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Oracle® Enterprise Manager Ops Center管理ガイド
12c リリース1 (12.1.3.0.0)
B71914-02
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10 アップグレード

現在、Oracle Enterprise Manager Ops Center 12cを使用している場合はOracle Enterprise Manager Ops Center 12cの最新バージョンに、Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gリリース1 Update 3を使用している場合はOracle Enterprise Manager Ops Center 12cにアップグレードできます。

この章では次の機能とトピックについて説明します。

10.1 アップグレードの概要

Oracle Enterprise Manager Ops Center 12cから最新バージョンのOracle Enterprise Manager Ops Centerにアップグレードすることができます。Oracle Enterprise Manager Ops Center 11g Update 3を使用している場合は、バージョン12.1.1.0.0にアップグレードしてから最新バージョンにアップグレードする必要があります。

この項で説明する手順の一部では、ecadmproxyadmおよびagentadmコマンドが使用されます。これらのコマンドの詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド』を参照してください。


注意:

現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gを使用している場合は、ecadmコマンドのかわりにsatadmコマンドを使用する必要があります。これらのコマンドの目的は同じであり、目的を実行する手順では同じ構文を使用します。

10.1.1 アップグレードの計画

新しいバージョンのOracle Enterprise Manager Ops Centerにアップグレードすると、システムの要件が変更されて、既存の設定やデータに影響することがあります。アップグレードの計画は次の手順で行います。

  • インストール前の要件や既知の問題は、『Oracle Enterprise Manager Ops Centerリリース・ノート』を参照してください。

  • 一部のシステム要件が変更されているため、システムが『Oracle Enterprise Manager Ops Centerインストレーション・ガイドfor Oracle Solaris Operating System』または『Oracle Enterprise Manager Ops Centerインストレーション・ガイドfor Linux Operating Systems』に記載されているシステム要件を満たすことを確認します。

    OCDoctorを使用してシステム要件をチェックできます。OCDoctorの詳細は、http://java.net/projects/oc-doctorを参照してください。

  • uce.rcファイルを変更した場合、アップグレードによって変更内容が消去されます。.uce.rcファイルの変更内容をコピーしてから、アップグレードを開始します。

  • エンタープライズ・コントローラの自己署名Webサーバー証明書を置換した場合は、アップグレードによってWebサーバー構成の変更が消去されるため、証明書も消去される可能性があります。証明書を安全な場所にコピーしてから、アップグレードを開始します。アップグレード後に、構成の変更を再適用して、証明書を元の場所にコピーします。

  • バージョン11gからバージョン12cにアップグレードする場合は、いくつかの機能が変更されたために、環境を変更する必要があります。

    • バージョン11gの検出条件は、検出プロファイルに変換されます。新しい検出プロファイルを使用してアセットを検出するためには、新しい資格証明を作成して検出プロファイルに関連付ける必要があります。

    • バージョン11gのエンタープライズ・コントローラで検出されて管理されていなかったアセットは、バージョン12cで再検出する必要があります。

    • プロキシ・コントローラがアセットにアクセスするために使用していた資格証明が変更された場合、管理資格証明を作成してアセットに割り当てる必要があります。

    • バージョン11gのレポートを再実行する必要があります。

    • Solaris更新コンプライアンス・レポートはバージョン12cではサポートされなくなります。Solaris更新コンプライアンス・レポート・テンプレートは移行されません。

10.1.2 データベースの要件

Oracle Enterprise Manager Ops Centerバージョン12cは、エンタープライズ・コントローラ・システム上の埋込みデータベースまたはユーザー管理データベースを使用できます。バージョン11gからアップグレードする場合、どちらのデータベース構成にも切り替えることができます。バージョン12cからアップグレードする場合は、アップグレード時に既存のデータベース構成を変更することはできません。

埋込みデータベースはOracle Enterprise Manager Ops Centerによって構成および管理されます。埋込みデータベースでは、10 GBの領域に加えて、管理対象アセットごとに240 MB、UCEチャネルごとに400 MB、さらに/var/opt/sun/xvm/db/mgmtディレクトリとvar/opt/sun/xvm/db/reportディレクトリが現在使用している領域の20%が必要です。

ユーザー管理データベースを使用するために互換性のあるデータベースをインストールして構成する必要があります。ユーザー管理データベースの使用には、エンタープライズ・コントローラで必要となる領域以外は必要ありません。

10.1.3 環境のアップグレード

ユーザー・インタフェースまたはコマンドラインからアップグレードを実行できます。バージョン11gからアップグレードして、埋込みOracleデータベースを使用する予定の場合、ユーザー・インタフェースからもコマンドラインからもアップグレードを実行できます。バージョン11gからアップグレードして、ユーザー管理データベースを使用する予定の場合は、コマンドラインからアップグレードを実行できます。


注意:

アップグレード・プロセスによりエンタープライズ・コントローラのバックアップ・ファイルが作成されます。アップグレードが失敗すると、エンタープライズ・コントローラがアンインストールされ、最初のバージョンのエンタープライズ・コントローラが再インストールされ、システムがバックアップ・ファイルから自動的にリストアされます。

次の順序でシステムをアップグレードします。

  1. 環境に対応するアップグレード・バンドルをダウンロードします。

  2. エンタープライズ・コントローラをアップグレードします。同じ場所にあるプロキシ・コントローラもアップグレードされます。

    高可用性構成の場合は、「HA構成のエンタープライズ・コントローラのアップグレード」に従ってエンタープライズ・コントローラをアップグレードします。

  3. 別の場所にあるプロキシ・コントローラをアップグレードします。

  4. UIを介して、または手動でエージェント・コントローラをアップグレードします。

データ・センターが大規模な場合は、一度に1つのプロキシ・コントローラをアップグレードできます。この場合は、次の順序でシステムをアップグレードします。

  1. 環境に対応するアップグレード・バンドルをダウンロードします。

  2. エンタープライズ・コントローラをアップグレードします。

    高可用性構成の場合は、「HA構成のエンタープライズ・コントローラのアップグレード」に従ってエンタープライズ・コントローラをアップグレードします。

  3. 1つのプロキシ・コントローラをアップグレードします。

  4. アップグレードしたプロキシ・コントローラで管理されるエージェント・コントローラをアップグレードします。

  5. 次のプロキシ・コントローラをアップグレードします。

  6. アップグレードしたプロキシ・コントローラで管理されるエージェント・コントローラをアップグレードします。

  7. プロキシ・コントローラごとに手順5と6を繰り返します。

どちらの場合も、アップグレードを開始したらできるだけ早く完了してください。すべてのシステムがアップグレードされるまでは、エンタープライズ・コントローラまたはプロキシ・コントローラを再起動しないでください。

10.2 アップグレードのダウンロード

Oracle Enterprise Manager Ops Centerのアップグレードをダウンロードできます。これには、エンタープライズ・コントローラ、プロキシ・コントローラおよびエージェント・コントローラのアップグレードが含まれます。アップグレードをダウンロードしても、管理対象アセットにはインストールされません。

アップグレード・バンドルは、ユーザー・インタフェース、Oracle Technology Networkまたはe-Deliveryからダウンロードできます。

各アップグレード・バンドルには以前のアップグレード・バンドルが含まれるため、システムをアップグレードするために最新のアップグレードのみをダウンロードして適用できます。

10.2.1 「Ops Center Downloads」からのアップグレードのダウンロード

ユーザー・インタフェースからOracle Enterprise Manager Ops Centerのアップグレードをダウンロードできます。

アップグレードは次のディレクトリにダウンロードされます。

  • エンタープライズ・コントローラのアップグレード: /var/opt/sun/xvm/images/productUpdate

  • プロキシ・コントローラのアップグレード: /var/opt/sun/xvm/images/productUpdate

  • エージェント・コントローラのアップグレード: /var/opt/sun/xvm/images/agent

アップグレードを確認してダウンロードする手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Ops Center Downloads」をクリックします。

    Ops Center Downloadsウィザードが表示されます。

  3. (オプション)ダウンロードの「details」アイコンにカーソルを置くと、詳細が表示されます。

  4. 1つ以上のダウンロードを選択して、「Next」をクリックします。

    「View License」ページが表示されます。

  5. ライセンスを読んで「Accept」をクリックします。

    「Download Status」ページが表示されます。

  6. 「I wish to download the remaining upgrades in the background」を選択するか、ダウンロードが完了するまで待機します。

  7. 「Next」をクリックします。

    「Summary」ページが表示されます。

  8. 「Finish」をクリックします。

    アップグレードを使用できます。

10.2.2 Oracle Technology Networkからのアップグレードのダウンロード

Oracle Technology Networkからエンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラのアップグレード・バンドルをダウンロードできます。

  1. 「Oracle Technology Network Oracle Enterprise Manager Ops Center」ページ(http://www.oracle.com/technetwork/oem/ops-center/index.html)にログインします。

  2. 「Enterprise Manager Downloads」サイドバーで「Enterprise Manager Ops Center」をクリックします。

  3. 「Accept License Agreement」を選択します。

  4. 適切なバンドルをダウンロードします。

    • 適切なオペレーティング・システムとアーキテクチャに対応するエンタープライズ・コントローラ・バンドルをクリックすると、フル・バンドルがダウンロードされます。このバンドルには、選択したアーキテクチャとオペレーティング・システムに対応するエンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラのファイル、すべてのサポート対象オペレーティング・システムとアーキテクチャに対応するエージェント・コントローラ・ファイルが含まれます。

    • 適切なオペレーティング・システムとアーキテクチャに対応するプロキシ・コントローラ・バンドルをクリックすると、プロキシ・コントローラのインストレーション・バンドルがダウンロードされます。このバンドルは手動でリモート・プロキシ・コントローラをインストールするために使用されます。

10.2.3 e-Deliveryからのアップグレードのダウンロード

e-Deliveryからエンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラのアップグレード・バンドルをダウンロードできます。

e-Deliveryからアップグレードをダウンロードする手順

  1. Oracle e-Delivery Webサイト(http://edelivery.oracle.com)にログインします。

  2. 「Software License Agreement」と「Export Restrictions」を読んで、同意したら「Continue」をクリックします。

  3. 「Oracle Enterprise Manager product pack」と環境の正しいプラットフォームを選択して、「Go」をクリックします。

    ダウンロード・パックのリストが表示されます。

  4. 「Oracle Enterprise Manger Ops Center 12c Release 1 Media Pack」を選択し、「Continue」をクリックします。

    ダウンロードできるバンドルのリストが表示されます。

  5. 適切なバンドルをダウンロードします。

    • 適切なオペレーティング・システムとアーキテクチャのエンタープライズ・コントローラ・バンドルの横の「download」をクリックすると、フル・バンドルがダウンロードされます。ダウンロードされたバンドルをローカルに保存します。このバンドルには、選択したアーキテクチャとオペレーティング・システムに対応するエンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラのファイル、すべてのサポート対象オペレーティング・システムとアーキテクチャに対応するエージェント・コントローラ・ファイルが含まれます。

    • 適切なオペレーティング・システムとアーキテクチャのプロキシ・コントローラ・バンドルの横の「download」をクリックすると、プロキシ・コントローラのインストレーション・バンドルがダウンロードされます。ダウンロードされたバンドルをローカルに保存します。このバンドルは手動でリモート・プロキシ・コントローラをインストールするために使用されます。

10.3 エンタープライズ・コントローラのアップグレード

アップグレード・バンドルをダウンロードしたら、エンタープライズ・コントローラをアップグレードできます。

ユーザー・インタフェースまたはコマンドラインからアップグレードを実行できます。バージョン11gからアップグレードして、埋込みOracleデータベースを使用する予定の場合、ユーザー・インタフェースからもコマンドラインからもアップグレードを実行できます。バージョン11gからアップグレードして、ユーザー管理データベースを使用する予定の場合は、コマンドラインからアップグレードを実行できます。

10.3.1 HA構成のエンタープライズ・コントローラのアップグレード

高可用性構成の複数のエンタープライズ・コントローラがある場合は、一緒にアップグレードすることができます。

始める前に

エンタープライズ・コントローラをアップグレードする前に次の操作を実行します。

  • エンタープライズ・コントローラのアップグレードをダウンロードします。

  • エンタープライズ・コントローラを更新する前に、保留中やスケジュール済のジョブを確認します。アップグレードの際にエンタープライズ・コントローラが停止されるため、実行中のジョブは失敗します。

  • OCDoctorを使用して、エンタープライズ・コントローラ・システムに未処理の問題がないことを確認します。各エンタープライズ・コントローラ・システムにログインしてから、--updateオプションを指定してOCDoctorを実行し、次に--troubleshootオプションを指定してOCDoctorスクリプトを実行します。OCDoctorの詳細は、「OCDoctor」の章を参照してください。

HA構成のエンタープライズ・コントローラをアップグレードする手順

  1. エンタープライズ・コントローラ・ノードの1つと同じ場所にプロキシ・コントローラがある場合は、ecadmコマンドとha-relocateサブコマンドを使用して、そのノードをプライマリ・ノードにします。

  2. 複数のエンタープライズ・コントローラ・ノードと同じ場所にプロキシ・コントローラがある場合は、「プロキシ・コントローラ間でのアセットの移行」の説明に従って、それらのプロキシ・コントローラのすべてのアセットをリモート・プロキシ・コントローラか、プライマリ・ノードのプロキシ・コントローラに移行します。

  3. 各スタンバイ・ノードでecadmコマンドとha-unconfigure-standbyサブコマンドを使用して、HA構成のスタンバイ・ノードノードの構成を解除します。

  4. 「エンタープライズ・コントローラのアンインストールおよび構成解除」の説明に従って、スタンバイ・ノードのエンタープライズ・コントローラをアンインストールし、その後でシステムを再起動します。

  5. ecadmコマンドとha-unconfigure-primaryサブコマンドを使用して、高可用性構成の一部としてのエンタープライズ・コントローラの構成を解除します。

    アクティブ・エンタープライズ・コントローラ・ノードのアクティブ・ノードとしての構成が解除されます。

  6. 残っているエンタープライズ・コントローラ・システムで、svc:/application/scn/satellite-enable SMFサービスのstart/execプロパティを更新します。

    1. svc:/application/scn/satellite-enableサービスのstart/execプロパティを:trueに変更します。次に例を示します。

      # /usr/sbin/svccfg
      svc:> select svc:/application/scn/satellite-enable
      svc:/application/scn/satellite-enable> setprop start/exec = :true
      svc:/application/scn/satellite-enable> end
      
    2. svc:/application/scn/satellite-enableサービスをリフレッシュします。次に例を示します。

      # /usr/sbin/svcadm refresh svc:/application/scn/satellite-enable:default
      
    3. プロパティが変更されたことを確認します。次に例を示します。

      # svcprop -p start/exec svc:/application/scn/satellite-enable:default
      :true
      
  7. ecadmコマンド、startサブコマンドおよび-wオプションを使用して、アクティブ・ノードを起動します。

    エンタープライズ・コントローラが再起動します。

  8. 「ユーザー・インタフェースからの単一エンタープライズ・コントローラのアップグレード」の手順または「コマンドラインからの単一エンタープライズ・コントローラのアップグレード」の手順を使用して、アクティブ・ノードをアップグレードします。

  9. 「単一エンタープライズ・コントローラから高可用性への変換」の説明に従って、アップグレードされたスタンドアロン・エンタープライズ・コントローラをHA構成に変換します。この手順には、スタンバイ・ノードでの最新エンタープライズ・コントローラ・バージョンのインストールも含まれます。

10.3.2 ユーザー・インタフェースからの単一エンタープライズ・コントローラのアップグレード

次の手順では、エンタープライズ・コントローラをアップグレードする方法を説明します。ユーザー・インタフェースでアップグレードを確認してインストールできます。

アップグレードのログ・ファイルは、エンタープライズ・コントローラの/var/opt/sun/xvm/update-saved-stateディレクトリに格納されます。


注意:

現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gを使用している場合は、コマンドラインからシステムをアップグレードする必要があります。

始める前に

エンタープライズ・コントローラをアップグレードする前に次の操作を実行します。

  • エンタープライズ・コントローラのアップグレード・バンドルをダウンロードします。

  • エンタープライズ・コントローラを更新する前に、保留中やスケジュール済のジョブを確認します。アップグレードの際にエンタープライズ・コントローラが停止されるため、実行中のジョブは失敗します。

  • OCDoctorを使用して、エンタープライズ・コントローラ・システムに未処理の問題がないことを確認します。エンタープライズ・コントローラにログインしてから、--updateオプションを指定してOCDoctorを実行し、次に--troubleshootオプションを指定してOCDoctorスクリプトを実行します。OCDoctorの詳細は、「OCDoctor」の章を参照してください。

エンタープライズ・コントローラをアップグレードする手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Upgrade Enterprise Controller」をクリックします。

    Upgrade Enterprise Controllerウィザードが表示されます。ダウンロードできるすべてのエンタープライズ・コントローラ・アップグレードが表示されます。

  3. (オプション)アップグレードの「details」アイコンにマウス・カーソルを置くと、詳細が表示されます。

  4. アップグレードを選択して、「Next」をクリックします。現在のOracle Enterprise Manager Ops Centerのインストール・ファイルが見つからない場合、「Install Path Verification」ページが表示されます。アップグレードが失敗した場合に、インストール・ファイルがロールバックのために使用されます。

  5. 「Install Path Verification」ページが表示されたら、Oracle Enterprise Manager Ops Centerインストーラのパスを入力し、「Next」をクリックします。デフォルトでは、アップグレードが失敗した場合に変更を元に戻すために、アップグレード・プロセスによって/var/opt/sun/xvm/update-saved-state/ディレクトリが使用されます。このディレクトリが存在しない場合は、古いバージョンを再インストールしてシステムをリストアするために以前のバージョンのインストーラが使用されます。

  6. 「Job Details」ページが表示されます。アップグレードの際にエンタープライズ・コントローラが停止すると、実行しているすべてのジョブが失敗します。ジョブの詳細を確認し、「Next」をクリックします。「Summary」ページが表示されます。

  7. 「Finish」をクリックします。

    アップグレードが開始されます。アップグレードには1時間近くかかることがあり、その間エンタープライズ・コントローラにはアクセスできません。ブラウザを定期的にリロードすると、アップグレードが完了したときにログイン・ページが正常に表示されます。

  8. バージョン12cからバージョン12c Update 1にアップグレードするとき、環境でユーザー管理データベースを使用する場合は、データベース権限を更新します。

    1. refactorOCPrivs_12.1.1.0.sqlスクリプトをエンタープライズ・コントローラ・システムからユーザー管理データベース・システムにコピーします。

      Oracle Solarisシステムではこのスクリプトは/opt/ORCLsysman-db/sql/update/delta-update1/oracle/ディレクトリにあります。

      Linuxシステムではこのスクリプトは/opt/orcl-sysman-db/sql/update/delta-update1/oracle/ディレクトリにあります。

    2. SYSユーザーとしてSQLスクリプトを実行します。プロンプトが表示されたら、該当するプロンプトでOps Centerデータベース・ログインと読取り専用Ops Centerデータベース・ログインのスキーマ名を指定します。これらのパラメータは、createOCSchema_remote.sqlスクリプトを使用して最初のOps Centerログインが作成されたときに指定されたものです。これらのパラメータは、/opt/sun/xvm/db.propertiesファイルのmgmtdb.appusermgmtdb.roappuserで確認できます。

      次に例を示します。

      sqlplus / as sysdba @refactorOCPrivs_12.1.1.0.sql
       
      Enter username for Ops Center database login: OC
      Enter username for read only Ops Center database login: OC_RO
      
  9. ブラウザ・キャッシュを消去し、ブラウザをリフレッシュしてから、新しくアップグレードされたエンタープライズ・コントローラにログインします。

  10. ecadmコマンドとbackupサブコマンドを使用してOracle Enterprise Manager Ops Centerのデータをバックアップします。

10.3.3 コマンドラインからの単一エンタープライズ・コントローラのアップグレード

次の手順では、埋込みデータベースまたはユーザー管理データベースを含むエンタープライズ・コントローラをアップグレードする方法を説明します。Oracle Enterprise Manager Ops Centerを非接続モードで実行している場合は、手動でアップグレードする必要があります。同じ場所にあるプロキシ・コントローラは、有効になっていなくてもアップグレードされます。

エンタープライズ・コントローラのアップグレード・ログは、/var/opt/sun/xvm/update-saved-state/update_satellite_bundle_<version number>/updatelog.txtとしてローカルに保存されます。

アップグレードのログ・ファイルは、エンタープライズ・コントローラの/var/opt/sun/xvm/update-saved-stateディレクトリに格納されます。

このプロセスでエラーが発生すると、システムは以前のバージョンにリストアされます。

始める前に

エンタープライズ・コントローラをアップグレードする前に次の操作を実行します。

  • アップグレード・バンドルのためにエンタープライズ・コントローラに少なくとも5GBの空き領域があることを確認します。

  • Oracleからアップグレード・バンドルを取得して、エンタープライズ・コントローラ・システムに転送します。

  • エンタープライズ・コントローラを更新する前に、保留中やスケジュール済のジョブを確認します。アップグレードの際にエンタープライズ・コントローラが停止されるため、実行中のジョブは失敗します。アップグレードの適用中には、スケジュール済ジョブを起動できません。

  • OCDoctorを使用して、エンタープライズ・コントローラ・システムに未処理の問題がないことを確認します。エンタープライズ・コントローラにログインしてから、--updateオプションを指定してOCDoctorを実行し、次に--troubleshootオプションを指定してOCDoctorスクリプトを実行します。OCDoctorの詳細は、「OCDoctor」の章を参照してください。

  • Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gからアップグレードする場合に、ユーザー管理データベースの使用を計画しているときは、Oracle Enterprise Manager Ops Centerのリポジトリとして使用されるOracle Database Enterprise Editionデータベースを含むシステムを指定する必要があります。

  • Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gからアップグレードする場合に、埋込みデータベースの使用を計画しているときは、必要なOracle Database 11g Enterprise Editionバージョン11.2.0.3インストレーション・バンドルをダウンロードする必要があります。


    注意:

    この手順では有効なMy Oracle Support (MOS)アカウントが必要です。このアカウントは、ソフトウェア契約によってカスタマ・サービス識別子(CSI)に関連付けられている必要があります。

    1. エンタープライズ・コントローラ・システムに/var/tmp/downloadsディレクトリを作成します。

    2. http://support.oracle.comにナビゲートして「Sign In」をクリックし、My Oracle Support (MOS)資格証明を使用してサインインします。

    3. 「Patches & Updates」タブをクリックします。

    4. 「Patch Name」または「Number」の横のフィールドに10404530と入力します。

    5. 「Platform」の横のドロップダウン・リストでエンタープライズ・コントローラ・システムのオペレーティング・システムとアーキテクチャを選択します。

    6. 「Search」をクリックします。

      Oracle Database 11g Enterprise Editionバージョン11.2.0.3パッチ・セットが表示されます。

    7. 「Download」をクリックします。

      ファイル・ダウンロード・ポップアップが表示されます。

    8. 最初の2つのファイルをダウンロードします。これらのファイルの末尾は、Oracle Solarisでは_1of6.zip_2of6.zip、Linuxでは_1of7.zip_2of7.zipです。

    9. ダウンロードしたインストレーション・バンドルを、エンタープライズ・コントローラ・システム上の/var/tmp/downloadsディレクトリにコピーまたは移動します。

10.3.3.1 埋込みデータベースを含むエンタープライズ・コントローラのアップグレード

この手順では、埋込みデータベースを含むエンタープライズ・コントローラをアップグレードする方法を説明します。バージョン11gを使用している場合は、この手順で埋込みデータベースのインストールと構成を行います。

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラにログインします。

  2. エンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。

    • 現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 12cを使用している場合は、ecadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。必要であれば、ecadm startコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを起動します。

      # /opt/SUNWxvmoc/bin/ecadm status
      online
      
    • 現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gを使用している場合は、satadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。必要であれば、satadm startコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを起動します。

      # /opt/SUNWxvmoc/bin/satadm status
      online
      
  3. Oracle Enterprise Manager Ops Centerをインストールしたディレクトリ内に一時ディレクトリを作成し、アップグレード・バンドルを新しいディレクトリにコピーまたは移動します。次に例を示します。

    # mkdir /var/tmp/OC/update
    # cp enterprise-controller.Solaris.sparc.12.1.0.2001.tar.zip /var/tmp/OC/update
    
  4. アップグレード・バンドルを含むディレクトリに移動します。

    # cd /var/tmp/OC/update
    
  5. バンドルを解凍します。

    • インストール・アーカイブの拡張子が.tar.zipの場合は、unzipコマンドとtarコマンドを使用してアーカイブを解凍し、一時ディレクトリの内容をリスト表示します。次のコマンド例では元の圧縮アーカイブ・ファイルが保持されます。次に例を示します。

      # unzip enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip | tar xf -
      # ls
      enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip
      xvmoc_full_bundle
      #
      
    • インストール・アーカイブの拡張子が.zipの場合は、unzipコマンドを使用してアーカイブを解凍します。次に例を示します。

      # unzip enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.zip
      # ls
      enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.zip
      xvmoc_full_bundle
      #
      
  6. xvmoc_full_bundleディレクトリに移動し、インストール・スクリプトを実行します。

    # cd xvmoc_full_bundle
    # ./install
    

    インストール・スクリプトでは次のオプションを使用できます。

    --verboseまたは-v: アップグレード・プログラムの出力の冗長性を上げます。このオプションを指定しないと、出力は冗長ではなくなります。

    アップグレードが完了すると、すべてのOracle Enterprise Manager Ops Centerコンポーネントが最新バージョンにアップグレードされたことがインストール・スクリプトによって示されます。

  7. ブラウザ・キャッシュを消去し、ブラウザをリフレッシュしてから、新しくアップグレードされたエンタープライズ・コントローラにログインします。

  8. ecadmコマンドとbackupサブコマンドを使用してOracle Enterprise Manager Ops Centerのデータをバックアップします。

10.3.3.2 ユーザー管理データベースを含むエンタープライズ・コントローラのアップグレード

この手順では、ユーザー管理データベースを含むエンタープライズ・コントローラをアップグレードする方法を説明します。バージョン11gを使用している場合は、この手順でOracle Enterprise Manager Ops Centerがユーザー管理データベースを使用するように構成します。

  1. rootとしてエンタープライズ・コントローラにログインします。

  2. エンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。

    • 現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 12cを使用している場合は、ecadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。必要であれば、ecadm startコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを起動します。

      # /opt/SUNWxvmoc/bin/ecadm status
      online
      
    • 現在Oracle Enterprise Manager Ops Center 11gを使用している場合は、satadmコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラがオンラインになっていることを確認します。必要であれば、satadm startコマンドを使用してエンタープライズ・コントローラを起動します。

      # /opt/SUNWxvmoc/bin/satadm status
      online
      
  3. Oracle Enterprise Manager Ops Centerをインストールしたディレクトリ内に一時ディレクトリを作成し、アップグレード・バンドルを新しいディレクトリにコピーまたは移動します。次に例を示します。

    # mkdir /var/tmp/OC/update
    # cp enterprise-controller.Solaris.sparc.12.1.0.2001.tar.zip /var/tmp/OC/update
    
  4. アップグレード・バンドルを含むディレクトリに移動します。

    # cd /var/tmp/OC/update
    
  5. バンドルを解凍します。

    • インストール・アーカイブの拡張子が.tar.zipの場合は、unzipコマンドとtarコマンドを使用してアーカイブを解凍し、一時ディレクトリの内容をリスト表示します。次のコマンド例では元の圧縮アーカイブ・ファイルが保持されます。次に例を示します。

      # unzip enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip | tar xf -
      # ls
      enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip
      xvmoc_full_bundle
      #
      
    • インストール・アーカイブの拡張子が.zipの場合は、unzipコマンドを使用してアーカイブを解凍します。次に例を示します。

      # unzip enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.zip
      # ls
      enterprise-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.zip
      xvmoc_full_bundle
      #
      
  6. バージョン11gからアップグレードしている場合は、エンタープライズ・コントローラの/var/tmp/OC/xvmoc_full_bundle/<Enterprise Controller OS>/Product/installer/scriptsディレクトリにあるcreateOCschema_remote.sqlスクリプトをユーザー管理データベース・サーバーにコピーします。ユーザー管理データベースの管理者として、スクリプトを実行し、次の情報を入力します。

    • Oracle Enterprise Manager Ops Centerのユーザー名: これはスクリプトによって作成されるデータベース・ユーザーで、Oracle Enterprise Manager Ops Centerではこれを使用してデータベースにアクセスします。

    • Oracle Enterprise Manager Ops Centerのパスワード: これはデータベース・ユーザーのパスワードです。

    • Oracle Enterprise Manager Ops Centerの読取り専用ユーザー名: これは読取り専用データベース・ユーザーです。Oracle Enterprise Manager Ops Centerがデータベースを表示するために使用されます。

    • Oracle Enterprise Manager Ops Centerの読取り専用パスワード: これは読取り専用データベース・ユーザーのパスワードです。

    • デフォルト表領域: これはOracle Enterprise Manager Ops Centerユーザーのデフォルト表領域です。

    • 一時表領域: これはOracle Enterprise Manager Ops Centerユーザーの一時表領域です。

    • Oracle Enterprise Manager Ops Centerのダンプ・ディレクトリ: このディレクトリは存在し、oracleユーザーが所有する必要があります。

    必要な情報をすべて入力すると、createOCschema_remote.sqlスクリプトが完了したことを示して終了します。

    次に例を示します。

    $ sqlplus / as sysdba @createOCSchema_remote.sql
     
    SQL*Plus: Release 11.2.0.3.0 Production on Thu Dec 15 16:55:34 2011
     
    Copyright (c) 1982, 2011, Oracle.  All rights reserved.
     
     
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    Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.3.0 - 64bit Production
    With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options
     
    Enter username for Ops Center database login: TESTSCHEMA
    Enter password for Ops Center database login:
    Enter username for read only Ops Center database login: TESTSCHEMA_RO
    Enter password for read only Ops Center database login:
    Enter default tablespace for Ops Center user: USERS
    Enter temporary tablespace for Ops Center user: TEMP
    Enter Oracle Data Pump destination directory: /var/tmp/ocdumpdir
     
    "Done creating OC_SYSTEM_ROLE and OC_RO_ROLE"
    "Done creating Schema 'TESTSCHEMA'. Roles and privileges have been granted."
    "Done creating Schema 'TESTSCHEMA_RO'. Roles and privileges have been granted."
    "Done creating OC_DUMP_DIR at /var/tmp/ocdumpdir"
    "Done granting privs to users and profiles"
    "Testing connectivity to the new schema: 'TESTSCHEMA'"
    Connected.
    "Testing connectivity to the new read only schema: 'TESTSCHEMA_RO'"
    Connected.
     
    "Create is Complete. OC can now be used with the new schema: 'TESTSCHEMA'"
     
     
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  7. バージョン11gからアップグレードしている場合は、エンタープライズ・コントローラ・システムにデータベース・プロパティを作成します。データベース・プロパティ・ファイルは、ユーザー管理データベースの場所と、スキーマ作成スクリプトに指定された同じユーザーと読取り専用ユーザーの資格証明を含む必要があります。

    次に例を示します。

    # vi /var/tmp/OC/DB/RemoteDBProps.txt
    mgmtdb.appuser=user
    mgmtdb.password=userpass
    mgmtdb.roappuser=user
    mgmtdb.ropassword=userpass
    mgmtdb.dburl=jdbc:oracle:thin:@<database host name>:<port>/<database service name>
    
  8. xvmoc_full_bundleディレクトリに移動し、installスクリプトを実行します。バージョン11gからアップグレードしている場合は、-remoteDBprops=<credentials file>オプションを使用します。

    インストール・スクリプトでは次のオプションを使用できます。

    --verboseまたは-v: アップグレード・プログラムの出力の冗長性を上げます。このオプションを指定しないと、出力は冗長ではなくなります。

    例(バージョン12cからバージョン12c Update 1へのアップグレード):

    # cd xvmoc_full_bundle
    # ./install
    

    例(バージョン11gからバージョン12c Update 1へのアップグレード):

    # cd xvmoc_full_bundle
    # ./install -remoteDBprops=/var/tmp/OC/DB/RemoteDBProps.txt
    

    アップグレードが完了すると、すべてのOracle Enterprise Manager Ops Centerコンポーネントが最新バージョンにアップグレードされたことがインストール・スクリプトによって示されます。

  9. バージョン12cからバージョン12c Update 1にアップグレードするとき、環境でユーザー管理データベースを使用する場合は、OCシステム・スキーマとOC_SYSTEM_ROLEについてデータベース権限を更新します。

    1. refactorOCPrivs_12.1.1.0.sqlスクリプトをエンタープライズ・コントローラ・システムからユーザー管理データベース・システムにコピーします。

      Oracle Solarisシステムではこのスクリプトは/opt/ORCLsysman-db/sql/update/delta-update1/oracle/ディレクトリにあります。

      Linuxシステムではこのスクリプトは/opt/orcl-sysman-db/sql/update/delta-update1/oracle/ディレクトリにあります。

    2. SYSユーザーとしてSQLスクリプトを実行します。プロンプトが表示されたら、該当するプロンプトでOps Centerデータベース・ログイン、読取り専用Ops Centerデータベース・ログインおよびデフォルト表領域のスキーマ名を指定します。これらのパラメータは、createOCSchema_remote.sqlスクリプトを使用して最初のOps Centerログインが作成されたときに指定されたものです。データベース・ログインと読取り専用データベース・ログインのパラメータは、/opt/sun/xvm/db.propertiesファイルのmgmtdb.appusermgmtdb.roappuserで確認できます。デフォルト表領域は、/opt/ORCLsysman-db/etc/llocalOracleConfig.propertiesファイルのremote_default_tsで確認できます。

      次に例を示します。

      sqlplus / as sysdba @refactorOCPrivs_12.1.1.0.sql
       
      Enter username for Ops Center database login: OC
      Enter username for read only Ops Center database login: OC_RO
      Enter default tablespace for the Ops Center database login: USERS
      
  10. ブラウザ・キャッシュを消去し、ブラウザをリフレッシュしてから、新しくアップグレードされたエンタープライズ・コントローラにログインします。

  11. ecadmコマンド、backupサブコマンドおよび-rオプションを使用してOracle Enterprise Manager Ops Centerのデータをバックアップします。

10.4 プロキシ・コントローラのアップグレード

アップグレード・バンドルをダウンロードしたら、プロキシ・コントローラをアップグレードできます。

10.4.1 ユーザー・インタフェースからのプロキシ・コントローラのアップグレード

プロキシ・コントローラをリモートで最新バージョンにアップグレードすることができます。

プロキシ・コントローラのファイルは/var/opt/sun/xvm/images/productUpdateディレクトリに格納されます。接続モードを使用している場合は、「Ops Center Downloads」アクションを使用してプロキシ・コントローラのファイルをダウンロードします。非接続モードを使用している場合は、プロキシ・コントローラのファイルを使用できるように/var/opt/sun/xvm/images/productUpdateディレクトリに追加する必要があります。

プロキシ・コントローラをUIでアップグレードするには、アップグレード・プロセス中にエンタープライズ・コントローラがポート22を使用してSSH接続でプロキシ・コントローラにアクセスできることが必要です。この接続は、プロキシ・コントローラ・バンドルを転送し、プロキシ・コントローラ・システム上でコマンドを実行するために使用されます。セキュリティの制約によりこの接続が実現できない場合は、コマンドラインからプロキシ・コントローラをアップグレードします。

始める前に

プロキシ・コントローラをアップグレードする前に次の操作を実行します。

  • エンタープライズ・コントローラをアップグレードします。

  • プロキシ・コントローラのアップグレードをダウンロードします。

プロキシ・コントローラをアップグレードする手順

  1. 「Navigation」ペインの「Administration」セクションで「Enterprise Controller」をクリックします。

  2. 「Proxy Controllers」タブをクリックします。

    プロキシ・コントローラの情報が表示されます。

  3. 1つ以上のプロキシ・コントローラを選択します。

  4. 中央のペインの「Upgrade to Latest Available Version」アイコンをクリックします。

    Upgradeウィザードが表示されます。

  5. プロキシ・コントローラ(1つまたは複数)のSSH資格証明を指定する方法を選択します。

    • 検出時に使用されたSSH資格証明を再利用します。

    • 同じSSH資格証明をすべてに適用します。

    • それぞれのSSH資格証明を入力します。

  6. 「Finish」をクリックします。

    ジョブが起動され、プロキシ・コントローラが更新されます。

10.4.2 コマンドラインからのプロキシ・コントローラのアップグレード

プロキシ・コントローラを最新バージョンに手動で更新して、新機能や更新された機能を利用することができます。

プロキシ・コントローラのアップグレード・ログは、/var/opt/sun/xvm/update-saved-state/update_proxy_bundle_<version number>/updatelog.txtとしてローカルに保存されます。

このプロセスでエラーが発生すると、システムは以前のバージョンにリストアされます。


注意:

アップグレード・プロセス中にはプロキシ・コントローラは停止します。ただし、プロセスの開始時にはプロキシ・コントローラをオンラインにしておく必要があります。

始める前に

プロキシ・コントローラのファイルは、エンタープライズ・コントローラ上の/var/opt/sun/xvm/images/productUpdateディレクトリに格納されます。接続モードを使用している場合は、「Ops Center Downloads」アクションを使用してプロキシ・コントローラのファイルをダウンロードし、プロキシ・コントローラ・システムに移動します。非接続モードを使用している場合、プロキシ・コントローラのファイルはOracle Enterprise Manager Ops Centerの外部からダウンロードして、プロキシ・コントローラ・システムに移動する必要があります。

プロキシ・コントローラをアップグレードする手順

  1. rootとしてプロキシ・コントローラ・システムにログインします。

  2. /etc/opt/sun/cacao2/instances/scn-proxy/security/ディレクトリの内容をバックアップします。

  3. proxyadmコマンドとstatusサブコマンドを実行して、プロキシ・コントローラがオンラインであることを確認します。プロキシ・コントローラがオフラインの場合は、proxyadmコマンドとstartサブコマンドを実行して起動します。

    次に例を示します。

    # ./proxyadm status
    online
    
  4. アップグレード・バンドルを含むディレクトリに移動します。

  5. インストール・アーカイブを解凍して、一時ディレクトリの内容をリスト表示します。

    • 例(Linuxプロキシ・コントローラの場合):

      # unzip proxy-controller.Linux.i686.12.1.0.2001.tar.zip
      # tar xf proxy-controller.Linux.i686.12.1.0.2001.tar
      # ls
      xvmoc_full_bundle
      proxy-controller.Linux.i686.12.1.0.2001.tar
      #
      
    • 例(Oracle Solarisプロキシ・コントローラの場合):

      # gzcat proxy-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip | tar xf -
      # ls
      xvmoc_full_bundle
      proxy-controller.Solaris.i386.12.1.0.2001.tar.zip
      
  6. xvmoc_full_bundleディレクトリに移動します。

  7. インストール・スクリプトを実行します。

    # ./install
    

    インストール・スクリプトでは次のオプションを使用できます。

    --install <version 11g install bundle path>または-i <version 11g install bundle path>: /var/opt/sun/xvm/update-saved-state/ディレクトリを削除した場合は、このオプションを使用してOracle Enterprise Manager Ops Center 11gインストール・バンドルの場所を指定する必要があります。このディレクトリが存在する場合、このオプションは必要ありません。

    アップグレードがプロキシ・コントローラにインストールされます。アップグレードが完了すると、すべてのコンポーネントがアップグレードされたことがインストール・スクリプトによって示されます。

10.5 エージェント・コントローラのアップグレード

エンタープライズ・コントローラとプロキシ・コントローラをアップグレードしたら、エージェント・コントローラをアップグレードすることができます。

10.5.1 ユーザー・インタフェースからのエージェント・コントローラのアップグレード

エージェント・コントローラをリモートで最新バージョンにアップグレードすることができます。

エージェント・コントローラのファイルは/var/opt/sun/xvm/images/agentディレクトリに格納されます。非接続モードを使用している場合は、エージェント・コントローラのファイルを使用できるように/var/opt/sun/xvm/images/agentディレクトリに追加する必要があります。

エンタープライズ・コントローラをアップグレードする手順

  1. エージェント・コントローラで1つ以上のアセットを選択します。

    • 「Assets」タブの「All Assets」セクションでアセットを選択します。

    • オペレーティング・システムを含むグループを選択します。

  2. 1つのアセットを選択した場合は「Upgrade Agent Controller」、グループを選択した場合は「Upgrade All Agent Controllers」をクリックします。

    「Upgrade Agent Controllers」ページが表示されます。

  3. アップグレードするシステム(1つまたは複数)のアップグレード・オプションを選択し、「Next」をクリックします。

    • 「Automatic」アップグレード・オプションを選択すると、SSH資格証明なしでエージェント・コントローラをアップグレードできます。自動アップグレードではエージェント・コントローラを実行している必要があります。

    • 「SSH upgrade using one set of credentials for all targets」オプションを選択すると、アップグレードするすべてのシステムについて1セットのSSH資格証明を求められます。

    • 「SSH upgrade using individual credentials for each target」オプションを選択すると、アップグレードする各システムについて個別の資格証明セットを求められます。

    「Summary」ページが表示されます。

  4. 「Finish」をクリックします。

    エージェント・コントローラのアップグレード・ジョブが起動されます。

10.5.2 コマンドラインからのエージェント・コントローラのアップグレード

エージェント・コントローラは手動でアップグレードすることができます。エージェント・コントローラをアップグレードする前に、それを管理するプロキシ・コントローラをアップグレードする必要があります。

非グローバル・ゾーンで実行するエージェント・コントローラを手動でアップグレードする場合は、グローバル・ゾーンで実行しているエージェント・コントローラについて次のアップグレード手順を完了してから、非グローバル・ゾーンのすべてをアップグレードします。グローバル・ゾーンと非グローバル・ゾーンはすべて同じエージェント・コントローラ・バージョンを使用する必要があります。

この手順ではrootアクセスが必要です。

  1. 新しいエージェント・コントローラ・バンドルをエンタープライズ・コントローラからクライアントにコピーし、既存のエージェント・コントローラ・ディレクトリを削除し、新しいエージェント・コントローラ・バンドルを抽出します。

    例(Oracle Solarisエージェント・コントローラの場合):

    # scp <IP of Enterprise Controller>:/var/opt/sun/xvm/images/agent/SunConnectionAgent.`uname -s`.`uname -p`.12.0.0.2001.zip /var/tmp
    # cd /var/tmp
    # rm -r SunConnectionAgent
    # unzip SunConnectionAgent.`uname -s`.`uname -p`.12.1.0.2001.zip
    

    例(Linuxエージェント・コントローラの場合):

    # scp -p <IP of Enterprise Controller>:/var/opt/sun/xvm/images/agent/SunConnectionAgent.`uname -s`.i686.12.1.0.2001.zip /var/tmp
    # cd /var/tmp
    # rm -r SunConnectionAgent
    # unzip SunConnectionAgent.`uname -s`.i686.12.1.0.2001.zip
    
  2. agentadmコマンドとstopサブコマンドを使用して、エージェント・コントローラを停止します。

    次に例を示します。

    ./agentadm stop
    
  3. エージェント・コントローラ・アップグレードをインストールします。

    # cd /var/tmp/SunConnectionAgent
    # ./install
    
  4. agentadmコマンド、configureサブコマンドおよび--keep-connectionオプションを使用して、新しいエージェント・コントローラを構成します。

    次に例を示します。

    # ./agentadm configure --keep-connection
    

    この手順でエージェント・コントローラも起動されます。


    注意:

    次のエラーは無視することができます。これらは、2つのsysidcfgスクリプトの追加に関するものです。これらのスクリプトは、以前のagentadm configureの手順(元のバージョン11gのエージェントのインストールと構成の時点など)から存在しています。正しいsysidcfgスクリプトはsysidcfgによって適切に呼び出されます。
    Failed to add the zone configuration automation.
    Failed to add the service tags recreate script.
    

  5. 接続を確認します。

    # sc-console list-connections
    scn-agent https://172.25.14.21:21165 urn:scn:clregid:1234567-aaaa-bbbb-cccc-123456789abc:YYYYMMDDHHMMSSss
    

10.5.3 エージェント・コントローラのダウングレード

エージェント・コントローラを以前インストールされていたバージョンにリモートで戻すことができます。

エージェント・コントローラをダウングレードする手順

  1. エージェント・コントローラでオペレーティング・システムを含むグループを選択し、「Summary」タブをクリックします。

  2. 「Agent Controllers」タブをクリックします。

    エージェント・コントローラの情報が表示されます。

  3. 1つ以上のエージェント・コントローラを選択します。

  4. 中央のペインの「Downgrade to Previously Installed Version」アイコンをクリックします。

    Downgradeウィザードが表示されます。

  5. 資格証明の指定に関するオプションを選択します。

    • 資格証明を必要としないダウングレード

    • 既存の資格証明セットの使用

    • 新しい資格証明セットの作成

  6. 「Submit」をクリックします。

    ジョブが起動され、エージェント・コントローラがダウングレードされます。