この章では、デフォルトのJMSレポート・プロバイダおよびOSB管理コンソールの「レポート」モジュールを含むOracle Service Bus(OSB)レポート・フレームワークについて説明します。
Oracle Service Busは、メッセージ・データとアラートを1つまたは複数のレポート・プロバイダに配信します。メッセージ・データは、メッセージの本文およびメッセージに関連付けられた他の変数(header変数やinbound変数など)から取り込むことができます。アラート・データには、プロキシ・サービスをモニターするために構成できるサービス・レベル・アグリーメント(SLA)違反に関する情報が含まれます。レポート・プロバイダに配信されるメッセージまたはアラート・データは、メッセージのトラッキングや規定の監査などの機能に使用できます。
Oracle Service Busには、メッセージ・レポート用のJMSレポート・プロバイダが含まれます。Oracle Service Bus管理コンソールの「レポート」モジュールには、このレポート・プロバイダから取り込まれた情報が表示されます。Oracle Service Busのインストールで提供されるJMSレポート・プロバイダを使用しない場合は、そのレポート・プロバイダを割当て解除し、レポート・サービス・プロバイダ・インタフェース(SPI)を使用して独自のレポート・プロバイダを作成できます。メッセージ用の独自のレポート・プロバイダを構成した場合、Oracle Service Bus管理コンソールに情報は表示されません。したがって、独自のユーザー・インタフェースを作成する必要があります。SLAデータを取り込むには、アラート用のレポート・プロバイダを作成する必要があります。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Service Busには、メッセージまたはアラート用に1つまたは複数のレポート・プロバイダを作成できる拡張可能なフレームワークが用意されています。
メッセージ・レポートを有効にするには、最初にプロキシ・サービスのメッセージ・フローにレポート・アクションを作成する必要があります。レポート・アクションを使用すると、各メッセージから情報を抽出して、それをOracle Service Busレポート・データ・ストリームに書き込むことができます。アラート・レポートのレポート・アクションを構成する必要はありません。アラート・データは常にレポート・データ・ストリームで使用可能です。詳細は、47.4項「メッセージ・レポートを有効にする方法」を参照してください。
独自のレポート・プロバイダの作成に必要な情報は、Oracle Fusion Middleware Oracle Service Bus Java APIリファレンスのcom.bea.wli.reporting
にあります。Java APIリファレンスには、パッケージ化する方法、配置場所、デプロイの方法、デプロイメント順序など、レポート・プロバイダの実装に必要なものに関する情報が記載されています。レポート・スキーマ(MessageReporting.xsd)の場所は、OSB_ORACLE_HOME
/lib/sb-schemas.jar
です。
図47-1は、レポート・フレームワークを示しています。
図47-1に示すように、レポート・メッセージとアラートの両方がレポート・データ・ストリームにエクスポートされます。レポート・ステージでは、レポート・アクションによって情報が各メッセージから抽出され、MessageReporting.xsdに準拠するメタデータとともにレポート・データ・ストリームに書き込まれます。
同様に、SLAマネージャは、レポート・データ・マネージャAPIを使用して、AlertReporting.xsdに準拠するメタデータとともにアラート・レポート・ストリームに書き込みます。アラートのレポート・プロバイダまたは独自のメッセージ・レポート・プロバイダを開発するには、ReportingDataHandlerインタフェースを実装し、ReportingDataManagerクラスを使用する必要があります 。
ReportingDataHandlerインタフェースは、レポートまたはアラート・データ・ストリームを取得し、処理します。このストリームは、リレーショナル・データベース、ファイル、JMSキューなどで処理したり格納したりできます。使用するストリームに応じて、データ・ストリームを処理する適切なhandleメソッドを実装する必要があります。
メッセージ・レポート・ストリーム - Oracle Service Busランタイムのレポート・アクションで次の2つのhandleメソッドを使用して、メッセージ・レポート・ストリームに書き込みます。
handle(com.bea.xml.XmlObject metadata, String s) handle(com.bea.xml.XmlObject metadata, com.bea.xml.XmlObject data)
アラート・レポート・ストリーム - アラート・マネージャで次のhandle
メソッドを使用して、アラート・レポート・ストリームに書き込みます。
handle(com.bea.xml.XmlObject metadata, String data)
ReportingDataManagerは、レポート・プロバイダのレジストリを保持するローカル・サーバー・オブジェクトです。レポート・プロバイダは、ReportingDataHandlerインタフェースを実装します。ReportingDataManagerには、次の機能を実行するための操作が用意されています。
レポート・データ・ハンドラの追加と削除
各種handle操作を使用したレポート・データ・ストリームのエクスポート
JMSレポート・プロバイダは、プロキシ・サービスのメッセージ・フローでのレポート・アクションを使用して各メッセージからレポート情報を取り込むプラガブルなアーキテクチャを備えています。デフォルトのJMSレポート・プロバイダは、Oracle Service Busドメインの作成時に自動的に構成されます。クラスタ内のすべてのメッセージは集約され、データベース固有の形式でJMSレポート・プロバイダ・データ・ストアに格納されます。このプロバイダは、JMSレポート・プロバイダ・データ・ストアの情報を表示します。
注意: デフォルトのOracle Service Bus JMSレポート・プロバイダを使用しない場合は、47.6項「JMSレポート・プロバイダを割当て解除する方法」に示すように、レポート・プロバイダおよびドメイン内の対応するデータ・ソースを割当て解除する必要があります。 |
JMSレポート・プロバイダは、プロデューサとコンシューマで構成されています。これらはスケーラビリティを向上させるために切り離されています。図47-2に示すように、プロデューサはJMSプロデューサであり、MDB(メッセージドリブンBean)がJMSコンシューマとして機能します。
レポート・ステージには、レポート情報を収集し、ReportingDataManagerの各種のhandle操作を通じてレポート・ストリームをJMSレポート・プロバイダにディスパッチするレポート・アクションが含まれています。JMSReportingDataHandlerは、レポート・プロバイダのJMSプロデューサです。JMSReportingDataHandlerはレポート・ストリームを取得し、情報をJMSキューに記録します。MDBは、JMSレポート・キューをリスンします。メッセージは非同期に処理され、データはJMSレポート・プロバイダ・データ・ストアに格納されます。
JMSレポート・プロバイダはレポート・アクションによって生成されたレポートを処理しますが、SLAやパイプライン・アラートのため生成されたレポートは無視されます。カスタム・レポート・プロバイダに書き込むとき、その動作に制限されません。ビジネス要件に応じて、レポート・フレームワークによってカスタム・レポート・プロバイダに配信されたレポート・データのすべてまたはサブセットを処理することができます。
JMSレポート・プロバイダは、デフォルトのキュー接続ファクトリを使用しますが、これによってグローバル・トランザクションのコンテキストでプロキシ・サービス・パイプラインがレポート・アクションを実行できるようになります。jmsResourcesモジュールで定義される接続ファクトリは、wli.reporting.jmsprovider.ConnectionFactoryと呼ばれます。
グローバル・トランザクションのコンテキストでレポート・アクションを実行しない場合は、Oracle WebLogic Serverコンソールで接続ファクトリを変更しますが、これを行うには、「サービス」→「メッセージング」→「JMSモジュール」→「jmsResources」を選択して、「トランザクション」タブを選択し、「XA接続ファクトリの有効化」オプションを選択解除します。
この接続ファクトリを使用してレポート・アクションを処理する場合に、プロキシ・サービス・パイプラインが使用するロジックは次のとおりです。
グローバル・トランザクションが存在し、かつ、接続ファクトリがXA対応(デフォルト)である場合、レポートはそのグローバル・トランザクションのコンテキスト内で生成されます。
グローバル・トランザクションが存在し、かつ、接続ファクトリがXA対応でない場合、トランザクションが一時停止され、レポートはローカル・トランザクション内で生成されます。
グローバル・トランザクションが存在しない場合、レポートはローカル・トランザクション内で生成されます。
Oracle Service Busでは、JMSレポート・プロバイダ・データ・ストア用のデータベースが必要です。Oracle WebLogic ServerとともにインストールされるApache Derbyデータベースは開発のみを目的としており、本番環境用ではありません。
本番環境では、サポートされているデータベースの1つを使用する必要があります。サポートされているデータベースに関する最新情報については、次の場所にあるOracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成の、サポート対象のデータベースとドライバを参照してください:
http://www.oracle.com/technetwork/middleware/ias/downloads/fusion-certification-100350.html
注意: デフォルトのOracle Service Bus JMSレポート・プロバイダを使用せず、そのためデータベースを構成しない場合は、47.6項「JMSレポート・プロバイダを割当て解除する方法」に示すように、レポート・プロバイダおよびドメイン内の対応するデータ・ソースを割当て解除する必要があります。 |
JMSレポート・プロバイダのデータ・ソースが、次のいずれかの方法でトランザクションをサポートしていることを確認します。構成が不適切であると、例外が発生する場合があります。
サポートされたXAドライバを使用するように、データ・ソースを構成します。
データ・ソースに非XAドライバを使用する場合、データ・ソースの構成で次のオプションを選択してください。
グローバル・トランザクションのサポート
ロギング・ラスト・リソース
ロギング・ラスト・リソース(LLR)の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Server JDBCデータ・ソースの構成と管理』のロギング・ラスト・リソース・トランザクション・オプションに関する項を参照してください。
Oracle Service Busドメインを作成する場合、構成ウィザードではデータベース表が自動的に作成されません。開発環境では、デフォルトのJMSレポート・プロバイダは、指定されたデータベースの表が存在するかどうかを実行時にチェックします。表が存在しない場合、レポート・プロバイダによって表が作成されます。表が存在する場合は、その表が使用されます。
JMSレポート・プロバイダで使用するデータベースは、次のいずれかの方法で指定できます。
Oracle Service BusドメインでレポートSQLスクリプトを実行します。スクリプトの格納場所は、OSB_ORACLE_HOME/dbscriptsです。
構成ウィザードでのドメインの作成時に、レポート・プロバイダのJDBC設定をカスタマイズします。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Service Busインストレーション・ガイド』のOracle Service Busのインストールと構成に関する項を参照してください。Oracle WebLogic ServerでのデフォルトのデータベースであるApache Derbyを開発環境で使用している場合、構成ウィザードでデータベースを指定する必要がありません。
Oracle Service Busのインストールで提供されるJMSレポート・プロバイダ、またはユーザー独自のレポート・プロバイダからレポート・メッセージを受信するには、まずプロキシ・サービスのメッセージ・フローにレポート・アクションを作成する必要があります。レポート・アクションを使用すると、各メッセージから情報を抽出して、それをOracle Service Busレポート・データ・ストリームに書き込むことができます。レポート・アクションには、メッセージから抽出し、Oracle Service Busのレポート・データ・ストリームに追加する情報を指定する必要があります。
レポート・アクションを構成する場合は、キー値を使用してメッセージからキー識別子を抽出します。複数のキーを構成できます。情報は、メッセージの本文からのみでなく、header変数やinbound変数など、メッセージに関連付けられている他のあらゆる変数からも取り込むことができます。メッセージ変数の詳細は、第39章「メッセージ・コンテキスト」を参照してください。
任意のXML要素をキーとして使用できます。
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <poIncoming> <areacode>408</areacode> <item-quantity>100</item-quantity> <item-code>ABC</item-code> <item-description>Medicine</item-description> </poIncoming>
たとえば、図47-3に示すように、キーをitemcode、値を.//item-code
(XPath式)、変数をメッセージ本文(body)と指定できます。
デフォルトのJMSレポート・プロバイダを使用している場合は、キーおよび関連付けられている値が「メッセージのサマリー」表の「レポート・インデックス」列に表示されます。複数のキーを構成した場合は、図47-4に示すように、キーと値の各ペアがカンマで区切られて「レポート・インデックス」列に表示されます。
レポート・アクションの作成または「メッセージの概要」ページの表示方法については、Oracle Service Bus管理コンソールの使い方の次の項を参照してください。
Oracle Service Busドメインでサーバーの実行中にレポート・プロバイダを停止する場合は、次の手順に従います。
Oracle WebLogic Server管理コンソールを起動します。
WebLogic Server管理コンソールにログインした後、「ドメイン構造」で「デプロイメント」をクリックします。「デプロイメントのサマリー」ページが表示されます。
「デプロイメント」表で、停止するレポート・プロバイダの横にあるチェックボックスを選択します。
「停止」をクリックし、リストが表示されたら、適切なコマンドを選択します。
「アプリケーション停止アシスタント」ページが表示されたら、「はい」をクリックします。「デプロイメント」表に、レポート・プロバイダの状態が「準備完了」になったことが示されます。
デフォルトのOracle Service Bus JMSレポート・プロバイダ(またはカスタム・レポート・プロバイダ)を使用しない場合は、ドメイン内で割当て解除する必要があります。
Oracle Service Busドメインを作成すると、構成ウィザードには、デフォルトで、JMSレポート・プロバイダがターゲットとしてデプロイメント・リストに含まれます。デフォルトのJMSレポート・プロバイダおよび関連付けられたデータ・ソースを割当て解除すると、サーバー起動時の無害なJMSレポート・エラーを回避できます。レポート・プロバイダはデータベースにデータを保持するOracle Service Busのモジュールのみです。
開発環境でレポート・プロバイダを無効にした場合、次のコマンドを使用してドメインを起動すると、Apache Derbyデータベースの起動を安全に抑制できます。
startWebLogic.cmd(.sh) noderby
この項では、レポート・プロバイダの割当て解除の様々なオプションを説明します。
注意: レポート・プロバイダがなくても、レポート・アクションを定義できます。ただし、データの書込みは行われません。 |
ドメインの作成前に、Oracle Fusion Middleware構成ウィザードでデフォルトのJMSレポート・プロバイダを割当て解除するには:
構成ウィザードで、「デプロイメントとサービス」および「JMSファイル・ストア」のオプションの構成を選択します。
後続の関連するウィザードのページで、JMSレポート・プロバイダ・アプリケーションおよびwlsbjmsrpDataSource JDBCシステム・リソースを選択解除します。
ウィザードによってドメインが作成されると、サーバーの起動時にどのリソースも割り当てられません。
Oracle Service Busドメインの実行中にレポート・プロバイダを割当て解除するには、次を行います:
Oracle WebLogic Server管理コンソールを起動し、ログインします。
左側のパネルの「ドメイン構造」で、「デプロイメント」をクリックします。「デプロイメントのサマリー」ページが表示されます。
「デプロイメント」表で、割当て解除するレポート・プロバイダをクリックします。レポート・プロバイダの設定ページが表示されます。
「ターゲット」タブをクリックします。
適切なチェック・ボックスのチェックをはずします。
「保存」をクリックします。設定が正常に更新されたことを示すメッセージが表示されます。
レポート・プロバイダを割当て解除した後で、レポート・プロバイダで使用されているデータ・ソースを次のように割当て解除します。
注意: この手順は、レポート・プロバイダで独自のデータ・ソースを使用している場合のみ必須です。Oracle Service BusのインストールでデフォルトのJMSレポート・プロバイダを割当て解除するには、次の手順を実行する必要があります。 |
左側のパネルの「ドメイン構造」で、「サービス」→「JDBC」→「データ・ソース」を選択します。
「JDBCデータ・ソースの概要」ページで、割当て解除するデータ・ソースの名前をクリックします。データ・ソースの設定ページが表示されます。
「ターゲット」タブをクリックします。
適切なチェック・ボックスのチェックをはずします。
「保存」をクリックします。設定が正常に更新されたことを示すメッセージが表示されます。
チェンジ・センターの「変更のアクティブ化」をクリックしてこれらの変更をアクティブ化します。
Oracle Service Busドメインが実行されていない場合は、WebLogic Scripting Tool(WLST)を使用して、Oracle Service BusドメインからJMSレポート・プロバイダを削除できます。WLSTの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool』を参照してください。
レポート・プロバイダを割当て解除するには、次の手順を実行します:
WLSTを使用するための環境をまだ設定していない場合は、『Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Scripting Tool』の「WebLogic Scripting Toolの使用」の、WLSTを使用するための主な手順に関する項を参照してください。
WLST Offlineを起動します。
C:>java com.bea.plateng.domain.script.jython.WLST_offline
構成ウィザードを使用して作成されたドメインを読み取るには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline>readDomain("C:/oracle/user_projects/domains/base_domain")
レポート・プロバイダ・データ・ソースを割当て解除するには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline/base_domain>unassign("JdbcSystemResource", "wlsbjmsrpDataSource", "Target", "AdminServer")
レポート・プロバイダ・アプリケーションを割当て解除するには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline/base_domain>unassign("AppDeployment", "JMS Reporting Provider", "Target", "AdminServer")
ドメインを更新するには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline/base_domain>updateDomain()
ドメインを閉じるには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline/base_domain>closeDomain()
WLSTのコマンド・プロンプトを終了するには、次のコマンドを実行します。
wls:/offline>exit()
Oracle Service BusのJMSレポート・プロバイダを割当て解除すると、Oracle Service Bus管理コンソールの「レポート」モジュールにレポート・プロバイダがデプロイされていないことが示されます。
注意: クラスタでは、JMSレポート・プロバイダはクラスタに割り当てられます。したがって、クラスタでメッセージを表示およびパージするには、少なくとも1つの管理対象サーバーを管理サーバーとともに実行するよう構成する必要があります。管理対象サーバーが実行されていない場合は、レポート・プロバイダが使用できないというメッセージがOracle Service Bus管理コンソールに表示されます。 |
Oracle Service Bus管理コンソールの「レポート」モジュールには、JMSレポート・プロバイダ・データ・ストアによって収集された情報が表示されます。「レポート」モジュールの最初のページには、抽出された情報と、メッセージがデータベースに書き込まれた時刻やメッセージに関連付けられているサービスなどのその他の情報を含む「メッセージのサマリー」表が表示されます。データをフィルタおよびソートすることで、このページに表示される情報をカスタマイズできます。また、エラー情報など、特定のメッセージに関する詳細情報を表示することもできます。
「レポート」モジュールには、メッセージ・データの管理に役立つパージ機能が用意されています。レポート・データストアからすべてのメッセージをパージしたり、時間範囲に基づいてパージしたりできます。
JMSレポート・プロバイダ・データ・ストアにはデータベースが必要です。Oracle WebLogic Serverとともに、Apache Derbyデータベースの評価版がインストールされます。Derbyは開発環境には使用できますが、本番環境には使用できません。Oracle Service Busでは、他のベンダーのデータベースもサポートされています。JMSレポート・プロバイダ・データ・ストアのホストに使用しているデータベースに対して、標準的なデータベース管理手続きを行ってください。詳細は、47.3項「JMSレポート・プロバイダ・ストア用データベースの構成方法」を参照してください。
「レポート」モジュールの詳細は、第28章「レポート」を参照してください。
「操作」ナビゲーション・バーの「レポート」モジュールにある「メッセージ・レポート」をクリックすると、「メッセージの概要」ページが表示されます。このページには、データベース・タイム・スタンプでソートされたレポート・メッセージのリストを示す表があります。
メッセージがフィルタされていない場合、「メッセージのサマリー」表には、データベース・タイム・スタンプに基づいて最大100個の最新メッセージが表示されます。メッセージをフィルタした場合は、最大1000個のメッセージが表示されます。
注意: フィルタは自動的にリセットされません。フィルタは更新またはリセットするまで有効です。 |
表47-1は、「メッセージ・レポートのサマリー」に表示される情報を示します。
表47-1 メッセージ・レポートのサマリー
列名 | 説明 |
---|---|
レポート・インデックス |
メッセージ・コンテキスト変数またはメッセージ・ペイロードから抽出されたキーと値のペアが表示されます。詳細は、47.2項「JMSレポート・プロバイダについて」を参照してください。 |
DBタイムスタンプ |
メッセージがデータベースに書き込まれた時刻を表示します。 |
インバウンド・サービス |
メッセージに関連付けられているインバウンド・サービスを表示します。サービスの名前をクリックすると、「プロキシ・サービスの表示」ページに移動します。 |
エラー・コード |
メッセージに関連付けられているエラー・コードを表示します(存在する場合)。エラー・コードの詳細は、第24章「プロキシ・サービス: エラー・ハンドラ」を参照してください。 |
特定のメッセージを検索するには、「メッセージのサマリー」表で「フィルタ」をクリックして、メッセージの表示をフィルタします。
指定した期間のレポート・メッセージをサービス名、エラー・コード、およびレポート・インデックスでフィルタできます。メッセージをフィルタした後、ページのタイトルは、フィルタされたメッセージのサマリーに変わります。「メッセージのサマリー」フィルタの使用については、28.1項「レポート・メッセージの表示」を参照してください。
レポート・メッセージに関する詳細情報を表示するには、「レポート・インデックス」列でメッセージの名前をクリックします。メッセージの詳細表示ページが表示されます。
「メッセージの詳細を表示」ページには、レポート・メッセージに関する詳細情報が表示されます。
表47-2から表47-7では、レポート・メッセージの詳細ページに表示される情報について説明します。
表47-2 全般的な構成のメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
メッセージID |
このメッセージのユニークなID。 |
データベース・タイムスタンプ |
メッセージがデータベースに書き込まれた時刻。 |
ロギングの時刻 |
メッセージがレポートされたときのサーバー・マシン上の日付と時刻。 |
サーバー名 |
このメッセージが生成されたサーバーの名前。 |
状態 |
このメッセージが生成されたパイプラインの状態。パイプラインは、次のいずれかの状態です。
|
ノード名 |
このメッセージが生成されたパイプライン・ノード。 |
パイプライン名 |
このメッセージが生成されたパイプライン。 |
ステージ名 |
このメッセージが生成されたステージ。 |
表47-3 インバウンド・サービスのメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
名前 |
このメッセージに関連付けられているインバウンド・プロキシ・サービス。インバウンド・プロキシ・サービスは、クライアント・アプリケーションとメッセージを交換します。この名前は、「プロキシ・サービスの表示」ページにリンクされています。このページの詳細は、20.5.1項「「プロキシ・サービスの表示 - 構成の詳細」ページ」を参照してください。 |
URI |
プロキシ・サービスに関連付けられているURI。 |
操作 |
このメッセージに関連付けられているインバウンド操作。操作とは、サービスに関連付けられているメッセージ・フロー内のパイプラインまたはルート・ノードによって実行されるタスクです。 |
表47-4 アウトバウンド・サービスのメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
名前 |
このメッセージに関連付けられているアウトバウンド・ビジネス・サービス。アウトバウンド・ビジネス・サービスは、Oracle Service Busプロキシ・サービスとメッセージを交換します。リンクをクリックすると、「ビジネス・サービスの詳細を表示」ページに移動します。 このページの詳細は、19.5.1項「「ビジネス・サービスの表示 - 構成の詳細」ページ」を参照してください。 |
URI |
アウトバウンド・ビジネス・サービスのエンド・ポイントのURI。 |
操作 |
アウトバウンド・サービスで呼び出される操作の名前。操作とは、サービスに関連付けられているメッセージ・フロー内のパイプラインまたはルート・ノードによって実行されるタスクです。 |
表47-5 レポート・インデックスのメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
レポート・テキスト索引 |
メッセージ・コンテキスト変数またはメッセージ・ペイロードから、レポート・アクションによって抽出されたキーと値のペアが表示されます。詳細は、47.2項「JMSレポート・プロバイダについて」を参照してください。 |
表47-6 フォルトのメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
エラー・コード |
エラーに関連付けられているコード(存在する場合)。詳細は、第24章「プロキシ・サービス: エラー・ハンドラ」を参照してください。 |
理由 |
エラーが発生した理由(存在する場合)。 |
詳細 |
エラーに関連付けられているエラーの詳細。このような詳細情報(存在する場合)は通常、特定のエラーが発生した場所のスタック・トレースです。スタック・トレースは、データベースのサイズ制限に合わせて切り捨てられる場合があります。上限は2048文字です。 |
表47-7 レポート本文のメッセージ情報
メッセージ情報 | 説明 |
---|---|
詳細 |
レポート本文を表示する新しいブラウザ・ウィンドウを開きます。レポート・アクションでXQuery式を使用して、レポート本文のテキストを取り込むことができます。詳細は、21.27項「レポート・アクションの追加」および23.1項「インラインXQueryおよびXPath式の作成と編集」を参照してください。 |
「詳細」では、レポート本文を表示するブラウザ・ウィンドウを開きます。レポート・アクションでXQuery式を使用して、レポート本文のテキストを取り込むことができます。
レポート・データストアからすべてのメッセージをパージしたり、時間範囲に基づいてパージすることができます。メッセージのパージは、Oracle Service Bus管理コンソールで行われる非同期プロセスです。この機能により、パージをバックグラウンドで行いながら、Oracle Service Bus管理コンソールの「メッセージの概要」ページを使用できます。
パージの完了に要する時間は、パージ・キューにあるメッセージの数によって異なります。パージ・プロセス中にレポート・メッセージを検索すると、メッセージの削除の速度が低下します。また、一部のデータのパージがまだ完了していない場合、「メッセージの概要」ページに不正なデータが表示されることがあります。
パージ・プロセスは非同期であり、バックグラウンドで行われるため、Oracle Service Bus管理コンソールには、パージを実行中であることを示すメッセージは表示されません。ただし、パージの実行中に別のユーザーがパージを開始しようとすると、次のメッセージが表示されます。
A Purge job is already running. Please try later.