Oracle® Exalogic Elastic Cloud Oracle Identity and Access Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド リリースEL X2-2、X3-2、X4-2およびX5-2 E51446-03 |
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この章では、エンタープライズ・デプロイメント用のサーバーの準備方法について説明します。
内容は次のとおりです。
新しいハードウェアにOracle Fusion Middlewareをデプロイする前に、Oracleソフトウェアが最適に動作するように、使用予定の計算ノードを設定する必要があります。具体的には、次のようにする必要があります。
計算ノードは、必要なソフトウェア・パッチがインストールされた、動作保証済のオペレーティング・システムを実行している。
UNIXカーネルが正しく構成されている。
Oracleソフトウェアを所有するユーザーおよびグループが作成されている。
この章で説明されている設定は、単なるガイドです。Oracleソフトウェアを使用した後、オペレーティング・システムのユーティリティを使用して、サーバーの潜在能力を最大限に引き出すよう、構成を調整する必要があります。
操作のプロビジョニングを開始する前に、動作保証済のオペレーティング・システムをインストールする必要があります。
注意: すべての必須パッチを取得済であることを確認してください。詳細は、第2.5.3項「パッチおよび回避策の適用」を参照してください。 |
この項で説明する項目は、次のとおりです。
次に示すカーネル・パラメータおよびシェルの制限値は、単なる推奨値です。本番データベース・システムでは、システムのパフォーマンスを最適化するように、これらの値を調整することをお薦めします。カーネル・パラメータの調整の詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
カーネル・パラメータは、クラスタ内のすべてのノードで、最低限次に示す値を設定する必要があります。
表5–1の値は、現在のUNIXの推奨値です。UNIXおよびその他のオペレーティング・システムの最新の推奨値は、次のURLのOracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様を参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-requirements-100147.html
これらのパラメータを設定する手順は次のとおりです。
root
としてログインし、/etc/sysctl.conf
ファイル内のエントリを追加または修正します。
ファイルを保存します。
次のコマンドを発行して、変更をアクティブにします。
/sbin/sysctl -p
すべてのUNIXオペレーティング・システムで、オープン・ファイル数の制限の最小値は4096です。
注意: 次に示すのは、Linuxオペレーティング・システムの例です。システムで使用するコマンドを特定するには、オペレーティング・システムのドキュメントを確認してください。 |
次のコマンドを使用して、開かれているファイルの数を確認できます。
/usr/sbin/lsof | wc -l
オープン・ファイル数の制限を確認するには、次のコマンドを使用します。
Cシェル:
limit descriptors
Bash:
ulimit -n
シェル制限を変更するには、root
としてログインし、/etc/security/limits.conf
ファイルを編集します。
次の行を追加します。
* soft nofile 4096 * hard nofile 65536 * soft nproc 2047 * hard nproc 16384
ファイルを編集したら、マシンを再起動します。
Oracleソフトウェアのインストールを開始する前に、ローカルの/etc/hosts
ファイルがすべて次のように書式設定されていることを確認します。
192.168.30.1 oimhost1vhn.mycompany.com oimhost1vhn 192.168.30.2 oimhost2vhn.mycompany.com oimhost2vhn 192.168.30.3 soahost1vhn.mycompany.com soahost1vhn 192.168.30.4 soahost2vhn.mycompany.com soahost2vhn 192.168.50.1 oudinternal.mycompany.com oudinternal 192.168.50.2 idminternal.mycompany.com idminternal 192.168.10.3 idmhost1vhn.mycompany.com idmhost1vhn 192.168.10.4 idmhost2vhn.mycompany.com idmhost2vhn 192.168.10.1 webhost1vhn.mycompany.com webhost1vhn 192.168.10.2 webhost2vhn.mycompany.com webhost2vhn
注意:
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デフォルトで、Huge PageがExalogic計算ノードで有効にされますが、次を実行して既存の割当てを確認してください。
grep Huge /proc/meminfo
推奨Huge Page割当てを25000
に設定します。
Huge Page割当てを設定するには、次のコマンドをrootとして計算ノードで実行します。
# echo 25000 > /proc/sys/vm/nr_hugepages
オペレーティング・システム構成は、Oracle Fusion Middleware製品でサポートされている文字の動作に影響を与える場合があります。
UNIXオペレーティング・システムでは、LANG
およびLC_ALL
環境変数をUTF-8文字セットのロケールに設定することにより、Unicodeサポートを有効にすることを強くお薦めします。これにより、オペレーティング・システムはUnicodeの任意の文字を処理できます。たとえば、Oracle SOA SuiteテクノロジはUnicodeに基づいています。
オペレーティング・システムがUTF-8以外のエンコーディングを使用するように構成されていると、Oracle SOA Suiteコンポーネントは予期しない動作をする可能性があります。たとえば、ASCII以外のファイル名の場合、ファイルにアクセスできなかったり、エラーが発生する可能性があります。Oracleでは、オペレーティング・システムの制約による問題はサポートしていません。
NFS Version 4を使用している場合、ディレクトリ・サービスまたはNIS (Network Information Server)を構成します。組織にこれがまだない場合、ZFS Storage Applianceで組込みのものを使用します。詳細は、Oracle Fusion Middleware Exalogicマシン・オーナーズ・ガイドのExalogicでのNFS Version 4 (NFSv4)の構成に関する項を参照してください。
NISサーバーを構成したら、それを使用するように各計算ノードを構成します。Exalogic ZFS Applianceで組込みNISサーバーを使用している場合、次の手順を実行します。
次のURLを使用して記憶域BUIにログインして、NISサーバーの名前を決定します。
https://ipaddress:215
「Configuration」、「Services」、「NIS」の順にクリックします。
リストされているNISサーバーの1つをメモします。
rootとして計算ノードにログインします。
/etc/idmapd.conf
構成ファイルを編集します。
vi /etc/idmapd.conf
次の例のように、ドメイン値を設定します。
Domain = us.myexample.com
rpcidmapd
サービスを再起動します。
service rpcidmapd restart
次の例のように、/etc/yp.conf
構成ファイルを更新し、正しいドメイン値を設定します。
vi /etc/yp.conf
次の行を追加します。
domain us.myexample.com server NIS_Server_hostname_or_IP
ここで、us.myexample.com
はサンプル・ドメイン、NIS_Server_hostname_or_IPはNISサーバーのホスト名またはIPアドレスです。これらのサンプル値は、ご使用の環境の対応する値に置き換える必要があります。
コマンド行でNISドメイン名を設定します。
domainname NIS_DOMAIN_NAME
次に例を示します。
domainname nisdomain.example.com
/etc/nsswitch.conf
構成ファイルを編集します。
vi /etc/nsswitch.conf
次のエントリを変更します。
passwd: files nis shadow: files nis group: files nis automount: files nis nisplus aliases: files nis nisplus
rpcidmapd
サービスを再起動します。
service rpcidmapd restart
次のコマンドを実行して、ypbind
サービスを再起動します。
service ypbind restart
このコマンドを実行して、yp
サービスをチェックします。
ypwhich
次のコマンドにより、Oracleユーザー・アカウントにアクセスできるかどうかを検証します。
ypcat passwd
ypbind
をブート・シーケンスに追加して、再起動後に自動的に起動されるようにします。
chkconfig ypbind on
ローカル、またはNISサーバーかLDAPサーバーのいずれかで、次のユーザーおよびグループを作成します。このユーザーはOracleソフトウェア所有者です。
後述の手順はローカルでユーザーを作成するためのものです。NISサーバーでのこれらのユーザー/グループの作成の詳細は、NISのドキュメントを参照してください。
グループ
各ノードに次のグループを作成する必要があります。
oinstall
dba
グループを作成するには、rootとして次のコマンドを使用します。
groupadd groupname
次に例を示します。
groupadd -g 500 oinstall groupadd -g 501 dba
ユーザー
各ノードに次のユーザーを作成する必要があります。
oracle
- Oracleソフトウェアの所有者。別の名前を使用することもできます。このアカウントのプライマリ・グループは、oinstall
とする必要があります。このアカウントはdba
グループに属することも必要です。
注意:
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ユーザーを作成するには、rootとして次のコマンドを使用します。
useradd -g primary group -G optional groups -u userid username
次に例を示します。
useradd -g oinstall -G dba -u 500 oracle
表5-2の詳細に従って、共有記憶域をホストにマウントします。
表5-2 各計算ノードにおけるマウント・ポイントへのアプライアンス上の共有のマッピング
マウント済ボリューム | ホストにマウント済 | マウント済ポイント | 排他的 |
---|---|---|---|
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IDMHOST1/ IDMHOST2 |
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いいえ |
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IDMHOST1/ IDMHOST2 |
|
いいえ |
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IDMHOST1 |
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はい |
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IDMHOST2 |
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はい |
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WEBHOST1 |
|
はい |
|
WEBHOST2 |
|
はい |
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WEBHOST1 |
|
はい |
|
WEBHOST2 |
|
はい |
注意: 各ホストは、SAN内に適切な権限を設定する必要があります。 |
共有のマウント
各アプリケーション層のホストがバイナリ・インストールで同じ場所を参照できるように、共有記憶域の場所を作成およびマウントする必要があります。
Exalogicマシンでファイル・システムをマウントするには、次の手順を実行します。
マウント・ポイントのディレクトリを作成します。たとえば、次のようになります。
mkdir -p /u01/oracle/products
ディレクトリの所有者をインストール・ユーザーに変更します。次に例を示します。
chown oracle:oinstall /u01/oracle/products
次のコマンドを使用して、共有記憶域をホストにマウントします。
mount -t nfs4 -o mount options zfshost:volume_mount_point
次に例を示します。
mount -t nfs4 -o rw,bg,hard,nointr,rsize=131072,wsize=131072,proto=tcp zfshost:/export/IDM/products /u01/oracle/products
表5-2のエントリごとに手順1から3を繰り返します。
注意: この方法での記憶域のマウントは、永続的ではありません。つまり、マウントはマシンを再起動すると存続しません。マウントを永続的にするために、エントリをファイル/etc/fstabに配置することをお薦めします。 次に例を示します。 zfshost:/export/IDM/products /u01/oracle/products nfs4 auto,rw,bg,hard,nointr,proto=tcp,vers=3,time |
共有記憶域の構成の検証
構成した共有記憶域の場所でテスト・ファイルを作成し、新しくマウントしたディレクトリに対するファイルの読み書きが可能であることを確認します。
次に例を示します。
$ cd newly mounted directory
$ touch testfile
所有者と権限が正しいことを確認します。
$ ls -l testfile
その後、ファイルを削除します。
$ rm testfile