この章では、Exalogic制御スタックのバックアップおよびリカバリの手順を示します。内容は次のとおりです。
Exalogic制御スタックのリポジトリには、Exalogicラックで実行されているすべてのvServerのvServerディスク・イメージ、テンプレートおよびvServer構成ファイルが含まれます。Exalogic制御リポジトリは、ZFSストレージ・アプライアンス内のExalogicRepo
共有にあります。Exalogic制御スタックをバックアップする際には、ExaBRによって、この共有のZFSスナップショットが作成されます。
注意: Exalogic制御スタックの非対話型バックアップを行うには、init-ssh コマンドを使用して、計算ノードおよびストレージ・ヘッドに対してキーベースの認証を有効にします。init-ssh コマンドの使用方法は、第2.3.1項「ExaBRに対するキーベースの認証の有効化」で説明しています。EECS 2.0.4ラックの場合、手動でExalogic ControlスタックvServerに鍵をコピーしてください。この方法は、「SSH鍵のExalogic制御スタックvServerへのコピー(EECS 2.0.4ラックのみ)」で説明しています。 |
Exalogic制御スタックのコンポーネントおよびそれらのリポジトリのバックアップは、アカウント、ユーザーおよびvServerの追加や削除などのすべてのライフサイクル操作の後に行うことをお薦めします。
注意: Exalogic制御スタックをバックアップすると、ExaBRによってインフィニバンド・スイッチもバックアップされます。Exalogic制御スタックをリストアする場合は、対応するインフィニバンド・スイッチのバックアップもリストアする必要があります。 |
データ整合性を確保するために、バックアップの実行前に、Exalogic制御スタックを実行しているvServerを停止する必要があります。
Exalogic制御スタックをバックアップするには、次を実行します。
第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを停止します。
./exabr stop control-stack
注意: Exalogic制御スタックを停止するときに、そのスタックが使用中でないことを確認します。 |
このコマンドによって、プロキシ・コントローラ2、プロキシ・コントローラ1およびExalogic制御のvServerが、この順序で停止します。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックおよびインフィニバンド・スイッチをバックアップします。
./exabr backup control-stack [options]
オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。
例:
./exabr backup control-stack --noprompt
この例では、--noprompt
オプションが使用されているため、パスワードの入力を求められることなく、ExaBRによってExalogic制御スタックおよびインフィニバンド・スイッチがバックアップされます。
このコマンドによって、Exalogic制御スタックのバックアップとして、ExalogicRepo
共有のスナップショットが取得されます。このコマンドでは、第3.3.1項「インフィニバンド・スイッチのバックアップ」で説明しているように、インフィニバンド・スイッチもバックアップされます。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを再起動します。
./exabr start control-stack
このコマンドによって、Exalogic制御、プロキシ・コントローラ1およびプロキシ・コントローラ2のvServerが、この順序で起動します。
ExaBRで最後にバックアップされた時点に、Exalogic制御スタックをリカバリできます。データ整合性を確保するため、すべてのExalogic制御vServerが一緒にリストアされます。
Exalogic制御スタックをリストアするには、次を実行します。
注意: Exalogic制御スタックをリストアすると、そのデータはバックアップが作成された時点に戻されます。Exalogic制御スタックをリストアした後は、次のようになります。
このようなvServerは、付録Bに示されている手順に従って、クリーンアップできます。 |
次を実行することによって、Exalogic制御スタックをリストアできます。
第2.2項「ExaBRを使用するための準備」に示されているタスクを実行します。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを停止します。
./exabr stop control-stack
注意: Exalogic制御スタックを停止するときに、そのスタックが使用中でないことを確認します。 |
このコマンドによって、プロキシ・コントローラ2、プロキシ・コントローラ1およびExalogic制御のvServerが、この順序で停止します。
次のようにExaBRを実行することによって、バックアップのリストを表示します。
./exabr list control-stack
例:
./exabr list control-stack
この例では、ExaBRによって、Exalogic制御スタックについて作成されたバックアップがリストされます。Exalogic制御スタックおよびインフィニバンド・スイッチのリストアに使用するバックアップの名前をメモしておきます。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックをリストアします。
./exabr restore control-stack [options]
オプションの完全なリストについては、第2.4.2項「ExaBRのオプション」を参照してください。
例:
./exabr restore control-stack -b exabr_201309041714_control
この例では、-b
オプションを使用して、ExaBRによってexabr_201309041714_control
という名前のバックアップから制御スタックがリストアされます。
このコマンドを実行することによって、次の処理が行われます。
制御スタックのバックアップ時にExaBRによって取得されたExalogicRepo
共有のスナップショットのクローンが作成されます。
スナップショットのExalogic制御vServerが特定されます。
Exalogic制御vServerのデータが、クローンからOracle VM Serverリポジトリにリストアされます。
クローンが削除されます。
注意: Exalogic制御スタックのリストアは、1時間以上かかる場合があります。 |
Exalogic制御スタックのリストアが完了するまで待機します。
第3.3.2項「インフィニバンド・スイッチのリカバリ」で説明しているように各インフィニバンド・スイッチをリストアします。必ず、Exalogic制御スタックのリストアに使用したものと同じバックアップからインフィニバンド・スイッチをリストアします。この例では、インフィニバンド・スイッチは、バックアップ・ディレクトリ201309041714
からリストアされます。
注意: データ整合性を確保するため、Exalogic制御スタックをリストアするときは、インフィニバンド・スイッチをリストアする必要があります。Exalogic制御スタックのバックアップ時に作成したスイッチのバックアップから、スイッチをリストアする必要があります。 |
Exalogic制御スタックをリストアすると、そのデータはバックアップが作成された時点に戻されます。Exalogic制御スタックをリストアした後は、次のようになります。
バックアップの後に作成されたvServerはすべて、Exalogic制御には表示されません。
バックアップの後に削除されたvServerはすべて、存在はしていませんが、Exalogic制御に表示されます。
このようなvServerは、付録B「Exalogic制御スタックをリストアした後の孤立したvServerおよびゴーストvServerの削除」に示されている手順に従って、クリーンアップできます。
次のようにExaBRを実行して、Exalogic制御スタックのコンポーネントを再起動します。
./exabr start control-stack
このコマンドによって、Exalogic制御、プロキシ・コントローラ1およびプロキシ・コントローラ2のvServerが、この順序で起動します。