7.4 仮想マシンのインストール・メディア

仮想マシンには、テンプレート、アセンブリ、ISOファイル、マウント済ISOファイルなど、なんらかの形式のインストール・メディアが必要です。ドメイン・タイプによって、必要なインストール・ソース・ファイルが若干異なります。表7.2「仮想マシンのインストール・ソース」に、HVMゲストおよびPVMゲストで使用可能なインストール・ソースをリストします。

表7.2 仮想マシンのインストール・ソース

インストール・ソース

HVM

PVM

テンプレート(クローン)

必要

必要

リポジトリのISOファイル

必要

不要

NFS、HTTPまたはFTPサーバー上のマウント済ISOファイル

不要

必要

アセンブリ

必要

必要


ISOファイルからHVMゲストを作成するときに、仮想マシンのデプロイ先Oracle VM Serverに示されている記憶域リポジトリに事前にロードされているISOファイルを指定する必要があります。ISOファイルのインポート方法の詳細は、7.5.5項「ISOファイル(CD/DVDイメージ)」を参照してください。

ISOファイルからPVMゲストを作成するときに、リポジトリのISOファイルを使用してオペレーティング・システムをインストールすることはできません。Oracle VMでは、その内部ファイル・システムのコンテンツがPVMゲストのオペレーティング・システムのインストールの際に使用できるように、ISOファイルがマウントされている必要があります。マウント済ISOファイルは、NFS、HTTPまたはFTPサーバーを介して使用できるようにすることができます。「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドでインストール・メディアの場所を指定する場合は、マウント済ISOファイルへのNFS、HTTPまたはFTPパスを入力します。NFS共有およびHTTPサーバーでのマウント済ISOファイルの作成および使用方法の例は、次のとおりです。

例7.1 NFS共有でのインストール・ツリーの作成

この例では、ISOファイルをマウントすることによって、準仮想化ゲスト用のインストール・ツリーが作成されます。インストール・ツリーは、NFS共有を介して使用できるようになります。NFSサーバーで次のように入力します。

# mkdir -p /isos/EL5u6-x86_64
# mount -o ro,loop /path/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso /isos/EL5u6-x86_64
# exportfs *:/isos/EL5u6-x86_64/

仮想マシンの作成時に、「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドに、インストール先を次のように指定します。

nfs:example.com:/isos/EL5u6-x86_64

例7.2 HTTPサーバーでのインストール・ツリーの作成

この例では、HTTPを介してアクセスできるISOファイルからインストール・ツリーが作成されます。HTTPサーバーで次のように入力します。

# cd /var/www/html
# mkdir EL5u6-x86_64
# mount -o ro,loop /path/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso EL5u6-x86_64

仮想マシンの作成時に、「Create Virtual Machine」ウィザードの「Network Boot Path」フィールドに、インストール先を次のように指定します。

http://example.com/Enterprise-R5-U6-Server-x86_64-dvd.iso/

ヒント

複数のISOファイルがある場合は、各ISOファイルをマウントし、内容を1つのディレクトリにコピーできます。これによって、すべてのISOファイルが同じ場所から使用できるようになります。