ヘッダーをスキップ
Oracle® Fusion Middleware Oracle Directory Server Enterprise Editionリファレンス
11g リリース1 (11.1.1.7.0)
B72441-01
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

6 Directory Serverの監視

Directory Serverの監視の詳細は、次の項を参照してください。

6.1 Directory Serverの監視方法

次の方法で、Directory Serverを監視できます。

Directory Service Control Center

Directory Service Control Center (DSCC)を使用して、Directory Serverインスタンスの現在のアクティビティを監視できます。

DSCCは一般的なサーバー情報を提供し、これにはリソースのサマリー、現在のリソース使用状況、接続ステータスおよびグローバル・データベースのキャッシュ情報が含まれます。これは、一般的なデータベース情報(データベース・タイプ、ステータスおよびエントリ・キャッシュの統計など)も提供しますキャッシュ情報およびデータベース内の各索引ファイルに関連する情報も、提供されます。

コマンドライン

dsconfコマンドを使用して、ロギングを構成し、Directory Serverのレプリケーション・ステータスを監視できます。ロギングの構成方法の詳細は、『Oracle Directory Server Enterprise Edition管理者ガイド』Directory Serverのログの構成に関する説明を参照してください。dsconfコマンドを監視に使用する方法の詳細は、『Oracle Directory Server Enterprise Edition管理者ガイド』コマンドラインの使用によるレプリケーション・ステータスの取得に関する説明を参照してください。

ldapsearchコマンドを使用して、Directory Serverインスタンスの現在のアクティビティの情報に関するcn=monitorエントリを検索できます。cn=monitorの詳細は、「Directory Server監視属性」を参照してください。

ログ・アナライザ・ツール

Directory Server Resource Kitによって、logconvと呼ばれるログ・アナライザ・ツールが提供されます。

logconvツールは、使用状況統計を抽出し、アクセス・ログにおける重要なイベントの発生をカウントします。

Simple Network Management Protocol (SNMP)

Directory Serverは、SNMPを介して管理情報を公開します。

6.2 Directory ServerとSNMP

Directory Serverは、dsTableおよびRFC 2605 (http://www.ietf.org/rfc/rfc2605.txt)によって定義されたDirectory Server Monitoring MIBのdsApplIfOpsTableを実装しています。dsIntTableは実装していません。

またDirectory Serverは、RFC 2788 (http://www.ietf.org/rfc/rfc2788.txt)によって定義されたNetwork Services Monitoring MIBも実装しています。

Directory ServerのSNMPサポートには、次の制限事項があります。

この項の後半では、監視アプリケーションからDirectory Serverまで、およびその逆方向の情報フローに関して、特にSNMPを使用する場合について説明しています。

この監視フレームワークはDSCCエージェント内に含まれ、これはDirectory Serverとともにインストールされています。図6-1に、監視フレームワークを示します。

図6-1 情報フローの全体的な監視

図6-1の説明が続きます
「図6-1 情報フローの全体的な監視」の説明

Directory Serverの監視へのSNMPサポートは、DSCCエージェントによって管理されます。

図6-2は、DSCCエージェントを介した、Directory Serverに関するSNMP情報フローを示しています。

図6-2 SNMPの情報フロー

図6-2の説明が続きます
「図6-2 SNMPの情報フロー」の説明

Directory ServerのSNMP情報フローは、次のようになっています。

  1. ネットワーク管理ステーションはGETメッセージをSNMPエージェントに送信し、これはデフォルトではポート3996を使用します。

  2. SNMPエージェントは、Directory Server宛のあらゆるリクエストをDSCCエージェントに転送します。

  3. Directory Serverは、DSCCエージェントにSNMP情報を定期的にプッシュします。

  4. DSCCエージェントは、レスポンスをSNMPエージェント経由でリレーして、ネットワーク管理ステーションのSNMPクライアントに戻します。次にネットワーク管理ステーションは、ネットワーク管理アプリケーションを介してデータを表示します。

6.3 Directory Server監視属性

サーバー・ステータス、レプリケーション・ステータス、リソース使用状況およびその他の監視情報は、DSCCを介して利用可能です。

または、次のエントリに関して検索操作を実行することによって、任意のLDAPクライアントからDirectory Serverの現在のアクティビティを監視できます。

6.3.1 cn=monitor

cn=monitorエントリは、extensibleObjectオブジェクト・クラスのインスタンスです。サーバーによって考慮されるcn=monitor構成属性に関して、topオブジェクト・クラスに加えてこのオブジェクト・クラスが、このエントリで表示されます。この項では、cn=monitor読取り専用属性を示します。

読取り専用の監視情報は、cn=monitorエントリの配下に格納されています。

6.3.1.1 backendMonitorDN

各Directory ServerバックエンドのDN。

データベース監視情報の詳細は、dse.ldifを参照してください。

6.3.1.2 bytesSent

Directory Serverによって送信されるバイト数。

6.3.1.3 cache-avail-bytes

キャッシュに利用可能なバイト数。

6.3.1.4 connection

ユーザーが管理ユーザーとして認証される場合にのみ、オープン接続のリストが返されます。リストは次の形式で示されます。

connection=31:20010201164808Z:45:45::name="DirAdminDN" content="cn=admin,cn=Administrators,cn=config":LDAP

  • 31は、接続を処理するサーバーによって使用されるファイル記述子の数です。

  • 20010201164808Zは、接続がオープンされた日付です。

  • 45は、受信された操作数です。

  • 45は、完了した操作数です。

  • name="DirAdminDN" content="cn=admin,cn=Administrators,cn=config"は、バインドDNです。

6.3.1.5 connectionPeak

サーバーの起動からの最大同時接続数。

6.3.1.6 currentConnections

Directory Serverの現在の接続数。

6.3.1.7 currentTime

現在時刻はグリニッジ標準時で示され、GeneralizedTime構文のZ表記で示されます(例: 20010202131102Z)。

6.3.1.8 dTableSize

Directory Serverディスクリプタの表のサイズ。

6.3.1.9 entriesSent

Directory Serverによって送信されたエントリ数。

6.3.1.10 nbackEnds

Directory Serverバックエンド数。

6.3.1.11 opsCompleted

完了したDirectory Server操作数。

6.3.1.12 opsInitiated

開始されたDirectory Server操作数。

6.3.1.13 request-que-backlog

スレッドによる処理を待機しているリクエストの数。サーバーによって受信された各リクエストは、受け入れられた後、スレッドによって処理可能となるまでキューに置かれます。キューのバックログは、常に小さいサイズ(0または0に近いもの)である必要があります。キューのバックログが大きい場合、nsslapd-threadnumber属性を使用して、サーバーで利用可能なスレッド数を増加します。

6.3.1.14 readWaiters

一部のリクエストが保留中で、Directory Serverのスレッドによって現在は処理されていない接続数。

6.3.1.15 currentpsearches

サーバー上で現在実行されている、永続検索数。コマンドdsconf set-server-prop max-psearch-count:numberを使用して、サーバーに永続検索の最大数を設定できます。

6.3.1.16 startTime

Directory Serverの起動時間。

6.3.1.17 threads

Directory Serverが起動中に作成する操作スレッド数。この属性は、cn=config配下のnsslapd-threadnumber属性を使用して設定できます。nsslapd-threadnumber属性はデフォルトでは構成に存在しませんが、追加が可能です。

6.3.1.18 totalConnections

Directory Serverの接続合計数。

6.3.1.19 version

Directory Serverのバージョンおよびビルド番号。

6.3.2 cn=disk,cn=monitor

cn=diskエントリを使用して、LDAPを介してディスクの状態を監視できます。このエントリは、extensibleObjectオブジェクト・クラスのインスタンスです。各ディスクに対して、cn=disknumber,cn=disk,cn=monitorエントリが存在します。次のディスク監視属性は、このような個別のディスク・エントリの配下に表示されます。

6.3.2.1 disk-dir

ディスクにおいて、サーバーによって使用されるディレクトリのパス名を指定します。同じディスクに複数のデータベース・インスタンスが常駐する場合、またはインスタンスが同じディスク上の複数のディレクトリを参照する場合、短いパス名が表示されます。ディスクの番号付けは任意です。

6.3.2.2 disk-free

サーバーで利用可能なディスクの空き容量を、MBで示します。


注意:

サーバー・プロセスが利用可能なディスク領域は、空きディスク領域の合計よりも少ない可能性があります。たとえば一部のプラットフォームでは、rootとして動作しないプロセスは、利用可能なディスクの空き容量のすべてを利用できるとは限らない場合があります。


6.3.2.3 disk-state

利用可能な空き領域や、構成パラメータnsslapd-disk-low-thresholdnsslapd-disk-full-thresholdでディスク・フルまたはディスク下限に設定されたしきい値に基づいて、ディスクの状態を示します。可能な値は、normallowおよびfullです。

6.3.3 cn=counters,cn=monitor

このエントリは、様々なサブツリー・エントリ・カウンタ・プラグインが有効化されている場合に、これらに関するカウンタ情報を保持します。

6.3.3.1 backlogsum

操作の受信時から処理の開始まで、ワーカー・スレッドによって消費される合計時間(秒単位)。このパラメータは、Windowsでは利用できません。

6.3.3.2 *etimesum

あるタイプの操作を完了するためにかかった、すべての*etimesum属性が示す合計経過時間(秒単位)。

たとえばbindetimesumは、バインド操作の処理にかかった合計秒数を示します。

6.3.4 cn=monitor,cn=Class of Service,cn=plugins, cn=config

このエントリでは、サービス・クラス・プラグインに関連するカウンタを保持します。このエントリは、extensibleObjectオブジェクト・クラスのインスタンスです。

6.3.4.1 classicHashAvgClashListLength

CoSプラグインが高速参照のためにハッシュ表を使用する際に、使用されているハッシュ・キーに複数のクラシックCoSテンプレートが対応する場合、このプラグインは次に、クラッシュ・リスト(同一ハッシュ・キーを共有しているテンプレートのリスト)での一致をチェックします。この属性値は、クラシックCoSテンプレートのクラッシュ・リストのすべてのハッシュ表における平均の長さを提供して、高速参照中にハッシュ表の使用後でプラグインが実行する必要があるリニア検索の量が示されます。

6.3.4.2 classicHashAvgClashPercentagePerHash

ハッシュ表ごとの平均クラッシュ数。すなわち、同一のハッシュ・キーを共有するクラシックCoSテンプレートのハッシュごとの、平均的な割合。

6.3.4.3 classicHashMemUsage

最初にクラシックCoSテンプレートを参照する際に、ハッシュ表を保持するためのメモリー・オーバーヘッド(バイト単位)。

6.3.4.4 classicHashValuesMemUsage

最初にクラシックCoSテンプレートを参照する際に、ハッシュ値を保持するために使用されるメモリー(バイト単位)。

6.3.4.5 numClassicDefinitions

使用されているクラシックCoS定義エントリ数。

6.3.4.6 numClassicHashTables

単一のCoS定義に対して11以上のクラシックCoSテンプレートが適用される、高速参照用に作成されているハッシュ表の数。ハッシュ表は、テンプレートのリストが少ない場合は作成されません。

6.3.4.7 numClassicTemplates

使用されているクラシックCoSテンプレートのエントリ数。

6.3.4.8 numCoSAttributeTypes

CoSを介して計算された値を持つ、個別属性の数。

6.3.4.9 numIndirectDefinitions

使用されている間接CoS定義エントリ数。

6.3.4.10 numPointerDefinitions

使用されているポインタCoS定義エントリ数。

6.3.4.11 numPointerTemplates

使用されているポインタCoSテンプレートのエントリ数。