6.8 サーバー・プールの作成

サーバー・プールは少なくとも1つ以上(通常は複数)のOracle VM Serverで構成されています。サーバー・プール内のすべてのOracle VM ServerのCPUが同じCPUファミリのものである必要があります。これらが同じCPUファミリのものでない場合、ライブ・マイグレーションなどの一部の操作が失敗する可能性があります。CPUは同じCPUファミリのものであることが必要ですが、コアの数が異なるなど、構成が異なる場合があります。また、RAMの量やディスク・ドライブのサイズなど、ホスト・コンピュータ上の他のハードウェア・コンポーネントが異なる場合もあります。

ホスト・コンピュータの構成が異なる場合でも、サーバー・プール内のすべてのOracle VM Serverは同一であることをお薦めします。Oracle VM Managerには、プロセッサの互換性グループのルールが含まれています。互換性のないプロセッサ間でライブ・マイグレーションが試行された場合、エラー・メッセージが表示されます。

サーバー・プールを作成する前に、次が必要です。

クラスタ化されたサーバー・プールは、サーバー・プールのファイル・システムとして使用する専用のファイル・システム(NASエクスポートまたはLUNのいずれか)を持つ必要があります。この記憶域は10GB以上のサイズで作成することをお薦めします。

サーバー・プールの作成時にエラーが発生した場合、Oracle VM Serverは未構成状態に戻されます。

サーバー・プールを作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「Servers and VMs」タブをクリックします。

  2. 「Create Server Pool」「Create Server Pool」アイコンをクリック (ツールバー)して、「Create Server Pool」ウィザードを開始します。

  3. 「Create Server Pool」手順がウィザードに表示されます。

    この図は、「Create Server Pool」ウィザードの「Create Server Pool」手順を示しています。

    サーバー・プールの情報を入力します。

    • Server Pool Name: サーバー・プールの名前。サーバー・プール名の長さは最大で256文字で、任意の文字を含むことができます。

    • Virtual IP Address for the Pool: サーバー・プール内の他のOracle VM Serverを制御するマスターOracle VM Serverを識別するために使用するIPアドレス。マスターOracle VM Serverで障害が発生した場合やメンテナンス・モードに設定された場合には、マスター・ロールを実行する他のOracle VM Serverが選択され、このIPアドレスが新しいホストに割り当てられます。

    • VM Console Keymap: 仮想マシンのコンソールに接続する際に使用するキー・マッピング。

    • VM Start Policy: 各サーバー・プールに対して、すべての仮想マシンのデフォルトの起動ポリシーを定義できます。オプションには、現在のサーバー(仮想マシンが割り当てられているサーバー)で仮想マシンを起動する機能と、(DRSおよびDPMと同じアルゴリズムを使用して決定される)利用可能な最善のサーバーで仮想マシンを起動する機能が含まれています。各仮想マシンの構成内でデフォルトのポリシーを上書きすることができます。個々の仮想マシンに対する起動ポリシーの設定の詳細は、7.7項「仮想マシンの作成」を参照してください。

    • Secure VM Migrate: 仮想マシンの暗号化移行を有効化するかどうかを選択します。「Secure VM Migrate」にチェックがついているときには、移行プロセス中のデータを保護するために、仮想マシンはSSLを使用して移行されます。データの暗号化および復号化により多くのシステム・リソースおよび時間が必要なように、仮想マシンのセキュアな移行は、移行にかかる時間に影響を与える可能性があります。

    • Hypervisor Type: サーバー・プールで使用するハイパーバイザ・タイプを選択します。

    • Clustered Server Pool: HAを有効化するために、サーバー・プール内のOracle VM Serverのクラスタリングを有効化するかどうかを選択します。HAのポリシーおよび構成の詳細は、6.4項「高可用性(HA)」を参照してください。

      注意

      「Hypervisor Type」がOVM/SPARCに設定されている場合は、このオプションはグレー表示されます。

    • Timeout for cluster: クラスタリングがサーバー・プールに対して有効である場合、このオプションを使用してタイムアウト・パラメータを設定できます。クラスタの最大タイムアウト設定は300秒です。クラスタの最小タイムアウトは12秒です。クラスタのデフォルト・タイムアウトは120秒です。ディスク・ハートビートおよびネットワーク・ハートビートは、クラスタのタイムアウト値から自動的に導出されます。

      クラスタのタイムアウトは、サーバー・プールにサーバーがない場合にのみ変更が可能であるため、通常、サーバー・プールの作成時に設定することをお薦めします。HAのポリシーおよび構成の詳細は、6.4項「高可用性(HA)」を参照してください。

      注意

      「Hypervisor Type」がOVM/SPARCに設定されている場合は、このオプションはグレー表示されます。

    • Storage for Server Pool: サーバー・プールに使用するファイル・システムのタイプに「Network File System」または「Physical Disk」のいずれかを選択します。サーバー・プールのファイル・システムはサーバー・プールおよびクラスタ・データの保持に使用され、クラスタのハートビートにも使用されます。この記憶域は、NASエクスポートまたはLUNとして、12GB以上のサイズで作成することをお薦めします。

      サーバー・プールのファイル・システムは、他の記憶域のように排他的です。つまり、同じエクスポート・パス上に2つの記憶域リポジトリを作成できないことと同様に、サーバー・プールのファイル・システムを他のサーバー・プールまたは記憶域リポジトリと共有することはできません。完全修飾された各エクスポート・パス(たとえば、/export/myexport/one, /export/myexport/two)は、1つのみに使用され、1つの目的(つまり、記憶域リポジトリ用またはサーバー・プールのファイル・システム用)にのみ使用される必要があります。

      記憶域の作成の詳細は、第4章「記憶域の管理」を参照してください。

    • Network File System: プール・ファイル・システムとして使用するファイル・システム。「Search」「Search」アイコンをクリックし (「Storage Location」フィールド)、ネットワーク・ファイル・システムを検索します。前述のフィールドで、「Network File System」を選択した場合に、このフィールドが表示されます。

    • Physical Disk: プール・ファイル・システムとして使用するファイル・システム。「Search」「Search」アイコンをクリックし (「Storage Location」フィールド)、物理ディスクを検索します。前述のフィールドで「Physical Disk」を選択した場合に、このフィールドが表示されます。

    • Description:サーバー・プールの説明。このフィールドはオプションです。

    「Next」をクリックします。

  4. 「Add Servers」手順がウィザードに表示されます。

    この図は、「Create a Server Pool」ウィザードの「Add Servers」手順を示しています。

    「Available Servers」列から、サーバー・プールに追加するOracle VM Serverを選択し、「Selected Servers」列に移動します。

    タグを定義して、いずれかをサーバー・プールに追加する場合は、「Next」をクリックします。それ以外の場合は、「Finish」をクリックします。

  5. 「Tags」手順はオプションで、前の手順で「Next」をクリックした場合にウィザードに表示されます。

    この図は、「Create a Server Pool」ウィザードの「Tags」手順を示しています。

    以前にタグを定義している場合は、「Available Tags」列に表示されます。サーバー・プールに適用するタグを選択し、「Selected Tags」列に移動できます。

    タグの作成および管理の詳細は、3.15項「タグ」を参照してください。

    「Finish」をクリックします。

サーバー・プールが作成されます。