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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド     Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語)
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ドキュメントの情報

はじめに

1.  Oracle RAC のサポートのインストール

2.  Oracle ファイル用のストレージの構成

3.  リソースグループの登録と構成

4.  クラスタでの Oracle RAC の実行の有効化

5.  Oracle RAC のサポートの管理

Oracle RAC のサポート の管理タスクの概要

Oracle Solaris Cluster オブジェクトの自動的に生成された名前

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアからの Oracle RAC データベースの管理

Oracle 10g Release 2、11g、または 12c RAC データベースインスタンスの Oracle Solaris Cluster リソースに対する状態変更の影響

Oracle 9i RAC データベースインスタンスの Oracle Solaris Cluster リソースに対する状態変更の影響

Oracle RAC のサポート の調整

タイムアウト設定のガイドライン

SPARC: VxVM コンポーネントの再構成ステップ 4 のタイムアウト

予約ステップのタイムアウト

SPARC: UDLM の通信ポート範囲設定のガイドライン

リソースが無効な場合にのみ調整可能な拡張プロパティーを変更する方法

Oracle RAC のサポート 障害モニターの調整

スケーラブルなデバイスグループ用の障害モニターの動作

スケーラブルなファイルシステムマウントポイント用の障害モニターの動作

Oracle 9i RAC サーバー障害モニターの操作

主要障害モニターの操作

データベースクライアント障害検証の操作

アーカイブされた再実行ログ用のパーティションをモニターする操作

データベースが操作可能かどうかを判定する操作

データベーストランザクション障害に対応する、サーバー障害モニターによる動作

サーバー障害モニターによる記録された警告のスキャン

Oracle 9i RAC リスナー障害モニターの操作

DBMS タイムアウトのトラブルシューティング用にコアファイルを取得

Oracle 9i RAC サーバー 障害モニターのカスタマイズ

エラーに対するカスタム動作を定義する

カスタム動作ファイルの形式

DBMS エラーへの対応の変更

影響が重大であるエラーに対応する

影響が軽度のエラーを無視する

記録された警告への対応を変更する

連続タイムアウト検証の最大数を変更する

クラスタのすべてのノードにカスタム動作ファイルを伝達する

サーバー障害モニターが使用するカスタムアクションファイルの指定

サーバー障害モニターが使用する必要のあるカスタム動作ファイルの指定方法

6.  Oracle RAC のサポート のトラブルシューティング

7.  Oracle RAC のサポートの既存の構成の変更

8.  Oracle RAC のサポート のアップグレード

A.  このデータサービスの構成例

B.  DBMS のエラーおよび記録される警告についての事前設定アクション

C.  Oracle RAC のサポートの拡張プロパティー

D.  コマンド行のオプション

索引

Oracle RAC のサポート 障害モニターの調整

Oracle RAC のサポート データサービスの障害モニタリングは、次のリソースの障害モニターによって行われます。

各障害モニターは、次の表に示すリソースタイプを持つリソースに含まれています。

表 5-4 Oracle RAC のサポート 障害モニターのリソースタイプ

障害モニター
リソースタイプ
スケーラブルなデバイスグループ
SUNW.ScalDeviceGroup
スケーラブルなファイルシステムマウントポイント
SUNW.ScalMountPoint
Oracle 9i RAC サーバー
SUNW.scalable_rac_server
Oracle 9iRAC リスナー
SUNW.scalable_rac_listener

これらのリソースのシステムプロパティーと拡張プロパティーが、障害モニターの動作を制御します。これらのプロパティーのデフォルト値が、事前設定された障害モニターの動作を決定します。事前設定された動作は、ほとんどの Oracle Solaris Cluster のインストールに適しているはずです。したがって、Oracle RAC のサポート 障害モニターの調整は、事前に設定されたこの動作を変更する必要がある場合のみにとどめるべきです。

Oracle RAC のサポート 障害モニターを調整するには、次のタスクを実行します。

詳細については、『Oracle Solaris Cluster Data Services Planning and Administration Guide』の「Tuning Fault Monitors for Oracle Solaris Cluster Data Services」を参照してください。これらのタスクが必要な Oracle RAC のサポート 障害モニターに関する情報について、次の各サブセクションで説明します。

スケーラブルなデバイスグループ用の障害モニターの動作

デフォルトでは、障害モニターは、リソースが表すデバイスグループ内のすべての論理ボリュームをモニターします。デバイスグループ内の論理ボリュームのサブセットのみをモニターする必要がある場合は、LogicalDeviceList 拡張プロパティーを設定します。

デバイスグループのステータスは、モニターされる個々の論理ボリュームのステータスから導出されます。モニター対象のすべての論理ボリュームが健全であれば、そのデバイスグループは健全です。いずれかのモニター対象の論理ボリュームに障害がある場合、そのデバイスグループには障害があります。デバイスグループに障害があることが見つかると、そのグループを表すリソースのモニタリングが停止され、そのリソースは無効状態に変更されます。

個々の論理ボリュームのステータスを取得するには、そのボリュームのボリュームマネージャーにクエリーします。クエリーを行っても Solaris Volume Manager for Sun Cluster ボリュームのステータスを判別できない場合、障害モニターは、ファイルへの入出力 (I/O) 操作を実行してステータスを確認します。


注 - ミラー化ディスクの場合、1つのサブミラーだけに障害があっても、デバイスグループは健全であると見なされます。


ユーザーランドクラスタメンバーシップの再構成によって I/O エラーが発生する場合、ユーザーランドクラスタメンバーシップモニター (UCMM) の再構成が行われている間、障害モニターによるデバイスグループリソースのモニタリングが中断されます。

スケーラブルなファイルシステムマウントポイント用の障害モニターの動作

マウントされたファイルシステムが使用可能かどうかを判定するために、障害モニターは、そのファイルシステム上のテストファイルに対して、オープン、読み取り、書き込みなどの I/O 操作を実行します。I/O 操作がタイムアウト時間内に完了しない場合、障害モニターはエラーレポートを作成します。I/O 操作のタイムアウトを指定するには、IOTimeout 拡張プロパティーを設定します。

エラーに対する応答は、次に示すとおり、ファイルシステムの種類によって異なります。

Oracle 9i RAC サーバー障害モニターの操作

Oracle 9i RAC サーバーの障害モニターは、サーバーへのリクエストを使用して、サーバーの健全性をクエリーします。

サーバー障害モニターは、pmfadm を介して起動され、モニターの可用性を高めます。何らかの理由でモニターが強制終了すると、プロセスモニター機能 (PMF) が自動的にモニターを再起動します。

サーバー障害モニターは、次のプロセスで構成されます。

このセクションでは、サーバー障害モニターに関する次の情報について説明します。

主要障害モニターの操作

主要障害モニターは、データベースがオンラインで、トランザクション中にエラーは返されない場合、操作が正常に行われたと見なします。

データベースクライアント障害検証の操作

データベースクライアント障害検証は、次の操作を行います。

  1. アーカイブされた再実行ログ用のパーティションのモニタリング。「アーカイブされた再実行ログ用のパーティションをモニターする操作」を参照してください。

  2. パーティションに問題がない場合は、データベースが稼働しているかの確認。「データベースが操作可能かどうかを判定する操作」を参照してください。

検証機能は、リソースプロパティー Probe_timeout で設定されているタイムアウト値を使用して、Oracle を正常に検証するために割り当てる時間を決定します。

アーカイブされた再実行ログ用のパーティションをモニターする操作

データベースクライアント障害検証機能は、動的パフォーマンス表示 V$archive_dest をクエリーして、アーカイブされた再実行ログのすべての可能な送信先を確認します。すべてのアクティブな送信先に対して、検証機能は、送信先が健全で、アーカイブされた再実行ログを保存するための十分な空き領域があるかどうかを確認します。

データベースが操作可能かどうかを判定する操作

アーカイブされた再実行ログのパーティションが健全な場合、データベースクライアント障害検証は動的パフォーマンスビュー V$sysstat をクエリーして、データベースパフォーマンス統計情報を取得します。これらの統計の変化は、データベースが稼働していることを意味します。連続したクエリー間でこれらの統計が変化していない場合、障害検証機能はデータベーストランザクションを実行して、データベースが操作可能かどうかを判定します。これらのトランザクションには、ユーザー表スペースの表の作成、更新、および削除を伴います。

データベースクライアント障害検証機能は、Oracle ユーザーとしてすべてのトランザクションを実行します。このユーザーの ID は、「DBA グループと DBA ユーザーアカウントを作成する方法」で説明したとおり、ノードまたはゾーンを準備するときに指定します。

データベーストランザクション障害に対応する、サーバー障害モニターによる動作

データベーストランザクションが失敗した場合、サーバー障害モニターは障害の原因になったエラーによって決定される動作を実行します。サーバー障害モニターが実行するアクションを変更するには、「Oracle 9i RAC サーバー 障害モニターのカスタマイズ」の説明に従って、サーバー障害モニターをカスタマイズしてください。

動作が外部プログラムの実行を必要とする場合、プログラムはバックグラウンドで別のプロセスとして実行されます。

可能な動作は、次のとおりです。

サーバー障害モニターによる記録された警告のスキャン

Oracle ソフトウェアは、警告を警告ログファイルに記録します。このファイルの絶対パスは、SUNW.scalable_rac_server リソースの alert_log_file 拡張プロパティーによって指定されます。サーバー障害モニターは、次のタイミングで新しい警告があるかどうか、警告ログファイルをスキャンします。

サーバー障害モニターが記録された警告を検出し、その警告に対処方法が定義されている場合、サーバー障害モニターは警告に対応する対処方法を実行します。

記録された警告用の事前設定動作は、表 B-2 に一覧表示されています。サーバー障害モニターが実行するアクションを変更するには、「Oracle 9i RAC サーバー 障害モニターのカスタマイズ」の説明に従って、サーバー障害モニターをカスタマイズしてください。

Oracle 9i RAC リスナー障害モニターの操作

Oracle 9i RAC リスナー障害モニターは、Oracle リスナーのステータスを確認します。

リスナーが実行中の場合、Oracle 9i RAC リスナー障害モニターは検証が成功したと見なします。障害モニターがエラーを検出すると、リスナーが再起動されます。


注 - リスナーリソースは、リスナーパスワードを設定するメカニズムを提供していません。Oracle リスナーセキュリティが有効の場合、リスナー障害モニターによる検証が Oracle エラー TNS-01169 を返すことがあります。リスナーは応答が可能なため、リスナー障害モニターは検証が成功したと見なします。この動作のためにリスナーが検出されないままになるという障害が生じることはありません。リスナーの障害は、別のエラーを返すか、検証のタイムアウトの原因になります。


リスナー検証は、pmfadm を介して起動することで、検証の可用性を高めます。検証が強制終了した場合、PMF は自動的に検証機能を再起動します。

検証中にリスナーで問題が発生した場合、検証機能によってリスナーの再起動が試行されます。検証機能による再起動の試行最大回数は、retry_count リソースプロパティーに設定した値によって決定されます。最大回数まで再起動を試行しても検証が成功しない場合、障害モニターは停止されます。

DBMS タイムアウトのトラブルシューティング用にコアファイルを取得

不明な DBMS タイムアウトのトラブルシューティングを容易にするために、障害モニターを有効にして、検証タイムアウトが発生したときにコアファイルを作成できます。コアファイルの内容は、障害モニターのプロセスに関するものです。障害モニターは、/ ディレクトリにコアファイルを作成します。コアファイルを作成するために障害モニターを有効にするには、coreadm コマンドを使用して set-id コアダンプを有効にします。詳細は、coreadm(1M) のマニュアルページを参照してください。