Oracle RAC フレームワークリソースグループから複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループへのボリュームマネージャーリソースの移行

Sun Cluster 3.2 11/09 リリース以降では、一連の新しいリソースタイプによって、Oracle RAC 構成の複数所有者ボリュームマネージャーリソースが管理されます。SUNW.vucmm_svm または SUNW.vucmm_cvm リソースタイプに基づくリソースは、複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースタイプ SUNW.vucmm_framework に基づくリソースグループ内で構成されます。SUNW.rac_framework リソースグループには、Oracle Clusterware や UDLM といったその他の RAC リソースも引き続き含まれます。

SUNW.vucmm_framework リソースタイプは、シングルインスタンスリソースタイプです。クラスタ内にはこのタイプのリソースは 1 つだけ作成できます。

Oracle RAC フレームワークリソースグループから複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループにボリュームマネージャーリソースを移行する方法

複数所有者ボリュームマネージャーフレームワークを使用して Oracle RAC 構成内のボリュームマネージャーリソースを管理するには、次の手順を実行します。

クラスタノードでスーパーユーザーになります。
スケーラブルな複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループを作成します。
```
# clresourcegroup create -n nodelist-S vucmm-fmwk-rg
```
-n nodelist= nodelist

Oracle RAC のサポートを有効にするクラスタノードのコンマ区切りリストを指定します。このリストの各ノードに Oracle RAC のサポートソフトウェアパッケージをインストールする必要があります。

注 - このノードリストには、Oracle RAC フレームワークリソースグループのノードリスト内で構成されているすべてのノードが含まれている必要があります。

vucmm-fmwk-rg

リソースグループに割り当てる名前を指定します。
SUNW.vucmm_framework リソースタイプを登録します。
```
# clresourcetype register SUNW.vucmm_framework
```
SUNW.vucmm_framework リソースタイプのインスタンスを、手順 2 で作成したリソースグループに追加します。
```
# clresource create -g vucmm-fmwk-rg -t SUNW.vucmm_framework vucmm-fmwk-rs
```
vucmm-fmwk-rs

SUNW.vucmm_framework リソースに割り当てる名前を指定します。
ボリュームマネージャーリソースタイプの reservation_timeout プロパティーを設定します。
このプロパティーは、SUNW.rac_framework リソースグループと同じ値に設定します。
1. SUNW.rac_framework リソースタイプの reservation_timeout 拡張プロパティーの値を表示します。
```
# clresource show -p reservation_timeout -t resource-type
```
  resource-type
  
  reservation_timeout 拡張プロパティーが設定されている RAC リソースグループ内のリソースのリソースタイプを指定します。このリソースタイプは、SUNW.rac_svm または SUNW.rac_cvm です。
2. SUNW.vucmm_framework リソースタイプの reservation_timeout 拡張プロパティーを設定します。
```
# clresource set -p type_version=version \
-p reservation_timeout=timeout vucmm-framework-rs
```
  version
  
  インスタンスを移行する SUNW.rac_framework のバージョンの type_version プロパティーの値を指定します。
  
  timeout
  
  reservation_timeout 拡張プロパティーに設定する値を指定します。
  
  vucmm-framework-rs
  
  使用するクラスタでのタイプ SUNW.vucmm_framework のリソースの名前を指定します。
Oracle ファイル用に使用しているボリュームマネージャーを表すリソースタイプがある場合は、そのインスタンスを登録および追加します。
- Solaris Volume Manager for Sun Cluster を使用している場合は、次のようにインスタンスを登録および追加します。
  1. SUNW.vucmm_svm リソースタイプを登録します。
```
# clresourcetype register SUNW.vucmm_svm
```
  2. SUNW.vucmm_svm リソースタイプのインスタンスを、手順 2 で作成したリソースグループに追加します。
    このインスタンスが、手順 4 で作成した vucmm_framework リソースに依存していることを確認します。
```
# clresource create -g vucmm-fmwk-rg \
  -t SUNW.vucmm_svm \
  -p resource_dependencies=vucmm-fmwk-rs vucmm-svm-rs
```
    -p resource_dependencies= vucmm-fmwk-rs
    
    このインスタンスが、手順 4 で作成した SUNW.vucmm_framework リソースに依存することを指定します。
    
    vucmm-svm-rs
    
    SUNW.vucmm_svm リソースに割り当てる名前を指定します。
- SPARC: クラスタ機能を持つ VxVM を使用している場合は、次のようにインスタンスを登録および追加します。
  1. SUNW.vucmm_cvm リソースタイプを登録します。
```
# clresourcetype register SUNW.vucmm_cvm
```
  2. SUNW.vucmm_cvm リソースタイプのインスタンスを、手順 2 で作成したリソースグループに追加します。
    このインスタンスが、手順 4 で作成した vucmm_framework リソースに依存していることを確認します。
```
# clresource create -g vucmm-fmwk-rg \
  -t SUNW.vucmm_cvm \
  -p resource_dependencies=vucmm-fmwk-rs vucmm-cvm-rs
```
    -p resource_dependencies= vucmm-fmwk-rs
    
    このインスタンスが、手順 4 で作成した SUNW.vucmm_framework リソースに依存することを指定します。
    
    vucmm-cvm-rs
    
    SUNW.vucmm_cvm リソースに割り当てる名前を指定します。
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループの構成を確認します。
```
# clresourcegroup show vucmm-fmwk-rg
```
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループとそのリソースがオンラインであることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```
複数所有者ボリュームマネージャーのフレームワークリソースグループとそのリソースをオンラインおよび管理状態にします。
```
# clresourcegroup online -emM vucmm-fmwk-rg
```
vucmm-fmwk-rg

SUNW.vucmm_framework ベースのリソースグループの名前を指定します。
Oracle RAC 構成に、RAC ボリュームマネージャーリソースに依存する ScalDeviceGroup リソースが含まれている場合は、その依存先を同等の複数所有者ボリュームマネージャーリソースに変更します。
```
# clresource set -p resource_dependencies=vucmm-vol-mgr-rs{local_node} scal-dg-rs
```
vucmm-vol-mgr-rs
複数所有者ボリュームマネージャーリソースの名前を指定します。
- Solaris Volume Manager for Sun Cluster の場合は、SUNW.vucmm_svm リソースタイプを使用します。
- クラスタ機能を持つ VxVM の場合は、SUNW.vucmm_cvm リソースタイプを使用します。
scal-dg-rs

依存先を vucmm-vol-mgr-rs リソースに移す SUNW.SUNW.ScalDeviceGroup リソースを指定します。
Oracle RAC ボリュームマネージャーリソースを無効にします。
```
# clresource disable rac-vol-mgr-rs
```
rac-vol-mgr-rs

SUNW.rac_framework ベースのリソースグループで使用されている SUNW.rac_svm または SUNW.rac_cvm リソースを指定します。
Oracle RAC フレームワークリソースグループから Oracle RAC ボリュームマネージャーリソースを削除します。
```
# clresource delete -t rac-vol-mgr-rs rac-fmwk-rg
```
rac-fmwk-rg

SUNW.rac_framework ベースのリソースグループの名前を指定します。
Oracle RAC のすべてのリソースグループがオンラインであることを確認します。
```
# clresourcegroup status
```
各ノードを 1 つずつリブートします。
リブートにより、構成が変更された Oracle RAC フレームワークがリフレッシュされます。

ナビゲーションリンクをスキップ
印刷ビューの終了
	Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド Oracle Solaris Cluster 3.3 3/13 (日本語)