コネクタをOracle Identity Managerにインストールする必要があります。必要に応じて、コネクタをコネクタ・サーバーにインストールすることもできます。
次の項では、Generic SCIMコネクタのインストールおよび構成について詳しく説明します。
Generic SCIMコネクタのインストール前の作業には、カスタム認証の実装およびカスタム解析の実装が含まれます。SCIMコネクタの場合、インストール前のステップはメタデータの生成前に実行します。
ターゲット・システムで、このコネクタでサポートされない認証メカニズムが使用されている場合は、ターゲット・システムで使用されている認証を実装し、このコネクタによって公開されるプラグインを使用してその認証をコネクタにアタッチする必要があります。カスタム認証の実装には、Javaクラスの作成、認証ヘッダーをマップの形式で返すMap<String, String> getAuthHeaders(Map<String, Object> authParams)メソッドのオーバーライド、新しいJavaクラスを含めるためのコネクタ・インストール・メディアの更新が含まれます。認証ヘッダーの取得に必要となる可能性のある、ターゲット・システム構成と認証の詳細すべてが、特定のITリソース・パラメータを介してMap<String, String> getAuthHeaders(Map<String, Object> authParams)メソッドに渡されます。このコネクタによって公開されるすべての構成プロパティには、このメソッド内で"authParams"の一部としてアクセスできます。
コネクタをOracle Identity Managerにインストールする必要があります。必要に応じて、コネクタをコネクタ・サーバーにインストールすることもできます。
次のトピックでは、コネクタのインストールについて詳しく説明します。
Generic SCIMコネクタのインストールを理解する手順は、コネクタをインストールするステップのサマリーおよびGeneric SCIMコネクタのローカルおよびリモートへのインストールについての2ステージに分かれています。
このコネクタのインストールでは、インストール・メディアに含まれるコネクタ・バンドルをインストールし、次に、Generic SCIMコネクタの生成の項で説明した手順の実行中に生成したコネクタ・パッケージ(ターゲット・システムに固有)をインストールする必要があります。
次に、Generic SCIMコネクタをインストールするステップのサマリーを示します。
このコネクタ・コードは、Oracle Identity Managerでローカルに実行することも、コネクタ・サーバーでリモートで実行することもできます。
コネクタ・コード(バンドル)を実行する場所に応じて、コネクタのインストール・オプションは次のようになります。
Oracle Identity Managerでコネクタ・コードをローカルに実行します。
このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイします。Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイするには、コネクタ・インストーラの実行およびターゲット・システムのITリソースの構成で説明されている手順を実行します。
コネクタ・サーバーでコネクタ・コードをリモートに実行します。
このシナリオでは、Oracle Identity Managerにコネクタをデプロイしてから、コネクタ・サーバーにコネクタ・バンドルをデプロイします。コネクタ・サーバーのインストール・構成および実行、ならびにコネクタ・サーバーでのコネクタのインストールの詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズ のアイデンティティ・コネクタ・サーバーの使用を参照してください。
コネクタ・インストーラを実行すると、コネクタ・ファイルがOracle Identity Managerのディレクトリに自動的にコピーされ、コネクタXMLファイルがインポートされ、プロビジョニングに使用されるアダプタがコンパイルされます。
以前の項で説明したように、最初に、インストール・メディアに含まれているコネクタ・バンドルをインストールしてから、生成したコネクタ・パッケージに含まれているコネクタ・バンドルをインストールする必要があります。両方のコネクタ・バンドルのインストール手順は、次の点を除いて同じです。
コネクタ・インストーラを実行してインストール・メディアからコネクタ・バンドルをインストールする前に、コネクタ・インストール・メディアの内容をOIM_HOME/server/ConnectorDefaultDirectoryディレクトリにコピーする必要があります。
コネクタ・インストーラを実行して、生成されたコネクタをインストールする前に、解凍したコネクタ・パッケージ(Generic SCIMコネクタの生成で作成)をOIM_HOME/server/ConnectorDefaultDirectoryディレクトリにコピーする必要があります。
コネクタ・インストーラを使用してコネクタをOracle Identity Managerにインストールする必要があります。これを行うには、次のようにします。
ターゲット・システムのITリソースは、コネクタのインストール後に作成されます。ITリソースは、ターゲット・システムに関する接続やその他の汎用情報を格納するパラメータで構成されます。Oracle Identity Managerは、この情報を使用して、特定のインストールやターゲット・システムのインスタンスに接続し、リコンシリエーション操作およびプロビジョニング操作を実行します。
接続関連のパラメータ
認証パラメータ
パーサー・パラメータ
追加の構成パラメータ
ノート:
「ITリソース」ページに表示されるパラメータのリストは、GenericSCIMConfiguration.groovyファイルのConfigエントリに追加したプロパティによって決まります。ITリソース・パラメータのリストは、Oracle Identity Manager Design Consoleを使用してITリソース・タイプの定義を変更することで、任意の時点に更新できます。ITリソース・タイプの定義を更新する際は、コネクタの再作成とインストールは必要ありません。この項では、ITリソースの構成に関する次のトピックについて説明します。
ITリソースは、ターゲット・システムに関する接続やその他の汎用情報を格納するパラメータで構成されます。Oracle Identity Managerはこの情報を使用して、ターゲット・システムの特定のインストールまたはインスタンスに接続します。
このコネクタのITリソース・パラメータのリストは、次のカテゴリに分けることができます。
接続関連のパラメータ
認証パラメータ
パーサー・パラメータ
構成パラメータ
接続パラメータ
接続パラメータは、Oracle Identity Managerとターゲット・システム間の接続を確立してアイデンティティ情報を交換するために、コネクタによって使用されます。
認証パラメータ
認証パラメータは、ターゲット・システムがアプリケーションを認証するために使用します。認証用のITリソース・パラメータは、grantTypeパラメータの値に応じて変わります。grantTypeパラメータには、ターゲット・システムで使用される認証のタイプが保持されます。デフォルトでは、コネクタは次のタイプの認証をサポートします。
基本認証
OAuth2.0 JWT
OAuth2.0クライアント資格証明
OAuth 2.0リソース所有者のパスワード
ここに示した認証タイプの他に、ターゲット・システムで使用されている認証タイプがある場合は、独自の実装を開発して作成する必要があります。このパラメータには、次の値を指定できます。
HTTP基本認証: basic
OAuth 2.0 JWT: jwt
OAuth 2.0クライアント資格証明: client_credentials
OAuth 2.0リソース所有者のパスワード: password
カスタム認証の実装: custom
パーサー・パラメータ
デフォルトでは、コネクタはリコンシリエーションの実行中にJSON解析のみをサポートします。ターゲット・システムのリコンシリエーション・データがJSON形式でない場合は、使用するデータ形式に合わせてカスタム・パーサーの実装を作成する必要があります。ターゲット・システムのデータがJSON形式でない場合、コネクタではJSON解析が使用されるため、jsonResourcesTagパラメータの値を指定する必要があります。jsonResourcesTagパラメータには、リコンシリエーション時に単一のレスポンス・ペイロードで複数のエントリを解析するために使用されるjsonタグ値を含める必要があります。カスタム・パーサーの実装を使用している場合、表3-7に示されているパラメータの値を指定する必要があります。
追加の構成パラメータ
追加の構成パラメータはすべてターゲット・システムに固有です。
ターゲット・システムのITリソースには、ターゲット・システムに関する接続情報が含まれます。Oracle Identity Managerでは、プロビジョニングおよびリコンシリエーション時にこの情報を使用します。
接続パラメータ
表3-1 接続のITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
| schemaFile | 使用するスキーマ・ファイルの名前と相対パスを入力します。 作成したスキーマ・ファイルの詳細は、スキーマの定義を参照してください。 |
username |
Oracle Identity Managerがターゲット・システムへの接続に使用する、ターゲット・システム・ユーザー・アカウントのユーザー名またはID。 |
| host | ターゲット・システムのホストであるコンピュータのホスト名またはIPアドレス。 サンプル値: |
port |
ターゲット・システムがリスニングしているポート番号。 サンプル値: |
proxyHost |
プロキシ・ホストは、外部のターゲット・システムへの接続に使用するプロキシ・ホストの名前です。
サンプル値: www.example.com |
proxyPort |
プロキシ・ポート番号 サンプル値: |
proxyUser |
ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザーID。 |
proxyPassword |
ターゲット・システムに接続するために、Oracle Identity Managerにより使用されるターゲット・システム・ユーザー・アカウントのプロキシ・ユーザーIDのパスワード。 |
connectionTimeOut |
ターゲット・システムとOracle Identity Managerとの間の接続確立の試行がタイムアウトするまでのミリ秒数を指定する整数値。 サンプル値: |
socketTimeOut |
ターゲット・システムからのレスポンス待機がタイムアウトするまでのミリ秒数を指定する整数値。 サンプル値: |
| baseURI | ベースURIは、SCIMターゲット・システムのベース相対URLを意味します。
たとえば、URLがhttp://host:port/hcmCoreSetupApi/scim/Userの場合、baseURIは/hcmCoreSetupApi/scimです。 |
| nameAttributes | コネクタによって処理されるすべてのオブジェクト・クラスの名前属性を入力します。この値は、コネクタが扱う各オブジェクト・クラスの_NAME_コネクタ属性と対応するターゲット・システム属性間のマッピングを指定します。
書式: OBJ_CLASS.ATTR_NAME
ノート: このパラメータのすべての値はカンマ区切りにする必要があります。 |
| uidAttributes | コネクタが扱う各オブジェクト・クラスの_UID_ (GUID)コネクタ属性とターゲット属性間のマッピングを入力します。 書式: OBJ_CLASS.ATTR_NAME ノート: このパラメータのすべての値はカンマ区切りにする必要があります。 |
statusAttributes |
このコネクタが扱う各オブジェクト・クラスの_ENABLE_コネクタ属性と、ステータスを保持するターゲット属性間のマッピングを入力します。
形式: OBJ_CLASS.ATTR_NAME
ノート: このパラメータのすべての値はカンマ区切りにする必要があります。 |
| grantType | ターゲット・システムによって使用される認証付与を指定します。このプロパティでサポートされる付与タイプと可能な値を次に示します。 – HTTP基本認証 — basic —OAuth2.0 JWT — jwt – OAuth 2.0クライアント資格証明 — client_credentials – OAuth 2.0リソース所有者のパスワード — password – 認証用に独自のカスタム実装を作成した場合の値は |
| contentType | このパラメータは、ターゲット・システムがヘッダーに求めるコンテンツ・タイプを保持します。コンテンツ・タイプは |
| acceptType | このパラメータは、ターゲット・システムがヘッダーに求める許容タイプを保持します。受入タイプはapplication/scim+jsonにできます。 |
scimVersion |
このエントリは、ターゲット・システムのSCIMバージョンを保持します。この属性の有効な範囲は、1から19です。 |
| jsonResourcesTag | レスポンス・ペイロードを解析するために使用されるJSONタグの値を入力します。このパラメータで示される値は、レスポンスの解析中に不要な外部タグとしてみなされます。レスポンス・ペイロードに不要な外部タグがない場合には、このパラメータ値の入力をスキップできます。
パラメータの値は次の形式で入力します。OBJ_CLASS=OUTER_ATTR_NAME
この形式のOBJ_CLASSは、解析対象となっているレスポンス・ペイロードのオブジェクト・クラスの名前です。OUTER_ATTR_NAMEは、レスポンス・ペイロードに含まれる外部タグの名前です。
たとえば、ユーザー・オブジェクトの次のJSON値について考えます。 "Resources":
"{ "user1":"{value1}",
"user2":"{value2}"
}
__ACCOUNT__=Resourcesです。
ノート: このパラメータの値は、ターゲット・システムのデータがJSON形式の場合にのみ入力する必要があります。JSONタグが複数の場合は、値をカンマで区切る必要があります。 |
| attrToOClassMapping | このエントリは、あるオブジェクト・クラスの属性を別のオブジェクト・クラスにマップするために使用されます。 たとえば、 サンプル値: |
認証パラメータ
前の項で説明したように、認証用のITリソース・パラメータは、grantTypeパラメータに指定する値に応じて変わります。
表3-2 HTTP基本認証のITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
username |
リコンシリエーション操作およびプロビジョニング操作の間に、Oracle Identity Managerがターゲット・システムに接続してアクセスするために使用する必要がある、アカウントのユーザー名またはユーザーID。
サンプル値: johnsmith |
password |
リコンシリエーション操作およびプロビジョニング操作の間に、Oracle Identity Managerがターゲット・システムに接続してアクセスするために使用する必要があるアカウントのパスワード。
サンプル値: password |
jwtに設定されている場合に値を指定する必要があるITリソース・パラメータのセットを示します。表3-3 OAuth 2.0 JWTのITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
aud |
JWTの対象を入力します。この値には、認証サーバーのURIまたはトークン・エンドポイントのURLを指定できます。 サンプル値: |
iss |
JWTを発行したエンティティを一意に識別する値を入力します。 サンプル値: |
scope |
発行されるアクセス・トークンの有効範囲を入力します。 サンプル値: |
sub |
JWTの発行先プリンシパルを識別する値を入力します。 サンプル値: |
privateKeyLocation |
アクセス・トークンへの署名に使用される秘密キーへの絶対パスを入力します。 サンプル値: |
privateKeySecret |
アクセス・トークンへの署名に使用される秘密キーの値を入力します。 |
tokenLifespan |
アクセス・トークンの有効期限を入力します(ミリ秒単位)。 サンプル値: |
signatureAlgorithm |
アクセス・トークンへの署名に使用されるアルゴリズムを入力します。 サンプル値: |
privateKeyFormat |
アクセス・トークンへの署名に使用される秘密キーの形式を入力します。 サンプル値: |
client_credentialsに設定されている場合に値を指定する必要があるITリソース・パラメータのセットを示します。表3-4 OAuth2.0クライアント資格証明のITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
clientId |
登録プロセス中に認証サーバーがクライアントに発行するクライアント識別子(一意の文字列)を入力します。 サンプル値: |
clientSecret |
クライアント・アプリケーションのアイデンティティを認証するために使用する値を入力します。 サンプル値: |
authenticationServerURL |
クライアントを認証し(クライアントIDとクライアント・シークレットを検証)、有効だった場合はアクセス・トークンを発行する認証サーバーのURLを入力します。 サンプル値: |
passwordに設定されている場合に値を指定する必要があるITリソース・パラメータのセットを示します。表3-5 OAuth2.0リソース所有者のパスワードのITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
username |
リソース所有者のリソース名またはユーザーIDを入力します。 サンプル値: |
password |
リソース所有者のパスワードを入力します。 サンプル値: |
clientId |
登録プロセス中にクライアントに発行されるクライアント識別子を入力します。 サンプル値: |
clientSecret |
クライアント・アプリケーションのアイデンティティを認証するのに使用されるクライアント・シークレットを入力します。 サンプル値: |
authenticationServerUrl |
クライアント(クライアントIDとクライアント・シークレットを検証)とリソース所有者の資格証明を認証し、有効だった場合はアクセス・トークンを発行する認証サーバー(トークン・エンドポイント)のURLを入力します。 サンプル値: |
customに設定されている場合に表示されるITリソース・パラメータのセットを示します。表3-6 カスタム実装のITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
customAuthClassName |
「カスタム認証の実装」で説明した手順の実行中に作成したカスタム認証ロジックを実装するクラスの名前を入力します。 |
customAuthConfigParams |
カスタム認証クラスで使用できる構成パラメータを入力します PARAM_NAME1=VAL1,PARAM_NAME2=VAL2, . . .PARAM_NAMEn=VALn |
パーサー・パラメータ
表3-7 カスタム・パーサーのITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
customParserClassName |
カスタム解析の実装で説明した手順の実行中に作成したカスタム・パーサー・ロジックを実装するクラスの名前を入力します。 |
customParserConfigParams |
カスタム・パーサー・クラスで使用できる構成パラメータを入力します。 このパラメータの値は次の形式で入力する必要があります。 PARAM_NAME1=VAL1,PARAM_NAME2=VAL2, . . .PARAM_NAMEn=VALn |
追加の構成パラメータ
追加の構成パラメータはすべてターゲット・システムに固有です。表3-8は、ターゲット・システム構成に関連するITリソース・パラメータを示します。この表に含まれるすべてのパラメータでサポートされる操作タイプは、CREATEOP、DELETEOP、SEARCHOPおよびUPDATEOPです。
表3-8 構成のITリソース・パラメータ
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
sslEnabled |
Oracle Identity Managerとターゲット・システムの間でSSL通信を有効にするかどうかを指定します。 SSLが構成されている場合は、yesを入力します。それ以外の場合は、noを入力します。 |
relURLs |
各オブジェクト・クラスの全操作に対する相対URLを入力します。このパラメータの値は次の形式のいずれかで入力します。
ノート: このパラメータのすべての値はカンマ区切りにする必要があります。 サンプル値: |
customHeaders |
ターゲット・システムに送信する必要があるカスタム値または追加のヘッダー値を入力します。 形式: 注意: SCIMターゲットとしてOracle Identity Governance 12c (12.2.1.4.0)を使用している場合は、POSTリクエスト用の追加のヘッダーを入力します。例: |
customAuthHeaders |
認証中にのみターゲット・システムに送信する必要がある追加のヘッダー値を入力します。grantTypeパラメータをotherに設定してこのパラメータの値を入力している場合は、HTTP認証ヘッダーを介して渡す必要があるアクセス・トークンおよびリフレッシュ・トークンを入力します。 |
customPayload |
標準のJSON形式に従わないターゲット・システム属性のリクエスト・ペイロードの形式をカンマ区切りのリストで入力します。 形式: OBJ_CLASS.ATTRNAME.OP=PAYLOAD_FORMAT ノート: カスタム・ペイロードの一部としてユーザーの一意のIDを渡す必要がある場合は、 サンプル値: |
| dateAttributes | ターゲット・システムで使用可能な日付属性のリストを指定します。 サンプル値: " |
passwordAttribute |
コネクタの 形式: ノート: このパラメータのすべての値はカンマ区切りにする必要があります。 |
| dateFormat | ターゲット・システムで使用可能な日付属性の日付書式を指定します。 サンプル値: |
| lookupObjectClasses | スケジュール済タスクに使用されるオブジェクト・クラスのリストを指定します。このオブジェクト・クラスのリストは、デフォルトではターゲット・システムで使用できません。 |
| httpOperationTypes | オブジェクト・クラスの属性に対する特定の操作で実行する必要があるHTTP操作のタイプを指定します。 サンプル値: ノート: コネクタでは、Oracle Identity ManagerからSCIMベースのターゲット・システムに対して変更または更新操作を実行するPATCHメソッドのみがサポートされています。 |
| defaultBatchSize | GET操作のデフォルト・ページ/バッチ・サイズを保持します。 デフォルト値: 500 |
| reconSortByAttrs | 属性名および値を指定します。この値に基づいて、ターゲット・システムによってGET操作のソートが実行されます。 サンプル値: Users=id","Groups=id |
ターゲット・システムのITリソースには、ターゲット・システムに関する接続情報が含まれます。Oracle Identity Managerでは、プロビジョニングおよびリコンシリエーション時にこの情報を使用します。
メタデータ・ジェネレータを実行すると、このコネクタに対応するITリソースがOracle Identity Managerで自動的に作成されます。次のようにして、このITリソースのパラメータの値を指定する必要があります。
コネクタのインストール後の作業には、Oracle Identity Managerの構成、すべてのコネクタ・イベントに関する情報を追跡するためのロギングの有効化、およびSSLの構成が含まれます。また、ユーザー・インタフェースのローカライズなどのオプションの構成も行います。
このトピックでは、次のインストール後の手順について説明します。
リコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行するリソースに対し、UIフォームおよびアプリケーション・インスタンスを作成する必要があります。さらに、権限およびカタログ同期化ジョブを実行する必要があります。
ノート:
この項で説明されている手順は、ターゲット・リソース構成モードでコネクタを使用する場合にのみ実行してください。リコンシリエーションおよびプロビジョニング操作を実行するリソースに対し、UIフォームおよびアプリケーション・インスタンスを作成する必要があります。さらに、権限およびカタログ同期化ジョブを実行する必要があります。これらの手順について、次の各項で説明します。
カスタマイズおよびフォーム管理機能の使用を開始するには、サンドボックスを作成してアクティブにする必要があります。次に、サンドボックスを公開してそのカスタマイズを他のユーザーが使用できるようにします。
Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerのためのアプリケーションの開発とカスタマイズのサンドボックスの作成に関する項 および サンドボックスのアクティブ化および非アクティブ化に関する項を参照してください。
UIフォームの新規作成の手順は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理』のフォーム・デザイナを使用したフォームの作成に関する項を参照してください。UIフォームを作成するときは、必ずそのフォームを関連付けるGeneric SCIMコネクタに対応するリソース・オブジェクトを選択します。また、「権限フォームの生成」チェック・ボックスを選択します。
デフォルトでは、コネクタをインストールすると、アプリケーション・インスタンスが自動的に作成されます。このアプリケーション・インスタンスの名前は、GenericScimConfiguration.groovyファイルのapplicationInstanceNameエントリの値に指定された名前です。applicationInstanceNameエントリに値を指定しなかった場合、アプリケーション・インスタンス名はITResourceDefNameエントリの値と同じになります。
このアプリケーション・インスタンスは、UIフォームの新規作成で作成したフォームと関連付ける必要があります。
フォームと関連付けるためのアプリケーション・インスタンスの変更の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managerの管理のアプリケーション・インスタンスの管理を参照してください。
アプリケーション・インスタンスを更新したら、それを組織に公開して、アプリケーション・インスタンスのリクエストとそれに続くユーザーへのプロビジョニングを可能にする必要があります。ただし、ベスト・プラクティスとして、アプリケーション・インスタンスを公開する前に次の手順を実行します。
使用する言語に対応するリソース・バンドルを使用して、UIフォーム・フィールド・ラベルをローカライズできます。リソース・バンドルはコネクタ・インストール・メディアに用意されています。
コネクタをデプロイすると、リソース・バンドルがインストール・メディアのresourcesディレクトリからOracle Identity Managerデータベースにコピーされます。connectorResourcesディレクトリに新しいリソース・バンドルを追加したり、既存のリソース・バンドルに変更を加えた場合は、コネクタ・リソース・バンドルに関連するコンテンツをその都度サーバー・キャッシュから消去する必要があります
サーバー・キャッシュからコネクタ・リソース・バンドル関連コンテンツをクリアするには、Oracle Identity Managerを再起動するか、PurgeCacheユーティリティを実行します。次に、PurgeCacheユーティリティを実行してサーバー・キャッシュをクリアする手順を示します。
Oracle Identity ManagerではOracle Diagnostic Logging (ODL)ロギング・サービスを使用して、コネクタに関連するすべてのタイプのイベントを記録します。
次のトピックでは、ロギングについて詳しく説明します。
ロギングを有効化すると、Oracle Identity Managerはプロビジョニングおよびリコンシリエーション操作の過程で発生するイベントについての情報をログ・ファイルに自動的に格納します。
Oracle Identity Managerでは、ロギングにOracle Java Diagnostic Logging (OJDL)が使用されます。OJDLは、java.util.loggerに基づいています。ロギングを行うイベントのタイプを指定するには、ログを次のいずれかのレベルに設定します。
SEVERE.intValue()+100
このレベルでは、致命的エラーに関する情報のロギングが有効化されます。
SEVERE
このレベルでは、Oracle Identity Managerの実行を続行できる可能性があるエラーに関する情報のロギングが有効化されます。
WARNING
このレベルでは、障害を引き起こす可能性のある状況に関する情報のロギングが有効化されます。
INFO
このレベルでは、アプリケーションの進行状況を示すメッセージのロギングが有効化されます。
CONFIG
このレベルでは、デバッグに役立つ詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化されます。
FINE、FINER、FINEST
これらのレベルでは詳細なイベントに関する情報のロギングが有効化され、FINESTではすべてのイベントに関する情報が記録されます。
表3-9に示すように、これらのログ・レベルはODLのメッセージ・タイプとレベルの組合せにマップされます。
表3-9 ログ・レベルおよびODLメッセージ・タイプとレベルの組合せ
| ログ・レベル | ODLメッセージ・タイプ:レベル |
|---|---|
SEVERE.intValue()+100 |
INCIDENT_ERROR:1 |
SEVERE |
ERROR:1 |
WARNING |
WARNING:1 |
INFO |
NOTIFICATION:1 |
CONFIG |
NOTIFICATION:16 |
FINE |
TRACE:1 |
FINER |
TRACE:16 |
FINEST |
TRACE:32 |
OJDLの構成ファイルはlogging.xmlであり、次のパスにあります。
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/OIM_SERVER/logging.xml
ここで、DOMAIN_HOMEとOIM_SERVERは、Oracle Identity Managerのインストール時に指定されたドメイン名とサーバー名です。
Oracle WebLogic Serverのロギングを有効化するには、次のようにします。
次のようにしてlogging.xmlファイルを編集します。
ファイル内に次のブロックを追加します。
<log_handler name='genericscim-handler' level='[LOG_LEVEL]' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> <property name='logreader:' value='off'/> <property name='path' value='[FILE_NAME]'/> <property name='format' value='ODL-Text'/> <property name='useThreadName' value='true'/> <property name='locale' value='en'/> <property name='maxFileSize' value='5242880'/> <property name='maxLogSize' value='52428800'/> <property name='encoding' value='UTF-8'/> </log_handler>
<logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.GENERICSCIM" level="[LOG_LEVEL]" useParentHandlers="false">
<handler name="genericscim-handler"/>
<handler name="console-handler"/>
</logger>
[LOG_LEVEL]が出現したら両方を必要なODLのメッセージ・タイプとレベルの組合せに置き換えます。表3-9に、サポートされているメッセージ・タイプとレベルの組合せを示します。
同様に、[FILE_NAME]を、記録するコネクタ操作に特有のメッセージを記録するログ・ファイルの名前とフルパスに置き換えます。
次のブロックは、[LOG_LEVEL]および[FILE_NAME] のサンプル値を示しています。
<log_handler name='genericscim-handler' level='NOTIFICATION:1' class='oracle.core.ojdl.logging.ODLHandlerFactory'> <property name='logreader:' value='off'/> <property name='path' value='/<%OIM_DOMAIN%>/servers/oim_server1/logs/genericScriptLogs.log>" <property name='format' value='ODL-Text'/> <property name='useThreadName' value='true'/> <property name='locale' value='en'/> <property name='maxFileSize' value='5242880'/> <property name='maxLogSize' value='52428800'/> <property name='encoding' value='UTF-8'/> </log_handler> <logger name="ORG.IDENTITYCONNECTORS.GENERICSCIM" level="NOTIFICATION:1" useParentHandlers="false"> <handler name="genericscim-handler"/> <handler name="console-handler"/> </logger>
Oracle Identity Managerをこれらのサンプル値とともに使用すると、このコネクタに対して生成された、ログ・レベルがNOTIFICATION:1レベル以上のすべてのメッセージが、指定したファイルに記録されます。
保存してファイルを閉じます。
サーバー・ログをファイルにリダイレクトするには、次の環境変数を設定します。
Microsoft Windowsの場合: set WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME
UNIXの場合: export WLS_REDIRECT_LOG=FILENAME
FILENAMEを、出力のリダイレクト先ファイルの場所と名前に置き換えます。
アプリケーション・サーバーを再起動します。