのバックアップのスケジューリング」で説明しているように、バックアップをスケジュールできます。

    バックアップは、ファブリック内のすべてのスイッチについて作成する必要があります。

デフォルトでは、バックアップは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存されます。

セキュリティ上の理由により、暗号化されたエントリは、バックアップされたファイルから削除されます。このようなエントリとしては、次のものがあります。

  • /SP/services/servicetag/password

  • /SP/users/ilom-admin/password

  • /SP/users/ilom-operator/password

3.3.2 インフィニバンド・スイッチのリカバリ

ExaBRでは、スイッチの組込みSPリストアを使用して、スイッチの構成がリストアされます。リストアの実行中は、構成の変更が行われていないことを確認してください。構成の変更としては、vServerの作成とvNetの作成があります。


注意:

SMマスターではないスイッチのみをリストアしてください。SMマスタをリストアする場合、次のようにしてSMを再配置します。
  1. リストアするスイッチにログインします。

  2. SMマスターでdisablesmコマンドを実行して、SMマスターを再配置します。

  3. getmasterコマンドを実行して、SMマスターが異なるゲートウェイ・スイッチに再配置されたことを確認します。

  4. 別のゲートウェイ・スイッチをマスターにしてから、enablesmコマンドを実行して、リストアするスイッチ上のSMを再有効化します。

  5. ログインしたスイッチがSMマスターではないことを、getmasterコマンドを実行して確認します。


インフィニバンド・スイッチをリカバリするには、次を実行します。


注意:

インフィニバンド・スイッチをリストアするには、rootユーザーとしてExaBRを実行する必要があります。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次を実行して、スイッチのsmnodesリストを確認します。

    1. リカバリするインフィニバンド・スイッチに、rootユーザーとしてログインします。

    2. 次のコマンドを実行して、サブネット・マネージャ・ノードをリストします。

      # smnodes list
      

      注意:

      smnodesコマンドが機能しない場合は、次のコマンドの実行が必要なことがあります。
      # disablesm
      # enablesm
      

    3. このスイッチでサブネット・マネージャを実行する場合は、このスイッチのIPアドレスが、smnodes listコマンドの出力内にリストされていることを確認します。ノードのリストは、次のコマンドを使用して変更できます。

      # smnodes add IP_Address_of_Switch
      # smnodes delete IP_Address_of_Switch
      

      ここで、IP_Address_of_Switchは、サブネット・マネージャを実行しようとしているスイッチのIPアドレスです。


      注意:

      サブネット・マネージャを実行しているすべてのゲートウェイ・スイッチ上で、smnodes listコマンドの出力が同一であることを確認してください。

  3. 次のようにExaBRを実行することによって、バックアップのリストを表示します。

    ./exabr list hostname [options]
    

    例:

    ./exabr list ib01.example.com -v
    

    この例では、-vオプションが使用されているため、ib01.example.comについて作成されたバックアップがExaBRによって詳細にリストされます。

  4. 次のようにExaBRを使用して、インフィニバンド・スイッチをリストアします。

    ./exabr restore hostname [options]
    

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。


    注意:

    リストアの実行中、インフィニバンドのトラフィックが一時的に中断されます。

    例:

    ./exabr restore ib01.example.com -b 201308230428
    

    この例では、ExaBRによって1つのインフィニバンド・スイッチがリストアされます。-bオプションが使用されているため、データはバックアップ・ディレクトリ201308230428からリストアされます。


    注意:

    ExaBRは、ポート80にバインドして、HTTP経由で構成のバックアップをインフィニバンドILOMに送信します。ExaBRの実行元のマシンにファイアウォールが設定されている場合は、HTTPポート80を開く必要があります。

  5. インフィニバンド・パーティションは自動的にリストアされることはありません。このパーティションをリストアするには、次を実行します。


    注意:

    Exalogicラックが仮想環境にある場合は常にこれらのパーティションをリストアすることをお薦めします。

    1. ExaBRによってバックアップされたpartitions.currentファイルで、パーティションが適切にバックアップされていることを確認します。

    2. 次のコマンドを実行して、partitions.currentをマスター・スイッチにコピーします。

      scp mounted_exabr_backup/ib_gw_switches/switch_hostname/backup_directory/partitions.current ilom-admin@master_switch_hostname:/tmp
      

      このコマンドで、mounted_exabr_backupはExaBRに作成した共有へのパス、switch_hostnameはバックアップしたスイッチのホスト名、backup_directoryはスイッチのリストア元のディレクトリ、master_switch_hostnameはマスター・スイッチのホスト名です。

    3. マスター・スイッチにログインして、/tmpディレクトリからpartitions.current/confディレクトリにコピーします。

    4. マスター・スイッチで次のコマンドを実行して、パーティションを伝播し、変更をコミットします。

      smpartition start && smpartition commit
      

3.3.3 仮想環境におけるインフィニバンド・スイッチの置換

Exalogicが仮想構成にデプロイされている場合は、次を実行して、障害が発生したインフィニバンド・スイッチを置換してリカバリします。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のようにExaBRでcontrol-unregisterコマンドを実行することによって、Exalogic制御内のアセットのリストからインフィニバンド・スイッチを削除します。

    ./exabr control-unregister hostname_of_IB_switch
    
  3. 標準の置換手順に従って、障害が発生したスイッチを置換します。


    注意:

    このスイッチをインフィニバンド・ファブリックに接続する前に、スイッチでdisablesmコマンドを実行して、サブネット・マネージャを無効にします。

  4. 第3.3.2項「インフィニバンド・スイッチのリカバリ」すべての手順を実行して、作成済のバックアップからスイッチをリストアします。

  5. 次のようにExaBRを使用してib-registerコマンドを実行することによって、ゲートウェイ・ポートGUIDをEoIBパーティションに登録します。

    ./exabr ib-register hostname_of_IB_switch [options]
    

    例:

    ./exabr ib-register ib02.example.com --dry-run
    ./exabr ib-register ib02.example.com
    

    最初の例では、ib-registerコマンドは、--dry-runオプションが指定されて実行されるため、変更の保存なしに実行される操作が表示されます。

    2つ目の例では、インフィニバンド・スイッチのゲートウェイ・ポートGUIDがEoIBパーティションに登録されます。

  6. Exalogic ControlのInfiniBandスイッチおよびILOMに対する検出プロファイルの資格証明を更新するには、次の手順に従います。


    注意:

    この手順は、次の場合にのみ実行してください。
    • インフィニバンド・スイッチを置換した場合。

    • 置換されたスイッチの資格証明とは異なる資格証明を置換スイッチ・ノードに構成した場合。


    1. Exalogic制御BUIにログインします。

    2. 「Plan Management」アコーディオンの「Credentials」を選択します。

    3. 検索ボックスにインフィニバンド・スイッチのホスト名を入力して、「Search」をクリックします。

      インフィニバンド・スイッチのIPMIおよびSSH資格証明のエントリが表示されます。

    4. 4つすべての資格証明を更新するには、次を実行します。

      i. 資格証明のエントリを選択して、「Edit」をクリックします。

      「Update Credentials」ダイアログ・ボックスが表示されます。

      ii. パスワード・フィールドと、パスワードの確認のフィールドを更新します。

      iii. 「Update」をクリックします。

  7. 次のようにExaBRでcontrol-registerコマンドを実行することによって、スイッチを再検出し、それをExalogic制御内のアセットのリストに追加します。

    ./exabr control-register hostname_of_IB_switch
    

3.4 管理スイッチ

管理スイッチは、管理インタフェースの接続を提供するため、定期的にバックアップする必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

3.4.1 管理スイッチのバックアップ

ExaBRでは、構成データのバックアップに、管理スイッチの組込みメカニズムが使用されます。管理スイッチをバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のようにExaBRを使用して管理スイッチをバックアップします。

    ./exabr backup hostname [options]
    

    例:

    ./exabr backup mgmt.example.com
    

    この例では、ExaBRによって管理スイッチがバックアップされます。


注意:

管理スイッチでは、対話型バックアップのみがサポートされます。ログイン・パスワードと権限モードに入るためのパスワードの両方の入力を求められます。

デフォルトでは、バックアップは/exalogic-lcdata/backupsディレクトリ内に保存されます。

デフォルトで、ExaBRはtelnetプロトコルを使用して管理スイッチに接続されます。接続プロトコルは、第2.3.2項「管理スイッチに対する接続プロトコルの構成」の説明に従ってSSHに変更できます。

ExaBRでは、バックアップは次のファイルに保存されます。

ファイル 説明
switch.backup 管理スイッチのバックアップが含まれます。
backup.info バックアップのメタデータが含まれます。
checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。

3.4.2 管理スイッチのリカバリ

管理スイッチをリカバリするには、次を実行します。


注意:

リストアの実行中には、構成が変更されないようにする必要があります。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクの手順を実行します。

  2. 次のようにExaBRを使用して管理スイッチをリストアします。

    ./exabr restore hostname [options]
    

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr restore mgmt.example.com
    

    この例では、ExaBRによって管理スイッチがリストアされます。

  3. スイッチが正常にリストアされたことを確認します。


    注意:

    管理スイッチが予想どおりに動作しない場合は、スイッチを再起動して、リストアを元に戻すことができます。

  4. スイッチが適切に動作する場合は、次を実行して、このリストアが存続するようにします。

    1. 管理スイッチのCLIにログインします。

    2. 次のコマンドを実行します。

      copy running-config startup-config
      

デフォルトで、ExaBRはtelnetプロトコルを使用して管理スイッチに接続されます。接続プロトコルは、第2.3.2項「管理スイッチに対する接続プロトコルの構成」の説明に従ってSSHに変更できます。

3.4.3 仮想環境における管理スイッチの置換

Exalogicが仮想構成にデプロイされている場合は、次を実行して、障害が発生した管理スイッチを置換します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のようにExaBRでcontrol-unregisterコマンドを実行することによって、Exalogic制御内のアセットのリストから管理スイッチを削除します。

    ./exabr control-unregister hostname_of_management_switch
    
  3. 標準の置換処理に従って、障害が発生した管理スイッチを置換します。

  4. 第3.4.2項「管理スイッチのリカバリ」の手順を実行して、最新のバックアップからスイッチをリストアします。

  5. 次のようにExaBRでcontrol-registerコマンドを実行することによって、スイッチを再検出し、それをExalogic制御内のアセットのリストに追加します。

    ./exabr control-register hostname_of_management_switch
    

3.5 ストレージ・アプライアンス・ヘッド

Exalogicラック内のストレージ・アプライアンスには、クラスタ化された構成にデプロイされる2つのヘッドがあります。常に、一方のヘッドがアクティブで、他方のヘッドがパッシブになっています。ストレージ・ヘッドに障害が発生し、これを置換する必要がある場合に、クラスタ化が実行されているときは、存続しているアクティブ・ノードの構成が、新規ストレージ・ヘッドにプッシュされます。

3.5.1 ストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成のバックアップ

ストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成またはそのILOMの構成をバックアップするには、次を実行します。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。

  2. 次のいずれかの方法でExaBRを使用して、ストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成またはそのILOMの構成をバックアップします。

    • 特定のストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成またはILOMの構成をバックアップするには、次のようにExaBRを実行します。

      ./exabr backup hostname1[,hostname2,...] [options]
      
    • すべてのストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成およびILOMをバックアップするには、次のようにall-snターゲットを使用してExaBRを実行します。

      ./exabr backup all-sn [options]
      

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr backup sn01.example.com --noprompt
    ./exabr backup sn01ilom.example.com --noprompt
    

    これらの例では、ExaBRによって、最初のストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成とそのILOMの構成が、パスワードの入力を求められることなくバックアップされます。このオプションは、第2.3.1項「ExaBRに対するキーベースの認証の有効化」で説明しているように、キーベースの認証が有効になっている場合にのみ使用できます。このオプションを使用して、第2.3.4項「ExaBRのバックアップのスケジューリング」で説明しているように、バックアップをスケジュールできます。

    ExaBRによって作成されるストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成バックアップの内容の詳細は、次のリンク先を参照してください。

    http://docs.oracle.com/cd/E22471_01/html/821-1792/maintenance__system__configurationbackup.html#maintenance__system__configurationbackup__backup_contents">>

    ExaBRでは、バックアップは次のファイルに保存されます。

    ファイル 説明
    zfssa.backup ストレージ・アプライアンス・ヘッドのバックアップが含まれます。
    ilom.backup ILOMがバックアップされた場合は、その構成バックアップが含まれます。
    checksums.md5 バックアップのmd5チェックサムが含まれます。
    backup.info ストレージ・アプライアンス・ヘッドおよびILOMのバックアップのメタデータが含まれます。

    ストレージ・アプライアンス・ヘッドおよびILOMのファイルは別々のディレクトリに保存されます。第2.1.2項「ExaBRによって作成されるバックアップ・ディレクトリ」で説明しているように、スイッチのファイルはstorage_nodesディレクトリに保存され、ILOMのファイルはilomsディレクトリに保存されます。

3.5.2 ストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成のリカバリ

ストレージ・アプライアンス・ヘッドの構成をリカバリするには、次を実行します。


注意:

アクティブなネットワーキング構成およびデータ・プロトコルが再構成されるため、リストア処理の完了には数分かかり、クライアントに対するサービスに影響が及びます。構成のリストアは、開発システム上でのみ、またはスケジュールされた停止時間中にのみ行う必要があります。

  1. 第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されている手順を実行します。

  2. 次を実行して、アクティブ・ノードとパッシブ・ノードを特定します。

    1. ストレージ・アプライアンスBUIにログインします。

    2. 「Configuration」タブをクリックします。

      「Configuration」ページが表示されます。

    3. 「Cluster」をクリックします。

      図3-1で示しているように、「Cluster」ページが表示されます。

      図3-1 「Cluster」ページ

      図3-1の説明が続きます
      「図3-1 「Cluster」ページ」の説明

    4. Active (takeover completed)と示されているノードがアクティブ・ノードで、Ready (waiting for failback)と示されているノードがパッシブ・ノードです。この例では、slce23sn01がアクティブ・ノードで、slce23sn02がパッシブ・ノードです。

  3. 次を実行して、パッシブ・ノード(slce23sn02)を出荷時の状態にリセットします。

    1. パッシブ・ノード(slce23sn02)のストレージ・アプライアンスBUIにrootユーザーとしてログインします。

    2. 「Maintenance」タブをクリックします。

      「Hardware」ページが表示されます。

    3. 「System」をクリックします。

      「System」ページが表示されます。

    4. 「FACTORY RESET」ボタンをクリックします。

      ストレージ・ノードが再起動します。

  4. パッシブ・ノード(slce23sn02)が完全に再起動する前に、次を実行して、アクティブ・ノード(slce23sn01)のクラスタ化を解除する必要があります。

    1. アクティブ・ノード(slce23sn01)のストレージ・アプライアンスBUIにrootユーザーとしてログインします。

    2. 「Configuration」タブをクリックします。

      「Services」ページが表示されます。

    3. 「Cluster」をクリックします。

      「Cluster」ページが表示されます。

    4. 「UNCONFIG」ボタンをクリックします。

    5. パッシブ・ノード(slce23sn02)の再起動を待機します。パッシブ・ノードが再起動したかどうかを確認するには、パッシブ・ノードのILOMにログインします。

  5. アクティブ・ノード(slce23sn01)はすべてのリソースを所有しているため、次のようにExaBRを実行して、アクティブ・ノードをリストアします。

    ./exabr restore hostname1 [options]
    

    オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。

    例:

    ./exabr restore slce23sn01.example.com -b 201308230428
    

    この例では、ExaBRによって、アクティブ・ストレージ・ノードslce23sn01.example.comが、バックアップ・ディレクトリ201308230428からリストアされます。

  6. リストアが正常に終了したら、次を実行して、クラスタ化を再構成します。

    • X2-2ラックおよびX3-2ラックの場合

      a. アクティブ・ノード(slce23sn01)のストレージ・アプライアンスBUIにrootユーザーとしてログインします。

      b. 「構成」 タブをクリックします。

      「Services」ページが表示されます。

      c. 「Cluster」をクリックします。

      「Cluster」ページが表示されます。

      d. 「SETUP」ボタンをクリックします。

      f. 「host name」フィールドに、パッシブ・ノード(slce23sn02)のホスト名を入力します。

      g. 「password」フィールドに、パッシブ・ノード(slce23sn02)のパスワードを入力します。

      i. 「COMMIT」ボタンをクリックします。

      パッシブ・ノードがクラスタに結合され、リストアされたアクティブ・ノードから構成がコピーされます。

    • X4-2以上のラックの場合

      a. アクティブ・ノード(slce23sn01)のストレージ・アプライアンスBUIにrootユーザーとしてログインします。

      b. 「構成」 タブをクリックします。

      「Services」ページが表示されます。

      c. 「Cluster」をクリックします。

      「Cluster」ページが表示されます。

      d. 「SETUP」ボタンをクリックします。

      e. 「COMMIT」ボタンをクリックします。

      f. 「Appliance Name」フィールドに、パッシブ・ノード(slce23sn02)のホスト名を入力します。

      g. 「Root Password」フィールドに、パッシブ・ノード(slce23sn02)のパスワードを入力します。

      h. 「Confirm Password」フィールドに、パッシブ・ノード(slce23sn02)のパスワードを入力します。

      i. 「COMMIT」ボタンをクリックします。

      パッシブ・ノードがクラスタに結合され、リストアされたアクティブ・ノードから構成がコピーされます。

  7. 次を実行して、リストアしたストレージ・ノード(アクティブ・ノードslce23sn01)に対してイーサネット管理ネットワークへのアクセスを構成します。

    • X2-2ラックおよびX3-2ラックの場合

      a. rootユーザーとしてアクティブ・ノードにSSHを実行します。

      b. リストアしたストレージ・ノードのインタフェースを破棄します。この例では、2番目のストレージ・ノード(slce23sn02)をリセットしたので、igb1インタフェースを破棄します。slce23sn01ストレージ・ノードをリセットした場合は、igb0インタフェースを破棄する必要があります。

         configuration net interfaces destroy igb1
      

      c. 次のコマンドを実行して、前の手順で破棄したインタフェースおよびリストアしたノード(アクティブ・ノードslce23sn01)のルートを再作成します。

        configuration net interfaces ip
        set v4addrs=ip address of passive node (slce23sn02) in CIDR notation
        set links=igb1
        set label=igb1
        commit
        configuration net routing create
        set family=IPv4
        set destination=0.0.0.0
        set mask=0
        set interface=igb1
        set gateway=<gateway ip>
        commit
      

      d. 次のコマンドを実行して、igb1リソースの所有権を変更します。

        configuration cluster resources select net/igb1
        set owner=<inactive head host name>
        commit
        commit
        The changes have been committed. Would you also like to fail back? (Y/N)
        N
      
    • X4-2以上のラックの場合

      a. rootユーザーとしてアクティブ・ノードにSSHを実行します。

      b. リストアしたストレージ・ノードのインタフェースを破棄します。この例では、2番目のストレージ・ノード(slce23sn02)をリセットしたので、ixgbe1インタフェースを破棄します。slce23sn01ストレージ・ノードをリセットした場合は、ixgbe0インタフェースを破棄する必要があります。

         configuration net interfaces destroy ixgbe1
      

      c. 次のコマンドを実行して、前の手順で破棄したインタフェースおよびリストアしたノード(アクティブ・ノードslce23sn01)のルートを再作成します。

        configuration net interfaces ip
        set v4addrs=ip address of passive node (slce23sn02) in CIDR notation
        set links=ixgbe1
        set label=ixgbe1
        commit
        configuration net routing create
        set family=IPv4
        set destination=0.0.0.0
        set mask=0
        set interface=ixgbe1
        set gateway=<gateway ip>
        commit
      

      d. 次のコマンドを実行して、ixgbe1リソースの所有権を変更します。

        configuration cluster resources select net/ixgbe1
        set owner=<inactive head host name>
        commit
        commit
        The changes have been committed. Would you also like to fail back? (Y/N)
        N
      
  8. 次を実行して、パッシブ・ノード(slce23sn02)をアクティブ・ノードにするテイクオーバーを行います。

    1. パッシブ・ノード(slce23sn02)のILOMにrootユーザーとしてログインします。

    2. 次のコマンドを実行して、コンソールを起動します。

      start /SP/console
      
    3. パッシブ・ノード(slce23sn02)にrootユーザーとしてログインします。

    4. テイクオーバーを実行して、このノードをアクティブにします。

      configuration cluster takeover
      

      アクティブ・ノード(slce23sn01)が再起動して、パッシブ・ノードになります。

    5. 前のアクティブ・ノード(slce23sn01)の起動を待機します。

  9. 次を実行して、再作成したリソースをプライベートに設定します。

    • X2-2ラックおよびX3-2ラックの場合

      a. 新しいアクティブ・ノード(slce23sn02)にrootユーザーとしてログインします。

      b. 次のコマンドを実行します。

         configuration cluster resources select net/igb1
         set type=private
         commit
         commit
         The changes have been committed. Would you also like to fail back? (Y/N)   
         N
      
    • X4-2以上のラックの場合

      a. 新しいアクティブ・ノード(slce23sn02)にrootユーザーとしてログインします。

      b. 次のコマンドを実行します。

         configuration cluster resources select net/ixgbe1
         set type=private
         commit
         commit
         The changes have been committed. Would you also like to fail back? (Y/N)   
         N
      

    注意:

    元のヘッドをアクティブ・ノードにする場合は、そのノードにrootユーザーとしてログインして、手順8dを実行します。