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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語) |
Oracle RAC のサポート のインストールプロセスの概要
Oracle Solaris Cluster フレームワークの要件
Oracle Clusterware ディスク用のストレージ管理の要件
Oracle Clusterware バイナリ用のストレージ管理の要件
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルにローカルディスクを使用
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルに共有ファイルシステムを使用
DBA グループと DBA ユーザーアカウントを作成する方法
グローバルクラスタで Oracle RAC ソフトウェア用の共有メモリーを構成する方法
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェア用の共有メモリーを構成する方法
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアに必要な特権を設定する方法
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの論理ホスト名リソースまたは仮想 IP アドレスを構成する方法
Oracle RAC のサポートパッケージのインストール方法
6. Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング
Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) は、複数のマシンで同時に実行できるアプリケーションです。Oracle RAC は、グローバルクラスタのグローバルクラスタ投票ノードか、ゾーンクラスタで実行できます。Oracle RAC インストール全体が、グローバルクラスタまたは特定のゾーンクラスタのいずれかの 1 つのクラスタ内に含まれています。Oracle RAC インストールを 1 つのクラスタ内に保持することで、複数の独立した Oracle RAC インストールを同時にサポートできます。この場合、各 Oracle RAC インストールは異なるバージョンにすることも、ストレージなどの異なるオプションを使用することもできます。Oracle RAC のサポート では、Oracle Solaris Cluster ノードで Oracle RAC を実行したり、Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して Oracle RAC を管理したりできます。
このデータサービスの構成では、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアを使用して Oracle RAC インストールの次のコンポーネントのリソースを構成します。
Oracle RAC フレームワーク。これらのリソースを使用すると、Oracle RAC を Oracle Solaris Cluster ソフトウェアとともに実行できます。また、リソースでは、Oracle Solaris Cluster コマンドを使用して再構成パラメータを設定できます。Oracle RAC フレームワークのリソースを構成する必要があります。詳細は、「Oracle RAC フレームワークリソースグループの登録と構成」を参照してください。
Oracle ファイル用のストレージ。これらのリソースは、ボリュームマネージャーと、Oracle ファイルを格納するファイルシステムのために障害モニタリングと自動的な障害回復を提供します。Oracle ファイル用のストレージリソースの構成はオプションです。詳細は、「Oracle ファイル用ストレージリソースの登録と構成」を参照してください。
Oracle RAC データベースインスタンス。これらのリソースが提供する機能は、使用している Oracle のバージョンによって異なります。
Oracle 10g リリース 2、11g、および 12c。これらのリソースタイプにより、Oracle Clusterware と Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの相互運用が可能になります。Oracle Solaris Cluster 10g リリース 2、11g、または 12c では、これらのリソースタイプは、障害モニタリングと自動的な障害回復を提供しません。Oracle Clusterware ソフトウェアがこの機能を提供します。この説明は Oracle 10g リリース 1 には該当しません。
Oracle RAC 10g、11g、または 12c では、Solaris プロジェクトのリソースプロパティーとリソースグループプロパティーを Oracle Solaris Cluster リソースタイプで使用しないでください。プロキシリソースは、データベースインスタンスを直接開始しません。代わりに、Oracle Clusterware がデータベースインスタンスを開始し、Solaris Resource Manager 抽象はこれらのバージョンの Oracle RAC では機能しません。
注 - 特に明記していないかぎり、Oracle 11g 向けの手順と情報は、Oracle 11g リリース 1 と Oracle 11g リリース 2 の両方に適用されます。
Oracle 9i。これらのリソースタイプは、Oracle RAC の障害モニタリングと自動的な障害回復を提供します。これらのリソースタイプが提供する自動障害回復は、Oracle RAC ソフトウェアが提供する自動障害回復を補足するものです。
Solaris プロジェクトのリソースプロパティーおよびリソースグループプロパティーは、Oracle 9i RAC 用の Oracle Solaris Cluster リソースタイプでのみ使用してください。Oracle 9i RAC では、Oracle RAC サーバーリソースグループを特定のプロジェクト、たとえば Oracle の制御下に置くと、そのプロジェクトの制御下ですべてのデータベースが開始されます。
リソースの構成はオプションです。これによって、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが Oracle RAC データベースインスタンスを管理できるようになります。詳細は、「Oracle RAC データベースインスタンスのリソースの構成」を参照してください。
注 - ゾーンクラスタで Oracle RAC を使用する場合は、継承された読み取り専用ディレクトリとして /opt ディレクトリを使用してゾーンクラスタを構成しないでください。ゾーンクラスタでの Oracle RAC 構成では、/opt ファイルシステムは書き込み可能で、かつ各ゾーンに対して一意である必要があります。Oracle RAC に使用するゾーンクラスタが、/opt ディレクトリの inherit-pkg-dir リソースを使用して構成されている場合は、ゾーンクラスタを削除して再作成するか、この要件を満たす新規ゾーンクラスタを作成してください。
アプリケーション展開で、ホスト名でパブリックネットワークからゾーンクラスタノードをアクセス可能にするか、各ノードからの同時アウトバウンドトラフィックを確保する必要がある場合は、ゾーンクラスタノードごとに固定パブリックネットワークアドレスが必要です。そのような配備の例には、ゾーンクラスタでの RAC の実行、またはゾーンクラスタでのスケーラブルなサービス (SharedAddress リソース) を使用したアプリケーションの実行が含まれます。
次のセクションで、インストール前のその他の情報について説明します。
インストールを開始する前に、次の項目でハードウェアおよびソフトウェアの要件を確認してください。
Oracle RAC のサポート では、初期クラスタフレームワークがすでにインストールされている機能するクラスタが必要です。クラスタソフトウェアの初期インストールの詳細は、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』を参照してください。
ソフトウェアに適したライセンスを取得してインストールしたことを確認してください。ライセンスを誤ってまたは不完全にインストールすると、ノードを正常にブートできない可能性があります。
たとえば、クラスタ機能を備えた VxVM を使用する場合は、vxlicrep コマンドを実行して、Volume Manager クラスタ機能の有効なライセンスがインストールされていることを確認します。
Oracle RAC のサポートで現在サポートされるトポロジ、クラスタインターコネクト、ストレージ管理スキーム、およびハードウェア構成については、Sun Enterprise Services 担当者にお問い合わせください。
Solaris OS、Oracle Solaris Cluster、Oracle、およびボリュームマネージャーソフトウェアに適用可能なソフトウェアパッチをすべてインストールしたことを確認してください。Oracle RAC のサポートのパッチをインストールする必要がある場合は、データサービスパッケージのインストール後にこれらのパッチを適用する必要があります。
このセクションでは、Oracle RAC のストレージ管理に関する次の情報を提供します。
Oracle RAC のサポートでは、次の表に示されている Oracle ファイル用のストレージ管理スキームを使用できます。表では、各ストレージ管理スキームで格納できる Oracle ファイルのタイプの要約を示します。すべてのタイプの Oracle ファイルを格納できるストレージ管理スキームの組み合わせを選択してください。
表内の各記号の意味は次のとおりです。
ストレージ管理スキームがこのタイプの Oracle ファイルを格納できることを示します。
ストレージ管理スキームがこのタイプの Oracle ファイルを格納できないことを示します。
Oracle 11g リリース 2 以降では、ストレージ管理スキームがこのタイプの Oracle ファイルを格納できないことを示します。ただし、Oracle 11g リリース 1 およびそれ以前のバージョンでは、ストレージ管理スキームはこのタイプの Oracle ファイルを格納できます。
Oracle 12c 以降では、ストレージ管理スキームがこのタイプの Oracle ファイルを格納できることを示します。ただし、12c より前のバージョンの Oracle では、ストレージ管理スキームはこのタイプの Oracle ファイルを格納できません。
表 1-2 Oracle ファイル用のストレージ管理スキーム
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1高速リカバリ領域は、クラスタファイルシステム上に配置できません。このファイルセットにオンライン再実行ログが含まれているためです。
注 - Oracle RAC のリリースによっては含まれていないファイルタイプもあります。使用しているリリースに含まれるファイルのタイプについては、Oracle のドキュメントを参照してください。
Oracle Cluster Registry (OCR) や投票ディスクなどの Oracle Clusterware ディスクは、次のストレージ管理スキームでサポートされます。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster
Veritas Volume Manager (VxVM)
注 - VxVM は、SPARC プラットフォームでのみサポートされます。
ハードウェア Redundant Array of Independent Disks (RAID) サポート
ハードウェア RAID サポートまたは Solaris Volume Manager for Sun Cluster を備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
修飾されたネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス
Oracle Clusterware バイナリには次のストレージ管理スキームを使用できます。
Solaris Volume Manager for Sun Cluster
クラスタ機能を持つ Veritas Volume Manager (VxVM)
注 - VxVM は、SPARC プラットフォームでのみサポートされます。
ハードウェア Redundant Array of Independent Disks (RAID) サポート
ハードウェア RAID サポートまたは Solaris Volume Manager for Sun Cluster を備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
修飾されたネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス
Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)
注 - 11g リリース 2 および 12c では、Oracle ASM はハードウェア RAID でのみサポートされます。バージョン 11g リリース 2 または 12c では、ボリュームマネージャーによって管理されるデバイスにおける Oracle ASM ディスクグループの使用はサポートされません。
次のいずれかの場所に Oracle RAC データベースをインストールできます。
各クラスタノードのローカルディスク。追加情報については、「Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルにローカルディスクを使用」を参照してください。
次のリストの共有ファイルシステム。
注 - Oracle バージョン 11g リリース 2 以降は、PXFS ベースのクラスタファイルシステム、Oracle ACFS ファイルシステム、または Sun QFS 共有ファイルシステム上に Oracle Clusterware バイナリを配置できなくなりました。
Sun QFS 共有ファイルシステム
PxFS ベースのクラスタファイルシステム
Oracle ACFS ファイルシステム
認定済み NAS デバイス上のファイルシステム
追加情報については、「Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルに共有ファイルシステムを使用」を参照してください。
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを個々のクラスタノードに配置すると、データサービスをシャットダウンすることなく、あとから Oracle アプリケーションをアップグレードできます。
注 - 一部のバージョンの Oracle では、アップグレード中にデータサービスをシャットダウンする必要があります。データサービスをシャットダウンせずに Oracle アプリケーションをアップグレードできるかどうかを判定するには、Oracle のドキュメントを参照してください。
欠点は、保守および管理する Oracle アプリケーションのバイナリファイルと Oracle 構成ファイルのコピーが複数になることです。
Oracle インストールの保守を簡略化するには、Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを共有ファイルシステム上にインストールします。
注 - Oracle バージョン 11g リリース 2 以降、Oracle Clusterware バイナリはクラスタファイルシステムまたは Sun QFS 共有ファイルシステム上に配置できません。
次の共有ファイルシステムがサポートされます。
Sun QFS 共有ファイルシステム
PxFS ベースのクラスタファイルシステム
PxFS ベースのクラスタファイルシステムを使用する場合は、使用するボリュームマネージャーを決定します。
Solaris Volume Manager
クラスタ機能を持たない VxVM
注 - VxVM は、SPARC プラットフォームでのみサポートされます。
Oracle ACFS ファイルシステム
認定済み NAS デバイス上のファイルシステム
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルを共有ファイルシステムに配置する場合は、保守および管理するコピーは 1 つのみです。ただし、Oracle アプリケーションをアップグレードするために、クラスタ全体でデータサービスをシャットダウンする必要があります。アップグレードのための短期間のダウンタイムを許容できる場合は、共有ファイルシステムに Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルの単一のコピーを配置してください。
実行している Oracle RAC のバージョンに応じて、ゾーンクラスタで Oracle RAC を実行するために、次のストレージ管理スキームを使用できます。
Oracle RAC 10g、Oracle RAC 11g、または Oracle RAC 12c を使用している場合は、次のストレージ管理スキームがサポートされます。
Solaris Volume Manager を備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
ハードウェア RAID サポートを備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
Solaris Volume Manager for Sun Cluster
フェンシングを使用する認定済み NAS デバイス上のファイルシステム
Oracle RAC 9i を使用している場合は、次のストレージ管理スキームがサポートされます。
Solaris Volume Manager を備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
ハードウェア RAID サポートを備えた Sun QFS 共有ファイルシステム
Solaris Volume Manager for Sun Cluster
フェンシングを使用する認定済み NAS デバイス上のファイルシステム
UDLM (SPARC) および Oracle リレーショナルデータベース管理システム (RDBMS) に使用するアーキテクチャーを決定する前に、次の点に注意してください。
両方の Oracle コンポーネントのアーキテクチャーが一致する必要があります。たとえば、UDLM に 64 ビットアーキテクチャーを使用する場合は、RDBMS にも 64 ビットアーキテクチャーを使用する必要があります。
Oracle コンポーネントに 32 ビットアーキテクチャーを使用する場合は、コンポーネントが 32 ビットモードまたは 64 ビットモードのいずれかに配置されているノードをブートできます。ただし、Oracle コンポーネントに 64 ビットアーキテクチャーを使用する場合は、コンポーネントが 64 ビットモードで配置されているノードをブートする必要があります。
すべてのノードのブート時に、同じアーキテクチャーを使用する必要があります。たとえば、1 つのノードを 32 ビットアーキテクチャーを使用するようブートする場合は、すべてのノードを 32 ビットアーキテクチャーを使用するようブートする必要があります。
Oracle RAC のサポート を Oracle Data Guard とともに使用できます。Oracle RAC のサポート を Oracle Data Guard とともに構成するには、このガイドのタスクを実行します。Oracle Data Guard 構成で使用するクラスタのタスクは、スタンドアロンクラスタのタスクと同じです。
Oracle Data Guard のインストール、管理、および操作については、Oracle のドキュメントを参照してください。