29見積およびオーダー

この章の内容は次のとおりです。

Oracle Configure, Price, and Quote (CPQ) Cloudと統合することで、自動化された商談、見積、オーダー・フローで営業プロセスを拡張できます。見積を使用すると、営業チームのメンバーが、現在の製品および価格情報を含む顧客向けの専門的な提案文書を作成できます。

営業担当は、見積を商談からディール・サイクルの一部として、またはアカウントに対して直接作成できます。見積番号、見積金額、ステータス、提案文書などの基本見積情報は、見積およびオーダー・ページで取得されます。営業担当は、アカウントまたは商談のコンテキスト内で見積およびオーダーを表示できます。営業担当は、見積を使用して、顧客のニーズに基づいて有効な製品構成を選択し、価格設定と割引を指定して、専門的な提案文書を作成します。見積の統合によって提供される機能の概要を次に示します。

  • 有効な製品構成の作成

  • 自動価格設定計算の実行

  • 割引の適用

  • 承認プロセスの合理化

  • ディールをクローズするための、顧客と共有およびコラボレーションする専門的な提案文書の作成

統合はポイント・ツー・ポイントであり、設定のほとんどに各統合接点のエンド・ポイントの編集が含まれます。Oracle CX Salesは、すべてのユーザー相互作用を開始および制御します。Oracle CPQ UIは、CX Sales内で実行されている埋込みiframeとして表示されます。逆に、すべてのWebサービス統合では、Oracle CPQ Cloudによって起動されるCX Salesが提供するWebサービスを使用します。統合の設定方法の詳細は、My Oracle Support (https://support.oracle.com)の『CPQ Cloud to Oracle Sales Cloud Integration Overview』(2015009.1)を参照してください。

注意: 見積機能を取得するには、Oracle Configure, Price, and Quote (Oracle CPQ)と統合する必要があります。詳細は、My Oracle Supportの『Information Center: CX Sales - Setting Up Integrations』(文書ID 2423111.2)を参照してください。後述の関連リンクの項にリンクがあります。

アップグレードするお客様用のステップ

アップグレードするお客様は(新規のお客様とは)異なる一連のステップで見積を統合します。アップグレードするお客様が実行するステップは次のとおりです。

  1. 商談のセキュリティが拡張されている場合は、見積に対して同じ拡張が行われていることを確認します。

  2. サービス要求をログに記録して、見積およびオーダー・リスト機能を有効にします。

  3. オラクル社によって機能が有効化された後、「見積およびオーダー」ランディング・ページを有効にします。

「見積およびオーダー」ランディング・ページを有効にする手順は、次のとおりです。

  1. 営業管理者としてサインインし、サンドボックスをアクティブ化します。

  2. 「構成」「構成」に移動します。

  3. 「ナビゲーション構成」ページの「営業」セクションで、リスト内の「見積およびオーダー」項目を見つけます。

  4. 「見積およびオーダー」リンクをクリックします。

  5. 編集 ページ・エントリ: 見積およびオーダー・ページで、次のフィールドに対して「はい」を選択します。

    • ナビゲータに表示

    • スプリングボードに表示

  6. 「保存して閉じる」をクリックします。

設定タスク

「Oracle CX SalesとOracle CPQ Cloudの統合の管理」ページを使用して、CX SalesとOracle CPQの統合のエンドポイントURLを設定します。

「Oracle CX SalesとOracle CPQ Cloudの統合の管理」ページの設定の概要を次に示します。

  • 販売オーダー・インスタンスを作成します。

  • Oracle CPQエンドポイントURLを追加します。

  • CX Salesで定義されている各処理に対し、パラメータ値を入力して、作成、編集、コピー、バージョニングなどのOracle CPQ処理を設定します。

販売オーダー・インスタンスを作成し、パラメータを選択する方法は、次のとおりです。

  1. 「設定と保守」で、次の場所に移動します。

    • オファリング: 販売

    • 機能領域: 販売基盤

    • タスク: Oracle CX SalesとOracle CPQ Cloudの統合の管理

  2. 販売オーダー・インスタンスを作成し、エンドポイントURLを指定します。

  3. 「パラメータ」セクションで、次の各処理に対してOracle CPQアクションを設定します。

    • 見積または販売オーダーの作成

    • 見積または販売オーダーの編集

    • 見積または販売オーダーのコピー

    • 見積または販売オーダーの新規バージョンの作成

    • 見積または販売オーダーの提案の取得

  4. 「保存して閉じる」をクリックします。

注意: これらのステップおよび追加で必要なステップは、My Oracle Supportの『Information Center: CX Sales - Setting Up Integrations』(文書ID 2423111.2)からリンクされている実装文書に記載されています。

「構成」ページを使用して、見積統合のUI要素を有効にします。

UI要素には次のものが含まれます。

  • スプリングボードの「見積およびオーダー」アイコン

  • ナビゲータの「見積およびオーダー」リンク

  • 「見積およびオーダー」ランディング・ページ

営業担当は、ナビゲータまたはスプリングボードで「見積およびオーダー」をクリックし、「見積およびオーダー」ランディング・ページを起動します。見積ランディング・ページには、デフォルトの検索に基づいて、営業担当の関連する見積のリストが表示されます。営業担当は、見積ランディング・ページまたはグローバル検索から見積を検索できます。

見積およびオーダーUI要素を有効にする手順は、次のとおりです。

  1. 営業管理者または設定ユーザーとしてサインインします。

  2. サンドボックスをアクティブ化します。

  3. 「構成」「構成」に移動します。

  4. 「ナビゲーション構成」ページで、「営業」セクションの「見積およびオーダー」を選択します。

  5. 編集 ページ・エントリ: 見積およびオーダー・ページで、「ナビゲータに表示」および「スプリングボードに表示」オプションに対して「はい」を選択します。

  6. 「保存して閉じる」をクリックします。

  7. サンドボックスを公開します。

ユーザー・ロール別の見積の有効化

ユーザー・ロール別に見積へのアクセスを有効化できます。「構成」ページを使用して、各ユーザー・ロールの「見積およびオーダー」アイコンを有効にします。詳細は、関連トピックを参照してください。

処理の無効化や一括削除などの、「見積」処理メニューを構成します。アクション・メニューは、「商談の編集」および「アカウントの編集」の「見積およびオーダー」サブタブにある見積明細に表示されます。参照タイプまたはGroovyスクリプトを使用して、変更を加えることができます。

「アクション」メニューのオプションの表示を制御するには、Oracle Configure, Price, and Quote (Oracle CPQ)処理メニュー制御参照を構成する必要があります。これらのコードの値を「はい」に設定し、参照タイプ・コードを有効にします。

参照タイプ 意味 説明

ORA_ZCA_CPQ_ACTION

CPQ処理メニュー制御

「アクション」メニューでのCPQオプションの表示を制御するために選択するコードで構成されます。

参照コード

 

 

ORA_ZCA_CPQ_ACTION_EDIT

CPQ処理メニューの「編集」コマンド

この参照オプションは、CPQ処理メニューの「編集」コマンドにマップされます。

ORA_ZCA_CPQ_ACTION_DUPLICATE

CPQ処理メニューの「複製」コマンド

この参照オプションは、CPQ処理メニューの「複製」コマンドにマップされます。

ORA_ZCA_CPQ_ACTION_NEW_VERSION

CPQ処理メニューの「バージョンの作成」コマンド

この参照オプションは、CPQ処理メニューの「バージョンの作成」コマンドにマップされます。

「アクション」メニューでのOracle CPQオプションの表示を制御する方法は、次のとおりです。

  1. 「設定と保守」で「標準参照の管理」タスクに移動します。

  2. 「内容」参照タイプで「CPQ処理メニュー制御」を検索します。

  3. 「アクション」メニューでの表示順に値の順序を設定します。

  4. 「使用可能」チェック・ボックスを選択します。

Groovyスクリプトの使用

cpqActionMenuPreRender Groovyスクリプトを使用して、メニュー項目を有効または無効にする複雑なビジネス・ロジックを実装することもできます。このスクリプトは、SalesOrderオブジェクト内の「オブジェクト関数」セクションに作成します。関数の作成方法は次のとおりです。

  1. アクティブなサンドボックスで作業していることを確認します。

  2. 「ナビゲータ」 「構成」 「アプリケーション・コンポーザ」 をクリックします。

  3. 「標準オブジェクト」の「販売オーダー」に移動します。

  4. 「販売オーダー」を展開します。

  5. 「サーバー・スクリプト」をクリックします。

  6. 「オブジェクト関数」をクリックします。

  7. 「処理」ドロップダウン・リストで「追加」をクリックします。

  8. 「オブジェクト関数の作成」で、次のように入力します。

    フィールド 詳細

    関数名

    cpqActionMenuPreRender

    返される値

    マップ

    スクリプトの編集

    def menuItemsMap = [ORA_ZCA_CPQ_ACTION_EDIT:'N',ORA_ZCA_CPQ_ACTION_NEW_VERSION:'Y',ORA_ZCA_CPQ_ACTION_DUPLICATE:'Y']return menuItemsMap;

  9. 「保存して閉じる」をクリックします。

  10. 変更をテストします。「商談」リスト・ページに移動し、レコードをオープンして、「見積およびオーダー」サブタブをクリックし、見積行の「アクション」ドロップダウン・リストを確認します。

Oracle CPQメニュー項目の無効化

この手順では、Groovy関数の販売オーダー属性を使用して、特定の販売オーダーについてOracle CPQの作成メニュー項目を無効にする方法について説明します。Groovyスクリプトを使用して、Oracle CPQの作成メニュー項目を無効にする方法は、次のとおりです。

  1. アクティブなサンドボックスで作業していることを確認します。

  2. 「ナビゲータ」 「構成」 「アプリケーション・コンポーザ」 をクリックします。

  3. 「標準オブジェクト」の「販売オーダー」に移動します。

  4. 「販売オーダー」を展開します。

  5. 「サーバー・スクリプト」をクリックします。

  6. 「オブジェクト関数」をクリックします。

  7. 「作成」アイコンをクリックして、新しいオブジェクト関数を追加します。

  8. 「オブジェクト関数の作成」ページで、次の手順を実行します。

    1. 「関数名」フィールドにcpqActionMenuPreRenderと入力します。

    2. 「戻り値」フィールドで「マップ」を選択します。

    3. 「スクリプトの編集」フィールドに次のスクリプトを入力します。

      def editDisabled = 'N';
      def duplicateDisabled = 'N';
      def createVersionDisabled = 'N';
      if(Name.equals('Quote1')){
      createVersionDisabled = 'Y';
      }
      def menuItemMap = ['ORA_ZCA_CPQ_ACTION_DUPLICATE':editDisabled, 'ORA_ZCA_CPQ_ACTION_EDIT':duplicateDisabled,ORA_ZCA_CPQ_ACTION_NEW_VERSION : createVersionDisabled];
      return menuItemMap;
  9. 「保存して閉じる」をクリックします。

  10. RESTを使用して商談を作成し、販売オーダーを転記します。

  11. 変更をテストします。作成した商談にドリルダウンし、「見積およびオーダー」サブタブをクリックして、Quote1という名前の販売オーダーで「バージョンの作成」メニュー項目が無効になっていることを確認します。

営業担当が、見積の作成時に通貨を入力できるようにすることができます。

編集可能なカスタム通貨フィールドを追加する方法は、次のとおりです。

  1. サンドボックスを作成してアクティブ化します。

  2. 「構成」「アプリケーション・コンポーザ」に移動します。

  3. ナビゲーション・ツリーで、「標準オブジェクト」「販売オーダー」の順に展開します。

  4. 「フィールド」ノードをクリックします。

  5. 「カスタム」タブで、「処理」メニューから「新規」を選択します。

  6. 「フィールド・タイプの選択」ウィンドウで、「通貨」フィールド・タイプを選択し、「OK」をクリックします。

  7. 「通貨フィールドの作成」ウィンドウで、フィールドの表示名を入力します。たとえば、「Currency」と入力します。「制約」の下の「更新可能」が選択されていることを確認します。

  8. 「保存して閉じる」をクリックします。

  9. 次に、見積に対して新規フィールドを公開します(販売オーダー・オブジェクト)。

  10. 「販売オーダー」の下の「ページ」ノードをクリックします。

  11. 「販売オーダー: ページ」ページで、「アプリケーション・ページ」タブが選択されていることを確認します。

  12. 「アクション」メニューから、「複製」を選択します。

  13. 「レイアウトの複製」ダイアログ・ボックスで、新しいレイアウトの名前を入力し、「保存して編集」をクリックします。

  14. 「ランディング・ページ・レイアウト」ページで、Fuse見積概要表の隣にある編集アイコンをクリックします。

  15. 編集モードで、「使用可能なフィールド」ボックスにある新しく作成された「通貨」フィールドを見つけ、「選択したフィールド」ボックスに移動します。

  16. 「保存して閉じる」をクリックしてから、「完了」をクリックします。

  17. 営業管理者や営業担当など、「見積およびオーダー」ページへのアクセス権を持つユーザーとしてサインインし、変更を確認します。次の手順を実行します。

    1. アクティブなサンドボックスを表示している状態で、「見積およびオーダー」に移動します。

    2. 「拡張検索の表示」をクリックします。

    3. 「追加」をクリックします。

    4. 「通貨」をクリックしてフィールドを追加します。

  18. サンドボックスを公開します。

詳細は、『アプリケーション・コンポーザを使用したアプリケーションの構成』ガイドを参照してください。

見積セキュリティ

提供されているいくつかのユーザー・ロールには、見積機能へのアクセス権が自動的に付与されます。さらに、パートナ・ロールおよびカスタム・ロールの権限を追加できます。

見積へのアクセス権が自動的に付与されるユーザー・ロール

見積機能へのアクセス権が自動的に付与されるユーザー・ロールは、次のとおりです。

  • 営業担当

  • 営業マネージャ

  • 営業VP

  • 営業管理者

  • チャネル・オペレーション・マネージャ

  • チャネル・アカウント・マネージャ

  • チャネル営業マネージャ

  • パートナ管理者

  • パートナ営業担当

  • パートナ営業マネージャ

会社定義のユーザー・ロールに対する見積へのアクセス権の付与

会社定義のロールを持つユーザーに見積へのアクセス権を付与するには、該当する機能権限およびデータ・セキュリティ・ポリシーを追加します。詳細は、『CX SalesおよびB2Bサービスの保護』ガイドを参照してください。