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Oracle® Exalogic Elastic Cloud Oracle Identity and Access Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2
E51446-03
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6 エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの構成

この章では、アイデンティティ管理データベース・リポジトリの構成方法について説明します。データベースは、別のグリッド・インフラストラクチャまたはExadataサーバーのいずれかに存在できます。

この章には次のトピックが含まれます:

6.1 アイデンティティ管理エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの準備の概要

エンタープライズ・デプロイメントのアイデンティティ管理コンポーネントでは、データベース・リポジトリを使用します。この章では、次の手順の実行方法について説明します。

6.2 エンタープライズ・デプロイメント用のデータベース要件の確認

データベースにメタデータ・リポジトリをロードする前に、次の各項に示す要件が満たされていることを確認してください。

6.2.1 必要なデータベース

Oracle Identity Managementには、複数の個別データベースをお薦めします。表6-1に、これらのデータベースのサマリーを示します。使用するデータベースは、実装しているトポロジにより異なります。

Oracle Metadata Services (MDS)リポジトリは、一部のOracle Fusion Middlewareコンポーネントのメタデータを含む特別なタイプのリポジトリです。ここには、所属する組織で開発されたカスタムのJava EEアプリケーションも含めることができます。

表6-1 データベースとスキーマのマッピング

データベース名 データベース・ホスト サービス名 データベース内のスキーマ

IDMDB

IDMDBHOST1 IDMDBHOST2

oamedg.mycompany.com

OAM、IAU、OIM、ORASDPM、MDS、SOA_INFRA



oesedg.mycompany.com

OPSS、MDS


以降の項は、表6-1に示したすべてのデータベースに適用されます。

6.2.2 データベース・ホスト要件

メタデータ・リポジトリの格納に使用されるデータベースは、それ自体が高い可用性を持つことが必要です。最大限の可用性を実現するには、Oracle Real Application Clusters (RAC)データベースを使用することをお薦めします。

データベースでのデータの格納にはOracle Automatic Storage Management (ASM)を使用することが理想ですが、これは必須ではありません。

ASMを使用する場合、ASMは独自のOracleホームにインストールし、次の2つのディスク・グループを用意する必要があります。

  • データベース・ファイル用

  • フラッシュ・リカバリ領域用

Oracle ASMを使用している場合は、Oracle Managed Filesを併用することがベスト・プラクティスです。

6.2.3 サポートされるデータベース・バージョン

使用しているデータベースが動作保証されているかどうかを確認する、または動作保証済のすべてのデータベースを確認するには、次の動作保証ドキュメントの動作保証済データベースに関する項を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html

インストールされているOracle Databaseのバージョンを確認するには、SQLプロンプトで次の問合せを実行してください。

select version from sys.product_component_version where product like 'Oracle%';

6.2.4 Oracle Databaseへのパッチ適用

Oracle Databaseの一部のバージョンにはパッチが必要です。

6.2.4.1 Oracle Database 11g (11.1.0.7)のパッチ要件

表6-2に、Oracle Database 11g (11.1.0.7)を使用するOracle Identity Managerの構成に必要なパッチを示します。Oracle Identity Manager 11gを構成する前に、Oracle Database 11g (11.1.0.7)データベースに必ずパッチを適用してください。

表6-2 Oracle Database 11g (11.1.0.7)に必要なパッチ

プラットフォーム My Oracle Supportでのパッチ番号と説明

Linux

7614692: 保存例外を伴うバルク機能はORACLE 11Gでは機能しません


7000281: 11GではFORALL文の動作が異なります


8327137: インライン・ビューおよび集計機能の結果が不正です


8617824: Bug#7628358および7598314に対する11.1.0.7の最上位でのマージ・ラベル・リクエスト


6.2.4.2 Oracle Database 11g (11.2.0.2.0)のパッチ要件

Oracle Database 11g (11.2.0.2.0)を使用している場合は、(プラットフォームに基づいて) RDBMSパッチ番号10259620の適切なバージョンをダウンロードおよびインストールしてください。これがOracle Identity Managerスキーマのインストールの前提条件となります。

表6-3に、Oracle Database 11g リリース2 (11.2.0.2.0)を使用するOracle Identity Managerの構成に必要なパッチを示します。Oracle Identity Managerスキーマを作成する前に、次のパッチをダウンロードおよびインストールしてください。

表6-3 Oracle Database 11g (11.2.0.2.0)に必要なパッチ

プラットフォーム My Oracle Supportでのパッチ番号と説明

Linux x86 (32ビット)

Linux x86 (64ビット)

RDBMS個別パッチ#10259620。


このパッチが適用されない場合、ユーザーおよびロールの検索やマネージャの参照で問題が発生する可能性があります。さらに、検索結果として、空の結果が返される場合があります。


注意:

  • このパッチは、オンライン・モードで適用してください。手順については、パッチに添付されているreadme.txtファイルを参照してください。

  • 環境によっては、RDBMS個別パッチでは問題を解決できず、公開されている回避策が有効な場合もあります。回避策については、11.2.0.2において、Bug: 8352378の修正により機能ベースの索引およびOR拡張で正しい結果が得られない件に関するMetalinkノート[Metalink Note ID 1264550.1]を参照してください。このノートに従ってパラメータを設定できますが、1つだけ、パラメータはALTER SYSTEM SET <param>=<value> scope=<memory>または<both>を使用してデータベース・インスタンス・レベルで変更する必要があるという点が異なります。


6.2.5 初期化パラメータについて

データベースでは、最低限、次の初期化パラメータが定義されている必要があります。

表6-4 Oracle RACデータベースで最低限必要な初期化パラメータ

パラメータ

aq_tm_processes

1

dml_locks

200

job_queue_processes

10

open_cursors

800脚注 1 

session_max_open_files

50

sessions

500

processes

500

sga_target

512M

pga_aggregate_target

100M

sga_max_size

4G

session_cached_cursors

500


脚注 1 OAMでは、データベースに最低限800のオープン・カーソルが必要です。OIMとOAMが使用可能な場合、オープン・カーソルの数は1500とする必要があります。


注意:

データベースに最適なパラメータの設定についてのガイドラインは、『Oracle Fusion Middlewareパフォーマンスおよびチューニング・ガイド』を参照してください。


6.3 エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースのインストール

データベース・リポジトリを次のようにインストールおよび構成します。

Oracle Clusterware

自動ストレージ管理

Oracle Real Application Clusters

Oracle Real Application Clustersデータベース

次の特性を持つReal Applications Clustersデータベースを作成します。


注意:

すべての必須パッチを取得済であることを確認してください。詳細は、第2.5.3項「パッチおよび回避策の適用」を参照してください。


6.4 データベース・サービスの作成

この項では、Oracle Fusion Middleware 11gメタデータ用のデータベースを構成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

6.4.1 10.xおよび11.1.xデータベース用のデータベース・サービスの作成

データベース・サービス作成の詳細な手順は、Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドの「ワークロード管理」の章を参照してください。複数の製品スイートが同じデータベースを共有する場合でも、製品スイートには固有のデータベース・サービスを使用することをお薦めします。また、デフォルトのデータベース・サービスとは異なるデータベース・サービスを使用することをお薦めします。

CREATE_SERVICEサブプログラムを使用して、トポロジ内のコンポーネント用のデータベース・サービスを作成します。作成するサービスのリストは、表6-1「データベースとスキーマのマッピング」に示しています。

  1. 次のように入力し、sysdbaユーザーとしてSQL*Plusにログオンします。

    sqlplus "sys/password as sysdba"
    

    さらに、次のコマンドを実行し、Access Manager用にoamedg.mycompany.comというサービスを作成します。

    EXECUTE DBMS_SERVICE.CREATE_SERVICE
    (SERVICE_NAME => 'oamedg.mycompany.com',
    NETWORK_NAME => 'oamedg.mycompany.com');
    
  2. 次のsrvctlを使用して、このサービスをデータベースに追加し、これをインスタンスに割り当てます。

    srvctl add service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com -r idmdb1,idmdb2
    
  3. 次のsrvctlを使用して、サービスを開始します。

    srvctl start service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com
    

6.4.2 11.2.xデータベース用のデータベース・サービスの作成

srvctlを使用して、トポロジ内のコンポーネント用のデータベース・サービスを作成します。作成するサービスのリストは、表6-1「データベースとスキーマのマッピング」に示しています。

  1. 次のようにsrvctl add serviceコマンドを使用して、サービスを作成します。

    srvctl add service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com -r idmdb1,idmdb2 -q FALSE -m NONE -e NONE -w 5 -z 5
    

    コマンド行引数の意味は次のとおりです。

    オプション 引数

    -d

    データベースの一意の名前

    -s

    サービス名

    -r

    優先インスタンスのカンマ区切りリスト

    -q

    AQ HA通知(TRUEまたはFALSE)

    -e

    フェイルオーバー・タイプ(NONE、SESSIONまたはSELECT)

    -m

    フェイルオーバー方式(NONEまたはBASIC)

    -w

    フェイルオーバー遅延(整数)

    -z

    フェイルオーバー再試行回数(整数)


  2. 次のsrvctl start serviceを使用して、サービスを開始します。

    srvctl start service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com
    
  3. 次のようにsrvctl status serviceを使用して、開始したサービスを検証します。

    srvctl status service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com
    Service oamedg.mycompany.com is running on instance(s) idmdb1,idmdb2
    
  4. 次のsrvctl config serviceを使用して、サービスが正しく作成されたことを確認します。

    srvctl config service -d idmdb -s oamedg.mycompany.com
    Service name: oamedg.mycompany.com
    Service is enabled
    Server pool: idmdb_oamedg.mycompany.com
    Cardinality: 2
    Disconnect: false
    Service role: PRIMARY
    Management policy: AUTOMATIC
    DTP transaction: false
    AQ HA notifications: false
    Failover type: NONE
    Failover method: NONE
    TAF failover retries: 5
    TAF failover delay: 5
    Connection Load Balancing Goal: LONG
    Runtime Load Balancing Goal: NONE
    TAF policy specification: NONE
    Edition:
    Preferred instances: idmdb1,idmdb2
    Available instances:
    

注意:

SRVCTLコマンドの詳細は、Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイドを参照してください。


6.4.3 データベースのチューニング

第6.3項「エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースのインストール」で定義したデータベース・パラメータは単なるガイドです。システムの使用開始後に、さらにチューニングを行う必要が生じる場合もあります。詳細は、データベース・パフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

6.5 RCUを使用したOracle RACデータベースでのアイデンティティ管理スキーマのロード

リポジトリ作成ユーティリティを実行し、アイデンティティ管理および管理サービスで使用するスキーマのコレクションを作成します。

「データベース接続の詳細」画面で、既存のデータベースに接続するために必要な情報を指定します。

「Select Components」画面で、次の値を指定します。

Create a New Prefix: データベース・スキーマに追加する接頭辞を入力します。すべてのスキーマに接頭辞が必要であることに注意してください。たとえば、EDGと入力します。これにより、後でエンタープライズ・デプロイメント・ドメインを構成および拡張する際に、スキーマの識別を迅速かつ容易に行うことができます。また、スキーマに使用したパスワードをメモします。これは、後で構成ウィザードを実行する際に必要になります。

Components: 使用しているトポロジに対して、次の表から適切なコンポーネントを選択します。

製品 RCUオプション コメント

Oracle Platform Security Services

AS共通スキーマ: Oracle Platform Security Service

ポリシー・ストア情報を保持する必要があります。すべてのトポロジに必須です。

Oracle Access Management Access Manager


アイデンティティ管理: Access Manager

監査サービスも選択されます。

Oracle Identity Manager


アイデンティティ管理: Oracle Identity Manager

Metadata Services、SOAインフラストラクチャおよびユーザー・メッセージングも選択されます。


リポジトリ作成ユーティリティの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Repository Creation Utilityユーザーズ・ガイド』を参照してください。

Identify and Access Managementのインストールに必要なスキーマの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity and Access Managementインストレーション・ガイド』のOracle Fusion Middlewareリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用したデータベース・スキーマの作成に関する項を参照してください。

6.6 データベースのバックアップ

データベースの準備が整ったら、これをバックアップします。ご使用の環境に適したRMANコマンドを使用して、データベースをバックアップできます。『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。