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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド     Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle RAC のサポートのインストール

2.  Oracle ファイル用のストレージの構成

Oracle ファイル用ストレージの構成タスクのサマリー

Oracle ファイル用の Sun QFS 共有ファイルシステムを構成するためのタスク

Oracle ファイル用の Solaris Volume Manager for Sun Cluster を構成するためのタスク

Oracle ファイル用の VxVM を構成するためのタスク

Oracle ファイル用のハードウェア RAID サポートを構成するためのタスク

Oracle ファイル用の ASM を構成するためのタスク

Oracle ファイル用の認定済み NAS デバイスを構成するためのタスク

Oracle ファイル用のクラスタファイルシステムを構成するためのタスク

Oracle RAC のサポート を使用したストレージ管理ソフトウェアのインストール

Solaris Volume Manager for Sun Cluster の使用

Solaris Volume Manager for Sun Cluster の使用方法

VxVM の使用

SPARC: VxVM の使用方法

ハードウェア RAID サポートの使用

ハードウェア RAID サポートの使用方法

Sun QFS 共有ファイルシステムの使用

Sun QFS 共有ファイルシステム 間の Oracle ファイルの配布

RDBMS バイナリファイルおよび関連ファイル用の Sun QFS ファイルシステム

データベースファイルと関連ファイルのための Sun QFS ファイルシステム

Sun QFS 共有ファイルシステムのパフォーマンスの最適化

Sun QFS 共有ファイルシステムをインストールして構成する方法

Oracle ASM の使用

ハードウェア RAID とともに Oracle ASM を使用する方法

クラスタファイルシステムの使用

PxFS ベースのクラスタファイルシステムに格納できる Oracle ファイルのタイプ

Oracle ACFS ファイルシステムに格納できる Oracle ファイルのタイプ

PxFS ベースのクラスタファイルシステムを使用する場合のパフォーマンスおよび可用性の最適化

PxFS ベースのクラスタファイルシステムの使用方法

Oracle ACFS ファイルシステムの使用方法

3.  リソースグループの登録と構成

4.  クラスタでの Oracle RAC の実行の有効化

5.  Oracle RAC のサポートの管理

6.  Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング

7.  Oracle RAC のサポートの既存の構成の変更

8.  Oracle RAC のサポート のアップグレード

A.  このデータサービスの構成例

B.  DBMS のエラーおよび記録される警告についての事前設定アクション

C.  Oracle RAC のサポートの拡張プロパティー

D.  コマンド行のオプション

索引

Oracle RAC のサポート を使用したストレージ管理ソフトウェアのインストール

Oracle ファイルに使用しているストレージ管理スキーム用のソフトウェアをインストールします。詳細は、「Oracle ファイル用のストレージ管理の要件」を参照してください。


注 - Oracle RAC のサポート を使用した 認定済み NAS デバイスのインストールおよび構成方法については、『Oracle Solaris Cluster 3.3 With Network-Attached Storage Device Manual 』を参照してください。


このセクションには、次の情報が含まれます。

Solaris Volume Manager for Sun Cluster の使用

Solaris Volume Manager for Sun Cluster は、ゾーンクラスタをサポートする場合でも、常にグローバルクラスタにインストールされます。clzc コマンドは、グローバルクラスタ投票ノードから Solaris Volume Manager for Sun Cluster デバイスをゾーンクラスタに構成します。Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームがゾーンクラスタで使用される場合でも、Solaris Volume Manager for Sun Cluster の管理タスクはすべてグローバルクラスタ投票モードで実行されます。

ゾーンクラスタ内の Oracle RAC インストールが、Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリューム上に存在するファイルシステムを使用する場合でも、グローバルクラスタで Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームを構成してください。この場合、スケーラブルなデバイスグループリソースは、このゾーンクラスタに属します。

ゾーンクラスタ内の Oracle RAC インストールが Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリューム上で直接実行される場合は、最初にグローバルクラスタで Solaris Volume Manager for Sun Cluster を構成してから、ゾーンクラスタで Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームを構成する必要があります。この場合、スケーラブルなデバイスグループは、このゾーンクラスタに属します。

Solaris Volume Manager for Sun Cluster を使用して格納できる Oracle ファイルのタイプについては、「Oracle ファイル用のストレージ管理の要件」を参照してください。

Solaris Volume Manager for Sun Cluster の使用方法

Oracle RAC のサポート とともに Solaris Volume Manager for Sun Cluster ソフトウェアを使用するには、次のタスクを実行します。Solaris Volume Manager for Sun Cluster は、Solaris オペレーティングシステムのインストール中にインストールされます。

  1. グローバルクラスタノードで Solaris Volume Manager for Sun Cluster ソフトウェアを構成します。

    グローバルクラスタでの Solaris Volume Manager for Sun Cluster の構成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「Solaris ボリュームマネージャー ソフトウェアの構成」を参照してください。

  2. ゾーンクラスタを使用している場合は、ゾーンクラスタで Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームを構成します。

    ゾーンクラスタでの Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームの構成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタにディスクセットを追加する (Solaris ボリュームマネージャー)」を参照してください。

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

VxVM の使用

VxVM を使用して格納できる Oracle ファイルのタイプについては、「Oracle ファイル用のストレージ管理の要件」を参照してください。


注 - ゾーンクラスタでの Oracle RAC 用の VxVM の使用は、このリリースではサポートされていません。


SPARC: VxVM の使用方法

Oracle RAC のサポートで VxVMソフトウェアを使用するには、次のタスクを実行します。

  1. クラスタ機能を持つ VxVM を使用する場合は、VxVM の基本ライセンスのほかに、Volume Manager クラスタ機能のライセンスを入手します。

    VxVM のライセンス要件については、VxVM のドキュメントを参照してください。


    注意

    注意 - Volume Manager クラスタ機能のライセンスが正しくインストールされていないと、Oracle RAC サポートをインストールするときにパニックが発生する可能性があります。Oracle RAC パッケージをインストールする前に、vxlicense -p コマンドまたは vxlicrep コマンドを実行して、Volume Manager クラスタ機能の有効なライセンスがインストールされていることを確認してください。


  2. クラスタノードに VxVM ソフトウェアをインストールして構成します。

    詳細は、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の第 5 章「Veritas Volume Manager をインストールして構成する」および VxVM のドキュメントを参照してください。

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

ハードウェア RAID サポートの使用

ハードウェア RAID サポートを使用して格納できる Oracle ファイルのタイプについては、「Oracle ファイル用のストレージ管理の要件」を参照してください。

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、いくつかのストレージデバイスに対するハードウェア RAID サポートを提供します。この組み合わせを使用するには、ディスクアレイの論理ユニット番号 (LUN) 上で raw デバイスアイデンティティー (/dev/did/rdsk*) を構成します。ハードウェア RAID を使用して、StorEdge SE9960 ディスクアレイを使用するクラスタで Oracle RAC 用の raw デバイスを設定するには、次のタスクを実行します。

ハードウェア RAID サポートの使用方法

  1. ディスクアレイ上で LUN を作成します。

    LUN の作成方法については、Oracle Solaris Cluster ハードウェアのドキュメントを参照してください。

  2. LUN の作成後に、ディスクアレイの LUN を必要な数のスライスに分割するには、format(1M) コマンドを実行します。

    次の例は、format コマンドの出力を示します。

    # format
    
    0. c0t2d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
       /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@2,0
    1. c0t3d0 <SUN18G cyl 7506 alt 2 hd 19 sec 248>
       /sbus@3,0/SUNW,fas@3,8800000/sd@3,0
    2. c1t5d0 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64>
       /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,0
    3. c1t5d1 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64>
       /pseudo/rdnexus@1/rdriver@5,1
    4. c2t5d0 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64>
       /pseudo/rdnexus@2/rdriver@5,0
    5. c2t5d1 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64>
       /pseudo/rdnexus@2/rdriver@5,1
    6. c3t4d2 <Symbios-StorEDGEA3000-0301 cyl 21541 alt 2 hd 64 sec 64>
       /pseudo/rdnexus@3/rdriver@4,2

    注 - ディスクパーティション情報の損失を防止するには、raw データに使用するディスクスライスでシリンダ 0 でパーティションを開始しないでください。ディスクパーティションテーブルは、ディスクのシリンダ 0 に格納されます。


  3. 手順 1 で作成した LUN に対応する raw デバイスアイデンティティー (DID) を判定します。

    このためには cldevice(1CL) コマンドを使用します。

    次の例は、cldevice list -v コマンドの出力を示します。

    # cldevice list -v
    
    DID Device     Full Device Path
    ----------     ----------------
    d1             phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t2d0
    d2             phys-schost-1:/dev/rdsk/c0t3d0
    d3             phys-schost-2:/dev/rdsk/c4t4d0
    d3             phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t5d0
    d4             phys-schost-2:/dev/rdsk/c3t5d0
    d4             phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t5d0
    d5             phys-schost-2:/dev/rdsk/c4t4d1
    d5             phys-schost-1:/dev/rdsk/c1t5d1
    d6             phys-schost-2:/dev/rdsk/c3t5d1
    d6             phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t5d1
    d7             phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t2d0
    d8             phys-schost-2:/dev/rdsk/c0t3d0

    この例では、cldevice の出力は、ディスクアレイの共有 LUN に対応する raw DID が d4 であることを示しています。

  4. 手順 3 で特定した DID デバイスに対応する完全な DID デバイス名を取得します。

    次の例は、手順 3 の例で特定された DID デバイスに対する cldevice show の出力を示します。このコマンドは、ノード phys-schost-1 から実行されます。

    # cldevice show d4
    
    === DID Device Instances ===                   
    
    DID Device Name:                                /dev/did/rdsk/d4
      Full Device Path:                                phys-schost-1:/dev/rdsk/c2t5d0
      Replication:                                     none
      default_fencing:                                 global
  5. ゾーンクラスタを使用している場合は、ゾーンクラスタで DID デバイスを構成します。それ以外の場合は、手順 6 に進みます。

    ゾーンクラスタでの DID デバイスの構成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタに DID デバイスを追加する」を参照してください。

  6. raw デバイスのディスク容量割り当てを含める各 DID デバイスでスライスを作成または変更します。

    このためには、format(1M) コマンド、fmthard(1M) コマンド、または prtvtoc(1M) を使用します。スライスを作成または変更するためのコマンドを実行するノードからデバイスのフルパスを指定します。

    たとえば、スライス s0 を使用する場合は、スライス s0 で 100G バイトのディスク容量を割り当てるよう選択できます。

  7. これらのデバイスへのアクセスを許可するために、使用している raw デバイスの所有権およびアクセス権を変更します。

    raw デバイスを指定するには、手順 4 で取得した DID デバイス名に sN を付加します。ここで、N はスライス番号です。

    たとえば、手順 4cldevice の出力は、ディスクに対応する raw DID が /dev/did/rdsk/d4 であることを示します。これらのデバイスでスライス s0 を使用する場合は、raw デバイス /dev/did/rdsk/d4s0 を指定します。

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

Sun QFS 共有ファイルシステムの使用

Sun QFS 共有ファイルシステムは、ファイルシステムをゾーンクラスタで使用する場合でも、常にグローバルクラスタ投票ノードにインストールされます。clzc コマンドを使用して、特定のゾーンクラスタに特定の Sun QFS 共有ファイルシステムを構成します。スケーラブルなマウントポイントリソースは、このゾーンクラスタに属します。メタデータサーバーリソース SUNW.qfs は、グローバルクラスタに属します。

Sun QFS 共有ファイルシステムは、次のいずれかのストレージ管理スキームとともに使用する必要があります。

Sun QFS 共有ファイルシステム 間の Oracle ファイルの配布

Oracle RAC に関連するすべてのファイルを Sun QFS 共有ファイルシステム に格納できます。

次の各セクションで説明するとおりに、これらのファイルを複数のファイルシステム間で配布します。

RDBMS バイナリファイルおよび関連ファイル用の Sun QFS ファイルシステム

RDBMS バイナリファイルと関連ファイルは、クラスタ内に 1 つのファイルシステムを作成して格納します。

RDBMS バイナリファイルと関連ファイルは次のとおりです。

データベースファイルと関連ファイルのための Sun QFS ファイルシステム

データベースファイルおよび関連ファイルに対し、各データベースに1 つのファイルシステムか、各データベースに複数のファイルシステムのどちらが必要であるかを決定します。


注 - 既存のデータベース用にストレージを追加する場合は、そのストレージに対して追加のファイルシステムを作成する必要があります。その場合は、データベースに使用する複数のファイルシステムにデータベースファイルと関連ファイルを分散させます。


データベースファイルおよび関連ファイル用に作成するファイルシステムごとに、専用のメタデータサーバーを用意する必要があります。メタデータサーバーに必要なリソースについては、「Sun QFS メタデータサーバーのリソース」を参照してください。

データベースファイルおよび関連ファイルは次のとおりです。

Sun QFS 共有ファイルシステムのパフォーマンスの最適化

Solaris Volume Manager for Sun Cluster のパフォーマンスを最適化するには、ボリュームマネージャーとファイルシステムを次のように構成します。

ディスクアレイの LUN のミラー化には、次の操作が伴います。

システムに対する入出力 (I/O) 負荷が高くなることがあります。この場合は、Solaris Volume Manager メタデータまたはハードウェア RAID メタデータ用の LUN が、データ用の LUN とは異なる物理ディスクにマッピングされていることを確認してください。これらの LUN を異なる物理ディスクにマッピングすると、競合を最小限に抑えることができます。

Sun QFS 共有ファイルシステムをインストールして構成する方法

始める前に

Solaris Volume Manager メタデバイスを共有ファイルシステム用のデバイスとして使用することができます。この場合は、共有ファイルシステムを構成する前に、メタセットとそのメタデバイスが作成されていてすべてのノードで使用可能であることを確認してください。

  1. Oracle RAC のサポートを実行するグローバルクラスタのすべてのノードに Sun QFS ソフトウェアがインストールされていることを確認します。

    Sun QFS のインストール方法については、Sun Cluster での SAM-QFS の使用を参照してください。

  2. Oracle RAC のサポートで使用する Sun QFS 共有ファイルシステムがそれぞれ正しく作成されていることを確認します。

    Sun QFS ファイルシステムの作成方法については、Sun Cluster での SAM-QFS の使用を参照してください。

    各 Sun QFS 共有ファイルシステムについて、ファイルシステムで格納する Oracle ファイルのタイプに応じて正しいマウントオプションを設定します。

    • バイナリファイル、構成ファイル、警告ファイル、およびトレースファイルを格納するファイルシステムについては、デフォルトのマウントオプションを使用します。


      注 - Oracle バージョン 11g リリース 2 以降、Oracle Clusterware バイナリは Sun QFS 共有ファイルシステム 上に配置できません。


    • データベースデータファイル、制御ファイル、オンライン再実行ログファイル、アーカイブされた再実行ログファイル、または Oracle Clusterware OCR および投票ファイルを含むファイルシステムでは、マウントオプションを次のように設定します。

      • /etc/vfstab ファイルで shared オプションを設定します。

      • /etc/opt/SUNWsamfs/samfs.cmd ファイルまたは /etc/vfstab ファイルで、次のオプションを設定します。

        fs=fs-name
        stripe=width
        mh_write
        qwrite
        forcedirectio
        rdlease=300 Set this value for optimum performance.
        wrlease=300 Set this value for optimum performance.
        aplease=300 Set this value for optimum performance.
        fs-name

        ファイルシステムを一意に識別する名前を指定します。

        ファイルシステム内のデバイスに必要なストライプ幅を指定します。必要なストライプ幅は、ファイルシステムのディスク割当て単位 (DAU) の倍数です。width は 1 以上の整数である必要があります。


      注 - /etc/vfstab ファイルの設定が、/etc/opt/SUNWsamfs/samfs.cmd ファイルの設定と競合していないことを確認します。/etc/vfstab ファイルの設定は、/etc/opt/SUNWsamfs/samfs.cmd ファイルの設定をオーバーライドします。


  3. Oracle ファイルに使用する各 Sun QFS 共有ファイルシステムをマウントします。
    # mount mount-point
    mount-point

    マウントするファイルシステムのマウントポイントを指定します。

  4. ゾーンクラスタを使用する場合は、ゾーンクラスタに Sun QFS 共有ファイルシステムを構成します。それ以外の場合は、手順 5 に進みます。

    ゾーンクラスタでの Sun QFS 共有ファイルシステムの構成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタに QFS 共有ファイルシステムを追加する」を参照してください。

  5. Oracle ファイルに使用する各ファイルシステムの所有権を変更します。

    注 - Sun QFS 共有ファイルシステムをゾーンクラスタ用に構成した場合、この手順はそのゾーンクラスタで実行してください。


    ファイルシステムの所有権を次のように変更します。

    • 所有者: データベース管理者 (DBA) ユーザー

    • グループ: DBA グループ

    DBA ユーザーと DBA グループは、「DBA グループと DBA ユーザーアカウントを作成する方法」に従って作成します。

    # chown user-name:group-name mount-point
    user-name

    DBA ユーザーのユーザー名を指定します。通常、このユーザーには、oracle という名前が付けられます。

    group-name

    DBA グループの名前を指定します。通常、このグループの名前は dba です。

    mount-point

    所有権を変更するファイルシステムのマウントポイントを指定します。

  6. 手順 5 で所有権を変更した各ファイルシステムの所有者に、ファイルシステムに対する読み取りアクセスと書き込みアクセスを付与します。

    注 - Sun QFS 共有ファイルシステムがゾーンクラスタ用に構成されている場合、この手順はそのゾーンクラスタで実行する必要があります。


    # chmod u+rw mount-point
    mount-point

    所有者に読み取りアクセスと書き込みアクセスを付与するファイルシステムのマウントポイントを指定します。

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

Oracle ASM の使用

次のリストの 1 つのストレージ管理スキームとともに Oracle ASM を使用します。


注 - 11g リリース 2 および 12c では、Oracle ASM はハードウェア RAID でのみサポートされます。バージョン 11g リリース 2 または 12c では、ボリュームマネージャーによって管理されるデバイスにおける Oracle ASM ディスクグループの使用はサポートされません。


Oracle ASM を使用して格納できる Oracle ファイルのタイプについては、「Oracle ファイル用のストレージ管理の要件」を参照してください。


注 - ゾーンクラスタ内の Oracle RAC インストールが Oracle ASM を使用する場合は、clzonecluster コマンドを使用して、その Oracle RAC インストールで必要なすべてのデバイスをそのゾーンクラスタで構成する必要があります。Oracle ASM をゾーンクラスタ内で実行すると、Oracle ASM の管理は完全に同じゾーンクラスタ内で行われます。


ハードウェア RAID とともに Oracle ASM を使用する方法

  1. クラスタメンバーで、root としてログインするかスーパーユーザーになります。
  2. クラスタ内で使用可能な共有ディスクに対応するデバイスアイデンティティ (DID) デバイスのアイデンティティを判定します。

    このためには cldevice(1CL) コマンドを使用します。

    次の例は、cldevice list -v コマンドの出力からの抽出を示します。

    # cldevice list -v
    DID Device          Full Device Path
    ----------          ----------------
    …
    d5                  phys-schost-3:/dev/rdsk/c3t216000C0FF084E77d0
    d5                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c5t216000C0FF084E77d0
    d5                  phys-schost-2:/dev/rdsk/c4t216000C0FF084E77d0
    d5                  phys-schost-4:/dev/rdsk/c2t216000C0FF084E77d0
    d6                  phys-schost-3:/dev/rdsk/c4t216000C0FF284E44d0
    d6                  phys-schost-1:/dev/rdsk/c6t216000C0FF284E44d0
    d6                  phys-schost-2:/dev/rdsk/c5t216000C0FF284E44d0
    d6                  phys-schost-4:/dev/rdsk/c3t216000C0FF284E44d0
    …

    この例では、DID デバイス d5 および d6 は、クラスタ内で使用可能な共有ディスクに対応します。

  3. Oracle ASM ディスクグループに使用している DID デバイスごとに完全な DID デバイス名を取得します。

    次の例は、手順 2 の例で特定された DID デバイスに対する cldevice show の出力を示します。このコマンドは、ノード phys-schost-1 から実行されます。

    # cldevice show d5 d6
    
    === DID Device Instances ===                   
    
    DID Device Name:                         /dev/did/rdsk/d5
      Full Device Path:                      phys-schost-1:/dev/rdsk/c5t216000C0FF084E77d0
      Replication:                                none
      default_fencing:                          global
    
    DID Device Name:                          /dev/did/rdsk/d6
      Full Device Path:                       phys-schost-1:/dev/rdsk/c6t216000C0FF284E44d0
      Replication:                                none
      default_fencing:                            global
  4. ゾーンクラスタを使用している場合は、ゾーンクラスタで DID デバイスを構成します。それ以外の場合は、手順 5 に進みます。

    ゾーンクラスタでの DID デバイスの構成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタに DID デバイスを追加する」を参照してください。

  5. Oracle ASM ディスクグループのディスク容量割り当てを含める各 DID デバイスでスライスを作成または変更します。

    このためには、format(1M) コマンド、fmthard(1M) コマンド、または prtvtoc(1M) を使用します。スライスを作成または変更するためのコマンドを実行するノードからデバイスのフルパスを指定します。

    たとえば、Oracle ASM ディスクグループにスライス s0 を使用する場合は、スライス s0 で 100G バイトのディスク容量を割り当てるよう選択できます。

  6. Oracle ASM に使用している raw デバイスを準備します。
    1. Oracle ASM によるこれらのデバイスへのアクセスを許可するように、Oracle ASM に使用している各 raw デバイスの所有権およびアクセス権を変更します。

      注 - ハードウェア RAID 上の Oracle ASM がゾーンクラスタに対して構成されている場合は、ゾーンクラスタでこの手順を実行してください。


      raw デバイスを指定するには、手順 3 で取得した DID デバイス名に s X を付加します。ここで、X はスライス番号です。

      # chown oraasm:oinstall /dev/did/rdsk/dNsX
      # chmod 660 /dev/disk/rdsk/dNsX
      # ls -lhL /dev/did/rdsk/dNsX
      crw-rw----  1 oraasm  oinstall  239, 128 Jun 15 04:38 /dev/did/rdsk/dNsX

      Oracle ASM で使用するための raw デバイスの所有権とアクセス権の変更の詳細は、Oracle のドキュメントを参照してください。

    2. Oracle ASM に使用している各 raw デバイスのディスクヘッダーを削除します。
      # dd if=/dev/zero of=/dev/did/rdsk/dNsX bs=1024k count=200
      2000+0 records in
      2000+0 records out
  7. ASM_DISKSTRING Oracle ASM インスタンス初期化パラメータを変更して、Oracle ASM ディスクグループに使用しているデバイスを指定します。

    注 - ハードウェア RAID 上の Oracle ASM がゾーンクラスタに対して構成されている場合は、ゾーンクラスタでこの手順を実行してください。


    たとえば、Oracle ASM ディスクグループに /dev/did/ パスを使用するには、値 /dev/did/rdsk/d*ASM_DISKSTRING パラメータに追加します。Oracle 初期化パラメータファイルを編集してこのパラメータを変更する場合は、次のように編集します。

    ASM_DISKSTRING = '/dev/did/rdsk/*'

    詳細については、Oracle のドキュメントを参照してください。

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

クラスタファイルシステムの使用

Oracle RAC は、2 種類のクラスタファイルシステムでサポートされます。

Oracle RAC のサポート でのクラスタファイルシステムの使用に固有の情報については、次の項目を参照してください。

PxFS ベースのクラスタファイルシステムに格納できる Oracle ファイルのタイプ

PxFS ベースのクラスタファイルシステムには、Oracle RAC に関連付けられた次のファイルのみを格納できます。


注 - データファイル、制御ファイル、オンライン再実行ログファイル、または Oracle リカバリファイルを PxFS ベースのクラスタファイルシステムに格納してはいけません


Oracle ACFS ファイルシステムに格納できる Oracle ファイルのタイプ

Oracle ACFS ファイルシステムには、Oracle RAC に関連付けられた次のファイルのみを格納できます。


注 - Oracle Cluster Registry (OCR) ファイルまたは Oracle Clusterware 投票ディスクを Oracle ACFS ファイルシステムに格納してはいけません

Oracle ACFS 12c より前の Oracle ACFS バージョンでは、データベース関連ファイル (制御ファイル、オンライン再実行ログファイル、アーカイブされた再実行ログファイル、フラッシュバックログファイルを含む) または Oracle リカバリファイルも格納してはいけません


PxFS ベースのクラスタファイルシステムを使用する場合のパフォーマンスおよび可用性の最適化

アーカイブされた再実行ログファイルへの書き込み中の I/O パフォーマンスは、アーカイブされた再実行ログファイルのデバイスグループの場所の影響を受けます。最適なパフォーマンスのためには、アーカイブされた再実行ログファイルのデバイスグループのプライマリが、Oracle RAC デバイスインスタンスと同じノードにあることを確認してください。このデバイスグループには、データベースインスタンスのアーカイブされた再実行ログファイルを保持するファイルシステムが含まれています。

クラスタの可用性を改善するには、デバイスグループのセカンダリノードの希望数を増やすことを検討してください。ただし、デバイスグループのセカンダリノードの希望数を増やすと、パフォーマンスが低下する可能性があります。デバイスグループのセカンダリノードの希望数を増やすには、numsecondaries プロパティーを変更します。詳しくは、『Oracle Solaris Cluster Concepts Guide』の「Multiported Device Groups」を参照してください。

PxFS ベースのクラスタファイルシステムの使用方法

  1. クラスタファイルシステムを作成してマウントします。

    クラスタファイルシステムの作成およびマウント方法については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「クラスタファイルシステムの作成」を参照してください。


    注 - Oracle バージョン 11g リリース 2 以降、Oracle Clusterware バイナリはクラスタファイルシステム上に配置できません。


  2. UNIX ファイルシステム (UFS) を使用している場合は、さまざまなタイプの Oracle ファイルにとって正しいマウントオプションを指定してください。

    正しいオプションについては、次の表を参照してください。マウントポイントの /etc/vfstab ファイルにエントリを追加するときに、これらのオプションを設定します。


    ファイルタイプ
    オプション
    Oracle RDBMS バイナリファイル
    globallogging
    Oracle Clusterware バイナリファイル
    globallogging
    Oracle 構成ファイル
    globallogging
    システムパラメータファイル (SPFILE)
    globallogging
    警告ファイル
    globallogging
    トレースファイル
    globallogging
    アーカイブされた再実行ログファイル
    globalloggingforcedirectio
    フラッシュバックログファイル
    globalloggingforcedirectio
    OCR ファイル
    globalloggingforcedirectio
    Oracle Clusterware 投票ディスク
    globalloggingforcedirectio

次の手順

Oracle のファイルに使用されている他のすべてのストレージ管理方式がインストールされていることを確認します。

Oracle のファイルに使用されているすべてのストレージ管理方式をインストールしたら、第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。

Oracle ACFS ファイルシステムの使用方法

次の手順

第 3 章リソースグループの登録と構成に進みます。