Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Process Managementモデリングおよび実装ガイド 11g リリース1 (11.1.1.7) B61409-07 |
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この章では、Oracle BPM Studioでビジネス・プロセスを作成および使用する方法について説明します。ここではビジネス・プロセスの全般的な概要を示し、プロセス・エディタ・ウィンドウについて説明します。また、プロセスを作成して使用する手順、およびプロセスでフロー・オブジェクトを使用する手順についても説明します。
この章の内容は次のとおりです。
ビジネス・プロセスは、Oracle BPM Suiteで作成されたプロセスベースのビジネス・アプリケーションのコア・コンポーネントです。ビジネス・アプリケーションのすべてのリソースを含む上位レベルのラッパーがプロジェクトであり、アプリケーションの動作はプロジェクト内のプロセスによって決定されます。
ビジネス・プロセスは一般に、実行後に明確な出力を生成する一連のタスクとして定義できます。
ビジネス・プロセスは一般にプロセス・アナリストによって作成されます。プロセス・アナリストは、対処が必要なビジネス要件を特定して、対応するプロセス・フローを定義します。
このフローは様々なBPMNフロー・オブジェクトによって決定されます。
Oracle BPMでは、プロセスで実行する必要がある作業に応じて異なるタイプのBPMNプロセスを作成できます。表3-1は、Oracle BPMでサポートされている様々なタイプのプロセスを示しています。
表3-1 プロセス・タイプ
プロセス・タイプ | 説明 |
---|---|
同期サービス |
同期サービスは、他のプロセスまたはサービスから同期的に起動できるプロセスです。同期サービスでは、コール側プロセスは、起動されたプロセスが完了するまで待ってから続行します。 |
非同期サービス |
非同期サービスは、他のプロセスまたはサービスから非同期的に起動できるプロセスです。非同期サービスでは、コール側プロセスは、起動されたプロセスが完了するまで待たずに続行します。 |
手動プロセス |
手動プロセスは、ユーザー相互作用を必要とするプロセスです。手動プロセスは開始イベントおよび終了イベントなしで開始および終了します。 |
再使用可能なプロセス |
コール・アクティビティから起動できるプロセスです。再使用可能なプロセスは、コール・アクティビティからのみ起動できます。また、再使用可能なプロセスは、None開始イベントおよびNone終了イベントによっても開始および終了します。 Oracle BPMでは、再使用可能なプロセスは、None開始イベントが1つのみ含まれるものとされています。また、プロセス・フローにイニシエータ・ノードが存在しません。None開始イベントが別のタイプに変更されたり、イニシエータ・ノードがプロセス・フローに追加された場合、このプロセスは再使用可能であるとみなされなくなります。たとえば、イニシエータ・パターンを使用したユーザー・タスクまたは作成インスタンスとして実装された受信タスクがNone開始イベント直後に追加されると、このプロセスは再使用したり別のプロセスからコールすることができなくなります。 |
ビジネス・プロセスはOracle BPMプロジェクト内に作成されます。1つ以上のプロセスをプロジェクトに追加できます。
新しいビジネス・プロセスを作成するには:
プロジェクトを開きます。
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトの・ノードを展開します。
「プロセス」を右クリックして、「新規」の次に「プロセス」を選択します。
作成するプロセスのタイプを選択し、「次へ」をクリックします。
プロセスのタイプの詳細は、3.1.1.1項「プロセスのタイプ」を参照してください。
名前とオプションの説明を入力します。
「OK」をクリックします。
プロセス・エディタで新規プロセスが開きます。
新規ビジネス・プロセスは、デフォルト・シーケンス・フローで接続されている開始および終了イベントを使用して作成されます。開始および終了イベントのタイプは、作成したプロセスのタイプに応じて異なります。
Oracle BPMプロジェクトを開いた後、このプロジェクトに含まれる任意のプロセスを開くことができます。プロセスはプロセス・エディタ・ウィンドウで開きます。
ビジネス・プロセスを開くには:
プロジェクトを開きます。
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクト・ノードを展開します。
「プロセス」を展開します。
開くプロセスをダブルクリックします。
プロセスは、プロセス・エディタ・ウィンドウで開きます。プロセス・エディタでのプロセスの処理の詳細は、3.2項「プロセス・エディタの概要」を参照してください。
プロジェクトからプロセスを削除できます。ただし、削除するプロセスへの参照がプロジェクト内の他の部分に残っていないことを確認する必要があります。
ビジネス・プロセスをプロジェクトから削除するには:
プロジェクトを開きます。
BPMプロジェクト・ナビゲータで「プロセス」を展開します。
削除するプロセスを右クリックし、「削除」を選択します。
「プロパティ」ダイアログを使用して、プロジェクト内のプロセスごとにプリファレンスを編集できます。
プロセス・プリファレンスを編集するには:
BPMプロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトを開きます。
「プロセス」を展開します。
プロパティを編集するプロセスを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
必要に応じてプロパティを編集し、「OK」をクリックします。
注意: プロセスのプロパティを編集するには、プロパティ・インスペクタを使用することもできます。プロパティ・インスペクタを開くには、メイン・メニューから「ビュー」→「プロパティ・インスペクタ」を選択します。BPMプロジェクト・ナビゲータでプロジェクトを選択すると、そのプロセスのプロパティがプロパティ・インスペクタに表示されます。プロパティ・インスペクタの詳細は、1.3.5項「プロパティ・インスペクタ」を参照してください。 |
図3-1は、プロセス・エディタの例を示しています。
各プロセス・エディタの下部には、次の2つのエディタ・タブがあります。
「設計者」エディタ・タブ: キャンバスが表示され、Business Process Management Notation and Modeling(BPMN)を使用してビジネス・プロセスを作成およびモデリングできます。デフォルトでは、プロセスは設計者モードで開きます。
「コラボレーション・ダイアグラム」エディタ・タブ: 会話を介して他のBPMNプロセスおよびサービスを処理できます。
プロセス・エディタという用語は、明示的に他に指定されていないかぎり、エディタの設計者モードを表します。
プロセス・エディタ・ウィンドウでプロセスを開く場合は、キャンバスの上部に表示されるフロー・オブジェクト・ツールバーを使用して、様々なBPM表記を挿入できます。キャンバスの下部にあるステータス・バー上のコントロールを使用して、エラーや警告を表示して修正したり、レイアウトを構成したり、ズーム・レベルを変更できます。また、プロセス・エディタは、「サムネイル」ウィンドウにおけるプロセスのビューと同期化されています。サムネイルの詳細は、1.3.8項「「サムネイル」ビュー」を参照してください。
フロー・オブジェクト・ツールバーおよびドロップダウン・メニュー
フロー・オブジェクト・ツールバーを使用すると、一般的なBPMフロー・オブジェクトに簡単にアクセスできます。フロー・オブジェクトは、ツールバーの次のドロップダウン・メニューから使用できます。
アクティビティ: 「コール」、「ビジネス・ルール」、「送信」などのアクティビティがあります。
対話型: 「ユーザー」、「イニシエータ」などの対話型アクティビティがあります。
通知: 「メール」、「音声」などのアクティビティがあります。
捕捉: 「エラー」、「メッセージ」などのイベントがあります。
スロー: シグナルのスロー、シグナルの終了などのイベントがあります。
ゲートウェイ: 「排他」および「パラレル」があります。
アーティファクト: 「測定」および「シーケンス・フロー」があります。
ドロップダウン・メニューのフロー・オブジェクトは、コンポーネント・パレットで使用されるものと同じです。BPMNフロー・オブジェクトの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド』のBPMNフロー・オブジェクト・リファレンスを参照してください。
コンポジット・エディタを開く
このツールバー・アイテムを使用すると、SOAコンポジット・エディタが開きます。
BPAからリフレッシュ
このツールバー・アイテムは、BPMプロジェクトがBPAリポジトリに格納されているBPMNプロセスに基づいて作成されている場合、有効になっています。
メッセージの表示/メッセージの非表示
このステータス・バー・アイテムは、フロー・プロジェクトで検出される共通の問題を修正するのに役立ちます。このアイテムの使用方法の詳細は、3.4.5項「フロー・オブジェクトのエラーまたは警告を表示および修正する方法」を参照してください。
強調表示レベル
このステータス・バー・アイテムを使用すると、特殊なオーバーレイ記号を使用してプロセスで強調表示されるメッセージの重大度レベルを変更できます。このアイテムの使用方法の詳細は、3.3.2項「プロセスでメッセージの強調表示レベルを変更する方法」を参照してください。
ズーム
このステータス・バー・アイテムを使用すると、プロセスのスケールを変更できます。ズーム・ツールの使用方法の詳細は、3.3.3項「プロセスでズーム・レベルを変更する方法」を参照してください。
「レイアウト」と「グリッドの表示」
これらのステータス・バー・アイテムを使用すると、プロセスで自動レイアウト・ユーティリティを使用および構成したり、グリッド・オーバーレイのオンとオフを切り替えることができます。詳細は、3.3.4項「プロセスでレイアウト・プロパティを構成する方法およびグリッドを使用する方法」を参照してください。
エディタ・ウィンドウでは、プロセスを1つ以上開くことができます。各プロセスは、エディタ・ウィンドウの上部にある「ドキュメント」タブで、プロセス名によって識別されます。処理できる(アクティブにできる)プロセスは、常に1つのみです。
プロセス設計全体はPNGファイルにのみエクスポートできます。
プロセスをエクスポートするには:
イメージとしてエクスポートするプロセスを開きます。
キャンバス上のフロー・オブジェクトが存在しない任意の場所を右クリックし、「プロセス・イメージの生成」を選択します。
「オブジェクト・ファイルの選択」ダイアログで、選択したディレクトリにナビゲートします。
ファイル名を入力して、「OK」をクリックします。
プロセス内のフロー・オブジェクトに対してエラー・メッセージや警告メッセージが表示される場合、プロセス・エディタのフロー・オブジェクト・アイコンが、赤色のエラー記号または黄色の警告記号によってオーバーレイで強調表示されます。
プロセスで強調表示されるメッセージの重大度レベルを変更できます。使用できる強調表示レベルは次のとおりです。
なし: エラーや警告は表示されません。
エラー: エラーのみが表示されます。
警告: 警告とエラーの両方が表示されます。
注意: プロセス・エディタで設定した強調表示レベルが影響を及ぼすのは、アクティブなプロセスのフロー・オブジェクトのみです。他のプロセス・エディタ・タブですでに開かれている他のプロセスは、影響を受けません。ただし、アクティブなプロセス・エディタで設定した強調表示レベルは、その後、同じプロジェクトで新規プロセスを開いたり作成すると、そのすべてに影響を及ぼします。これは、プロセス・レベルで強調表示を変更した時点で、「プロジェクト・プリファレンス」ダイアログの「強調表示レベル」プリファレンスが同じ値に更新されるためです。 プロジェクト内のすべてのプロセスに対して強調表示されるようメッセージの重大度を設定するには、2.2.5項「プロジェクト・プリファレンスを編集する方法」を参照してください。 |
プロセスで表示されるメッセージの強調表示レベルを変更するには:
プロセス・エディタでプロセスを開きます。
ステータス・バーで、強調表示レベルをクリックしてスライダを表示します。
使用するレベルにスライドします。
影響を受けるフロー・オブジェクト上で、エラー記号または警告記号のオン/オフが、設定したレベルに応じて切り替わります。
プロセスでの現在の強調表示レベルは、プロセス・エディタのステータス・バーに表示されるアイコンとラベルにより示されます(エラーの場合には赤色の円にxが表示され、警告の場合には黄色の三角形に!(感嘆符)が表示されます)。重大度レベルが設定されていない場合は、レベル「なし」が表示されます。
プロセス・エディタには3つのステータス・バー・アイテムが提供されており、これらのアイテムを使用して、アクティブなプロセスのスケールを簡単に変更できます。
プロセスでズーム・レベルを変更するには:
プロセス・エディタでプロセスを開きます。
スケールを変更するには、次の方法のいずれかを使用します。
スライダを使用してズーム・レベルを変更します。スケールを100%に戻すには、スライダをダブルクリックします。
現在のパーセント値の横にあるドロップダウン矢印をクリックして、別のパーセント・ズーム・レベルを選択します。
スケールを100%に戻すには、「ズームのリセット」アイコンをクリックします。
自動レイアウト・ユーティリティを使用するようプロセスを構成できます。自動レイアウトがオンの場合は、フロー・オブジェクトがプロセスに追加されると、JDeveloperにより配置の位置合せが自動的に行われ、フロー・オブジェクトが上下または左右に並べて表示されます。自動レイアウトがオフの場合は、プロセスのバックグラウンドで横線や縦線のグリッドを使用して、フロー・オブジェクトの位置合せに活用できます。
プロセスでレーンの最適化をアクティブ化することもでき、可能な場合にこれを行うと、JDeveloperによりすべてのアクティビティが指定した他のレーンに移動されて、不要なレーンが削除されます。
プロセスで自動レイアウト・ユーティリティを使用し、レーンを最適化するには:
プロセス・エディタでプロセスを開きます。
ステータス・バーで、「レイアウト」をクリックします。
ポップアップが開きます。最初のボタンには「オフ」または「オン」のいずれかが表示されており、これは自動レイアウト・ユーティリティの現在の状態を表します。
「オフ」をクリックして自動レイアウト・ユーティリティをオンにするか、または「オン」をクリックしてオフにします。
自動レイアウトがオンになっている場合は、「レーンの最適化」を選択して、非対話型アクティビティを持つ対話型ロールをプルーニングします。
レーンの最適化は、自動レイアウト・ユーティリティがオンになっている場合にのみ機能します。
自動レイアウトがオフになっている場合は、「レイアウトを1回実行」をクリックすると、プロセスおよびプロジェクトで自動レイアウト・ユーティリティをオンにしなくても、プロセス内のフロー・オブジェクトの位置合せが自動的に行われます。
プロセスでグリッドを使用するには:
プロセス・エディタでプロセスを開きます。
ステータス・バーで、「グリッドの表示」を選択してプロセス設計にグリッドを追加します。
グリッドをオフにするには、「グリッドの表示」を選択解除します。
注意: 「レイアウトを1回実行」ユーティリティを除き、レーンの最適化、自動レイアウトまたはグリッドをプロセスでアクティブ化または非アクティブ化すると、「プロジェクト・プリファレンス」ダイアログの類似する構成設定が、同時に同じ値に更新されます。これは、ダイアログやプロセス・エディタのステータス・バーでいずれかのプリファレンスを変更するまで、プロジェクト内のすべてのプロセスで同じ設定が使用されることを意味します。 プロジェクトでレイアウトまたはグリッドのプリファレンスを設定するには、2.2.5項「プロジェクト・プリファレンスを編集する方法」を参照してください。 |
次の各項では、プロセスにフロー・オブジェクトを追加するためのタスクを示し、プロセス・エディタ内でフロー・オブジェクトを使用する方法について説明します。
BPMNフロー・オブジェクトの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド』のBPMNフロー・オブジェクト・リファレンスを参照してください。
BPMNフロー・オブジェクトはコンポーネント・パレットから追加できます。
コンポーネント・パレットからフロー・オブジェクトを追加するには:
フロー・オブジェクトを追加するプロセスを開きます。
「ビュー」メニューから「コンポーネント・パレット」を選択します。
コンポーネント・パレットで、追加するフロー・オブジェクトをクリックします。
プロセス・エディタで、フロー・オブジェクトを追加するプロセス内のポイントにカーソルを置きます。
クリックして、フロー・オブジェクトを追加します。
必要に応じて、表示されるダイアログでフロー・オブジェクトのプロパティを編集し、「OK」をクリックします。
特定のフロー・オブジェクト・プロパティの詳細は、フロー・オブジェクトのオンライン・ヘルプを参照してください。
プロセス・エディタ・ツールバーには、コンポーネント・パレットで使用されるものと同じBPMNフロー・オブジェクトに対するドロップダウン・メニューが含まれています。これは、プロセス・エディタ・ウィンドウを全画面モードに最大化したため、フロー・オブジェクトを追加するのにコンポーネント・パレットを使用できない場合に役立ちます。
プロセス・エディタ・ツールバーからフロー・オブジェクトを追加するには:
フロー・オブジェクトを追加するプロセスを開きます。
ツールバーで、追加するフロー・オブジェクト・アイコンの横にあるドロップダウン矢印をクリックします。次に、ドロップダウン・メニューからオブジェクトを選択します。
ツールバーのメニュー・アイコンが、選択したオブジェクトのアイコンに変わります。カーソルも同じアイコンに変わります。選択したオブジェクトをプロセスに追加しないで選択解除するには、[Esc]を押します。
プロセス・エディタ・キャンバスで、フロー・オブジェクトを追加するプロセス内のポイントにカーソルを置き、クリックして挿入します。
必要に応じて、表示されるダイアログでフロー・オブジェクトのプロパティを編集し、「OK」をクリックします。
特定のフロー・オブジェクト・プロパティの詳細は、フロー・オブジェクトのオンライン・ヘルプを参照してください。
注意: ドロップダウン・メニューから最後に選択したオブジェクトが、このメニューに対するデフォルトの選択されたオブジェクトとなります。デフォルト・オブジェクトは、ツールバーのメニュー・アイコンによって示されます。これにより、次回このメニュー・アイコンをクリックしてキャンバスをクリックしたときに、デフォルト・オブジェクトがプロセスに追加されます。 |
BPMNフロー・オブジェクトは、プロセス・エディタ・キャンバス上のコンテキスト・メニューを使用して追加できます。
コンテキスト・メニューからフロー・オブジェクトを追加するには:
フロー・オブジェクトを追加するプロセスを開きます。
フロー・オブジェクトを追加するプロセス内のポイントにカーソルを置き、右クリックします。
コンテキスト・メニューから「アクティビティの追加」を選択し、次に、サブメニュー「タスク」、「サブプロセス」、「イベント」、「ゲートウェイ」のいずれかから、フロー・オブジェクトを選択します。
追加したフロー・オブジェクトを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
必要に応じて、表示されるダイアログでフロー・オブジェクトのプロパティを編集し、「OK」をクリックします。
特定のフロー・オブジェクト・プロパティの詳細は、フロー・オブジェクトのオンライン・ヘルプを参照してください。
「プロパティ」ダイアログを使用して、プロセス内の各フロー・オブジェクトのプロパティを編集できます。
フロー・オブジェクトのプロパティを編集するには:
編集するフロー・オブジェクトが含まれるプロセスを開きます。
フロー・オブジェクトを右クリックして、「プロパティ」を選択します。
必要に応じてプロパティを編集し、「OK」をクリックします。
注意: イベントやアクティビティのプロパティを編集するには、プロパティ・インスペクタを使用することもできます。プロパティ・インスペクタを開くには、メイン・メニューから「ビュー」→「プロパティ・インスペクタ」を選択します。プロパティ・インスペクションに参加するフロー・オブジェクトを選択すると、そのオブジェクトのプロパティがプロパティ・インスペクタに表示されます。プロパティ・インスペクタの詳細は、1.3.5項「プロパティ・インスペクタ」を参照してください。 |
プロセスまたはプロセス内のオブジェクトにエラーや警告が発生すると、BPMプロジェクト・ナビゲータのプロセス・アイコンまたはプロセス・エディタのフロー・オブジェクト・アイコンに、エラーを表すxを含む赤色の円記号または警告を表す!(感嘆符)を含む黄色の三角形記号が表示されます。
プロセス・エディタでは、ステータス・バーの上部にあるメッセージ領域を使用して、フロー・オブジェクトに関連するエラー・メッセージおよび警告メッセージを表示したり、プロセス内のすべてのエラーや警告のリストを表示できます。その後、修正提案を使用できる場合は、修正する問題を選択できます。
フロー・オブジェクトのエラーまたは警告を表示して修正するには:
エラーや警告が発生したフロー・オブジェクトを含むプロセスを開きます。
必要に応じて、プロセスで強調表示されるメッセージの重大度レベルを変更します。詳細は、3.3.2項「プロセスでメッセージの強調表示レベルを変更する方法」を参照してください。
ステータス・バーで、表示(メッセージなし)をクリックします。
図3-3に示すように、ステータス・バーの上部にメッセージ領域が開きます。この領域は、プロセスでまだオブジェクトが選択されていないため、グレー表示されています。
エラーまたは警告の記号を含むフロー・オブジェクトを選択します。
図3-4に示すように、選択したフロー・オブジェクトに関連するメッセージがメッセージ領域にリストされます。エラーの場合にはxを含む赤色の円記号、警告の場合には!を含む黄色の三角記号が表示されます。
修正提案を使用できるものについては、メッセージの横のマージンに電球アイコンが表示されます。すべての問題に修正提案が表示されるわけではありません。たとえば、実装が存在しないノード、またはユーザー・タスク・プロパティやデータ・アソシエーションに問題があるノードの場合は、修正提案が表示されます。
適用可能な場合、メッセージの横のマージンに表示されている電球アイコンをクリックします。
ポップアップが開き、問題に対して使用可能な1つ以上の修正提案が表示されます。
ポップアップの修正提案を選択します。
適用可能な場合、次のいずれかを実行します。
ダイアログが開く場合は、必要に応じて変更を行い、「OK」をクリックします。
複数の開始イベントまたは無条件送信シーケンス・フローが存在する場合、要求されたら保持するものを選択します。
注意: 問題のあるすべてのフロー・オブジェクトに対するすべてのエラーと警告を表示するには、メッセージ領域がすでに展開されているプロセス・エディタで選択されたオブジェクトを選択解除します。メッセージ領域が非表示になっている場合は、プロセス内のオブジェクトを何も選択しないで「表示」をクリックします。 |
フロー・オブジェクトがドラフトとしてマークされている場合、これは、このオブジェクトにデータ・オブジェクト値を設定できるデフォルトの実装があることを意味します。プロセスにおいてドラフト・フロー・オブジェクトは、デフォルトのカラー・アイコンの場所にグレーのアイコンが表示されることによって示されます。
ドラフトとしてマークされたフロー・オブジェクトは未実装とみなされます。ただし、ドラフト・フロー・オブジェクトが含まれたプロセスをデプロイすることは可能ですが、警告が発行されます。
ドラフトとしてマークできるのは、イベントおよびアクティビティのみです。実装がすでに定義されているイベントやアクティビティもドラフトとしてマークできます。ただし、既存のデータ・アソシエーションは、ドラフト・ステータスを変更すると、実装で削除されます。
ドラフト・フロー・オブジェクトにおけるデータ・オブジェクトは、「データ・アソシエーション」ダイアログでカスタム割当てを使用して初期化できますが、実装引数をダイアログで使用することはできません。ドラフト・フロー・オブジェクトでデータ・アソシエーションを定義しようとすると、図3-5に示すように、「データ・アソシエーション」ダイアログの上部にエラー・メッセージが表示されます。
データ・オブジェクトおよびデータ・アソシエーションの詳細は、第8章「プロセス設計の情報の処理」を参照してください。
フロー・オブジェクトをドラフトとしてマーク/マーク解除するには:
編集するフロー・オブジェクトが含まれるプロセスを開きます。
マークするフロー・オブジェクトを右クリックして、「ノードをドラフトとしてマーク」を選択します。
フロー・オブジェクト・アイコンの色がグレーに変わります。
フロー・オブジェクトをマーク解除するには、アイコンを右クリックして、「ノードのドラフトのマークを解除」を選択します。
フロー・オブジェクトの色が元の色に戻ります。
注意: フロー・オブジェクトの「プロパティ」ダイアログにある「ドラフト」チェック・ボックスを使用して、フロー・オブジェクトのドラフト・ステータスを切り替えることもできます。「プロパティ」ダイアログの使用方法の詳細は、3.4.4項「フロー・オブジェクト・プロパティを編集する方法」を参照してください。 |
プロセス内またはプロセス間で、1つ以上のフロー・オブジェクトをコピーして貼り付けることができます。シーケンス・フロー、境界および測定は、次の条件がすべて満たされる場合にのみコピーされることに注意してください。
遷移、境界および測定が選択されている場合
遷移、境界および測定が添付されているすべての要素も、コピー対象として選択されている場合
注意: イベント・サブプロセス内のオブジェクトをコピーして貼り付けることはできません。 |
プロセス内でフロー・オブジェクトをコピーして貼り付けるには:
コピーするフロー・オブジェクトが含まれるプロセスを開きます。プロセス間でコピーする場合は、両方のプロセスを開きます。
次のいずれかを実行します。
コピーするフロー・オブジェクトをクリックして選択します。
複数のフロー・オブジェクトを選択するには、[Ctrl]を押したまま各オブジェクトをクリックします。
フロー・オブジェクトのグループの周囲でカーソルをクリックしてドラッグし、オブジェクトを選択します。クリックしてドラッグすると、ボックスがキャンバス上に描画されます。
右クリックして「コピー」を選択します。
「コピー」がコンテキスト・メニューに表示されない場合、これは、選択したオブジェクトがコピー不可であることを意味します。
コピーしたフロー・オブジェクトを挿入するプロセスに、ナビゲートします。
新規のフロー・オブジェクトを追加するプロセス・キャンバス内の空白の場所で、右クリックして「貼付け」を選択します。
スイムレーンの外に貼り付ける場合は、新規ロールがプロセスに追加され、新規フロー・オブジェクトがそこに貼り付けられます。ロールとスイムレーンの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド』のBPMNフロー・オブジェクト・リファレンスを参照してください。
必要に応じて、「レイアウト」ポップアップの「レイアウトを1回実行」ユーティリティを使用し、オブジェクトの位置合せを自動的に行います。プロセス・エディタの自動レイアウトの詳細は、3.3.4項「プロセスでレイアウト・プロパティを構成する方法およびグリッドを使用する方法」を参照してください。
新規ビジネス・プロセスは、シーケンス・フローによってすでに接続されている開始イベントおよび終了イベントを使用して作成されます。フロー・オブジェクトをプロセスに追加するときには、シーケンス・フローに沿って任意の場所にオブジェクトを追加すると、JDeveloperにより、この新規オブジェクトが自動的にフローに接続されます。
ただし、独自のシーケンス・フローが適用可能で必要な場合には作成できます。たとえば、2つの条件シーケンス・フローおよび1つのデフォルト・シーケンス・フローを含むゲートウェイを追加する必要がある場合があります。
シーケンス・フローおよびゲートウェイによるプロセス・フローの制御の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド』のBPMNフロー・オブジェクト・リファレンスを参照してください。
シーケンス・フローで使用される矢印線のスタイルを変更したり、接続されたオブジェクトをあるシーケンス・フローから別のシーケンス・フローへ移動することもできます。
シーケンス・フローを使用して2つのオブジェクトを接続するには:
プロセスを開きます。
コンポーネント・パレットで「アーティファクト」を展開して、「シーケンス・フロー」をクリックします。
プロセス・エディタで、送信シーケンス・フローが開始する最初のオブジェクト上にカーソルを置きます。
送信シーケンス・フローが開始できるオブジェクト上では、カーソルが+(プラス記号)に変わります。たとえば、送信フローはゲートウェイ・オブジェクトから開始できますが、送信フローがすでに含まれている開始イベントからは開始できません。
クリックしてシーケンス・フローの開始を指定してから、シーケンス・フローが終了する必要がある2番目のオブジェクトまでカーソルをドラッグします。
カーソルをドラッグすると、先端に矢印の付いた線がキャンバスに描画されます。カーソルが受信シーケンス・フローを配置できるオブジェクト上に置かれると、+(プラス記号)が表示されます。
クリックして、シーケンス・フローの終了を指定します。
デフォルトでは、2つのオブジェクトは直交スタイルのシーケンス・フローによって接続されます。
シーケンス・フローのスタイルを変更するには:
プロセスを開きます。
変更するシーケンス・フローの線を右クリックします。
コンテキスト・メニューから「スタイル」を選択して、次に、「直線」、「曲線」または「直交」を選択します。
選択した線の既存のスタイルは、コンテキスト・サブメニューでグレー表示されています。
接続したオブジェクトをあるシーケンス・フローから別のシーケンス・フローに移動するには:
プロセスを開きます。
移動する接続されたオブジェクトをクリックします。
シーケンス・フローで接続されたオブジェクトには、受信および送信の接続フローがすでに含まれています。
オブジェクトをプロセス内の新規のポイントにドラッグします。
この新規のポイントは、同じプロセス内の別のシーケンス・フローに含まれている必要があります。ターゲット・フローが青色に変わると、ドラッグしたオブジェクトをその新規のポイントに挿入できることを示します。
適切なターゲット・シーケンス・フローを配置したら、カーソルを解放します。
選択したオブジェクトが元のシーケンス・フローから切断され、ターゲット・シーケンス・フローに再接続されます。
Oracle BPMを使用して、ドラフト・プロセスを作成およびデプロイできます。
ドラフト・プロセスとは、実装が未定義のフロー・オブジェクトを1つ以上含むプロセスです。ドラフト・プロセスをデプロイすると、プロセス内で完了している部分をテストできるため、すべてのフロー・オブジェクトが実装されるのを待機する必要がありません。ドラフト・プロセスを作成するには、プロセス内の1つ以上のフロー・オブジェクトをドラフトとしてマークします。
フロー・オブジェクトをドラフトとして構成すると、そのフロー・オブジェクトのデータ・アソシエーションは構成できません。すでにデータ・アソシエーションを割り当てたフロー・オブジェクトをドラフトとしてマークすると、データ・アソシエーションは失われます。
ドラフト・フロー・オブジェクトの実装の詳細を定義できます。ただし、これは必須ではありません。ドラフト・フロー・オブジェクトに実装が定義されていなくても、プロジェクトの検証時にエラーは発生しません。
ドキュメント・エディタには、ツールバーと、プロセスやプロセス内のフロー・オブジェクトのドキュメントを入力できるエディタ・ペインが含まれています。
Oracle BPMでは、異なる2つのタイプのドキュメントを作成できます。
図3-6は、ドキュメント・エディタを示しています。
ドキュメント・エディタには、ツールバーおよびテキスト・エディタ・ウィンドウが含まれています。ツールバーでは、作成するドキュメントのタイプを選択できます。また、製品に追加の言語を定義した場合は、言語を選択できます。
ドキュメント・エディタ・ツールバーの詳細は、オンライン・ヘルプを参照してください。
ドキュメント・エディタを使用して、ドキュメントをプロセスに追加できます。
ドキュメント: これは、プロセス・ワークスペース・アプリケーションでプロセス参加者に表示されるドキュメントです。
ユース・ケース・ドキュメント: これは、ビジネス・プロセスの更新時にプロセス・アナリストおよびプロセス開発者に表示されるドキュメントです。
プロセス内のフロー要素にドキュメントを追加するには:
ドキュメントを追加するプロセスを開きます。
「ビュー」メニューから「ドキュメント」を選択します。
ドキュメント化するプロセス内のフロー・オブジェクトを選択します。
ドロップダウン・リストから、追加するドキュメントのタイプを選択します。
ドキュメントを入力します。
「ファイル」メニューから、「保存」を選択して変更を保存します。
Oracle BPM Studioを使用して、他のプログラムで作成されたプロセス・モデルをインポートしたりエクスポートできます。
Oracle BPM Studioを使用すると、プロセス・モデルをインポートしてBPMN表記に変換できます。次のフォーマットでプロセス・モデルをインポートできます。
Visio
ワークフロー
XPDL
Oracle Tutor(ファイルは.docx拡張子を使用して保存されます)
VisioまたはXPDLのプロセスを変換するときには、正確に変換されるように、変換前にプロセスの変更が必要となる場合があります。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Process Management Business Process Composerユーザーズ・ガイド』のBPMNにインポートするためのプロセスの準備に関する項を参照してください。
注意: 元のファイルにBPMNでサポートされていないプロパティやアーティファクトが含まれている場合、サポートされていない要素は変換されず、最終のBPMNプロセスから省略されます。 たとえば、元のファイルの標準アクティビティにループ特性(この特性はBPMNでサポートされていません)が含まれている場合、変換後のBPMNプロセスにはループ特性が含まれません。 |
プロセス・モデルをインポートするには:
アプリケーション・プロジェクト・ナビゲータを開きます。
プロジェクト・ナビゲータで、プロジェクトを右クリックしてから「モデルのインポート」を選択します。
ローカル・ファイル・システムでインポートするファイルを参照して、「OK」をクリックします。
複数ファイルを選択して同時に変換できますが、すべて同じタイプのファイルである必要があります。
「OK」をクリックします。
変換後、プロセスを開いて内容を確認します。
注意: 変換されたプロセスには、アプリケーション・プロジェクト・メニューからアクセス可能です。 |
Oracle BPM Studioを使用して、BPMNプロセスをOracle Tutorにエクスポートできます。これらのファイルはMicrosoft Word(.docx)ファイルとしてエクスポートされ、Oracle Tutorフォーマットを含みます。
BPMNプロセスをOracle Tutorにエクスポートするには:
アプリケーション・プロジェクト・ナビゲータを開きます。
プロジェクトまたはプロセスを右クリックして、「Oracle Tutorにエクスポート」を選択します。
「保存」をクリックして、ローカル・ファイル・システムにファイルを保存します。
Oracle Tutorファイルは、プロセスが手順ごとに記述されたテキスト・バージョンのファイルです。個別のプロセス・ファイルには、変換中に変更されたすべてのオブジェクトの変換ノートが含まれています。