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Oracle® Enterprise Manager Ops Centerコンセプト・ガイド
12c リリース1 (12.1.3.0.0)
B71913-02
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2 主な特長および機能

Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって、物理および仮想Oracleハードウェアと異機種のオペレーティング・システムに対して包括的なシステム管理が提供されます。この章では、製品の機能および特長について説明し、現在のリリースにおける拡張機能を示します。各リリースにおける変更点の詳細は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerドキュメントの「このリリースの新機能」を参照してください。

2.1 Oracle仮想化

仮想化は、システムの使用率を最大化する強力な方法です。オペレーティング・システムやハードウェア・プラットフォームを仮想化できます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、物理アセットと同じように仮想システムを検出、プロビジョニング、更新、監視および管理できます。

2.1.1 Oracle Solarisゾーン

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、仮想オペレーティング・システムを管理します。Oracle Solarisゾーンによって、グローバル・ゾーンで稼働するOracle Solarisオペレーティング・システムの単一インスタンス内に複数の同じ仮想オペレーティング・システム環境が作成されます。相互に隔離された異なるゾーンで各アプリケーションが実行される一方で、基礎となるオペレーティング・システム・リソースはグローバル・ゾーンによって管理および制御されます。

ゾーンを作成し、ライフ・サイクル全体を通じてゾーンを管理するには、デプロイメント計画を使用します。

複数のグローバル・ゾーンがサーバー・プールに存在する場合、それらのゾーンは高可用性に対応します。いずれかのグローバル・ゾーンに障害が発生した場合、非グローバル・ゾーンを同じサーバー・プールの異なるグローバル・ゾーンに移行できます(サーバー・プールではすべてのネットワーク・リソースとストレージ・リソースが共有されるため)。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerには、拡張された使用率メトリックがあります。

ゾーンを再起動することなく、実行時にゾーンを変更できます。

Oracle Solaris 10固有のゾーンをOracle Solaris 11カーネル上に作成できます。

複数のローカル仮想ネットワークがサポートされるようになったため、ネットワーク帯域幅が拡張されています。

2.1.2 Oracle VM Server for SPARCおよびOracle VM Server for x86

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、仮想ハードウェアを管理します。各仮想システムでは、ただ1つのオペレーティング・システムの完全なインスタンスを実行できます。単一のOracle VM Serverの内部でOracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムの完全なインスタンスを実行します。ハードウェア仮想化は次のシナリオで使用します。

  • 複数のサーバーのかわりにOracle VM Server上でアプリケーションをホストして、サポートするサーバーの数を減らす場合。

  • 論理ドメインを使用して同じサーバーで異なるオペレーティング・システム・カーネルをホストする場合。

  • オペレーティング・システムとハードウェア・リソースを分離してセキュリティを最大限に強化する場合。

サーバーにOracle VM Serverソフトウェアをプロビジョニングすると、制御ドメインが確立されます。制御ドメインによって、その論理ドメインが管理されます。各論理ドメインでは、単一のシステム内に独自のオペレーティング・システム、リソースおよびアイデンティティが含まれます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerを使用して、論理ドメイン(システムのメモリー、CPUスレッドおよびデバイスの割当てを含む)を作成およびプロビジョニングし、パフォーマンスを監視します。

SPARCとx86の両方のプラットフォームでOracle VM Serverを作成できます。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、Oracle Solaris VM Server for SPARCソフトウェアに加え、Oracle VM Managerソフトウェアと連携してOracle Solaris VM Server for x86ソフトウェアをサポートします。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、既存のOracle VM Managerインスタンスを検出できます。検出後、Oracle VM Managerのユーザー・インタフェースまたはOracle Enterprise Manager Ops Centerのユーザー・インタフェースから、これらの仮想システムを管理します。

2.1.3 サーバー・プール

サーバー・プールは、複数の仮想ホストの負荷を分散することで容量を最大化します。サーバー・プールの任意の仮想ホストを、容量に到達したある物理システムから使用率の低い別の物理システムに移行できます。負荷を自動的に分散するポリシーを設定するか、またはシステム負荷状態の通知を受けて負荷分散を手動で変更するようにします。

機能拡張

仮想化テクノロジの機能が共通となりました。このバージョンのOracle Enterprise Manager Ops Centerには、Oracle VM Server for SPARC用の仮想プールのかわりに、各仮想化テクノロジ(Oracle VM Server for SPARC、Oracle VM Server for x86およびOracle Solarisゾーン)用のサーバー・プールが含まれます。サーバー・プールには、同じタイプの仮想ホストのみが含まれる必要がありますが、それらは同じ方法で管理されます。

Oracle Solarisゾーン、Oracle VM Server for SPARCおよびOracle VM Server for x86のサーバー・プールでは、同じプールの他のメンバーで障害の発生した仮想ホストのゲストを移行および再起動できます。

Oracle VM Managerマスター・ノードは、現在、Oracle VM Server for x86サーバー・プールの表示に含まれます。

2.2 仮想データ・センター

機能拡張

仮想データ・センターは、サーバー・プールを拡張して、エンド・ユーザー・アカウントの分離環境、セキュア環境、カスタム環境および調整環境をサポートします。仮想データ・センターは、リソースのポリシー・ベースの使用を促進するように設計されています。

仮想データ・センターのユーザー・アカウントから、仮想データ・センターに割り当てられたリソースに依存するアプリケーションを実行します。ユーザー・インタフェースから仮想データ・センター内の操作を実行するか、Infrastructure as a Service (IaaS)を使用できます。

Oracle Enterprise Manager Ops CenterのIaaS Webサービスでは、仮想データ・センターの物理リソースまたは仮想リソースを管理するためのAPIとCLIが提供されます。IaaS Webサービスを使用して次のタスクを実行します。

2.3 Oracleエンジニアド・システム

機能拡張

Oracleエンジニアド・システムは、エンタープライズの特定の目的を満たすように設計された、ハードウェアとソフトウェアが統合されたシステムです。ITインフラストラクチャのコストと複雑さが軽減され、生産性とパフォーマンスが向上します。Oracleエンジニアド・システムでは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのカスタマイズされたインスタンスを使用して次のことを実行します。

2.3.1 SPARC SuperCluster T4-4

SPARC SuperClusterは、SPARC計算ノード、ZFSストレージ・アプライアンス、インフィニバンド・スイッチおよびExadata Storage Serverをマルチラック・システムに統合したOracleエンジニアド・システムです。SPARC SuperClusterアーキテクチャには、Oracle Solaris 11またはOracle Solaris 10、Oracle FusionソフトウェアおよびOracle Solaris Clusterソフトウェアが含まれます。Oracleエンジニアド・システムは、データベースとプライベート・クラウドを提供する目的で最も効率よく連携動作するようにエンジニアリングされたハードウェア、ソフトウェア、コンピューティング、ストレージおよびネットワークの完全なスタックです。

Oracle Enterprise Manager Ops CenterはすべてのOracleエンジニアド・システムに利益をもたらしますが、ソフトウェアはこのエンジニアド・システムに次の機能を提供します。

  • コンポーネントのファームウェア、配置および障害の(ラックとしての)統合ビューを表示します。

  • パフォーマンス分析を提供します。

  • インフィニバンド・スイッチを監視します。

  • Exadata Storage Serverを監視します。

  • 計算ノードを監視します。

  • Oracle Solaris Clusterを管理します。

  • ハードウェア障害を管理します。

  • 仮想化テクノロジを管理します。

2.3.2 Oracle Exalogic Elastic Cloud

Oracle Exalogic Elastic Cloudエンジニアド・システムでは、工場出荷時のExalogicシステムに事前インストールされたスタンドアロンのOracle Enterprise Manager Ops Centerが提供されます。組込みのOracle Enterprise Manager Ops Centerは、Exalogic Controlソフトウェアの不可欠な要素であり、Exalogicプラットフォームの管理操作を提供するためにOracle Enterprise Manager Ops Centerの組込み機能の完全なセットを提供します。これは、Exalogicシステムをアプライアンスとして表示し、Exalogicハードウェアを監視および管理して、障害管理ライフ・サイクルの交換部品に対応するための機能も提供します。

Oracle Enterprise Manager Ops CenterはすべてのOracleエンジニアド・システムに利益をもたらしますが、ソフトウェアはこのエンジニアド・システムに次の機能を提供します。

  • コンポーネントのファームウェア、配置および障害の(ラックとしての)統合ビューを表示します。

  • Oracle VM Manager、Oracle Virtual Assembly BuilderおよびExalogic Exabusと統合します。

  • インフィニバンド・スイッチを監視します。

  • Sun ZFS Storage 7320アプライアンスおよびインフィニバンド・スイッチのユーザー・インタフェースを起動するコンソールを提供します。

  • 計算ノード、スイッチおよびストレージのサービス・プロセッサのシリアル・コンソールへのアクセスを提供します。

  • IaaS APIおよびクラウド管理コンソールを提供します。

  • Sun ZFS 7320 Storageアプライアンスのインシデントをレポートします。

  • パブリックおよびプライベートのEoIBネットワーク上の重複IPアドレスを検証し、サブネットとVLAN IDのペアを作成して各ペアに1つのEoIBサブネットを有効化することでサブネットを管理します。

2.4 Oracle Solaris 11

機能拡張

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、そのライフ・サイクル全体(プロビジョニング、更新、ブート環境の管理、監視、およびリソース使用率データの収集)でOracle Solaris 11 Update 1 (11.1)がサポートされます。

Oracle Solaris 11 Image Packaging System (IPS)リポジトリは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのソフトウェア・ライブラリの1つです。IPSに対して基本管理タスクを実行することや、自動インストール、プロビジョニングおよび更新操作のためにIPSのデータを使用できます。

次のIPS操作がサポートされます。

Oracle Solaris 11およびOracle Solaris 10のブート環境に関する情報は、同じ方法で表示およびレポートされます。

Oracle Solaris 11の自動インストーラは、プロビジョニング・デプロイメント計画に統合されています。この機能では、プロキシ・コントローラがエンタープライズ・コントローラのIPSリポジトリからIPSイメージを取得できるように、エンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラの両方でOracle Solaris 11を使用する必要があります。このリリースでは、サポートGRUB2ブート(GRUB2)およびUEFIを実行するOracle Solaris 11 Update 1 (11.1)の拡張自動インストーラもサポートされます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、SPARC WANブートもサポートされます。この方法は、適用可能である場合はデフォルトのアクションになります。このリリースでは、WANブートおよび自動インストーラのリセットのためにOSプロビジョニング・プロファイルに設定を保存するオプションが提供されています。

2.5 Oracle Linux 6

機能拡張

現在のリリースでは、Oracle Linux 6オペレーティング・システムがリリース6.3までサポートされるようになりました。

2.6 ストレージ・リソース

機能拡張

前のバージョンと同様に、ストレージ・ライブラリでは仮想ホストがサポートされます。ただし、現在それらは次のカテゴリに分類されています。

ファイバ・チャネル・ストレージと呼ばれていた前のバージョンのライブラリは、ブロック・ライブラリになりました。現在は、ファイバ・チャネルLUNに加え、iSCSI LUNもサポートされます。

2.6.1 Oracle VM Storage Connect

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、すべてのタイプの仮想ホストに統一されたサポートが与えられるように、様々なベンダーのストレージ・デバイスを管理するOracle VM Managerの機能を共有しています。Oracle VM Storage Connectは、ストレージ・デバイスの機能と属性をOracle Enterprise Manager Ops Centerに公開するApplication Program Interface (API)です。ストレージ・ベンダーは、APIを使用してプラグイン・ソフトウェアを作成します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerのストレージ管理者は、プラグイン・ソフトウェアを有効にできます。

2.6.2 動的ストレージ

ストレージ・サーバーでは、動的ブロック・ストレージ・ライブラリのサポートが可能です。iSCSI SANストレージ・アレイを検出してストレージ・ライブラリを作成します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、ストレージ・アレイを検出するため、必要時に追加のLUNを作成して管理できます。ボリューム・グループとファイル・システムもサポートされます。

2.7 ネットワーク・リソース

機能拡張

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、レイヤー2とレイヤー3のネットワーク・ファブリックが管理されるようになりました。Oracleネットワーク・スイッチとの統合を通じて、ソフトウェアは、データ・センターで使用される物理ファブリックと論理ファブリックの両方を制御します。新機能には、ポート、プライベート・ネットワーク、インフィニバンド・パーティションおよびイーサネットVLANの管理が含まれます。

現在、すべての管理対象ネットワークは、ネットワーク・ドメインと呼ばれるコンテナ内に存在します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって、デフォルト・ネットワーク・ドメインと呼ばれる1つのネットワーク・ドメインが提供されます。既存のすべての管理対象ネットワークはこのネットワーク・ドメインに含まれ、ユーザーが作成する新しいネットワークもこのドメインに含まれます。ただし、仮想データ・センターでは、新しいネットワーク・ドメインを作成してから、管理対象ネットワークをデフォルト・ネットワーク・ドメインから新しいネットワーク・ドメインに再度割り当てます。

このリリースでは、ゾーンを含む論理ドメインの場合、ゾーンごとに排他IPアドレスを使用し、同じネットワークにアタッチされた複数のvNICを使用できます。

2.7.1 ネットワーク・プロトコル

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、イーサネットとインフィニバンド両方のネットワーク・プロトコルがサポートされます。イーサネット・インターコネクトは確立されたインターコネクトですが、インフィニバンドは、クラスタおよびデータ・センターで検出された短い複数の接続を使用してトランザクションの速度を最大化します。Linuxオペレーティング・システムでは、Ethernet over InfiniBand (EoIB)およびInternet Protocol over InfiniBand (IPoIB)がサポートされます。

一部の環境では、IPv4とIPv6が混在しています。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、IPv6を認識します。アセットにIPv6ネットワーク・インタフェースが含まれる場合、Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、それを読み取ってその情報を表示できますが、IPv6ネットワークをプロビジョニングすることや、IPv6ネットワークを使用してアセットを検出、監視またはプロビジョニングすることはできません。

2.7.2 Oracle Solaris 11の帯域幅管理

Oracle Solarisでは、完全なリンク・アグリゲーションおよびIPMPグループがサポートされます。Oracle Solaris 11では、物理リンク、仮想NICおよびリンク・アグリゲーションを含むデータ・リンクの帯域幅を管理できます。ゾーンの場合、ゾーンによる使用を許可するネットワーク帯域幅の容量を指定します。

2.7.3 Oracle Solarisゾーンおよび仮想NIC

Oracle Solarisゾーンは、NICポートを仮想NICに統合します。専用の物理NICを持つ各仮想ホストにかわり、複数のゾーンでそれぞれが必要とするしきい値においてNICを共有できます。

図2-1 NICポートの統合前と統合後

図2-1の説明が続きます
「図2-1 NICポートの統合前と統合後」の説明

2.8 コマンドライン・インタフェース

Oracle Enterprise Manager Ops Centerのコマンドライン・インタフェース(CLI)は、Oracle Enterprise Manager Ops Centerの標準ユーザー・インタフェースのかわりに使用します。CLIは、標準ユーザー・インタフェースの(すべてではありませんが)多くの操作を実行できます。

機能拡張

デプロイメント計画をサポートするため、2つのモードが追加されました。デプロイ・モードでは、計画の内容を指定します。デプロイ設定モードでは、計画および計画のターゲットを指定します。他のモードは拡張されています。デプロイメント計画で使用される資格証明を管理するため、別のモード(資格証明)が追加されました。

2.9 拡張監視

ソフトウェアは、単一のコンソールから多くのアセットを簡単に監視および管理できるように設計されています。アセットの管理が開始されると同時に、プロファイルとデフォルト・ポリシーの監視が有効になります。ハードウェアの電力消費、ハードウェアのステータス(温度、ファン回転速度および電圧)、およびオペレーティング・システムの主要統計(使用率、負荷、CPU、メモリーなど)に対応するシステム定義のパラメータを追跡します。管理者は、組織のポリシーに基づいて異なる重大度レベル(クリティカル、警告または情報)のアラートを起動するしきい値を調整するか、ルールおよびアラートの条件を無効にできます。

オペレーティング・システム・アセットのパフォーマンスおよびステータスは、チャート、レポートおよび使用率の詳細で表示されます。データは、傾向分析を支援するため、最大6か月間使用できます。オペレーティング・システムのグループまたは個々のオペレーティング・システムのチャートを表示できます。使用率の詳細には、上位5つのコンシューマが含まれます。特定のプロセスの詳細(CPUおよびメモリー使用量など)を参照できます。

監視の機能拡張には次のものが含まれます。

監視ポリシーを変更すると、変更はそのポリシーに関連付けられているすべてのアセットに適用されます。

オペレーティング・システムの場合、「Utilization」タブは、現在「OS Analytics」となっており、Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムの拡張使用率監視が含まれ、オペレーティング・システムの物理動作と仮想動作の分析、パフォーマンスの向上、およびインシデントの診断と解決を行うためのデータを提供しています。次のデータが収集されます。

2.10 アセット・タイプ

アセットの管理は、より範囲が広がり、詳細になりました。このバージョンのOracle Enterprise Manager Ops Centerソフトウェアは、x86プラットフォームのBIOS構成と、ラック、スイッチ、配電ユニットおよびストレージ・アプライアンスのファームウェア・プロビジョニングをレポートします。製品ソフトウェアの管理外で作成されたOracle SolarisゾーンおよびOracle VM Server for SPARCも、管理できるようになりました。Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、現在、前のバージョンのアセット・タイプに加え、次の物理アセットと仮想アセットを管理できます。

2.11 ユーザーおよびロール

より多くのロール・タイプがソフトウェアに追加されました。これらのロールによって、各ユーザーが実行できるアクションと各ユーザーが参照できるアセットを詳細に制御できます。

ユーザー・エクスペリエンスは、ユーザーおよびロールごとにカスタマイズできます。ログイン後の最初のビュー、タイムアウト間隔およびリフレッシュ間隔は変更できます。管理者は、ロールに基づいて使用可能なビューまたはアクションを変更できます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerにリモート・ディレクトリ・サーバーを追加して、そのユーザーおよびロールのデータをインポートします。

2.12 データベース・サポート

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、組込みまたはユーザー管理のOracle Database Enterprise Editionデータベースに製品データを格納できるようになりました。エンタープライズ・コントローラ専用にデータベースを設定するか、エンタープライズ・コントローラによってアクセスできる既存のデータベースを使用します。

2.13 高可用性

Oracle Clusterwareを使用する高可用性のサポートが追加されました。停止時間を回避するために複数のエンタープライズ・コントローラ・ノードを設定してフェイルオーバーできます。

高可用性は、プロキシ・コントローラ・レベルでも実装されています。プロキシ・コントローラが停止した場合、停止したプロキシ・コントローラから同じネットワーク上の別のプロキシ・コントローラにアセットを移行できます。

2.14 自動サービス・リクエスト

アセットの自動サービス・リクエストを生成するようにOracle Enterprise Manager Ops Centerを構成します。アセットにハードウェア障害が発生した場合、そのアセットに指定されている資格証明と連絡先情報を使用してサービス・リクエストが生成されます。

2.15 アセットの検出および管理

データ・センターのサーバー、ストレージ・デバイス、オペレーティング・システムおよび仮想システムの検出では、SSH、IPMI、Telnet、SNMPなどの複数の標準プロトコルのいずれかが使用されます。アセットは、そのサービス・タグによっても検出できます。

アセットは、検出後は管理対象アセットとなり、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのデータベースに登録されます。一部の環境では、アセットをプロビジョニングおよび監視し、そのファームウェアとオペレーティング・システムを更新できるように、エージェント・コントローラ・ソフトウェアがインストールされます。

管理対象アセットは、ユーザー・インタフェースの1つのペインに階層形式で表示され、アセット・タイプに基づいて1つ以上のグループに追加されます。グループとは、アセットを迅速に特定し、同じタイプのすべてのアセットに対して操作を実行できるようにアセットを編成した管理構造です。1つのアセットは、複数のグループに属することができます。

グループによって、特定のタイプのアセットを迅速に特定して表示できます。グループのすべてのアセットに対するコンプライアンス・チェックの実行、監視しきい値の変更、および検出資格証明の更新など、グループを操作できます。「Services」グループおよびサブグループには、アクションのターゲットになることができるすべてのアセットが、アクションごとに分類されて含まれます。たとえば、「OS Update」グループには、更新可能なすべてのオペレーティング・システムが含まれます。

各検出方法では、検出したアセットの管理も選択できるようになりました。

アセットを検出するには、特定の基準を使用するか、サービス・タグを検索するか、またはサーバー情報を指定します。

オペレーティング・システムは、現在、エージェント・コントローラの有無を問わず管理できます。オペレーティング・システムを管理する場合、管理にエージェント・コントローラを使用するかどうかを選択できます。

デプロイメント計画のセットは、Sun ZFS Storage Applianceのプロファイルおよび計画、代替ブート環境、BIOS構成、Oracle VM Server for x86仮想マシン、Oracle Solarisゾーンおよび検出プロファイルを含むように拡張されました。

2.16 自動プロビジョニング

複雑なデータ・センターのプロビジョニングは、繰返しが多く、一貫性がなく、エラーが起こりやすい面倒な作業です。Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、イメージ・ライブラリ、プロファイルおよびデプロイメント計画の組合せを使用して、ファームウェアとオペレーティング・システムのプロビジョニングを容易に実行できるようにします。エンタープライズ・コントローラにゴールデン・イメージのライブラリを維持し、プロファイルと計画を使用してそのイメージを適用する方法、時期および場所を制御します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerの管理者権限を持つユーザーは、ファームウェアとオペレーティング・システムのイメージのライブラリを管理し、プロファイルを使用して、そのイメージを適用する方法と時期の制御を確立できます。

プロファイルは、デプロイメント要件と構成要件を定義するテンプレートまたはスクリプトです。プロファイルを使用して、ハードウェア・アセットの構成、ファームウェアのデプロイ、オペレーティング・システムのプロビジョニング、Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムの更新といったタスクの一貫性を維持します。プロファイルを使用することで、システムにインストールできるものとできないものを一貫して定義し、1つ以上のデータ・センターに同一の方法でイメージを適用できます。

自動化を徹底するため、デプロイメント計画を使用して、アセットをデプロイするために実行する必要のある操作またはステップの順序、使用するプロファイル、およびターゲット・システムまたはホストを定義できます。複数のターゲットが含まれるデプロイメント計画のステップとしてプロファイルを使用する場合、多くのアセットを同時に構成できます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerには、仮想プラットフォームや論理ドメインを含むすべてのアセットに対応するテンプレートの包括的なセットがあります。デプロイメント・テンプレートには、カスタマイズされた計画を作成するために使用できる基本ビルディング・ブロックが含まれます。

2.16.1 ファームウェア・プロビジョニング

ファームウェア・プロビジョニングを使用して、サーバーやシャーシのファームウェアを追加または更新します。エンタープライズ・コントローラ・ソフトウェア・ライブラリのファームウェア・イメージのライブラリを作成および管理します。

ファームウェア・イメージは、関連付けられたメタデータが含まれる特定のシステム・ファームウェアのコピーです。ファームウェア・メタデータは、ファームウェア・イメージとターゲット・システム間の互換性の決定に役立ちます。必須のメタデータには、ファームウェア・タイプ、ファームウェアの対象となる1つ以上のシステム、ファームウェアのバージョン、および依存ファームウェア(ファームウェアが依存している他のファームウェア)が含まれます。

プロビジョニング・ジョブの実行方法を制御するため、管理者は、カスタマイズされたファームウェア・プロファイルを作成します。ファームウェア・プロファイルは、1つ以上のファームウェア・イメージと、システムで1つ以上のファームウェア・イメージを更新する方法を定義したポリシーのコレクションです。また、サーバー・セットのコンプライアンス・レポートの生成にも使用します。

イメージとプロファイルが確立されたら、ファームウェアの更新およびプロビジョニング・ジョブを即座に実行するか、特定の日時に実行するかをスケジュールできます。

2.16.2 オペレーティング・システム・プロビジョニング

オペレーティング・システム・プロビジョニングによって、サポートされているオペレーティング・システムを、ネットワークに接続されたシステムにインストールできます。オペレーティング・システムは、個々のシステムからではなく、製品のユーザー・インタフェースからプロビジョニング(インストール)できます。

ファームウェア・プロビジョニングと同様に、管理者は、ソフトウェア・ライブラリなどのリポジトリにオペレーティング・システム・イメージのライブラリを維持します。プロビジョニング・ジョブの実行方法を制御するため、管理者は、プロビジョニング・プロファイルを作成します。イメージとプロファイルが確立されたら、プロビジョニング・ジョブを即座に実行するか、特定の日時に実行するかをスケジュールします。単一のシステムまたはシステムのグループを選択してプロビジョニングできます。

オペレーティング・システム・プロファイルでは、ターゲット・システムのセットにインストールする場合のオペレーティング・システムの構成方法を指定します。プロファイルでは、インストールするオペレーティング・システム、インストールするソフトウェア・グループ、使用するディスク・パーティションとネットワーク設定などのオプションを指定します。各プロファイルは、特定のオペレーティング・システム・イメージに関連付けられます。各プロファイルには、1つのオペレーティング・システム・イメージ(または1つのオペレーティング・システム・イメージに関連付けられたFLAR)をインストールして構成する方法が記述されています。

2.17 更新プロセスの管理

オペレーティング・システムの更新は、複雑で時間のかかる、予測できないプロセスとなる可能性があります。警告、競合および状態を確認する必要のある依存性のリストが、際限なく続くように見えることがあります。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerは、多数の様々なオペレーティング・システムを更新する場合の複雑さの軽減、パッチ・インストール・プロセスの標準化、停止時間の最小化、変更の追跡、およびユーザー対話なしでのパッチ適用の自動化を目的に設計されています。ユーザーは、更新プロセス、自動化のレベル、スケジュール、および同時更新の数を制御します。1つのシステムまたはシステムのグループにカスタマイズされた制御を適用し、使用率の低い期間にデプロイする更新をスケジュールできます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、Oracle Solaris、LinuxおよびMicrosoft Windowsオペレーティング・システムの更新管理がサポートされます。エンタープライズ・レベルのユーザーは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerを使用してオペレーティング・システムを更新することで、いくつかの重要な利益を得ることができます。

シミュレーション機能によって、実際の更新を実行する前に更新ジョブをシミュレートすることで更新の依存性をテストできます。存在する異なるパッチ適用状況をインストール目的で管理し、パッチ適用状況を追跡できます。LinuxおよびOracle Solarisホストに対して更新シミュレーションを実行し、適用する更新を識別して、実際のデプロイメントに備えて更新をダウンロードできます。シミュレーションを実行することで、オペレーティング・システム更新ジョブをスケジュールする前に、更新ジョブの結果を確認して更新ポリシーと更新手順を調整できます。更新は、個々のシステムに、またはシステムのグループに同時にデプロイできます。このアプローチによって、オペレーティング・システムのステータスに予測可能性と一貫性が付与されます。

2.17.1 システム・カタログ

バージョン管理を維持するため、オペレーティング・システム・アセットの管理が開始されたときと、オペレーティング・システムになんらかのアクションが実行された後に、システム・カタログが作成されます。システム・カタログは、システムにインストールされているオペレーティング・システム・ソフトウェア・コンポーネントと日時タイムスタンプのリストが含まれるオペレーティング・システムのスナップショットです。システム・カタログはいつでも作成できます。

安全性を向上するため、更新をデプロイする前にシステムのシステム・カタログを作成できます。更新後に必要な場合は、保存したシステム状態に素早く簡単にロールバックできます。

システム・カタログによって、単一のオペレーティング・システムまたはオペレーティング・システムのグループにインストールされたソフトウェア・コンポーネントを操作する機能と、ロールバック機能が提供されます。カタログをプロファイルとして保存してから、そのプロファイルを使用してオペレーティング・システム更新ジョブを実行できます。オペレーティング・システム間でカタログを比較し、システムを作成するために後で使用できる保存済のカタログからプロファイルを作成できます。ソース・システムと同じターゲット・システムを作成することもできます。カタログの変更は、オペレーティング・システム更新ジョブを実行してコンポーネントをインストール、アンインストールまたはアップグレードする場合の代替オプションです。カタログを変更する場合、更新ジョブを実行するためのオペレーティング・システム更新プロファイルは必要ありません。これは、システムのコンポーネント構成を変更する簡単な方法です。

2.17.2 更新を検出およびデプロイする方法

ツールおよびレポートは、オペレーティング・システムに応じて異なります。Oracle SolarisおよびLinuxオペレーティング・システムに更新をインストールする手順は、よく似ています。Windowsを更新する手順では、Microsoft System Center Configuration Manager (SCCM)を使用してソフトウェアの更新を実装します。

LinuxおよびOracle Solarisオペレーティング・システムの更新機能によって、次の方法による更新を実行できます。

  • 1つ以上のシステムの更新ジョブの作成および実行

  • オペレーティング・システム・プロファイルによる更新

  • システム・カタログの変更

  • Oracle Solaris Live Upgradeを使用した代替ブート環境の作成、更新およびデプロイ

  • 推奨される更新を確認するために複数の更新レポートのいずれかを作成し、その後で更新をデプロイする方法

Oracle Solaris Live Upgradeでは、Oracle Solarisオペレーティング・システムの代替ブート環境の迅速な作成、ブート環境の更新、および本番環境へのホストの迅速なデプロイを行うことができます。必要に応じて、ブート環境を同期化して前のバージョンにロールバックできます。

2.18 動的インシデント管理

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、ヘルプ・デスク・アプローチを使用してインシデントを管理します。インシデントが検出されると、メッセージ・センターの「Unassigned Incidents」キューにクリティカル、警告または情報のアラートとして表示されます。電子メール・アドレスやページャにインシデントの通知を送信するようにソフトウェアを構成できます。すべてのインシデントの通知を受信することも、インシデントの重大度に基づいて電子メールまたはページャに受信する通知をフィルタすることもできます。

メッセージ・センターを使用して、未割当てのインシデント、自分に割り当てられたインシデント、および他のユーザーに割り当てられたインシデントを参照できます。管理者は、このページからインシデントを権限のあるユーザーに割り当て、ステータスおよび解決状態を監視できます。図2-2に、メッセージ・センターにおける未割当てのインシデントの表示(重大度レベルの内訳、カテゴリおよび重大度別のインシデントの表、および詳細セクションを含む)を示します。

図2-2 メッセージ・センターの未割当てのインシデント

図2-2の説明が続きます
「図2-2 メッセージ・センターの未割当てのインシデント」の説明

詳細セクションのインシデントを選択すると、インシデント、関連するアノテーション、コメントまたは推奨アクションを表示できます。様々なアノテーション・オプションによって、ステータス更新、ノートまたは推奨アクションを指定できます。権限レベルに応じて、インシデント・インスタンスのアノテーションを追加、編集または削除できます。

より高度なアノテーション・オプションを使用すると、権限のあるユーザーは、特定のインシデントおよびアセット・タイプ用のインシデント・ナレッジ・ベースにアノテーションを追加して、アノテーションを運用計画に関連付けることができます。この機能によって、アセットでそのタイプのインシデントが発生したときに、解決策を提供することや、自動的に応答することができます。

サポートされるシステムのインシデントがOracleサポートを必要とする場合、このページからサービス・リクエストを提出できます。また、このUIを通じて送信したサービス・リクエストのステータスを参照できます。

2.19 包括的レポート

レポートによって、アセット・ライフ・サイクルのすべてのフェーズの詳細が提供されます。ジョブ履歴、ファームウェア、オペレーティング・システムの更新に関する詳細情報を収集して、その情報をCSVまたはPDFに出力としてエクスポートできます。インシデント・レポートはHTMLにエクスポートされます。

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは次のレポートを作成できます。

2.19.1 インシデント・レポート

インシデント・レポートには、特定の管理対象アセットの詳細情報または特定のインシデントの詳細情報がまとめられます。

サマリー・レポートによって、検出されたインシデントの履歴の記録が提供されます。特定の期間、特定の重大度レベル、ステータス、インシデント・タイプ、またはインシデントの影響を受けるアセット・グループを対象にレポートを作成できます。これらのレポートは、傾向分析や、移行の準備を可能にするパターンの識別において非常に有益です。

詳細レポートは、選択した1つ以上のインシデントの詳細情報を含んでおり、インシデントの監査証跡を参照できます。

2.19.2 ファームウェア・コンプライアンス・レポート

ファームウェア・コンプライアンス・レポートによって、データ・センター全体で一貫したファームウェア・バージョンを維持できます。いずれかのファームウェア・プロファイルをレポートに関連付け、ファームウェア・コンプライアンス・レポートを実行して、アセットのファームウェアがファームウェア・プロファイルの仕様に準拠しているかどうかを確認できます。プロファイルに指定されたファームウェア・バージョンがアセットに含まれない場合、レポートからファームウェアを更新できます。

2.19.3 更新レポート

ファームウェア・コンプライアンス・レポートと同様に、更新レポートでは、オペレーティング・システムのコンプライアンス状態の詳細が提供され、パッチおよびパッケージが推奨されます。レポートを生成してパッチ・レベルの状態を参照してから、レポート出力を使用して特定のオペレーティング・システムを更新します。

更新レポートによって、新しいパッチとセキュリティ・アドバイザを確認できます。一般レポートを取得するか、利用可能な修正のためにシステムまたはインストール済パッケージをテストできます。監査目的で、ジョブ履歴レポートを作成できます。Linux、Oracle SolarisおよびWindowsオペレーティング・システムで複数のレポートを使用できます。

次のコンプライアンス・レポートは、3つのすべてのタイプのオペレーティング・システムで使用できます。ホスト・コンプライアンス: システムがセキュリティおよびバグ修正インシデントに準拠しているかどうかに関する情報を提供します。インシデンス・コンプライアンス: 選択したオペレーティング・システムの更新が適用されるシステムの数に関する情報を提供します。

前述のレポートに加え、LinuxおよびOracle Solarisオペレーティング・システムでは次のレポートを使用できます。

  • ジョブ履歴: 管理対象システムのOracle Enterprise Manager Ops Centerによって完了されたオペレーティング・システムの更新のインストールおよびアンインストール・ジョブの履歴を提供します。

  • CVEコンプライアンス: 特定の共通脆弱性識別子(CVE ID)に関連付けられたインシデントと、それらのインシデントがインストールされているシステムに関する情報を提供します。CVE IDは、広く知られたセキュリティの脆弱性に関する共通の一意識別子です。

  • ディストリビューション更新: すべての既知のディストリビューションおよびローカル・インシデントの基本情報を提供します。

  • パッケージ・コンプライアンス: 使用可能な最新の推奨バージョンに準拠しているか、または準拠していない管理対象システム上で選択したパッケージの詳細を提供します。

  • 推奨ソフトウェア構成(RSC): 特定のアプリケーションをインストールするためのシステム・コンプライアンスに関する情報を提供します。たとえば、Oracle 11g Databaseをインストールする前に、Oracle Solarisオペレーティング・システムでパッチ要件を確認できます。

  • サービス・パック・コンプライアンス(Linux): ベンダーによるサービス・パックの公開およびリリースによって作成されたインシデントに関する情報を提供します。これにより、ベンダーによってリリースされた最新のサービス・パックがシステムに存在するかどうかを確認できます。

  • Oracle Solaris更新コンプライアンス(Oracle Solaris): Oracle Solarisシステムが特定の更新に準拠しているかどうかに関する情報を提供します。

  • ベースライン分析(Oracle Solaris): 新しくリリースされたOracle Solarisベースラインを基準としてシステムのコンプライアンスを確認できます。

2.19.4 サーバー・プロビジョニング・レポート

このレポートを使用して、サーバー・プロビジョニング・アクションの履歴を取得できます。このレポートを実行して、指定した期間内に発生したデプロイメント計画プロビジョニング・アクティビティの詳細を取得します。プロビジョニング・ジョブを実行したユーザー、選択されたプロファイル、最終結果など、アクティビティに関する特定の情報を取得できます。

2.19.5 ハードウェア構成レポート

ハードウェア構成レポートを使用して、ハードウェアの変更履歴およびインベントリを取得します。インベントリ・レポートによって、ハードウェア・アセットまたはコンポーネント(あるいはその両方)でフィルタを実行できます。レポート出力の内容とそのソートのために、アセットおよびコンポーネント・プロパティを選択します。

ハードウェア構成レポートによって、次のタイプの情報を参照できます。

  • 単一のサーバーまたはサーバーのグループ全体におけるハードウェア構成の変更

  • すべてのアセットまたは選択したアセットを対象とするハードウェア・ビューでレポートされる様々なコンポーネントのハードウェア・インベントリ

  • 指定したハードウェア・コンポーネントの属性(モデルや部品番号など)に基づくハードウェア・インベントリ

  • アセット・タイプ・モデルに基づくハードウェア・インベントリ

2.19.6 仮想化分析

仮想化分析ビューでは、実行中のオペレーティング・システム・インスタンスごとに物理サーバーのリソース使用率が表示され、制御ドメインまたはグローバル・ゾーン、および各非グローバル・ゾーンまたはゲストによって消費される物理リソースが示されます。Oracle VM Server for x86のメトリックは、Oracle VM Managerを通じて使用できます。

2.20 IPMPグループ・エディタでのわかりやすい名前の表示

このリリースの新機能

Create IPMP GroupウィザードのIPMP (IPネットワーク・マルチパス)グループ・エディタには、クラスレス・ドメイン間ルーティング(CIDR)ではなく、わかりやすい名前が表示されるようになりました。

わかりやすい名前とは、ユーザー定義名のことです。ユーザーは、管理ネットワーク1のようなユーザー定義名を使用して、ネットワークを識別できます。わかりやすい名前を使用することで、複数のネットワーク範囲を持つユーザーのユーザビリティ問題が軽減されます。

2.21 論理ドメインのデプロイメント時にCPU設定を要求

このリリースの新機能

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、論理ドメインのデプロイメント計画で、CPU/メモリー/暗号化の設定を常に要求するようにできます。これにより、Oracle VM Server for SPARCの各種サイズ(16 x 16、32 x 16、32 x 32、32 x 64など)を指定する膨大な数のプロファイルを事前に作成する必要がなくなります。CPU/メモリー/暗号化の設定は、デプロイメント計画を実行するたびに調整する必要があります。

Create Logical DomainまたはConfigure and Install Logical Domains計画の実行時に、Oracle VM Server for SPARCのstorage and networkプロファイルとOracle VM Server for SPARCのsizeプロファイルとを組み合せて、必要な集約プロファイルが形成されます。

Oracle VM Server for SPARCのsizeプロファイルは、デプロイメント時に、使用可能なすべてのサイズを示すメニューとして表示されます。

allow me to override everythingモードでは、Oracle VM Server for SPARCのsizeプロファイルを選択すると、CPU/メモリー/暗号化の設定を個別に調整できるようになります。

2.22 同じvswitchを使用してネットワークを複数回接続

このリリースの新機能

Oracle Enterprise Manager Ops Centerでは、同じvswitchを使用してネットワークをOracle VM Server for SPARCゲストに複数回接続するようプロビジョニングします。

2.23 SolarisによるMSRの初期化およびインポート機能のリリース

このリリースの新機能

MSRとは、エンタープライズ・コントローラに配置されたOracle Solaris 11のリポジトリです。MSRには、エージェント管理(Oracle Solaris 11オペレーティング・システムのプロビジョニングや更新など)のサポートに使用するOracle Solaris 11パッケージが含まれます。

SolarisではMSRの初期化およびISOからのインポート機能がリリースされました。ISOには、リリース全体のISOとSRU別の増分ISOがあります。UIではこれを認識して、手動によるマウントやpkgrepo操作を必要としない簡単なインポートに対応します。これにより、MSRの初期化が高速化され、ユーザーの操作性が向上します。

2.24 インシデントの展開表示

このリリースの新機能

選択したアセットの「Dashboard」タブでは、中央ペインにオープン・インシデントのステータスが表示されるようになりました。

また、選択したアセットの「Incidents」タブ(中央ペイン)、「Alerts」タブの順にドリルダウンすると、インシデントの現在のステータスを確認できます。

2.25 新しいシステムのサポート

このリリースの新機能

Oracle SPARC T5-1B、Oracle SPARC T5-2、Oracle SPARC T5-4およびOracle SPARC T5-8の各サーバーに対するサポートが追加されました。

SPARC T5サーバーは、Oracleが提供する次世代のT4 SPARCボリューム・サーバーです。T5サーバーは、Sun4V (SPARC T5)チップ・アーキテクチャを基盤とし、Oracle VM Server for SPARC 3.0の拡張機能をサポートします。T5は、ILOM 3.2が有効なSDM (Simplified Data Model)で動作します。

SPARC T5サーバーは、次の4つのモデルで提供されています。

SPARC T5サーバーの詳細は、Oracle Enterprise Manager Ops Center Oracle SPARC T5サーバーの検出と管理を参照してください。

2.26 間接的なCSIのサポート

このリリースの新機能

間接的なカスタマ・サービス識別子(CSI)を使用して、サービス・リクエスト(自動サービス・リクエストを含む)を作成できるようになりました。間接的なCSIは、認証に表示されているMy Oracle Support (MOS)資格証明の有効なセットに関連付けられている必要があります。サービス・リクエストの作成の詳細は、 『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』「自動サービス・リクエスト」を参照してください。

2.27 プロキシ・コントローラの高可用性機能の拡張

このリリースの新機能

プロキシ・コントローラの高可用性機能が拡張されました。プロキシ・コントローラで障害が発生すると、そのアセットは使用可能な別のプロキシ・コントローラに自動的に移行されます。高可用性の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』「高可用性」を参照してください。