ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Directory Server Enterprise Editionアップグレードおよび移行ガイド
11gリリース1 (11.1.1.7.0)
B72438-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

5 Directory Serverの移行プロセスの概要

この章では、バージョン5.2をOracle Directory Server Enterprise Edition 11gリリース1 (11.1.1.7.0)に移行する手順を説明します。ODSEE 11gリリース1 (11.1.1.7.0)には、特定のプラットフォームとバージョンの組合せの移行に関する側面を自動化する、dsmigという移行ツールがあります。トポロジのサーバーがこれらの組合せに該当しない場合、同じ手順を手動で実行する必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

5.1 移行の準備

この章では、アップグレードおよびデータの移行手順の概要を示します。

アップグレードを行う前に、現在のバージョンの新機能および修正を把握しておいてください。この機会を利用し、既存のディレクトリ・サービスを実装した際に決定した設計を見直してください。すべての新機能および修正の詳細は、『Oracle Directory Server Enterprise Editionリリース・ノート』の第1章のOracle Directory Server Enterprise Edition 11gリリース1 (11.1.1.7.0)の新機能に関する説明を参照してください。移行に特に影響する新機能の詳細は、第9章「Directory Serverに対するバージョン5.2以降のアーキテクチャ変更」を参照してください。

5.1.1 単一のDirectory Serverインスタンスを移行するための前提条件

サーバー・インスタンスの移行前に、次の前提条件が満たされていることを確認します。

  • Directory Server 11gリリース1 (11.1.1.7.0)がインストールされています。新しいサーバーは、既存のサーバーと同じマシンにインストールすることも別のマシンにインストールすることも可能です。

  • 新しいマシンには、新旧の両サーバーのバイナリおよびデータベースを保持する十分なローカル・ディスク・スペースがあり、既存のすべてのサフィックスのエントリを含むLDIFファイルを保持する余分な領域があります。次の計算より幾分大きいローカル・ディスク領域が必要です。

    local space required = 2 * (space for existing server) + (space for LDIF files)
    
  • 自動移行ツールを使用する場合、次の前提条件が満たされている必要があります。

    • 既存のサーバー・インスタンスはクリーンに停止する必要があります。

    • 新しいサーバーが別のマシンにある場合、新しいマシンに元のサーバー・インスタンスの完全なイメージを作成する必要があります。これには、元のサーバー・ルートと同一のレイアウトの、すべてのスキーマ・ファイル、構成ファイル、セキュリティ・ファイル、データベース・ファイルが含まれます。

    自動移行または手動移行のどちらを使用するか決定するには、「自動または手動移行の判断」を参照してください。

  • Directory ServerのデプロイメントにIdentity Synchronization for Windowsが含まれる場合、Directory Serverの移行の前に、Identity Synchronization for Windowsをアンインストールする必要があります。Identity Synchronization for Windowsの移行の詳細は、第11章「Identity Synchronization for Windowsの移行」を参照してください。

5.2 新製品の配布

Directory Server 11gリリース1 (11.1.1.7.0)は、圧縮したアーカイブ(zip)で配布されます。

zipからのインストールは、ルート以外のユーザーとして、システムの任意の場所から実行できます。zipの配布は必要に応じて何度もインストールでき、単一のオペレーティング・システム・インスタンスに同じ製品の別のバージョンを複数共存させることが可能です。

5.3 移行手順の概要

Directory Serverの移行は、次の個別の手順に分けることができます。

  1. スキーマの移行

  2. セキュリティ設定の移行

  3. 構成の移行

  4. データの移行

  5. プラグインの移行

  6. 移行後のタスク

移行で予期しない問題が発生しないようにするには、前述の順でこれらの手順を実行する必要があります。特定のケースでは、dsmigコマンドでこれらの一部またはすべての手順を自動化できます。次の項に、既存のデプロイメントにおいて自動化できることおよび手動で実行する必要のあることを示します。

5.4 自動または手動移行の判断

この項では、どのようなときにdsmigを使用できるか、およびどのようなときに手動で移行する必要があるかを示します。これでは、前の項で示した移行手順を使用しています。

表5-1 自動移行のサポートを示す移行マトリックス

移行先 移行手順




ソフトウェア(32/64ビット) OS スキーマ 構成 セキュリティ データ プラグイン

任意

任意

手動

手動

手動

手動

手動

任意

dsmig

dsmig

dsmig

手動

手動

同じ

dsmig

dsmig

dsmig

手動

手動

同じ

同じ

dsmig

dsmig

dsmig

dsmig

手動


後述の2つの章では、上の移行手順を自動または手動で実行する方法をそれぞれ説明します。自動移行の詳細は、第6章「dsmigコマンドを使用した自動移行」を参照してください。手動での移行の詳細は、第7章「手動でのDirectory Serverの移行」を参照してください。