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Oracle® Enterprise Manager Ops Center機能リファレンス・ガイド
12cリリース1 (12.1.2.0.0)
B71920-01
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3 ジョブ

この章では、ジョブと、ジョブを管理する各種のロール、ジョブの表示、およびジョブに対して実行できる各種のアクションについて詳細に説明します。

次の情報が含まれます。

3.1 ジョブの概要

Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって実行されるアクションで、ジョブが作成されます。このジョブは、エンタープライズ・コントローラ・システム上で実行されるか、プロキシ・コントローラによって取得されてからプロキシ・コントローラまたは管理対象アセット上で実行されます。ジョブの進行状況は、ユーザー・インタフェースで追跡および表示されます。各ジョブは1つ以上のタスクで構成され、1つ以上のターゲットを持ちます。タスクまたはターゲットごとに、ジョブの進行状況に関する情報を表示できます。

「Jobs」ペインは、ユーザー・インタフェースの下部にあり、現在のジョブとジョブ履歴のすべてがリスト表示されます。「Jobs」ペインからは、現在のジョブの進行状況を監視できる他に、ジョブ履歴も確認できます。すべてのジョブのステータスと、特定のジョブに関する詳細情報を表示でき、ジョブに対してアクションを実行できます。

ジョブの詳細を表示するには、「Job Summary」表でジョブをダブルクリックします。「Job Details」ビューには、ジョブのターゲットに加えて、次の情報も表示されます。

ジョブに対して実行できるアクションは、次のとおりです。

3.2 ジョブ管理のロール

クラウド・ユーザーは、自身が作成したジョブのみ表示または処理を行うことができます。他のユーザーによって作成されたジョブを表示することはできません。

次の表は、この項で説明しているタスクと、そのタスクを完了するために必要なロールを示しています。適切なロールを持つ管理者は、特定のターゲットまたはターゲットのグループに対する権限を制限できます。タスクを完了するために必要なロールまたは権限がない場合は、管理者に連絡してください。各種ロールおよびロールに付与される権限の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Ops Center管理ガイド』を参照してください。

表3-1 ジョブ管理のタスクとロール

タスク ロール

Viewing Job Status

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Viewing Job Details

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Monitoring Jobs for an Asset

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Answering Questions

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Stopping a Job

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Re-running a Job

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Copying a Job

ジョブの起動に必要なロールと同じ。

Deleting a Job

ジョブの起動またはジョブ管理に必要なロールと同じ。

Changing the Maximum Time for a Job

Root access on Enterprise Controller system.



注意:

ジョブに複数のターゲットがある場合は、適切なロールがある対象のターゲットのみが表示されます。どのターゲットについてもロールがない場合、ジョブは表示されません。

3.3 ジョブ管理

ジョブ管理サービスは、ジョブの実行とその監視を管理する機能を果します。ジョブ・マネージャが、タスクで指定されている命令を指定の順序どおりに1つ以上のエージェントに通信します。ジョブ・マネージャは実行の状態を監視し、成功または失敗した各操作をログに記録します。また、ジョブ・マネージャが成功または失敗をレポートするための情報の状態を保持します。ジョブ管理を利用すると、起動したジョブの種類とそのステータスに応じて、次のアクションを実行できます。

3.4 ジョブの表示

ジョブを表示するには、いくつかの方法があります。「Jobs」ペインには、現在のジョブと、削除されていない過去のジョブがすべて表示されます。また、特定のジョブの詳細を表示したり、特定ステータスを持つすべてのジョブ、あるいは特定アセットのためのすべてのジョブを表示することもできます。

3.4.1 全ジョブと、特定ステータスの全ジョブの表示

Oracle Enterprise Manager Ops Centerによって実行されるすべてのジョブをリストで表示できます。

すべてのジョブを表示するには、次の手順を実行します。

  1. UIの下部にある「Jobs」ペインをクリックして展開します。

  2. 「Jobs」ペインで、「All Jobs」アイコン(前述の図でハイライト表示されています)をクリックします。

    • 進行中のジョブ、ユーザー入力を待機中のジョブ、失敗したジョブ、部分的に成功したジョブ、停止したジョブ、スケジュールされたジョブ、成功したジョブなどすべてのジョブが表示されます。

  3. 特定のステータスのジョブ(進行中のジョブ、ユーザー入力を待機中のジョブ、失敗したジョブ、部分的に成功したジョブ、停止したジョブ、スケジュールされたジョブ、成功したジョブなど)を表示する場合は、それぞれのジョブ・ステータスのアイコンをクリックします。選択したステータスのジョブが表示されます。

3.4.2 ジョブ詳細の表示

ジョブに関する詳細情報、たとえばジョブを構成しているタスクのステータスなどを表示できます。

ジョブ詳細を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「Jobs」ペインでジョブを選択します。

    図3-2 View Job Details

    図3-2の説明が続きます
    「図3-2 View Job Details」の説明

  2. 「View Job Details」アイコン(前述の図でハイライト表示されています)をクリックするか、ジョブをダブルクリックします。「Job Details」ウィンドウが表示されます。

    図3-3 「Job Details」ウィンドウ

    図3-3の説明が続きます
    「図3-3 「Job Details」ウィンドウ」の説明

    • ターゲットの全体的なステータスが左側に表示されます。右側の表には、すべてのターゲットがリストされます。

  3. ターゲットを選択し、「Display Selected Target Details」アイコン(前述の図でハイライト表示されています)をクリックします。ターゲットをダブルクリックしてターゲットの詳細を表示することもできます。

  4. ログを表示するにはタスクをダブルクリックします。イベントのログとタスクのプロパティが表示されます。

    • 「View Target Logs」ウィンドウにタスク・ログがすべて表示されます。テキスト領域に表示されるため、コピーが可能です。

  5. ログをテキスト・ファイルとして保存するには、「Export Logs」をクリックします。

    • 「Selected Task Target Log」を選択して「Save」をクリックし、ログをテキスト・ファイルとして保存します。

    • 「Full Job Log」を選択して「Save」をクリックし、ログをテキスト・ファイルとして保存します。

3.4.3 アセットに対するジョブの監視

実行中のジョブでも完了したジョブでも、特定のアセットに対するジョブを表示できます。

特定のアセットに対するジョブのみを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「Navigation」ペインの「Assets」で、アセットを選択します。

  2. 中央のペインで「Jobs」タブをクリックします。

  3. ジョブを選択してダブルクリックすると、ジョブの詳細が表示されます。

3.4.4 ジョブの検索

任意の状態の特定のジョブを検索できます。

特定のジョブを検索するには、次の手順を実行します。

  1. 「Jobs」ペインの右上隅にある「Search」をクリックします。

    図3-6 ジョブの検索

    図3-6の説明が続きます
    「図3-6 ジョブの検索」の説明

  2. 検索する1つ以上のジョブの特性を選択し、検索語を入力して検索アイコンをクリックします。

    • 選択した特性が一致する、または検索語が含まれるジョブが表示されます。

3.5 ジョブに対するアクションの実行

起動しているジョブに対してアクションを実行できます。実行されるアクションは、ジョブの現在のステータスによって異なります。ジョブが停止しておりユーザー入力を待機している場合は、質問に回答してジョブを再開できます。ジョブが実行中の場合は、停止できます。ジョブが完了している場合は、全体を再実行、失敗したターゲットに対してのみ再実行、コピーして新しいジョブを作成、またはジョブを削除することができます。

3.5.1 質問への回答

ジョブによっては、完了するためにユーザー入力が必要です。レスポンスを必要とするジョブは、ステータスが「Waiting for User Input」です。ユーザー入力を指定するには、次の手順を実行します。

  1. 「Waiting for User Input」ステータスのジョブを選択します。

  2. 「Answer Questions」アイコンをクリックします。

  3. 各質問に対して「Yes」または「No」を選択するか、「Yes to All」または「No to All」をクリックします。

  4. 各質問に答えたら、「Submit」をクリックすると、同じジョブIDと実行IDでジョブが再発行されます。

3.5.2 ジョブの停止

実行中のジョブは停止できます。進行中のタスクはすべて割り込まれ、まだ開始されていないタスクは中止されます。ジョブの完了ステータスは、完了したタスク、割り込まれたタスク、開始されていないタスクの数によって異なります。

ジョブを停止するには、次の手順を実行します。

  1. 実行中のジョブを選択します。

  2. 「Stop Selected Jobs」をクリックします。

  3. 「Stop Job」をクリックして確定します。

3.5.3 完了したジョブの再実行

ジョブが完了している場合、新しい実行IDで繰り返すことができます。

ジョブを再実行するには、次の手順を実行します。

  1. UIの下部にある「Jobs」ペインをクリックして展開します。

  2. 再実行する、失敗したジョブを選択します。

  3. 「Re-Run Selected Jobs」をクリックします。

  4. 「Run Job」をクリックします。

ジョブが、新しい実行IDで再実行されます。

3.5.4 失敗したターゲットに対するジョブの再実行

ジョブが部分的に完了、失敗、または停止した場合、失敗または不完全なターゲットに対してジョブを繰り返すことができます。

失敗したターゲットに対してジョブを再実行するには、次の手順を実行します。

  1. ジョブを選択してジョブの詳細を表示します。

  2. 失敗した1つ以上のターゲットをリストから選択し、「Re-Run Selected Failed Targets」、「OK」の順にクリックします。

失敗したターゲットに対して、同じ実行IDでジョブが再実行されます。

3.5.5 ジョブのコピー

古いジョブを新しいジョブのテンプレートとして使用し、OSまたはファームウェアの更新ジョブをコピーできます。

ジョブをコピーするには、次の手順を実行します。

  1. コピーするジョブを選択し、「Copy Job」をクリックします。

    既存のジョブの情報を使用して、新規ジョブのウィザードが表示されます。

  2. ジョブの情報を変更してスケジュールを選択し、「Submit Job」をクリックします。

新規ジョブが、新しいジョブIDで発行されます。

3.5.6 ジョブの削除

ジョブを削除すると、キューから完全に削除されます。再実行や再開はできなくなり、ジョブ詳細も使用できなくなります。

ジョブを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 削除するジョブを選択します。

  2. 「Delete Selected Jobs」をクリックし、「Delete Jobs」をクリックして確定します。


注意:

実行中のジョブは削除できません。実行中のジョブをまず停止してから削除してください。

3.5.7 OCDoctorによるジョブのデバッグ

管理対象アセットで実行されているジョブをデバッグできます。このアクションは、アセットに対してOCDoctorの--troubleshootオプションを使用して自己診断を実行します。

ジョブをデバッグするには、次の手順を実行します。

  1. ジョブを選択し、「Debug Job Using OCDoctor」アイコンをクリックします。

  2. 新しい自己診断を実行する場合は「Run New Self Diagnosis」を選択し、以前の自己診断の結果を表示する場合は「Work on Previous Self Diagnosis」を選択します。「Work on Previous Self Diagnosis」を選択した場合は、以前の自己診断の結果が表示され、自己診断を再実行できます。

  3. 「Attempt to Fix Issues」を選択して問題の修正を試みるか、「Collect Logs」を選択してターゲットからログ・ファイルを収集します。

  4. サマリー情報を確認したら、「Finish」をクリックして自己診断ジョブを起動します。

  5. ジョブの詳細を確認するか、ウィザードを再実行して「Work on Previous Self Diagnosis」を選択し、自己診断で収集されたデータを表示します。

3.6 ジョブ・プロパティの変更

エンタープライズ・コントローラは、ジョブ管理のために、ジョブとタスクのタイムアウト値などいくつかの変数を設定します。この値を変更すると、パフォーマンスが向上する場合があります。ジョブとタスクのタイムアウト値は、次のとおりです。

ジョブ・マネージャの値を変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「Navigation」ペインで「Administration」を選択し、「Enterprise Controller」を選択して「Configuration」タブをクリックします。

  2. ドロップダウン・メニューで、ジョブ・マネージャのプロパティを選択します。

  3. 値を編集し、「Save」をクリックします。

3.7 ジョブ管理のイベント

ジョブの進行状況を追跡するには、「Job Details」を表示します。ジョブが正常に完了しない場合は、Oracle Solarisシステムで/var/cacao/instances/oem-ec/logs/cacao.*というログ・ファイルを調べてください。

3.8 ジョブ管理の関連リソース

アクションの実行の手順、またはこの機能のロールの詳細は、次のリソースを参照してください。