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Oracle® Exalogic Elastic Cloud Oracle Identity and Access Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2
E51446-03
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5 エンタープライズ・デプロイメント用の計算ノードの構成

この章では、エンタープライズ・デプロイメント用のサーバーの準備方法について説明します。

内容は次のとおりです。

5.1 計算ノードの準備の概要

新しいハードウェアにOracle Fusion Middlewareをデプロイする前に、Oracleソフトウェアが最適に動作するように、使用予定の計算ノードを設定する必要があります。具体的には、次のようにする必要があります。

この章で説明されている設定は、単なるガイドです。Oracleソフトウェアを使用した後、オペレーティング・システムのユーティリティを使用して、サーバーの潜在能力を最大限に引き出すよう、構成を調整する必要があります。

5.2 オペレーティング・システム要件の適合

操作のプロビジョニングを開始する前に、動作保証済のオペレーティング・システムをインストールする必要があります。


注意:

すべての必須パッチを取得済であることを確認してください。詳細は、第2.5.3項「パッチおよび回避策の適用」を参照してください。 


5.2.1 UNIXおよびLinux要件の適合

この項で説明する項目は、次のとおりです。

5.2.1.1 カーネル・パラメータの構成

次に示すカーネル・パラメータおよびシェルの制限値は、単なる推奨値です。本番データベース・システムでは、システムのパフォーマンスを最適化するように、これらの値を調整することをお薦めします。カーネル・パラメータの調整の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

カーネル・パラメータは、クラスタ内のすべてのノードで、最低限次に示す値を設定する必要があります。

表5–1の値は、現在のUNIXの推奨値です。UNIXおよびその他のオペレーティング・システムの最新の推奨値は、次のURLのOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-requirements-100147.html

表5-1 UNIXカーネル・パラメータ

パラメータ

kernel.sem

256 32000 100 142

kernel.shmmax

4294967295


これらのパラメータを設定する手順は次のとおりです。

  1. rootとしてログインし、/etc/sysctl.confファイル内のエントリを追加または修正します。

  2. ファイルを保存します。

  3. 次のコマンドを発行して、変更をアクティブにします。

    /sbin/sysctl -p
    

5.2.1.2 オープン・ファイル数の制限の設定

すべてのUNIXオペレーティング・システムで、オープン・ファイル数の制限の最小値は4096です。


注意:

次に示すのは、Linuxオペレーティング・システムの例です。システムで使用するコマンドを特定するには、オペレーティング・システムのドキュメントを確認してください。


次のコマンドを使用して、開かれているファイルの数を確認できます。

/usr/sbin/lsof | wc -l

オープン・ファイル数の制限を確認するには、次のコマンドを使用します。

Cシェル:

limit descriptors

Bash:

ulimit -n

5.2.1.3 シェルの制限の設定

シェル制限を変更するには、rootとしてログインし、/etc/security/limits.confファイルを編集します。

次の行を追加します。

* soft  nofile  4096
* hard  nofile  65536
* soft  nproc   2047
* hard  nproc   16384

ファイルを編集したら、マシンを再起動します。

5.2.1.4 ローカルなhostsファイルの構成

Oracleソフトウェアのインストールを開始する前に、ローカルの/etc/hostsファイルがすべて次のように書式設定されていることを確認します。

192.168.30.1 oimhost1vhn.mycompany.com oimhost1vhn
 
192.168.30.2 oimhost2vhn.mycompany.com oimhost2vhn
 
192.168.30.3 soahost1vhn.mycompany.com soahost1vhn
 
192.168.30.4 soahost2vhn.mycompany.com soahost2vhn
 
192.168.50.1 oudinternal.mycompany.com oudinternal
 
192.168.50.2 idminternal.mycompany.com idminternal

192.168.10.3 idmhost1vhn.mycompany.com idmhost1vhn

192.168.10.4 idmhost2vhn.mycompany.com idmhost2vhn

192.168.10.1 webhost1vhn.mycompany.com webhost1vhn

192.168.10.2 webhost2vhn.mycompany.com webhost2vhn

注意:

oudinternal.mycompany.comおよびidminternal.mycompany.comにDNSエントリがある場合は、/etc/hostsに追加する必要はありません。


5.2.1.5 Huge Page割当ての増加

デフォルトで、Huge PageがExalogic計算ノードで有効にされますが、次を実行して既存の割当てを確認してください。

grep Huge /proc/meminfo

推奨Huge Page割当てを25000に設定します。

Huge Page割当てを設定するには、次のコマンドをrootとして計算ノードで実行します。

# echo 25000  > /proc/sys/vm/nr_hugepages

5.3 Unicodeサポートの有効化

オペレーティング・システム構成は、Oracle Fusion Middleware製品でサポートされている文字の動作に影響を与える場合があります。

UNIXオペレーティング・システムでは、LANGおよびLC_ALL環境変数をUTF-8文字セットのロケールに設定することにより、Unicodeサポートを有効にすることを強くお薦めします。これにより、オペレーティング・システムはUnicodeの任意の文字を処理できます。たとえば、Oracle SOA SuiteテクノロジはUnicodeに基づいています。

オペレーティング・システムがUTF-8以外のエンコーディングを使用するように構成されていると、Oracle SOA Suiteコンポーネントは予期しない動作をする可能性があります。たとえば、ASCII以外のファイル名の場合、ファイルにアクセスできなかったり、エラーが発生する可能性があります。Oracleでは、オペレーティング・システムの制約による問題はサポートしていません。

5.4 NIS/YPサーバーの構成

NFS Version 4を使用している場合、ディレクトリ・サービスまたはNIS (Network Information Server)を構成します。組織にこれがまだない場合、ZFS Storage Applianceで組込みのものを使用します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Exalogicマシン・オーナーズ・ガイドのExalogicでのNFS Version 4 (NFSv4)の構成に関する項を参照してください。

NISサーバーを構成したら、それを使用するように各計算ノードを構成します。Exalogic ZFS Applianceで組込みNISサーバーを使用している場合、次の手順を実行します。

  1. 次のURLを使用して記憶域BUIにログインして、NISサーバーの名前を決定します。

    https://ipaddress:215
    
  2. 「Configuration」「Services」「NIS」の順にクリックします。

  3. リストされているNISサーバーの1つをメモします。

  4. rootとして計算ノードにログインします。

  5. /etc/idmapd.conf構成ファイルを編集します。

    vi /etc/idmapd.conf
    

    次の例のように、ドメイン値を設定します。

    Domain = us.myexample.com
    
  6. rpcidmapdサービスを再起動します。

    service rpcidmapd restart
    
  7. 次の例のように、/etc/yp.conf構成ファイルを更新し、正しいドメイン値を設定します。

    vi /etc/yp.conf
    

    次の行を追加します。

    domain us.myexample.com server NIS_Server_hostname_or_IP
    

    ここで、us.myexample.comはサンプル・ドメイン、NIS_Server_hostname_or_IPはNISサーバーのホスト名またはIPアドレスです。これらのサンプル値は、ご使用の環境の対応する値に置き換える必要があります。

  8. コマンド行でNISドメイン名を設定します。

    domainname NIS_DOMAIN_NAME
    

    次に例を示します。

    domainname nisdomain.example.com
    
  9. /etc/nsswitch.conf構成ファイルを編集します。

    vi /etc/nsswitch.conf
    

    次のエントリを変更します。

     passwd:     files nis
     shadow:     files nis
     group:      files nis
     automount:  files nis nisplus
     aliases:    files nis nisplus
    
  10. rpcidmapdサービスを再起動します。

    service rpcidmapd restart
    
  11. 次のコマンドを実行して、ypbindサービスを再起動します。

    service ypbind restart
    
  12. このコマンドを実行して、ypサービスをチェックします。

    ypwhich
    
  13. 次のコマンドにより、Oracleユーザー・アカウントにアクセスできるかどうかを検証します。

    ypcat passwd
    
  14. ypbindをブート・シーケンスに追加して、再起動後に自動的に起動されるようにします。

    chkconfig ypbind on
    

5.5 ユーザーおよびグループの構成

ローカル、またはNISサーバーかLDAPサーバーのいずれかで、次のユーザーおよびグループを作成します。このユーザーはOracleソフトウェア所有者です。

後述の手順はローカルでユーザーを作成するためのものです。NISサーバーでのこれらのユーザー/グループの作成の詳細は、NISのドキュメントを参照してください。

グループ

各ノードに次のグループを作成する必要があります。

グループを作成するには、rootとして次のコマンドを使用します。

groupadd groupname

次に例を示します。

groupadd -g 500 oinstall
groupadd -g 501 dba

ユーザー

各ノードに次のユーザーを作成する必要があります。


注意:

  • グループoinstallには、Oracleソフトウェアで使用される共有記憶域およびローカル記憶域のすべてのファイル・システムに対する書込み権限が必要です。

  • 各グループは、それぞれのノードで、同じグループIDを持つ必要があります。

  • 各ユーザーは、それぞれのノードで、同じユーザーIDを持つ必要があります。

  • NFSv4マウント要件によりユーザーとグループがNISサーバーに存在する必要があります。


ユーザーを作成するには、rootとして次のコマンドを使用します。

useradd -g primary group -G optional groups -u userid username

次に例を示します。

useradd -g oinstall -G dba -u 500 oracle

5.6 ホストへの共有のマウント

表5-2の詳細に従って、共有記憶域をホストにマウントします。

表5-2 各計算ノードにおけるマウント・ポイントへのアプライアンス上の共有のマッピング

マウント済ボリューム ホストにマウント済 マウント済ポイント 排他的

/export/IDM/products

IDMHOST1/ IDMHOST2

/u01/oracle/products

いいえ

/export/IDM/config

IDMHOST1/ IDMHOST2

/u01/oracle/config

いいえ

/export/IDM/configsoahost1

IDMHOST1

/u02/private/oracle/config

はい

/export/IDM/configsoahost2

IDMHOST2

/u02/private/oracle/config

はい

/export/IDM/webhost1config

WEBHOST1

/u02/private/oracle/config

はい

/export/IDM/webhost2config

WEBHOST2

/u02/private/oracle/config

はい

/export/IDM/webhost1products

WEBHOST1

/u02/prívate/oracle/products

はい

/export/IDM/webhost2products

WEBHOST2

/u02/prívate/oracle/products

はい



注意:

各ホストは、SAN内に適切な権限を設定する必要があります。


共有のマウント

各アプリケーション層のホストがバイナリ・インストールで同じ場所を参照できるように、共有記憶域の場所を作成およびマウントする必要があります。

Exalogicマシンでファイル・システムをマウントするには、次の手順を実行します。

  1. マウント・ポイントのディレクトリを作成します。たとえば、次のようになります。

    mkdir -p /u01/oracle/products
    
  2. ディレクトリの所有者をインストール・ユーザーに変更します。次に例を示します。

    chown oracle:oinstall /u01/oracle/products
    
  3. 次のコマンドを使用して、共有記憶域をホストにマウントします。

     mount -t nfs4 -o mount options zfshost:volume_mount_point
    

    次に例を示します。

    mount -t nfs4 -o rw,bg,hard,nointr,rsize=131072,wsize=131072,proto=tcp zfshost:/export/IDM/products /u01/oracle/products
    
  4. 表5-2のエントリごとに手順1から3を繰り返します。


    注意:

    この方法での記憶域のマウントは、永続的ではありません。つまり、マウントはマシンを再起動すると存続しません。マウントを永続的にするために、エントリをファイル/etc/fstabに配置することをお薦めします。

    次に例を示します。

    zfshost:/export/IDM/products /u01/oracle/products nfs4 auto,rw,bg,hard,nointr,proto=tcp,vers=3,time
    

共有記憶域の構成の検証

構成した共有記憶域の場所でテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリに対するファイルの読み書きが可能であることを確認します。

次に例を示します。

$ cd newly mounted directory
$ touch testfile

所有者と権限が正しいことを確認します。

$ ls -l testfile

その後、ファイルを削除します。

$ rm testfile