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Oracle® Identity Manager Salesforceコネクタ・ガイド
リリース11.1.1
E79638-05
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3 Salesforceコネクタの使用

コネクタを自分の要件にかなうように構成したら、コネクタを使用してリコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行できます。

この章では、以下のトピックについて説明します。

ノート:

この項では、コネクタの構成に関する、概念的な情報と手順の情報の両方を提供します。手順を実行する前に、概念的な情報を参照することをお薦めします。

3.1 参照フィールド同期のスケジュール済ジョブ

参照フィールド同期用のスケジュール済ジョブでは、ターゲット・システムの特定のフィールドから最新の値がOracle Identity Managerの参照定義にフェッチされます。これらの参照定義はOracle Identity Managerの参照フィールドの入力ソースとして使用されます。

参照フィールド同期には、次のスケジュール済ジョブが使用されます。
  • Salesforce Group Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

  • Salesforce Profile Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ

表3-1に、この2つのスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。スケジュール済タスクを構成する手順は、このガイドで後述します。

ノート:

ターゲット・システムでは、参照フィールドで特殊文字を使用できます。ただし、Oracle Identity Managerでは、参照定義で特殊文字はサポートされません。

表3-1 参照フィールド同期のスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Code Key Attribute

参照定義のコード・キー列に移入するために使用する属性の名前を入力します(Lookup Name属性の値として指定)。

デフォルト値: __UID__

Decode Attribute

参照定義のデコード列に移入するために使用する属性の名前を入力します(Lookup Name属性の値として指定)。

デフォルト値: __NAME__

IT Resource Name

ユーザー・レコードをリコンサイルする、ターゲット・システム・インストールのITリソースの名前。

デフォルト値: Salesforce

Lookup Name

ターゲット・システムからフェッチされた値で移入される必要がある、Oracle Identity Managerの参照定義の名前。

デフォルト値は、使用するスケジュール済ジョブに応じて次のとおりです。
  • Salesforce Group Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ: Lookup.Salesforce.Groups

  • Salesforce Profile Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ: Lookup.Salesforce.Profiles

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプの名前。

デフォルト値は、使用するスケジュール済ジョブに応じて次のとおりです。
  • Salesforce Group Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ: Group

  • Salesforce Profile Lookup Reconciliationスケジュール済ジョブ: Entitlement

3.2 Salesforceコネクタのリコンシリエーションの構成

コネクタを構成して、リコンシリエーションのタイプおよびそのスケジュールを指定できます。

3.2.1 完全リコンシリエーション

完全リコンシリエーションでは、アクティブなすべてのユーザー・レコードをターゲット・システムからOracle Identity Managerへリコンサイルします。

ノート:

Salesforceサンドボックスが持つ自動処理ユーザーを削除し、すべてのユーザーの完全リコンシリエーションを正常に行うには、次のフィルタを追加する必要があります。greaterThan('userType','AutomatedProcest')|lessThan('userType','AutomatedProcess')

完全リコンシリエーションを実行するには、フィルタに割り当てられている値があればそれを削除してからユーザー・リコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブを実行します。

ノート:

  • アカウント・データが作成または変更された時間を追跡する方法がターゲット・システムによって提供されないため、コネクタは増分リコンシリエーションをサポートできません。

  • ターゲット・システムに2200件を超えるレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用して完全リコンシリエーションを実行してください。これは、Salesforce.comでは2200ユーザーを超えるリコンサイルはページ区切りされている場合でも許可されないためです。大規模なレコードのリコンサイルを参照してください。

3.2.2 制限付きリコンシリエーション

制限付きつまりフィルタ済リコンシリエーションは、設定されたフィルタ基準に基づいてリコンサイルすることによりレコードの数を制限するプロセスです。

デフォルトでは、前回のリコンシリエーションの実行後に追加または変更されたすべてのターゲット・システム・レコードが、現在のリコンシリエーションの実行中にリコンサイルされます。リコンサイルする必要のある追加または変更されたターゲット・システム・レコードのサブセットを指定して、このプロセスをカスタマイズできます。これは、リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して行います。

リコンシリエーション・モジュールのフィルタを作成して、制限付きリコンシリエーションを実行できます。このコネクタは、ターゲット・システムのいずれかの属性を使用してターゲット・システム・レコードをフィルタ処理するためのフィルタ属性を提供します。

ユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブの構成中に、フィルタ属性に値を指定します。

ノート:

ターゲット・システムに2200件を超えるレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用して制限付きリコンシリエーションを実行してください。これは、Salesforceでは2200ユーザーを超えるリコンサイルはページ区切りされている場合でも許可されないためです。あるいは、適切なフィルタを使用してレコード数を減らしてください。大規模なレコードのリコンサイルを参照してください。

フィルタの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのICFフィルタ構文を参照してください 

3.2.3 大規模なレコードのリコンサイル

リコンシリエーションの実行中に、ターゲット・システムに2200件を超えるレコードが含まれている場合、フラット・ファイル・コネクタを使用してすべてのレコードをOracle Identity Managerにフェッチする必要があります。

大規模なレコードをターゲット・システムからOracle Identity Managerへリコンサイルするには、次のようにします。
  1. ターゲット・システムのすべてのユーザーをフラット・ファイルにエクスポートします。
  2. そのフラット・ファイルをOracle Identity Managerからアクセスできる場所にコピーします。
  3. フラット・ファイルの構造を表すスキーマ・ファイルを作成します。
  4. フラット・ファイル・コネクタをインストールします。
  5. フラット・ファイルITリソースを構成します。
  6. 信頼できるソースのリコンシリエーションを実行する場合、Flat File Users Loaderスケジュール済ジョブを構成および実行します。
    このスケジュール済ジョブの構成の際は、Target IT Resource Name属性の値をSalesforceに、Target Resource Object NameSalesforce User Trustedに設定してください。
  7. ターゲット・リソースのリコンシリエーションを実行する場合、Flat File Accounts Loaderスケジュール済ジョブを構成および実行します。
    このスケジュール済ジョブの構成の際は、Target IT Resource Name属性の値をSalesforceに、Target Resource Object NameSalesforce Userに設定してください。

3.2.4 リコンシリエーション・スケジュール済ジョブ

コネクタ・インストーラを実行すると、リコンシリエーション・スケジュール済ジョブが自動的にOracle Identity Managerで作成されます。これらのスケジュール済ジョブを、その属性の値を指定して必要に合うように構成する必要があります。

この項では、リコンシリエーションのために構成可能な次のスケジュール済ジョブについて説明します。

3.2.4.1 ユーザー・レコードのリコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブ

ユーザー・リコンシリエーションのスケジュール済ジョブにはSalesforce Target Resource User ReconciliationおよびSalesforce Trusted User Reconciliationが含まれ、それぞれターゲット・リソースおよび信頼できるソースの各モードでコネクタを実行するときに使用されます。

信頼できるソースとターゲット・リソースのどちらのリコンシリエーションを実装するかによって、次のいずれかのユーザー・リコンシリエーション・スケジュール済ジョブの属性に値を指定する必要があります。
  • Salesforce Target Resource User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタのターゲット・リソース(アカウント管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用されます。

  • Salesforce Trusted User Reconciliation

    このスケジュール済ジョブは、コネクタの信頼できるソース(アイデンティティ管理)モードでユーザー・データをリコンサイルするために使用します。

表3-2に、この2つのスケジュール済ジョブの属性の説明を示します。

表3-2 ユーザー・リコンシリエーション用スケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるユーザー・レコードの検索フィルタを入力します。

サンプル値については、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのICFフィルタ構文を参照してください。

IT Resource Name

ユーザー・レコードのリコンサイル元のターゲット・システム・インストールに対するITリソースの名前を入力します。

Salesforce Target Resource User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値はSalesforceです。

Salesforce Trusted User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値はSalesforce Trustedです。

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプ。

デフォルト値: User

属性の値は変更しないでください。

Resource Object Name

リコンシリエーションを実行する必要のあるリソース・オブジェクトの名前。

Salesforce Target Resource User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値はSalesforce Userです。

Salesforce Trusted User Reconciliationスケジュール済ジョブのこの属性のデフォルト値はSalesforce User Trustedです。

この属性の値は変更しないでください。

3.2.4.2 グループのリコンシリエーションのスケジュール済ジョブ

Salesforce Group Reconスケジュール済ジョブは、ターゲット・システムのグループ・データをリコンサイルするために使用されます。

表3-3 Salesforce Group Reconスケジュール済ジョブの属性

属性 説明

Filter

リコンシリエーションの実行時にターゲット・システムからフェッチされるグループ・レコードの検索フィルタを入力します。

サンプル値については、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズICFフィルタ構文を参照してください。

IT Resource Name

グループ・データをリコンサイルするターゲット・システム・インストールのITリソースの名前を入力します。

デフォルト値: Salesforce

Object Type

リコンサイルするオブジェクトのタイプ。

デフォルト値: Group

属性の値は変更しないでください。

OIM Organization Name

リコンサイルするグループを作成または更新するOracle Identity Manager組織の名前を指定します。

サンプル値: Xellerate Users

Resource Object Name

リコンシリエーションを実行する必要のあるリソース・オブジェクトの名前。

デフォルト値: Salesforce Group

この属性の値は変更しないでください。

Scheduled Task Name

リコンシリエーションに使用されるスケジュール済タスクの名前。

デフォルト値: Salesforce Group Recon

3.3 スケジュール済ジョブの構成

ターゲット・システムで定期的に新しい情報をチェックしてOracle Identity Managerにそのデータを複製するリコンシリエーションを実行するスケジュール済ジョブを構成します。

この手順は、参照フィールド同期およびリコンシリエーションのためのスケジュール済ジョブを構成する場合に適用できます。
スケジュール済ジョブを構成するには:
  1. Oracle Identity System Administrationにログインします。
  2. 左ペインの「システム管理」で、「スケジューラ」をクリックします
  3. 次のようにスケジュール済タスクを検索して開きます。
    1. 左ペインの「検索」フィールドに、スケジュール済ジョブの名前を検索基準として入力します。「拡張検索」をクリックして検索基準を指定することもできます。
    2. 左ペインの検索結果表で、「ジョブ名」列のスケジュール済ジョブをクリックします。
  4. 「ジョブの詳細」タブで、スケジュール済タスクのパラメータを変更できます。
    再試行: このフィールドには整数値を入力します。この数値は、ジョブに「停止済」ステータスを割り当てるまでに、スケジューラがジョブの開始を試行する回数を表します。
    スケジュール・タイプ: ジョブを実行する頻度に応じて、適切なスケジュール・タイプを選択します。

    ノート:

    スケジュール・タイプの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のジョブの作成に関する項 を参照してください。
    ジョブ詳細を変更する他に、ジョブを有効化または無効化できます。
  5. 「ジョブの詳細」タブの「パラメータ」リージョンで、スケジュール済タスクの属性の値を指定します。

    ノート:

    • 属性値はインポートしたコネクタのXMLファイルで事前定義されています。変更する属性にのみ値を指定してください。

    • すべての属性に値(デフォルトまたはデフォルト以外)を割り当てる必要があります。属性値を1つでも空白のままにした場合、リコンシリエーションは実行されません。

    • スケジュール済タスクと属性のリストは、リコンシリエーションのスケジュール済ジョブを参照してください。

  6. 「適用」をクリックして変更を保存します。

    ノート:

    アイデンティティ・システム管理では、「実行停止」オプションが使用可能です。「スケジューラのステータス」ページを使用して、スケジューラを起動、停止または再初期化できます。

3.4 プロビジョニング操作の実行に関するガイドライン

これらのガイドラインは、プロビジョニング操作を実行するときに何をする必要があるかを説明します。

プロビジョニング操作を実行する際には、次のガイドラインを適用する必要があります。

  • ユーザーの作成プロビジョニング操作では、「ユーザー名」フィールドの値をドメイン名とともに指定する必要があります。たとえば、jdoe@example.comです。

  • グループのプロビジョニング操作では、DisplayNameの値を入力する必要があります。

  • 複数のグループに同じ名前が付いている場合、ターゲット・システムではグループ名に数字が付加されます。したがって、同名の複数のグループがターゲット・システムにプロビジョニングされてターゲット・システムとOracle Identity Managerが同期されるたびにグループ・ターゲット・リコンシリエーション・ジョブを実行する必要があります。

3.5 プロビジョニング操作の実行

「ユーザーの作成」ページを使用して、Oracle Identity Self Serviceに新規ユーザーを作成できます。アカウントのプロビジョニングやリクエストは「ユーザーの詳細」ページの「アカウント」タブで実行します。

Oracle Identity Managerでプロビジョニング操作を実行するには、次のようにします。
  1. Oracle Identity Self Serviceにログインします。
  2. ユーザーを作成します。ユーザーの作成の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerでのセルフ・サービス・タスクの実行のユーザーの管理を参照してください。
  3. 「アカウント」タブで、「アカウントのリクエスト」をクリックします
  4. 「カタログ」ページで、ステップ3で作成したアプリケーション・インスタンスを検索してカートに追加し、「チェックアウト」をクリックします
  5. アプリケーション・フォームの各フィールドの値を指定し、「送信準備ができています」をクリックします
  6. 「送信」をクリックします。
  7. 権限をプロビジョニングする場合は、次の手順を実行します。
    • 「権限」タブで、「権限のリクエスト」をクリックします
    • 「カタログ」ページで、権限を検索してカートに追加し、「チェックアウト」をクリックします。
    • 「送信」をクリックします。

3.6 Salesforceコネクタのアンインストール

コネクタのアンインストールでは、コネクタのリソース・オブジェクトに関連付けられているすべてのアカウント関連データを削除します。

なんらかの理由でコネクタをアンインストールする場合は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理コネクタのアンインストールを参照してください。